EP16 青空と地獄のブートキャンプ pt1
投稿者: レーゲンバレット応援隊
日時: 2055/06/06 21:00
BSOファンのみんな、集まれ! 第15話のあらすじドロップ! レースの熱さと試験の青春、最高! ネタバレ注意な!
【あらすじ】
予選ラウンドのサバイバルレース(ナビ無し、回復無し)が開幕! バウンドフィッシャーズが「土地勘舐めるな!」でトップ独走、ホーミングランサーとゲインシールドでバトルを制覇! レイナの「栄光の架け橋!」実況とジョージのアフロで観客熱狂! ヨシトと美浦は試験(教育自由化論文)でログアウト、ふくろうスクールの自由教育(平等院家の焼身自殺)を学ぶ。バウンティドラゴンズ(中国のトリッキー配信者)が1回戦の対戦相手に決定! 供花の「小泉塾」ブートキャンプが始動、2泊3日の地獄訓練が待つ! ノーブレス・アンノウンは最後の1枠で不気味に進出…何企んでる!?
翌日の晴れた日、義人たちを乗せたマイクロバスが高速道路を走る。
これから選ばれた10人は供花主導の宿泊補習授業プログラム「小泉塾」へ向かっている。
「はーい、今回の小泉塾は来月の全国大会へ向けた、デジタルスポーツ訓練プログラムを中心に行います」
供花によれば、毎年6月に行われる「全国フリースクール対抗デジタル体育祭」に向けてふくろうスクール代表チームの結成と訓練を行うという。
「しかも、藤宮くんと明石さんが世界トッププレイヤーから推薦を受けていたため、千葉県教育委員会から今年の体育祭の出場枠を確保してくれました」
そう、義人たちがマイクたちから推薦を受けたことで、県教育委員会は特別枠として全国大会への出場を決定したのだ。
この背景には、日本デジタルアクティヴィティ協会・通常JDASが関わっていた。
Japan Digital Activity Section、日本デジタルアクティヴィティ協会は日本のデジタルスポーツやアクティヴィティコンテンツの普及とデジタルアスリートの育成に力を注ぐ公益財団法人。
ふくろうスクールを始めとしたデジタル教育に注力する教育機関への支援や、プロアスリートの支援基金構築と言った活動をメインにしている。
そうこうしている内に、
「到着したわ。あそこが南天堂デジタルアスリートカレッジ」
勝浦市の海沿いに面した大きな施設は見えた。
全国5箇所で運営している南天堂デジタルアスリートカレッジ。
北は北海道、南は長崎と全国で開設し、未来のデジタルアスリートを数多く輩出している。
デジタルからフィジカルのトレーニング設備が充実し、BBQ施設やグランピングサイト式宿舎も完備した夢の施設だった。
南天堂がデジタルアスリートに力を注ぐのは、南天堂メテオールというプロアスリートチームを保有しているため。
「さぁ、各サイトに番号を振り分けておいたから荷解きを済ませて30分後に第1トレーニングルームへ集合! それまで解散!」
供花に言われて、チームメンバーはそれぞれの宿泊サイトへと移動した。
義人と美浦はコテージ風のサイトに決まっていた。
供花から渡された鍵をタッチして扉を開けると、そこにはシングルベッドが2つ並び、奥にはVRシステムが2代並んでいた。
「さすが南天堂、こんな施設もあるのか!」
「よしくん、今日はどうするの?」
「自主トレも兼ねてBSOにログインしますか!」
そう言うと早速システムに座ってBSOにログインする二人。
ロビーに入ると、バトルトーナメントの開催日時が決まっていたことを告げていた。
「みなさーん! 大変長らくお待たせいたしました! 本日はお待ちかね、バトルトーナメントの開催日時の発表です!」
レイナはビジョンボードを指差す。
日程は5月27日から30日まで。
合宿の日程が終わって2日後に開かれるという。
「最大の注目株は、こちら!!」
レイナは注目のチームを発表する。
「1つ目は、最早世界一を取ること間違いなし!? 世界が注目する学生MAV、稲毛アウルズ!!」
既にレイナから注目されていると知って驚きを隠せないヨシととフォーミン。
「2つ目は、大洗の漁師として名を馳せ、自分たちが開発した新技術アピールに注目される荒くれ漁師コンビ、バウンドフィッシャーズ!」
バウンドフィッシャーズは家業の手伝いがあるため、ログインしていない。
しかし、レイナから注目されることは大いに称賛できる。
「そして、どういった手段で勝ち残ったのか一切不明! その正体は何者か!? 本大会のダークホース、ノーブレス・アンノウン!!」
ノーブレス・アンノウンも既に戦う準備を始めていた。
「おい、彼奴等一体どんなイカ様してきたんだ?」
「噂じゃ、とんでもないグリッチを使ったって聞いてるぜ」
ノーブレス・アンノウンに対する憶測や噂が飛び交う中、
「よし、それじゃぁ、練習試合の用意を済ませますか」
稲毛アウルズはとりあえずMAVデュエルの対戦申し込み許可ボタンを押した。
すると、われこそはというMAVたちが名乗りを上げて申し込んでくる。
「よし、全員まとめてだ!」
稲毛アウルズはすべての申込みを承認する。
これが後に「稲毛アウルズの200連勝」としてBSO公式掲示板の看板記事として書かれることになった。
「それで? ぎりぎり間に合った割にはお楽しみでしたね?」
供花に怒り混じりの笑顔を見せられ、義人と美浦は震え上がる。
「そんな君達に先生から特別プログラムを行うよ?」
その特別プログラムは、
「全員、自分自身に打ち勝ちなさい!!」
自分たちのアバターデータに、マイクとミシェルの戦術パターンを組み込んだ模擬戦プログラムとの団体戦だった。
「ホラホラホラホラ! そんな程度じゃ、クリスマスどころか、体育祭で勝てないわよ!!」
かなり攻めた訓練プログラムに、
「藤宮! 後でスポドリ奢れよ!!」
「私はいちごのショートケーキ!!」
と、チームメンバーからクレームが義人に飛んできた。
「そう言うなって!!」
そんなこんなで初日の午前プログラムは終了した。
「午後2時には座学を予定しているから、それまでは自由時間とする!」
昼食は地元の海鮮や肉野菜を使った極上のBBQ。
チームメンバーたちはコーラで乾杯してねぎらった。
「さて、藤宮はバトルトーナメントに出るんだよな?」
「優勝したらTGBMGCのランウェイを歩けるんだってな!!」
メンバーたちからバトルトーナメントについて聞かれる義人と美浦。
「私も、憧れのランウェイを歩けたら、こんなにいい思い出になると思うよ!」
美浦はキャルビスを飲み干して鯵の干物を焼き始める。
肉の焼ける音と炭の香りが辺り一面に広がる。
若者たちの笑い声が青い空に響き渡る。
そして、午後2時。
「では、基礎学科の授業を行う。 カンニングしたら先生特製スムージーをあげちゃうぞ」
供花が狂気の笑みを浮かべる。
彼女の作るスムージーは野菜やプロテイン粉末などをこれでもかと言わんばかりかつ、絶妙な比率で作ったふくろうスクール在学生に伝わる伝説級の代物。
一口飲めばとんでもないことが起きるほどの味で、中にはあまりの味にトイレに長蛇が出来ると言った記録を叩き出している。
そのスムージーを飲みたくないと、心に誓う義人たち。
「しかも、今回は地元の新鮮な魚介も使ってるから期待してね」
その言葉に、義人と美浦たちが顔を真っ青にした。
あれを飲みたくないと言わんばかりに、生徒たちはカンニングをやらないことにした。
それが功を奏したのか、供花のスムージーづくりは阻止され、生徒の胃袋は守られた。
夕方、チームメンバーたちが海岸へと集まった。
初日の夜は、海岸で肝試しをするのが小泉塾の伝統だった。
次回はドキドキの肝試し大会!!
美浦は義人と〇〇する!?
こうご期待!!