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バトルステーツ・オンライン〜若き番のゲーマー、世界へ羽ばたく〜  作者: 騎士誠一郎
若き能ある番のふくろうよ、その爪を隠して頂を目指せ
15/29

EP15 駆け出せ、栄光の架け橋から更に向こうへ

投稿者: アウルズ応援団

日時: 2055/05/30 22:00

BSOファンのみんな、集まれ! 第14話のあらすじドロップ! ヴィランの暗雲とレースの熱さ、ヤバすぎ! ネタバレ注意な!

【あらすじ】

村瀬かずおの「平等なる痛み」計画が炸裂! 国民共産党の暗号通信サミットで、世界共産党がTGBMGC妨害を画策。詐欺師・三奈木俊永(12億詐欺)の「ゲロやば」口調と派手メイク、ヒロアカのヴィラン並み! 対馬のフェミニストチームも参戦、毒親と没落エリートの教育自由化反対が不穏。BSOでは予選ラウンドのサバイバルレース(ナビ無し、回復無し)が発表! バウンドフィッシャーズと不気味なノーブレス・アンノウンが注目株。レイナの「じゃじゃ~ん!」と進藤ジョージのアフロ実況で、空中闘技場が熱狂! ヨシトと美浦は観客席で「ナビなしきつい」と語るが…次話でバトル復帰!?



 各チームはスタート地点である都市遺跡に並ぶ。

 

 総勢34チーム。

 

 この中から決勝トーナメントへ進めるのは8チームのみ。

 

 ナビ無し、回復スキル無しのサバイバルレース。

 

「それではみなさん、お覚悟は?」

 

 レイナが参加者たちに問いかける。

 

 この場にいた者たちは皆、脱落を承知でここに来ている。

 

「それでは、栄光の架け橋へ目指して、スタート!」

 

 レイナがスタートシグナルを出す。

 

 参加者全員が一斉に飛び出した。

 

「始まりました、予選ラウンド・サバイバルレース! この広大なフィールドに設置された3つのチェックポイントを通過し、ゴールの天空コロシアムへの転送ポートへと目指してもらいます!」

 

 レイナが実況し、

 

「つまり、チェックポイントにたどり着かないと、脱落者が出ると言っても、過言ではありませんね」

 

 ジョージが付け加える。

 

 そんな会話が響く中、トップを走るのはバウンドフィッシャーズ。

 

「海の男の、」

 

「土地勘を舐めるなよ!」

 

 幼い頃から船乗りとして知識を培ったバウンドフィッシャーズ。

 

 仮想空間でも感じる風の向きと土地勘を武器に、早くもトップに躍り出た。

 

 流石に実力は折り紙付きで、稲毛アウルズとの再戦を期待できる。

 

「おーっとここで早くもバトルが発生しています!」

 

 レイナがモニター越しに見つめているのは、他のチーム同士のバトル。

 

「ホーミングランサー!」

 

 ライフルから光の穂先が飛び出し、

 

「ゲインシールド」

 

 落ちていた瓦礫で即席の盾を作って防ぐ。

 

 そんなバトルがあちこちで起きていた。

 

「このレースは、MAV同士のつぶしあいも許可されているので、邪魔な相手を叩き潰すも良し、無視してゴールまで行くも良し!」

 

「いかにしてダメージを受けずにHPを温存しつつゴールまでたどり着けるかが勝負の分かれ目ですね」

 

 レイナとジョージのトークで盛り上がる観客席。

 

 ヨシとは、フォーミンといっしょに観戦席を離れた。

 

「あ、そうか。明日は定期試験!」

 

「そういうことだ。今回の論文は教育のあり方についてだからな」

 

 ふくろうスクールでは、半年おきに定期試験が行われ、成績次第では南天堂などの企業就職に役立つかもしれない。

 

 しかも、前期試験で出される論文のテーマは「社会と教育のあり方」。

 

 2045年に起きた「最後の進学競争」をテーマに論文を書く。

 

 ヨシととフォーミンは一旦ログアウトした。

 

「父さん、なにか論文のねたになる本はない?」

 

 義人は、リビングで幸太郎に論文の参考資料になる本がないか聞いてみた。

 

「そうだな。これなんかおすすめだ」

 

 そう言って幸太郎は義人のパソコンにある本を転送した。

 

 義人は部屋に戻ってパソコンを起動すると1冊の本が届いていた。

 

「三国掃除著・教育の多様化と就学義務の終焉」

 

 これは、2030年代前半から2040年代まで続いた「教育の自由化運動」をテーマにしたベストセラー。

 

 早速読んでみる義人。

 

 内容によると、2033年にフリースクール構想が全国各地で広がり始め、大学入試や高校入学と言ったいわゆる「受験」の概念が衰退を始めた。

 

 それを快く思っていないエリート主義者たちが、「教育理念を覆す重罪行為」として、抗議デモを活発化させた。

 

 それでも、教育の自由化への関心と政府が支援に乗り出す動きはとどまることを知らなかった。

 

 2039年のこと、そんな時代の波の飲み込まれ没落した平等院家当主家族が「政府が教育の自由化を始めた! これは伝統への冒涜だ!!」といって、自分たちに火を放ち、焼身自殺を図った。

 

「そんなことが……」

 

 そう言いながら論文を書き上げる義人。

 

 それから5年後の2044年、「最後の進学競争」として社会教科書にも掲載された全国大学入試テストは既に形骸化が進行し、ついには簡単な質問に答えるだけの粗末な問題用紙になっていたという。

 

 こうした教育の自由化による義務教育や英才教育の衰退は、良家や名門と言った看板が音を立てて崩れ落ち、代わりに自分の個性を活かして輝く時代が訪れたという。

 

「これでよし。後は基礎学科問題対策をするだけだ」

 

 義人はそう言って他科目の対策勉強を始めた。

 

 そのとき、レイナから緊急の通知が届いた。

 

 開いてみると、

 

「じゃじゃ~ん! 見事に予選を勝ち抜き、本選への切符を掴んだチームが出揃いました!!」

 

 そう、決勝トーナメントで戦うチームが出揃った。

 

「気になる対戦チームの組み合わせは後日発表でーす!!」

 

 そう、アーカイブ動画で確認したところ、バウンドフィッシャーズがダントツトップでゴールしていた。

 

 あまり目立たないように、ノーブレス・アンノウンも最後の1枠を掴んでいた。

 

 これからの戦いに期待しつつ、義人は試験に向けて寝ることにした。

 

 そして、翌日ふくろうスクール。

 

「はぁ、ガチで単位が取れないかと思った」

 

 無事に試験が終わり、AI採点で平均を少し上回るスコアを叩き出し、義人は学食でラーメンを食べていた。

 

「お疲れ様。わたしたちの1回戦は3番目らしいよ」

 

 美浦がそう言いながらカレーを頬張る。

 

「対戦相手は?」

 

「バウンティドラゴンズって言う中国の若手ゲーム配信者チームで「息の合う連携とトリッキーなパフォーマンスで視聴者を沸かすエンターテイナー。海南エンターテイメントがスポンサーになっていることで話題になっているわ」

 

 そう言いながら供花が割って入ってきた。

 

「小泉先生?」

 

「そのチームを知っているのですか?」

 

 義人と美浦は興味を示した。

 

「過去に私と亮介さんのチームで戦っていてね。あのトリッキーな動きは厄介なものだから、思い出すだけでも腹が立つわよ……!」

 

 供花はそう言いながら空になった野菜ジュースの紙パックを握りつぶす。

 

 海南エンターテイメントは中国に本社を置くエンターテインメント企業。

 

 アジア向けのVRシステムや、MMORPG「エピックドラゴン」を開発している新進気鋭のメーカー。

 

 そんな企業が配信者コンビであるバウンティドラゴンズをスカウトしたのは、会社の宣伝材料にもなりうる人材を確保するためだ。

 

「さて、試験の結果はそこそこだけど、バトルトーナメントに向けて補習授業をするわよ!」

 

 供花は、義人たちに補習授業を行うと宣伝した。

 

「その内容は?」

 

「まさか、あれ(・・)ですよね?」

 

 二人は怖くなった。

 

「そうよ! ふくろうスクール名物、宿泊訓練プログラム『小泉塾』!」

 

 小泉塾は、供花が選出した生徒たちを勝浦市の特設合宿所へ連れ込み、デジタルスポーツやフィジカルトレーニング、更にはコミュニケーションスキル訓練などを2泊3日でみっちりと叩き込む。

 

「今回はバトルトーナメントに向けた基礎トレーニングを中心にしているわ。後8人を選出しておくから、覚悟して待つように」

 

 宿泊補習授業(ブートキャンプ)が、今この瞬間をもって始まった。

次回、義人たちは合宿へ!?

意外な出会いにも注目だ!!

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