EP14 共産主義者の晩餐会
投稿者: レーゲンバレット応援隊
日時: 2055/05/23 21:00
BSOファンのみんな、集まれ! 第13話のあらすじドロップ! 稲毛アウルズのMAVアタック、めっちゃ熱かったぜ! ネタバレ注意な!
【あらすじ】
稲毛アウルズ(ヨシト、美浦)vsバウンドフィッシャーズ(大洗漁師)の空中闘技場バトルが決着! ヨシトの即興プラン「スイッチ!」で、美浦がステルスダッシュとメタルインパクト(ナックル)を炸裂! オフィシャルロワイヤルのターゲットマーク(3撃破勝利)を狙い、絆ゲージMAXでMAVアタック「銃弾の暴風雨」を発動! 地上と空の弾幕でバウンドを撃破、開幕戦を勝利! レイナの「デュエルエンディッド!」実況で観客大盛り上がり! バウンドの「本選で戦おう!」は漁師魂全開で、ふくろう大麗祭の地域PRを彷彿。
だが、謎の女・三奈木俊永がログアウト、国民共産党の地下施設で村瀬かずおとクラッキング計画! 俊永の「頂戴女子」過去(12億詐欺)がヤバすぎ! BSOの自由に暗雲が…。
村澤かずお、58歳。
国民共産党の初代代表である彼は、旧共産党代表を献身的に支えた右腕的存在だった。
そんな彼は俊永を始めとした若き勢力を取り込んだのには、「ある計画」のためだった。
「若者を仮想空間から救うためには、痛みを伴う改革が必要だ。平等なる痛みを伴う改革が」
すぐに施設内のパソコンを起動してオンライン会議を開く。
独自の暗号通信ネットワークで各国共産党とオンラインでつなぐ密談。
薄暗い空間に並ぶ画面の向こうには、同様の設備にいる各国共産党代表たちが映し出された。
「諸君、例の計画について話し合おうじゃないか」
かずおは、各国共産党と会談を始めた。
彼らの間では「世界共産党サミット」とよばれ、こうした毎月に一度行われる密談こそが共産主義者たちの交流である。
『ケーニッヒ次期大統領が俺達を日陰に追いやるのは時間の問題! 落選させなければ共産主義者の首が危うい!!』
『私達が掲げるエリート教育も、今や多様化の一途を辿っています! このままでは、伝統的な教育理念が崩壊してしまいます!』
中国在住の女性共産党員がある言葉を口にする。
それは、エリート教育の多様化だ。
2030年代に伝統的なエリートという家系や、より良い大学を卒業すれば一流企業への就職を可能にするといった理念は時代遅れとなった。
その背景には、とある旧家が自由教育の理念に反対して焼身自殺を図った。
「日本政府は、教育の自由化を始めた! これは伝統の冒涜である!!」
その旧家は、国会議員を多く輩出したエリート一族。
時代の流れに飲み込まれ、没落した彼らは焼身自殺をすることで教育の多様化を止めるきっかけを作ると信じていた。
この事件を機に、多くの共産主義をもつ没落エリート一族は「教育の自由化をやめて伝統的な教育を守る」をスローガンに掲げ、教育の多様化を阻止する活動を始めた。
2055年現在において活動自体は沈静化したが、ふくろうスクール・オープンスクールのケースを考えればこうした抵抗活動が続いている。
名門が没落すると、後々に厄介になるということは30年前に起きた没落した西園寺家による映画完成披露試写会襲撃未遂事件で証明されている。
「では、没落した貴族やエリート家系の方々を救済政策として、彼らを各国の共産党員として迎え入れるということでよろしいでしょうか?」
かずおは今月の議題である没落したエリートを世界中の共産党に引き入れることで一致した。
「みなさん、これにて今月のサミットを終わります。世界は我らのもとで統一されることを」
この日の会議を終えたかずおは、俊永に接触した。
「君を引き入れてよかったよ。 これでオタク撲滅のあの計画を秘密裏に遂行できるのだ」
「あたしのノウハウが役に立つなんて、先生はマジで救世主ね」
俊永は「頂戴女子」として一世を風靡した広域詐欺師。
中年男性の優しさに漬け込んで大金を巻き上げ、さらにそのノウハウをマニュアル化して女性詐欺師たちに販売する。
合計金額は12億を叩き出した2050年代最高額の詐欺事件として取り上げられ、彼女は警察に逮捕された。
裁判の判決で「優しさを悪用した詐欺を広めた罪は重い」として、無期懲役が言い渡された。
服役中にかずおが便宜を図ったおかげで、彼女は自殺したという嘘の情報で隠蔽し、国民共産党秘密研究所で名誉研究員兼スパイエージェントとして暗躍している。
「俊永くん、再来月はあの忌まわしき若者たちの祭典だな」
「TGBMGCですね? いかがなさいます?」
俊永はかずおの計画に期待を寄せていた。
「その若者たちの採点を潰す計画には私達も賛同します」
研究所に対馬と部下のフェミニストチームが入ってきた。
「対馬さん! 私に嫌味ですか?」
「あなたのような小娘にふさわしいミッションを用意しましてよ?」
対馬は俊永にある衣服を見せる。
「これって、私は対馬さんのための噛ませ犬ですか?」
「そう言うな、君のような若い力を使って性的大量消費の興行を終わらせる。対馬くんの考えがあっての方針だ」
かずおは俊永の肩を叩く。
「ゲロやば。対馬さん、後で牛丼奢ってくださいよ」
「もちろん、特盛の明太チーズトッピングを用意するわよ」
今年のTGBMGCに悪意が近づき始めた。
数日後、BSOではバトルトーナメントのお知らせが届いたことでロビーには多くのプレイヤーがいた。
「みなさーん! 稲毛アウルズとバウンドフィッシャーズのバトル、最高でしたね! レイナおねーさん、興奮してオーバーヒートしそうでした!!」
レイナは興奮気味で先程のバトルを振り返る。
「それではお待ちかね、バトルトーナメント・予選ラウンドのルールを発表しまーす!!」
プレイヤーたちは固唾をのんで見守る。
「じゃじゃ~ん! 予選ラウンドは、天空コロシアムまでの道程は険しい、アドベンチャーサバイバルレースです!」
なんと、予選ラウンドはサバイバルレース。
「都市遺跡からスタートし、ナビシステム禁止、回復アイテムとスキル禁止の極限のサバイバルレース!!」
レイナの解説を噛み砕いて説明する。
予選ラウンドは回復スキルやアイテムの使用が禁止されたオフィシャルロワイヤルで行われる。
更にナビゲーションガイド使用禁止の独自ルールを追加し、MAVの信頼度が試される過酷なレース。
シード枠を獲得した稲毛アウルズは観客席で自分たちと戦う猛者たちを見守っていた。
「やっぱり、この予選ラウンドってナビ無しはきついはずよ?」
「確かに、ナビがないときついかもしれない」
ヨシととフォーミンは固唾をのむ。
「さて、この予選の注目株はこの2チーム!」
1つ目は、先日稲毛アウルズと戦ったバウンドフィッシャーズ。
もう一方は、神出鬼没の不気味なMAVとしてダークホースとなっているノーブレス・アンノウン。
なにか不正な行為をしたのではないかという噂が絶えないノーブレス・アンノウン。
不気味で何をするかわからない謎のチームとして他のプレイヤーたちは一層に警戒している。
「不気味な雰囲気を醸し出すノーブレス・アンノウンと稲毛アウルズとのリベンジに燃えるバウンドフィッシャーズ! 現在予選ラウンド開始に向けて全身全霊で準備しております!」
予選ラウンド開始に向けてプレイヤーたち。
稲毛アウルズを始めとしたシード枠プレイヤーたちや観客たち。
「実況はわたくしレイナと、この方の解説でお送りします!」
レイナがある人物を紹介した。
その人物は有名ゲーム雑誌「月刊VRマニアックス」編集部部長、
「進藤ジョージです!」
進藤ジョージは月刊VRマニアックス編集長を務める傍らOHTUBEで様々なゲーム実況動画を配信している。
髪型もアフロで瓶底サングラス、現実と全く変わらないアバター姿で解説員としてレイナといっしょにMCをやっている。
いよいよ予選ラウンドが始まる。
次回から予選ラウンドのサバイバルレース開始!
みんなはどのチームが勝つと思うか、予想しながらお楽しみください!!