EP13 初勝利と蠢く悪意
投稿者: アウルズ応援団
日時: 2055/05/16 22:00
BSOファンのみんな、集まれ! 第12話のあらすじドロップだ! TGBMGCトーナメントと空中闘技場の熱戦、マジで燃えたぜ! ネタバレ注意な!
【あらすじ】
BSO正式リリースと同時に、TGBMGCランウェイウォーク争奪バトルトーナメントが発表! 稲毛アウルズ(ヨシト、美浦)ら16チームがランウェイの栄光を争う! 新システム8vs8チーム戦、プレミアムプラン(2400円、装備枠拡張)、監視AI(賭博BAN)がBSOを進化。ヨシトと美浦は、空中闘技場でバウンドフィッシャーズ(大洗漁師コンビ)と激突! オフィシャルロワイヤル(アイテム禁止)で、ヨシトのクロスパリンガー(パリィ)、美浦のバレット119(SMG)が火花を散らす。バウンドのポセイドンアンカー(アックス)、スモッグ99(ショットガン)は脳筋+連携で応戦! レイナの「賭博ダメゼッタイ!」解説が熱い!
毒親がTGBMGCに爆弾予告で逮捕され、自由への試練が続く。バトルは佳境で「スイッチ!」の即興プランが炸裂するが、結末は次話へ!
「あれって?」
「即興で思いついたプランだが、やれるか?」
ヨシとはフォーミンにウィンクした。
「よくわかんないけど、それに乗るわ!」
フォーミンは腹をくくった。
「何を企んでいようが!」
「粉々にしてやるぜ!」
バウンドフィッシャーズが突撃を仕掛ける。
「スイッチ!」
ヨシとの掛け声で、フォーミンは近接武器のナックル「メタルインパクト」に持ち替えて。スキンヘッズに突進する。
「こいつッ!!」
「ビッグバン・マグナム!!」
フォーミンの強烈な右ストレートがスキンヘッズに炸裂する。
スタミナ消費が最も少なく手数が多いナックル系は、俊敏性に若干の補正が入るのが魅力で、チャージ系近接スキルが多い。
BSO正式リリースにおいて、スタミナの時間経過による消費をなくし、代わりに時間経過での回復という方向で調整された。
そのため、スタミナ管理が楽になった分闇雲に消費できないというのが現状。
オフィシャルロワイヤルのもう一つのルールをレイナは解説し始めた。
「オフィシャルロワイヤルでは、相手チームをすべて撃破するだけではなく、メインプレイヤーの頭上にターゲットマークが一定時間後に出現します! それを壊せば勝利ともなりますので、相手を全滅させるか、ターゲットマークを壊すかで戦略と戦術の幅が広がりますよー!」
すると、スキンヘッズとヨシとの頭上に緑色のキューブが出現した。
これがターゲットマークで、3回攻撃を当てると破壊できて勝利となる。
つまり、ターゲットマークを壊せば自分たちが不利でも勝てるチャンスは有る。
「ヨシとくん、クリック!」
フォーミンが合図を出す。
ヨシとは武器を突撃銃の「バイソンストーム」に持ち替えて攻撃する。
狙いは、モヒカン頭のターゲットマーク。
「イージスファイア!」
ヨシとが弾幕を展開した。
モヒカン頭はなんとかアックスでパリィをするが、ターゲットマークに一発当たる。
マークの色が緑から黄色に変わる。
後2回攻撃を当てれば勝利となる。
「やりやがったな!!」
スキンヘッズがショットガンを構える。
「バーストランチャー!」
スキルを発動させ、高威力の炸裂反応弾発射する。
二人は回避するが広範囲に広がる爆風や瓦礫の影響でヨシとのターゲットマークにもダメージが入ってしまった。
「スイッチ!」
「了解!」
フォーミンはアバターのパッシブスキルを使う。
「ステルスダッシュ!」
姿を消して、急加速する。
「どこだっ!」
バウンドフィッシャーズがフォーミンを探す。
姿を消して急加速することで、
「こっちだよ!」
敵の意表を突く移動系パッシブスキル。
フォーミンは渾身の右フックでモヒカンを殴り飛ばす。
バフ系パッシブスキル「ニトロアングリラ」。
スタミナを大量消費する代わりに、消費したスタミナ分を攻撃力へ還元できる。
一定時間経過するとクールタイムが30秒かかる、まさにとっておきだ。
モヒカン頭はHPをほぼすべて失い、強制リタイアスタンスを取らされた。
「あーっとここで、脱落者が! オフィシャルロワイヤルでは回復アイテムや回復スキルの使用を禁止しているため、HPが25%以下になると、強制的にリタイアスタンスを発動されるのです!」
レイナが分かりやすく解説する。
公式大会において、回復系アイテムやスキルの使用は競技性に問題が生じるのではないかと議論した末、プレイヤーの実力と観客への配慮を考えたうえで回復系は使用禁止にした。
そのため、要回復状態になるとプレイヤーの意思に関係なく強制的にリタイアスタンスが発動、敗北が確定する。
これは、公式大会で過激なトドメプレイなどを防ぐための人道的配慮が見え隠れする。
「あ、兄貴!!」
スキンヘッズが武器を持ち替えようにもそれがなく、素手で戦うしかなかった。
「フォーミン!」
「了解!」
義人が即興で作った作戦プランは、相手を撹乱させ確実に各個撃破をする。
まさに現場判断が産んだ見事なプラン。
そして、フォーミンとヨシとが息を合わせる。
「行くぞ、MAVアタック!」
MAVアタックは、MAVの連携などで蓄積される「絆ゲージ」が最大まで溜まると発動できる超強力な必殺の連携攻撃。
その威力は絶大で、MAVシステムを最大限に活かせるのがBSOの魅力。
チームの相性が左右されるMAVデュエルにおいて、MAVアタックでとどめを刺すということは、最高のクライマックスといえる。
ヨシとが突撃銃で弾幕を張りつつ前進し、フォーミンはSMGで飛び上がりながら上空から弾をばら撒く。
地上と空から逃げられない弾丸の暴風雨。
名前もそのまま。
「「必殺、銃弾の暴風雨!!」」
無数に降り注ぐ銃弾の雨がスキンヘッズに襲いかかる。
そして、HPが0になった。
ブザーが鳴り響き、開幕戦が終わった。
「試合終了!! 勝者、稲毛アウルズ! 見事なMAVアタックで、開幕戦と正式リリース初バトルを勝利で飾りました!!」
レイナが興奮気味に実況すると、観客たちは大いに盛り上がった。
「フィッシャーズ、おつかれ!」
「最高の開幕戦だったぞ!!
観客たちは、最高のバトルを見せてくれた両チームをたたえた。
「なんだか、」
「いい気分だね」
稲毛アウルズはログアウトしようとするが、
「少し待ってくれ!」
バウンドフィッシャーズが呼び止めた。
なんか文句でも行ってくるのかと、身構えるヨシととフォーミン。
「最高の試合だったぜ!」
「俺達もまだまだだったな。バトルトーナメントで戦えるのが楽しみだ!」
実は、バウンドフィッシャーズは予選ラウンドから参加する大洗で有名な漁師コンビ。
地元のPR活動の一環としてVR操作で漁船遠隔操船技術を披露する。
TGBMGCで地元技術をPRする、そのためにはバトルトーナメントで名を挙げる必要がある。
「俺達は参加申請を済ませたばかりなんだ。本選で戦おう!」
「もちろん、受けて立ちます!」
両チームの再戦を誓い合う中、観客席から静かにログアウトする一人の女性。
ログアウト先は国民共産党本部地下にある巨大なコンピューター施設。
システムを外すと、派手なメイクに奇抜なファッション。
スタイルはそれなりに良い。
彼女の名は三奈木俊永。
党員最年少の24歳で過去に男性から金を巻き上げた「頂戴女子」。
詐欺罪で服役していたが、かずおの手引で釈放されて現在に至る。
「どうかね? 中国から取り寄せたクラッキングシステムの感想は?」
「いい感じね! 先生のプログラムのおかげよ!」
俊永はかずおにサムズアップをする。
「それは良かった。今後はBSOと言う若者の居場所を破壊するための情報を集めてきたまえ」
「了解」
悪意の共鳴が施設に響き始めた。
次回では国民共産党が少しだけ活躍します。
それはネタバレになると思うのであしからず。




