0011.きっときみも恥ずかしがり屋
混み合う朝の駅のホーム 今日もきっときみも同じ電車に乗っていたはず
小走りで階段に向かいながら きみの姿を探す
改札の手前で見つけた 広い背中とまだ眠そうな顔
自分の顔が自然と緩むのを感じる
人混みの向こうに見える夏の朝の空
沸き立つ白い雲の背景に 澄み渡る青いスクリーンがどこまでも続いてる
弾む胸をぐっと抑えて なんとか心を落ち着かせる
きっと恋だと思うんだけど わたしの気持ちにきみは気づいてないよね
気づかれたらそれはそれでちょっと恥ずかしいけれど
元気いっぱい声をかけ きみのカバンを引っ張って こっちを振り向かせる
たまたま偶然見つけただけで 別に探していたわけじゃないよ
きみも朝からわたしに会えて うれしいよねうれしくないの?
きっと恋だと思うんだけど わたしの気持ちになんできみは気づかないの
気づかれたらそれはそれでちょっとリアクションに困るけど
学校までの通学路 ひとりで歩くと長いけど きみといるとあっという間
何気ない会話がこんなにも楽しい 話したいことはいくらでも湧いてくる
横断歩道で信号待ち 赤信号もっと長くていいんだよ
きっと恋だと思うんだけど わたしの気持ちにそろそろ気づいてよ
こんなにアピールしているのに なぜそんなに鈍感なのかしら
きみの服の袖をつかんで引っ張ってみる ほんとは腕を組みたいけれど 手を繋ぎたいけれど
ちょっと困った顔のきみも とってもかわいくて きみの肩におでこをこすりつける
きっと恋だと思うんだけど わたしの気持ちにもう気づいているよね
まさか無視してるわけじゃないよね きっときみも恥ずかしがり屋なだけ
嫌われてないはずだけと ちょっと自信がなくなる きみもわたしのこと気になるんじゃないの?
それともただ誰にでも優しいだけ? そんな不安は気のせいね
きっと恋だと思うんだけど わたしの口から言わせないでよ
さあ勇気を出して きみから告白しなさい
わたしの手をとって わたしの目を見つめて ひとこと言ってくれるだけで十分だから
なのになんでスマホいじってるの
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