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完全体

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

個人的には仏像の方が……。

どっちも好きですよ。


サモトラケのニケ、という石像をご存知であろうか? 頭部と腕がない女神像。その繊細なシルクの皺、触り心地の良さそうな羽根、それこそが魅力なあの石像。故、頭部と腕を繋げられた想像の完全体を見ると、どうにも不完全に見えて仕方がない。


テーブルの上にガチャガチャで手に入れた石像を並べ立てる。ダビデ像、アテナ像、そしてニケ。どれも実物と寸分違わぬ精巧に彫られたミニチュア達。実物が手に入らなくとも、こうして小さくなって手に入る事が喜ばしい。

幼子の様にニケの像を手で握り締めていると、前に座る青年が徐に口を開く。

「石像?」

「そう、これがお気に入りのサモトラケのニケ」

彼の目の前へ。チェスの駒でも置くように。彼は黙ってそれを暫く凝視した後、私よりも大きな手でその石像に触れようとした。けれども躊躇った様に握り拳を作る。

確かに気に入りではあるが、別に羽がもげたって構わない。この欠損した姿こそ、完成された美しさであるのだから。羽がもげてもきっと美しい。

「触って良いよ」

私が一言そう言うと、割れ物でも扱う様にそっと掌に乗せた。それから視線を上下に動かして、まじまじと観察する。

私も手に入れた時はそうやって見た物だった。硬い石の塊からあの柔さを目に焼き付ける様に。

「なんだろな。完全体が見てみたい気もする。けど見たら絶望しそう。マーライオンを実物で見て、反応に困るあの感じ」

「物語ってさ、第一話が一番面白いんだよ。世界観だけをただ感じられる、あの得体の知れなさが人を惹きつけてやまないんだ。最後の解説まで読んだら、なんか回答が見えた気がしてつまらないんだよね。それと同じな気がする」

見えないからこそ楽しんだ。一話目が一番楽しいのと同じように、好き勝手に想像する事が出来るから。段々と収束されゆくと、自由が効かなくなって、虚しくなる。だからこれこそが完全体だと思ってる。

「顔が着いたら皆顔に目が行くもんな。せっかくの布や羽の質感を知る為にはこれが一番良いのかも知れない」

「その通り」

石像ガチャがあるなら回してみたいなーと思って書きました。

なさそうでした。残念です(・ω・`)


ニケ像の完全体と思われる画像見たんですけど、イマイチ刺さりませんでした。

顔と動きある手にどうしても目が行くので、せっかくの羽とか衣装に目がいかないからではないかと。


あと見えない方が、分からない方が、想像力掻き立てられるんですよ。

気に入ってる話こそ、第一話が一番気に入りだったりします。

あの世界観だけをぶつけてくるのは、一話しか味わえない風格です。


アリスちゃん見たくなって来ました。

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