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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

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90/744

90:猪蟹屋店主(シガミー)、朝食とボードゲーム

「(――起きてくださ())」

「ふにゃぁーい――なんでぇい?」

「(シガミー、起きてくださ())」


 ふぉふぉん♪

『最優先項目:自己診断モード継続中 終了までの時間/未定

 最優先項目2:〝事象ライブラリ〟更新終了まで――16分

 最優先項目3:〝女神格納現象〟解析終了

 >対話型インターフェース復帰しました』


「んぉ? 迅雷(ジンライ)かぁ――おはようさん――あと半刻(はんとき)したら、起こしてくれ……すやぁ」

「(イオノファラー謹製(きんせい)消炎鎮痛剤えんしょうちんつうざいが、よく効いているようですね。ですが8秒後(びょうご)魂徒労裏(こんとろううら)中央(ちゅうおう)(おお)きなボタンを長押(ながお)ししてくださ()――)」


 ヴヴッ――――ぼこん!

 なんかが、(あたま)(うえ)に落ちてきた。

「んだょ、(いて)ぇな――!」

 (からだ)を起こして――(いだ)でだだ。

 つかんだソレは――かちゃり。

 魂徒労裏(こんとろううら)だった。


「シッガミーィ、鬼娘(おにっこ)ちゃんは、納得(なっとく)して(かえ)ったの。いつ行くの、〝ムシュル(がい)のドラゴーラ焼き〟食べ放題(ほうだい)には、あした? それとも、3秒後(びょうご)――――?」

 跳びこんでくる、(しろ)天狗(てんぐ)


「(シガミー、いまです())」

 ふにゃぁっ――魂徒労裏(こんとろううら)牡丹(ボタン)長押(ながお)しすんだったか……?

 ぐぃぃぃぃ――すぽん♪

 最後(さいご)にみたのは、巻いた(ぬの)みてえなので――――ぼごん!


「ふにゃぁーい――――ばたり♪」

 (あたま)に当たったなにかもろとも、おれはぶっ(たお)れた。


   §


「シガミー、おきてください。シガミー」

 なんか、揺さぶられてる。


「シガミー、おきてください。シガミー」

「おきないと、シガミーでボウドゲイムするからね?」

 なんでぇい、棒弩無芸(ぼうどむげい)たぁ?


 そいつぁ、聞いたことがねぇな――――目をあける。

 むくり……うん?

 ふつうに起きられる。


 そとで小鳥(ことり)が鳴いてる。もう(あさ)だ。

迅雷(ジンライ)居るか? おれは……どれくらい寝てた?)」


「(いちど起きましたが、そのあとまた寝たので、全部(ぜんぶ)で10時間程(じかんほど)です。おはようございます、シガミー。)」

「(おう、寝過(ねす)ぎたぜ。けど、その甲斐(かい)あったみてぇだ。ぜんっぜん(いた)くねぇ♪)」

「(ソレは良かったですね、シガミー。)」


 おれは飛び起きて、屈伸(ひざまげ)からの――とんぼ(がえ)り♪

 ――どたん!


(なお)ってるじゃねぇーか!」

 まさか五百乃大角(いおのはら)卵酒(たまござけ)が、本当(ほんとう)に効くとは(おも)わなかったぜ。


「おはよう、シガミー。今日(きょう)はすごく、お寝坊(ねぼう)さんだね♪」

 あさ一番(いちばん)にやってきたらしいレイダ。

「おはよう、レイダ。……リオも」

 たぶんずっと付いててくれた、リオレイニア。


「はい、おはようございます。すぐに朝食(ちょうしょく)を、()しあがりますか?」

 じゃ、なんか適当(てきとう)に、たのむ。

「レイダは、いかがなさいますか?」

 リオレイニアが朝飯(あさめし)支度(したく)を、はじめた。

「わたしも食べる!」


 今日(きょう)献立(こんだて)は、ウサギ(にく)野菜(やさい)とたまごの甘辛煮(あまからに)

 (こめ)が欲しくなるが、ふかした羽根芋(はねいも)我慢(がまん)する。


   §


「これがね、〝ボウドゲイム〟だよ!」

 (テーブル)のうえに、なんかいろいろ置いてある。

 (あつ)(いた)のうえに、ちいさな人形(にんぎょう)が散らばってた。


「(暴徒無芸(ぼうとむげい)……聞いたことのねぇ(あそ)びだぜ。これはひょっとして、迅雷(ジンライ)がつくったのか?)」


「(いいえ、(わたし)ではありません。ソレは昨晩(さくばん)、イオノファラーが用意(ようい)しました。)」


「(わすれてたぜ――五百乃大角(いおのはら)は!? 白天狗(あいつ)はどうなった!?)」

 シガミー(てい)(なか)に居るのは、『シガミー御一行様(ごいっこうさま)』の仲間(なかま)だけだ。


「(ねえちょっと、シガミィサァーン? (わす)れてたってどういうコトぉー? お約束(やくそく)がぁ、ちっがうんじゃあっりっむぁせんくわぁー!? あたくしさまがぁ、お(いか)りですよー?)」

 内緒話(みつだん)に割りこむ、素っ頓狂(とんきょう)(こえ)


「(なんだよ、居るんじゃねぇーかよ!)」

 いま迅雷(ジンライ)は、リオレイニアの手伝(てつだ)いをしてるから、びーどろは見えねぇ。

 けどたぶん――ならんだ和菓子(わがし)の、最後(おわり)(ほう)でゴロゴロ(ころが)がってるはずだ。


「(そりゃあぁ、いますよぉぅだ! うまくいったら食べ放題(ほうだい)だって、言ったくせにさっ! もうさ、常識(じょうしき)をさ、う↑た↓が↓う↑よ→ねっえ←だっ!)」

 わかった、わかった。

 筋肉痛(きんにくつう)(なお)ったのは、マジ(・・)でたすかったぜ。

 五百乃大角(おまえ)(めし)を食えるようになったら、ちゃんとつれてってやるから、ソレまで我慢(がまん)してくれ。


 わかった、我慢(がまん)する。

 なんだ、聞きわけが良いな。

 いつもこうなら、(たす)かるんだが。


「(迅雷(ジンライ)、あの(あと)どうなった?)」

 あんまり(おぼ)えてねぇ。


「(卵酒(たまござけ)を飲んだシガミーが気絶(きぜつ)するように(ねむ)りこけ、(やく)時間後(じかんご)、目をさましました。)」

 魂徒労裏(こんとろううら)(あたま)にぶつかって――そのまま寝ちまったんだっけか?

 はい、そのままさらに8時間程(じかんほど)、お(やす)みになりました。


「それで……オルコトリアは――」

「(ちゃあんと、(かえ)ったよ。包丁(ほうちょう)(いろ)(あお)くしてくれって言われたから、(あお)くしたげたら、すごく(よろこ)んでた♪)」

 迅雷(ジンライ)なしでも五百乃大角(こいつ)裏天狗(てんぐ)のからだ――酢蛸(すだぁーこ)のちからが使(つか)えるんだな。


 やっぱり、下っ腹(はら)がいくら出てても、コイツはマジ(・・)(かみ)さんだってことを(わす)れねぇようにしねぇと。

 けど(もの)(いろ)をかえるやつを使(つか)っちまっちゃあ、天狗(てんぐ)五百乃大角(いおのはら)シガミー(おれ)関係(かんけい)をうたがわれねぇか?


「(だいじょーぶすっよ。天狗(てんぐ)にとり憑いてる(・・・・・)ときにわぁーあたくしにもぉー、天狗(てんぐ)(わざ)がぁー、ぜぇーんぶ使(つか)えるよーって言っといたっすからぁー♪)」

 ぜんぜん大丈夫(でぇーじょーぶ)じゃねぇだろソレ。

 ()(もと)でも〝天狗付(てんぐつ)き〟が大嵐(おおあらし)を呼んで小国(しょうこく)(かたむ)いたって(はなし)――はどうでもいいか。


「それがですね、(よる)おそくなったころ……女神(めがみ)さまと食堂(しょくどう)呑む(・・)と言い(はじ)めたので……ひそひそ……後日(ごじつ)、あらためて〝豪勢(ごうせい)料理(りょうり)とお(さけ)(せき)〟を(もうけ)けるので、今日(きょう)のところはひとりで呑んできてくださいと、(たた)きだし……(かえ)ってもらいました……ひそひそ」


 出かけた(さき)白天狗(うらてんぐ)が――(めし)が食えねえって言って、癇癪(かんしゃく)おこして女将(おかみ)とやりあう(ところ)まで……目に浮かんだ。


「わるい、白天狗(いおのはら)が出かけなくて(たす)かった。(おん)にきるぜ。その宴会(えんかい)はもちろん……おれがもつ」


「(言ったね? 言ったわね、キャッホーイィ♪ 食堂(しょくどう)の食べ放題(ほうだい)とは(べつ)だからね!? ――迅雷(ジンライ)、いまの音声(おんせい)データ、別名で保存(ディープコピー)しといてちょーだい!)」

 はい。イオノファラー。

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