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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

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79/744

79:天狗(シガミー)、瀑布火炎の印

 ッダダンっ――くるくる、スタン!

 あたりを見わたしやすい、大岩(おおいわ)のうえに陣取(じんど)る。


 目のまえには、姫さん(リカルル)たちと化けウサギ。

 うしろには、惡神(わるがみ)じゃねぇ……えーっと、なんだ?

 餓鬼(がき)子供(ガキ)な――大恩神(かみさん)(はら)を空かせてる。


「(迅雷(ジンライ)。まずは銀板(カード)に書いてあるスキル(やつ)を、ぜんぶ(かく)せ!)」


「(はい。ではダミー……偽物(にせもの)情報(じょうほう)指定(してい)してください。)」


 ふぉふぉふぉぉぉん♪

『シガミー LV:22

 薬草師★★★★★ /状態異常無効/生産数最大/女神に加護/七天抜刀根術免許皆伝

 追加スキル /遅延回収/自動回収/即死回避/自動回復/体力増強/上級鑑定/自爆耐性/上級解体/スキル隠蔽/LV詐称/人名詐称

 ――所属:シガミー御一行様』


「(名は天狗(てんぐ)で良いだろ。()(もと)()を、ここの連中(れんちゅう)は読めねえんだったか?)」

「(はい。では〝テング〟でいかがでしょうか?。)」


 ふぉふぉふぉん♪

『テング LV:38

 僧侶★★★★ /治癒強化/体力増強/中級鑑定

       /上級解体

 ――所属:』


「(討伐後(とうばつご)即座(そくざ)獲物(えもの)解体(かいたい)必要(ひつよう)になりますので、上級解体(じょうきゅうかいたい)を入れてみました。)」


「(わかった、これで良い。あと天狗(てんぐ)と言ったら(かぜ)(なみ)神通力(つうりき)――疾風怒濤(しっぷうどとう)と……(あく)見通(みとお)す――破邪顕正(はじゃけんしょう)なんてのはどうだ?)」


「(可能(かのう)です。ただし、偽物(にせもの)情報(じょうほう)指定(してい)した(さい)に、そのスキル(めい)本当(ほんとう)存在(そんざい)していた場合(ばあい)には、そのスキルを収得(しゅうとく)してしまいますので注意(ちゅうい)してください。)」


「(このいそがしいときに聞き捨てならねぇことを……スキルは、ギルドの書庫(しょこ)にいきゃ見られるのか?)」


「(基本的(きほんてき)スキル(もの)は見られますが、有用(ゆうよう)希少(きしょう)なものほど……知る方法(ほうほう)がありません。)」

「(だめか。じゃ、五百乃大角(いおのはら)が見てた(とら)(まき)は?)」

「(上位権限(じょういけんげん)により非公開(ひこうかい)です。)」


「(酢蛸(すだぁーこ)をつかっても――見れねえのか?)」

「(上位権限(じょういけんげん)により非公開(ひこうかい)です。)」

 しゃぁねえ、虎の巻(そいつ)はあきらめるとして――


 ――姫さん(リカルル)がくれた〝死なねえ紐(・・・・・)〟は(くろ)くできるか?

 手をかざすと、(ひも)(くろ)くなった。


 よし、できる(かぎ)りの用意(ようい)はできた。

 これで〝聖剣切りの閃光(ヴォルトカッター)〟の連中(れんちゅう)に、銀板(カード)を見られるなんて(こと)があっても、シガミー(おれ)とバレることがない。


「いくぞ。得物(えもの)錫杖(しゃくじょう)小太刀(こだち)もねぇから――(いん)(むす)んで真言(マントラ)(とな)える!」


   §


 ドンッ――――ゴゴガァンッ――――ドドッ、ドドッ――――トトトトォォォォォォォォォォオォォォォォン――――――――――――!!!


 化けウサギの頭上(うえ)を取るべく――――(たか)く跳ぶ!


「(天狗(おれ)(こえ)を、(とどろ)かせることはできるか?)」

「(可能(かのう)です。)」


「――――聞けぇぃ、(ひと)の子よ!」

 耳栓(みみせん)してなかったら、地面(じめん)にたたき落とされてたかもしれねえ。


(あた)一面(いちめん)業火(ごうか)(つつ)まれるぞぉ――(ちり)になりたくなくば、即刻(そっこく)(はな)れよ!」

 ビリビリとした震え(こえ)が、おれの(のど)とうしろ(あたま)背中(せなか)からほとばしる!



「(そういえば、シガミー。)」

「(なんだ?)」

「(遅延回収(ちえんかいしゅう)と、自動回収(じどうかいしゅう)については、(こえ)にだす必要(ひつよう)はありません。)」

「(じゃあ、どうやって、投げ(わざ)をつかうんでい?)」


 姫さん(リカルル)がコッチを見上(みあ)げて、なんか言ってる。

 内緒話(みつだん)邪魔(じゃま)をしてこねえのは、(てき)だと(おも)われてねえ(あか)しだ。


「(遅延回収(ちえんかいしゅう)必要(ひつような)秒数(びょうすう)を、(こころ)(なか)(とな)えてください。)」

 (とな)える?

「(五拍(ごはく)なら〝五〟って言やあ(・・・)良いのか?)」


「(はい、そうです。スキル名称(めいしょう)収得時(しゅうとくじ)一度(いちど)だけ(こえ)に出していただくだけでかまいません。)」


「(……そういう仕掛(しか)けなんだな――またわからなくなったら聞くから、そんときゃまた、おしえてくれ)」

「(了解(りょうかい)です。それと、スキル収得手続(しゅうとくてつづき)きをその場で(・・・・)(おこな)っていますが、本来(ほんらい)女神像(めがみぞう)(まえ)(おこな)必要(ひつよう)があるので、注意(ちゅうい)してください。)」


   §


 ひゅぉぉぉぉぉぉぉ――――そらに(つき)――――ここの(つき)にうさぎはいねえ。

 ウサギなら、真下(ました)にいる。


「(ちょうど良い(たか)さだ。一気(いっき)に行くぞ――――!)


 ドォンガッタ、ドンドラガッタッタッタッ♪

 迅雷(ジンライ)御囃子(おはやし)(おどろ)いた〝聖剣切りの閃光(ひめさんたち)〟が――化けうさぎから、(はな)れていく。


 化けウサギの目に――(くろ)ずくめの天狗(おれ)(うつ)りこんでいる。

 写りこむおれの素手(すで)は、()いている。


「(全方位(ぜんほうい)全法位(ぜんほうい))」

「(はい、シガミー)」

 ジンライが細腕(かいな)で、おれの指先(ゆびさき)を切った。


 (なが)れる血。


 すぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅっ――――空中(ちゅう)(えん)(えが)く。

 それは回廊(かいろう)形成(けいせい)し、真言(マントラ)体現(たいげん)する。


ON(おぉん)――――!」

 ぎちり――――――――シュッボゥ!

 発火(はっか)したのに、手が燃えねぇ――――!


「キリキリ――――〝瀑布(ばくふ)火炎(かえん)の印〟を(むす)ぶ――――バザラ」

「ウン――――丹田から吹き出す業火ゴォウォワォオォオゥッ――――ハッタ!」


 半径(はんけい)三丈(さんじょう)一瞬(いっしゅん)焦土(しょうど)にかえる、(ほのお)瀑布(ばくふ)


 ボッゴゥオォウゥワァァァァァ――――――――!

 (なが)れる溶岩(ようがん)がごとき大波(うねり)が、化けウサギの全身(ぜんしん)(つつ)みこんだ!


『GP:□□□□□』

 ビロロロッ♪

 一気(いっき)盾が(・・)なくなった――いける!


「ギギィィィッギギィィィッギギィィィッ――――!!!」

 (つの)ウサギがわめくと――――ゴゴゴゴロロロロゴロ――――――――ピッシャァァンッ!


 (てん)から落ちてきた(かみなり)が、天狗(おれ)をかすめ――――バリバリバリバリィィィ――――(ほのお)がかき消された!


『GP:■■■■■』

 ググゥゥゥゥン――――(うさぎ)たてが、万端(ばんたん)(もど)り―――ギギィィィィッ!!!

 天狗(おれ)(かじ)ろうとしたウサギの(とが)った歯を、高下駄(たかげた)で蹴りとばした。


   §


 こっからさきは、(あと)になって姫さん(リカルル)から聞かされた。


「こら、ちょっと、テェーングとやら! なにを食べられて(・・・・・)いるんですのぉ――!?」

 ウサギを取りかこむ〝聖剣切りの閃光(パーティーメンバー)〟。


「――――おぉーぃ! リカルルーゥ!」

 合流(ごうりゅう)する、別陣(べつじん)の〝聖剣切りの閃光(パーティーメンバー)〟と冒険者(ぼうけんしゃ)たち。


「ギュギギギギギギギギギィィィィィィィィッ――――――――♪」

 燃える(・・・)最大(さいだい)てきを、胃袋(はら)(おさ)めた化けウサギ。


 (わら)ったような(ほこ)ったような、その雄叫(おたけ)び。

 それは、(なが)くはつづかなかった。


「――――――――――――――――(滅せよ!)」

 ドズズズズズズゥゥゥゥゥゥンッ――――!!

 なにか聞こえたかと(おも)ったら、化けウサギが――――(くち)から(けむり)を吐いて、(たお)れたんだそうだ。


ーーー

餓鬼/餓鬼道に落ちた亡者。常に飢餓に苦しむ。

疾風怒濤/追い風と、荒れ狂う大きな波。

破邪顕正/間違った物の見方を、打ち破り正すこと。

丹田/へその下あたり。

丈/3メートル。三丈は9メートル。

餓鬼/餓鬼道に落ちた亡者。常に飢餓に苦しむ。

疾風怒濤/追い風と、荒れ狂う大きな波。

破邪顕正/間違った物の見方を、打ち破り正すこと。

丹田/へその下あたり。

丈/3メートル。三丈は9メートル。

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