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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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729/744

729:吠えろ魔銃オルタネーター、タターザカニスレイヤー

「ザザザザッ――どっせぇぇぇぇぇぇぇぇいっ――――!!」

 工房長(ノヴァド)叔父(おじ)にして、屈強(くっきょう)鍛冶方(かじかた)ワーフ。

 小柄(こがら)体躯(たいく)に似つかわしくない、その膂力(りょりょく)


 ザッ――ガコンッ――振りあげられる、楔形(くさびがた)のシルエット。

 それはまさに、鉄杭(てっくい)であり鉄塊(てっかい)であり――

 (ねら)(さだ)めた切り株(・・・)粉砕(ふんさい)するには過剰(かじょう)な、攻撃力(ATK)を秘めていた。


 ザザヒュゥ――ガキガギギィィィンッ――――!

 鉄杭型(てっくいがた)魔法杖(・・・)は、無骨(ぶこつ)手甲(ガントレット)地面(じめん)に打ち込まれた!

 ザヒッ――ゴッバカン――割れる(おお)きな切り(かぶ)

 比類(ひるい)なき腕力(わんりょく)、そして背筋力(はいきんりょく)が――

 巨大(きょだい)鉄塊(くさび)を地に(しず)める!


 ザヒュザザッ――ゴッゴゴゴゴゴゴ、グゥゥゥゥゥヮァァァァァァアッァ!

 その衝撃(しょうげき)地面(じめん)を、水面(すいめん)のように波打(なみう)たせた。

 (ひろ)がっていく巨大(きょだい)古代魔術(こだいまじゅつ)方陣結界(ほうじんけっかい)ピクトグラム。


「ザザッ――あわわわわっ! ワーフさぁん!」

 (すさ)まじい振幅(ゆれ)(ちか)くに居た村長(ジューク)を――地に(ころ)がした!


「ザザザッ――キ゜ュキ゜チキ゜ッ、ぷるんぷるんぷるるるっ!」

 地を()振幅(しんぷく)(とら)えられた巨大蟹(へんいしゅ)が、(ふる)える鳴き(ごえ)(はっ)し――

 (かた)いはずの(かに)の、真っ(さお)甲羅(こうら)振幅させる(ゆらした)


 ぷるんぷるんと(ふる)える、(かに)(はさみ)からスルリと、リカルルが落ちた。

「ザザヒュ――っに゜ゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 (かに)ほどではないものの、ご令嬢(れいじょう)(こえ)(ふる)えていたが――

 ソレは恐怖(きょうふ)(いか)りや(おどろ)きなどの精神的(せいしんてき)(もの)では無く、物理的(ぶつりてき)原因(げんいん)()るものだ。

「ヒュザザッ――っつっはぁぁぁぁぁぁぁあぁぁっ!!!」

 ニゲル青年(せいねん)が、すかさずキャッチする。


 ザヒュ――ガサガサ、ガサササッ♪

 同時(どうじ)に、やわらか~く(・・・・・・)(ふる)える蟹脚(かにあし)(した)から、(かに)のように這い出すのは――

 傾国(けいこく)魔物(まもの)にして、吸血鬼(きゅうけつき)令嬢(れいじょう)とまで(うた)われた淑女(しゅくじょ)

 ザザザッ――パタパタパタタタッ!

 (たお)れた村長(ジューク)から、板きれのような物(・・・・・・・・)が地を這い、やがて――

「ザザッ――んにゃわ゜――?」

 ロットリンデを、飲み込んだ。


   §


 ドローンから(おく)られてくる空撮映像(くうさつえいぞう)(なか)、お(じょう)さま二人(ふたり)身柄(みがら)拘束(こうそく)……保護(ほご)され――――ォォゥン♪

 ドワーフ(ぞく)(はな)った古代魔法(まんだら)が、一瞬(いっしゅん)(ちぢ)まり消えた。


「(シガミー、〝超特選(ちょうとくせん)洞窟蟹(どうくつがに)|(変異種(バリアント))〟の軟体化(なんたいか)()けまし())」

 おう、そうらしい。


「ザヒュヒュザッ――ギギュギュイィィィィィッ――ギュチギチッ、ぶくぶくぶくくっ!」

 地を踏み鳴らし、巨大鋏(はさみ)を振り上げ――

 ガッチン――ガガッチィィン!


「ウケケケッ、ウケケケケケケケッ――――巨大蟹(かにさん)(おこ)ってるぅ(けん)にぃ、つぅいぃてぇぇー()

 その(わら)(かた)は止めとけ、妖怪さま(いおのはら)よ。

 だが巨大蟹(バリアント)め、取って置きの獲物(たからもの)(うば)われて――

 生意気(なまいき)にも、(おこ)ってやがるっ!!!!


「タター、オルコトリア、(いま)だぜっ!――ニャァ♪」

「ザッ――ははーい?」

 (なに)かを確認す(たしかめ)るような、少女(しょうじょ)メイドの(こえ)

「ザザザッ――目標到達(もくひょうとうたつ)まで、10(びょう)

 (なに)かを確認(かくにん)し、ソレを(つた)えてくる鬼娘(おにむすめ)受付嬢(うけつけじょう)(こえ)


 ふぉん♪

『>16秒前にローンチを確認。空撮映像から算出した弾道に、誤差は有りません』

 タターが(はな)った……(すで)(はな)っていたらしい弾丸(たま)は、岩山(いわやま)(ごと)巨大(きょだい)変異種(バリアント)(ほふ)ったのと(おな)じ。

 1342パケタもする、超高額(ちょうこうがく)弾丸(だんがん)タイフーンだ。

 強力(きょうりょく)(たま)ぁ撃つ(とき)耳栓(ヘッドセット)(つな)いでると、耳栓(それ)途切(とぎ)れたりするから――

 適宜(てきぎ)迅雷(ジンライ)が切ったりしてくれてたらしい。


 ヴュウゥン♪

 ヒュパパパッ――『(ピピピッ♪)――HCV000002』あった。

 積層(せきそう)モニタの0番(おく)から、虎型(とらがた)モニタの12番(てまえ)――

 小地図(MAP)真ん中(バリアント)目指(めざ)して、飛んで来てる。


「ザザヒュッ――ギュギッチリッ!?」

 (かに)が目を伸ばした。

 ぶくぶくぶくくくふっ?

 (あわ)を吹き、西の空(こっち)見上(みあ)げる。


 ザザッ――ぱっこぉぉぉぉぉぅん!

 面白(おもしれ)風音(おと)が、聞こえた。

 (まば)らな(くも)を突き抜け、(なが)れ落ちてゆくのは――

 1本(ひとすじ)風雲(くも)


 ゴッバァァァァァッ――――フフォフォフォフォフォッォォォッ!

 その先端(さき)幾重(いくえ)にも、分かたれていく。

 その(かず)は、全部(ぜんぶ)で10。


 ヒュザッ――ドガガガドッガガ、ゴキャキャキャキャッ!!!!!!!!

 (かに)(すさ)まじい(うご)き。分身し(わかたれ)弾頭(タイフーン)を、避けようと(・・・・・)しているのだろうぜ。

 ヴォヴゥンッ、ヴゥンッ――――!

 あまりの(はや)さで巨大(きょだいな)甲羅(からだ)が、透けて見えた。


 ザザザザザッ――ガッキュキュキュキュキュキュゥゥゥゥゥンッ――――!!!!!!!!

 巨大鋏(はさみ)で受け止められる、戦術級(せんじゅつきゅう)高極超(こうごくちょう)音速弾(おんそくだん)高極超音速飛翔体(タイフーン)

 ザザッ――ぶくくぶくくくくくっ!?


 (かに)やルリーロが薙ぎ(たお)した倒木(とうぼく)が――ザザザザッ――パッコォォオォォォォッォォォォォンッ!

 (あた)一面(いちめん)怪音(かいおん)とともに薙ぎ(はら)われ、真っ(たい)らになった。


 ザザザッ――ヴォヴォパパパッァァァァッ――――――――!!!

 弾丸(たま)から棚引(たなび)風雲(かざくも)残りは(・・・)(ここの)つ。


 スゥゥ、ウゥゥ、スススゥスススッスゥ――キュルリュッキュルッ!

 小地図(MAP)軌跡(ライン)が、(えが)かれていく。

 その巨大(きょだい)縁取り(かに)(まわ)りを、何度(なんど)縫うように(・・・・・)

 こいつぁ、五百乃大角(いおのはら)算出(さんしゅつ)した、魔弾(まだん)タイフーンの弾道予測(だんどうよそく)だ。


「んーん。今度(こんど)はあたくしさまは、関知してない(ノータッチ)わよ()

 なんだと?

 こっちの岩山(エリアボス)(くら)べたら、随分(ずいぶん)(ちい)せぇ巨大蟹(かに)(ねら)うってぇのに――

 お(まえ)さまは、手伝(てつだ)わねぇとか――また、おサボりかぁ!?


◇¹()

 いやまて?

 ちゃんとロックオンカーソルが出た。


「ザザヒュゥ――(ねら)まーす!」

 (じつ)覇気(はき)のねぇ(こえ)

 タターが魔銃(じぶん)で、(ねら)ったようだが。


◇²()』『◇³()』『◇⁴()――』

 一発目(・・・)標的(ひょうてき)は、蟹脚(かにあし)左後ろ(・・・)

 2、3、4発目(ぱつめ)は、左側(ひだりがわ)蟹脚(かにあし)(すべ)てに、狙いが付けられた(ロックオン)


 ふぉん♪

『ゴウライ>タター、この距離で、ちゃんと当てられるのか?』

 (てき)気配(けはい)(かん)じ取り、ロックオンカーソルの(かず)を増やしていくのは――

 轟雷(ゴウライ)なら(かんが)えるまでもなく、(よろい)勝手(かって)にやってくれるが。

「ザヒュッ――やってみないとわかんない……って、ローグちゃんが言ってた」

 (あん)(じょう)(ひと)ごとのように言いやがるぜ。


◇⁵()』『◇⁶()』『◇⁷()』『◇⁸()――』

 5、6、7、8発目(ぱつめ)は、右側(みぎがわ)蟹脚(かにあし)全部(ぜんぶ)に。


「ザザッ――むしろ当たるかどうかは、(かみ)采配(さいはい)――緑色(りょくしょく)レーザー発光(はっこう)モジュール――ハロウィン限定(げんてい)スイーツ――博士後期(はくしこうき)課程支援(かていしえん)給付制度(きゅうふせいど)――ニャッ♪」

 ネコ(ごえ)(きゅう)に聞かされると、(おどろ)くだろぉが。

 神の采配(・・・・)てのは、文字通(もじどお)りに美の女神(めがみ)五百乃大角(いおのはら)(こと)を言っている……と(おも)う。


 『◇⁹()――』

 9発目(はつめ)巨大蟹鋏(きょだいかみばさみ)に張り付いた。

 (はさ)まれてなお、ぱっこぉぉぉぉぉぅんと風雲(かざくも)(はっ)する弾頭(タイフー)())は――超頑張(ちょうがんば)ってる。


「ちょっと、お(ねこ)さまっ! 人聞(ひとぎ)きの(わる)いことを言わないでちょぉだい! オルタネーターの使用者(しようしゃ)(えら)んだのわ、お(ねこ)さまわよ!?()

 (なん)だかわからんが責任(せきにん)所在(しょざい)を、押しつけ合うんじゃぁねぇやい。


 ヒュザッ――ドガガガドッガガ、ゴキャキャキャキャッ!!!!!!!!

 (かに)(すさ)まじい(うご)き。蟹脚(かにあし)弾頭(タイフーン)を避け、跳ねるように(うごめ)く。

 蟹脚(ソレ)は、もはや(ひと)の目には(うつ)らない(はや)さに(たっ)している。

 ヴォヴゥンッ、ヴゥンッ――――!

 チラつく巨大(きょだいな)甲羅(からだ)が、ゆっくりと逆回転(ぎゃくまわり)(はじ)めた。


 『◇⁵()』――回転(かいてん)基点(きてん)にした、〝淑女(ロットリンデ)を踏みつけていた〟右側後(みぎがわうし)蟹脚(あし)

 その1(ぽん)蟹脚(かに)蒼色(いろ)が、空中(ちゅう)(のこ)った。

 それはまるで景色(けしき)に浮く奇岩(きがん)のようにも見え、とても奇妙(きみょう)(おも)えた。


 スゥウゥ――キュルリュッ!

 8個の動体検知(アクティブトラッカー)は弧を(えが)き、弾道予測(ひかりのすじ)(そら)へと(もど)っていく。

 機動性(きどうせい)(たか)めていく、1342パケタ。

 推定的中率(EPH)によって揺らぐ色彩(しきさい)が、(あお)へと変わっていく。

 それはまるで、(あお)彼岸花(ひがんばな)だった。


 ふぉん♪

『ゴウライ>>おい迅雷、例の旋回半径はどうなってる?』

 天上(てんじょう)(ばな)形作(かたちづく)曲線(ライン)半径(アール)は、精々(せいぜい)が15メートルしかねぇぞ!?

 弾丸(タイフーン)旋回半径(ターニングラディウス)は、(やく)400メートルだったはず。


 ふぉん♪

『>>最小旋回半径は作戦維持のため、運動エネルギーを確保するための指針です』

 はぁ? そいつぁ、どーいう?

 ふぉん♪

『イオノ>>ウケケッ、温存するつもりが無ければ、いくらでも高機動力を発揮するわよ♪ お・か・わ・り?』

 ふーん? うるせぇ。


 おれがわかるのは、錫杖(しゃくじょう)短刀(たんとう)間合い(・・・)だけだ。

 投げた(・・・)(あと)のことは到底(とうてい)関知出来(かんちでき)ん。


 ザザッ――シュゴッ――シュシュシュシュシュシュシュン!

 巨大蟹(バリアント)(あたま)(うえ)(とお)り過ぎ、(ふたた)(いろ)(あか)く染めていく――

 弾頭(タイ)1~8(フーン))の、弾道予測(あだばな)


 ザザッザッ――ぱっこぉぉぉぉぉぅん――――ガギャギギャガギャギギギィィィンッ!!!!!!!!

 急加速(きゅうかそく)し、今度(こんど)(すべ)ての蟹脚(あし)(はじ)く、弾頭¹(タイフーン1)から弾頭⁸(タイフーン8)

 着弾(ちゃくだん)瞬間(しゅんかん)まで弾道予測(ライン)は、赤いまま(・・・・)だったが――

 見事(みごと)に、ぶち当てやがった!


 ザザザッ――ドッガガァァァァンッ――――ゴッズウズズズゥゥン!

 巨体(きょたい)が、ひっくり(かえ)った!

「ザザッヒュ――やったぁ、当たったぁよ、オルコトリアさん♪」

「ザヒューゥ――こら、まだとどめ(・・・)を刺してないでしょう?」

 (はじ)けるような(こえ)と、それを(たしな)める(こえ)が聞こえ――


「ザザヒュッ――ギュギッチリッ!?」

 (かに)巨大(きょだい)鋏脚(はさみ)で、甲羅(からだ)を起こそうとし――

 途中(とちゅう)(うご)きを止めて、目を伸ばした。

 ぶくぶくぶくくくふっ?

 (あわ)を吹き、(そら)見上(みあ)げている。


 ザザッ――ぱっこぉぉぉぉぉぅん!

 また面白(おもしれ)風音(おと)が、聞こえた。

 上空(うえ)から、(なが)れ落ちてゆくのは――

 1本(ひとすじ)風雲(くも)


 『▼▼(ピピッ♪)――』

 ソレは、さっきまで巨大蟹挟み(・・・・・)(はさ)まれていた――

 弾頭⁹(タイフーン9)に張り付いた、動体検知(アクティブトラッカー)

 (ひと)の目には見えない音速(おんそく)弾丸(だんがん)が、巨大蟹(きょだいがに)中枢神経を破壊した(まんなかできえた)


(まよ)わず成仏(じょうぶつ)してくれやぁ――ニャァ♪」


 そして(いきお)いが(あま)ったのか、(かに)眉間(みけん)|(?)から飛び出してきた弾丸(タイフーン)が、

 たまたま目の(まえ)に居た、ニゲル青年(せいねん)(よこ)(ぱら)命中(めいちゅう)した。

 一瞬焦(いっしゅんあせ)ったが、猪蟹屋(ししがにや)標準制服(ひょうじゅんせいふく)である執事服(しつじふく)を着てる以上(いじょう)(いのち)(かか)わることはあるまい。


「ザヒュッ――ちょっと、なんですのっ!? わ、(わたくし)そんなに(おも)くは、ございませんわよっ!?」

 (かか)えていた思い人(リカルル)を落とし、(なじ)られる負傷者(ニゲル)

 いつものことではあるが――(まよ)わず成仏(じょうぶつ)してくれやぁ。


   §


 しかし()(おそ)ろしきは、遊撃班(ゆうげきはん)の奴らだ。

 五百乃大角(いおのはら)無しでも、アレだけのことが出来(でき)る。


 そして東西両方(とうざいりょうほう)変異種(バリアント)を、とうとう一人(ひとり)止めを刺しちまった(・・・・・・・・・)ってこたぁ――

 またLV(レベル)アップの(かね)に、(さいな)まれることだろう。

 アレはうるせぇから遊撃班(あいつら)耳栓(ヘッドセット)は、切っとけ。


「あああああああああっ――こらっ! おにぎりっ、蟹さま(・・・)御味噌(おみぞ)(こぼ)れるまえにっ、お(はや)めに、格納し(しまっ)てわよっ!」

 (おに)形相(ぎょうそう)女神御神体(めがみごしんたい)必死(ひっし)か。


 ふぉふぉふぉん♪

『超特選大森林洞窟蟹|(変異種)【蒼い奏者】/

 鋏脚と甲羅を持つ、十足。食用甲殻類としては、史上最大級の大型種。

 脱皮直後の洞窟蟹に大森林における、龍脈由来の蟹質とでも呼ぶべき、

 活力形質を取り込むことにより、無くした鋏脚を再生し巨大化させた、

 甲羅は非常に硬く、物理・魔法共に堅牢。

 身だけでなく内蔵も美味で、濃厚な天然のスープとなる。

 鋏脚と甲羅は、耐物・耐魔法素材として重宝される。

 但し、この蒼く超硬質な甲羅を開くには、同じく蒼く刀身を染めた、

 SSS級武器が必要。』


 ふむ。迅雷(ジンライ)表示(うつ)したのは、そんな食材(・・)情報(じょうほう)

 〝特選洞窟蟹(とくせんどうくつがに)(だい)】〟と、そう変わらんな。


 空撮映像(くうさつえいぞう)(なか)、すぽんと姿(すがた)を消す巨大蟹(きょだいがに)

 はっははっ、巨大蟹(あいつ)出汁(なかみ)には、おれも料理番(りょうりばん)として興味(きょうみ)がある。


(まった)本当(ほんとう)に、(せわ)しねぇ一日(いちにち)だったぜ!」

 大森林(だいしんりん)に来てからこっち、良いことも多少(たしょう)はあったが――

 (おおむ)ね、危険(きけん)(つら)くて面倒(めんどう)なことばかりだったからな。

 どうにかして日がな一日(いちにち)、ずーっと寝て過ごしてぇ。


「はハはは、こちラの変異種(バリアント)解体(かイたい)だケでも、数日(すうジつ)はかかルと(オも)()――」

 やい迅雷(ジンライ)(わら)ってんじゃねぇー!

 目の(まえ)にそびえる(しし)の、ひと(やま)さえなかったら――

 一休(ひとやす)みくらい、出来(でき)たんだろぉがよぉ。

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