表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

728/744

728:吠えろ魔銃オルタネーター、VR対応カップ麺と魔導馬車

「ルリーロちゃぁーん、聞ぃこぉえぇるぅー()

 ザッ――ひゅっぼっごわわわわわわわわわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ――――!!

 ッィィィィィィィィィンッ――――(ひかり)(おと)も無く、(また)空撮映像(ドローン)一部(いちぶ)通信途絶(ブラックアウト)した!


 耳栓(ヘッドセット)信号(シグナル)は、ちゃんと奥方さま(ルリーロ)(みみ)から(とど)いてるけど――

 五百乃大角(こっち)(こえ)は、あんまり(とふぉ)いてねぇな。


「(どーすんだぜ、五百乃大角(めしがみ)さまよぉ――ぅ!?)」

 『▼▼▼(ピピピッ♪)』、『▼▼▼(ピピピッ♪)』、『▼▼▼(ピピピッ♪)』――

 何処(どこ)から湧いたのか、東側(むこう)(もり)(うつ)し出す映像(モニタ)(はし)に――

 (あか)(ちい)さな(かに)が、縁取(ふちど)られた。


 ふぉん♪

「ザザヒュウッ――シガミー、(てき)が増えたよ?」

 ふぉん♪

『ルガレイニア>シガミー、まだ小蟹が居るようです』

 空撮映像(えいぞう)を見た、鬼娘(オルコトリア)蜂女(ルガレイニア)が、即座(そくざ)反応(はんのう)するが――


「あんなのは、大蟹(バリアント)(まわ)りを(まわ)るニゲルに、(まか)せとけば良い――ニャァ♪」。

 言う(そば)から、小蟹(こがに)にくっついた動体検知アクティブ・トラッカーが――

 ――『(ポコン♪)』、『(ポコン♪)』、『(ポコン♪)』と消えていく。


「ザザザザッ――ぐぅわぉうるるるるっ――――!?」

 ザッ――ひゅっぼっごわわわわわわわわわぁぁぁぁぁぁぁぁんっ――――!!

 妖弧(ようこ)ルリーロさまは、小蟹(こがに)には目もくれず――

 尻尾(しっぽ)を揺らして、(あた)一面(いちめん)蒼炎(ほのお)(けぶ)らせている。

 あの(ほのお)は、(ひと)こそ燃やさんが――

 (なか)(あぶ)られていて、平気(へいき)(もの)でもねぇ。


「(やぃ飯神(めしがみ)さまよ、(いま)こそ出番(でばん)だ! (たの)むから、その知恵(ちえ)を貸してくれやぁ!)」

 それとも、いくらお(まえ)さまでも、大森林(だいしんりん)反対側(はんたいがわ)に居る妖弧(ようこ)手綱(たづな)(にぎ)れんかぁ?


「(ふふん、簡単(かんたん)わよ――(めし)には(めし)を。あたくしさまにわぁ――すべからく、おかわりおぉ())」

 おれの目の(まえ)轟雷(ゴウライ)を着たことで増設(ぞうせつ)された〝積層(せきそう)モニタ〟の(おく)から、必死(ひっし)手前(てまえ)に駆けてくるのは――

 (さか)鏡餅(かがみもち)(ちい)さい(やつ)|(梅干(うめぼ)(サイズ))。

 丸茸(まるきのこ)根菜(こんさい)のような(かたち)


 其奴(そいつ)(かか)えているのは――

「どうした、その(どんぶり)わぁ……(なん)だぜ?」

 矢鱈(やたら)(おお)きな(どんぶり)

 実際(じっさい)(おお)きさは普通(ふつう)(おお)きさの丼鉢(どんぶりばち)程度(ていど)なんだろうが――

 梅干し(いおのはら)アイコンが、(どんぶり)アイコンを(かか)えた(いま)状態(じょうたい)じゃ、まるで風呂釜(ふろがま)のようだぜ。


 『復刻版 囙圑囮圄(ヨフカゴ)食品/おっきいお揚げが入った~関西風きつねうどん』

 なーんて(ふた)に書かれた文字(もじ)や、熱々(あつあつ)お揚げ(・・・)を見るに……食い(もん)らしいが。

 ふぉん♪

『>>パッケージから察するに、即席の〝カップうどん〟と思われ』

 うん、そうだな。


 ふぉん♪

『ヒント>カップうどん/カップ麺の一種。耐熱容器に入った乾燥麺に、熱湯を注いで3分程度で食べられる即席うどんのこと。正式名称は〝即席カップめん〟で、内容物により、カップラーメン、カップうどん、カップ焼きそばなどとも呼ばれる【地球大百科事典】』


 ふむ、なるほど。

 お湯を入れて食えるようになる仕組み(・・・)は、〝魔法粥(まほうがゆ)〟と(おな)じだが――

 (ふた)(えが)かれた絵を見るに――相当(そうとう)、凝った(めし)だな?


「(そうわよ~。手順(てじゅん)間違(まちが)えたら、食べられないわよ())}

 手にした軽そうな丼(カップうどん)を――パシャリッ♪

「うをっ、まぶっしいだろぉがぁ!!――ニャァ♪」

 (ひか)らせた目で照らす(・・・)美の女神御神体(ねがみめんど)


 ふぉふぉふぉふぉん♪

『【調理方法】お湯の目安は430㎖です。

 ①フタを矢印まではがし、粉末スープ、液体スープ、かやくを取り出す。

 ②かやくを麺の上にあけ、熱湯を内側の線まで注ぐ。

 ③フタをして、液体スープをフタの上で温める。

 ④5分後、粉末スープ、液体スープを加え、よくかきまぜる。

 ⑤お好みで七味唐辛子をかけて、お召し上がり下さい。』


 凝った飯(カップうどん)画像(がぞう)が、何枚(なんまい)も切り取られ――画面(モニタ)(そと)へ消えていく。


「ルリーロちゃぁん♪ (あら)ぶる(いか)りを(しず)めてくれるならぁ、この秘蔵(ひぞう)魔法(まほう)の〝きつねうどん〟おぉ――(とく)(べつ)っにっ、進呈(しんてい)してもっ良いのだけれどぉ――()

 ふぉん♪

『イオノ>じつわ、仕事で研究室に詰めてたときに、カップ麺を毎日食べてたら、VR対応カップ麺の引き換えコードが、山のように当たっちゃってたのを、ついさっき思い出したわよ♪』

 わからんが、(あま)(もん)ってことだな?

 奥方さま(ルリーロ)わぁ(かり)にも、辺境伯(だいみょう)名代(みょうだい)さまだぜ。

 (のこ)(めし)に釣られるような、タマじゃねぇと(おも)うんだが。


「ザザザッ――ぐぅわぉうるるるるっ――――お揚げ(・・・)……わぁ、どんなのぉ?」

 んぅ?

「もちろん、おっきくてジューシーなのがぁ、どーんっと乗ってるわよん()

 どうやら、余り物(あぶらあげ)画像(がぞう)を見て、正気(しょうき)(もど)ったらしいぜ。

 そういやぁ、祭り(フェスタ)(とき)(つく)ってやった〝きつねうどん〟を――

 (よろこ)んでくれてたっけな。


 ザヒュゥゥ――――ぅごごごごぉうぼぼぼぼぼぼわぅ♪

 狐火(きつねび)がシュルシュルと――湧き出たのとは逆向(ひゃくむ)きに、(もど)っていく。

 すっかり(ちい)さくなった蒼炎(ほのお)が――――ごぉぅわぁぁ、しゅるぽん♪

 辺境伯名代(ルリーロさま)(くち)に、吸い込まれた。


 おれは蜂女(ルガレイニア)様子(ようす)(うかが)う。

 (いま)狐火(きつねび)動き(・・)は、彼女(リオレイニア)彼女(リカルル)下したときの(・・・・・・)――「炎を(わざ)!」だ。


 (かる)(ひら)かれ、(また)すぐ閉じられる(はち)(くち)

「(類推(るいすい)になりますが、〝狐火封じ(・・・・)を、自ら行える(・・・・・)〟ということ()――)」

 ああ多分(たぶん)、リオの(わざ)奥方さま(ルリーロ)には、(つう)じねぇんじゃねぇかと(おも)う。


   §


「ザザザザヒュゥゥッ――魔導馬車(まどうばしゃ)番改(ばんかい)左前方(ひだりぜんぽう)洞窟蟹(どうくつがに)へ、〝かえんのたま(・・・・・・)(はな)てぇーらららぁぁん!」

 ドコッダカッ、ドコドコッ、ダカダカッ、ドコカカカッ――――!!


 王女殿下(ラプトルさま)(あやつ)る、四つ足の馬車(・・・・・・)

 その側面(そくめん)にある――『〔'□'〕』――(かお)のような作り(・・)

 その(くち)部分(ぶぶん)から突き出た、やや(ふと)めの鉄管(てつくだ)

 その(あな)の開いた先端(せんたん)から、吹き出すのは――


 ザザザッ――ぼごぉうわぁぁっ♪

 狐火(おにび)とは(ちが)い、(あか)くなびく、燃えさかる(ほのお)が――

 (かに)足下(あしもと)に生える、(くさ)(しげ)みを燃やしていく。


「ザッ――炎曲(えんきょく)苗木(なえぎ)――!」

 ザザザッ――ぷすぷすん、ひゅぅぅぅう♪

 (ほのお)(くすぶ)り、白煙(はくえん)と化す。


 ザザザッ――ニョキニョキバキバキョッ!

 白煙(はくえん)は木の芽を、息吹(いぶ)かせ――

 良く(しな)太蔓草(ふとつるくさ)へと、変貌(へんぼう)する。


 ふぉふぉん♪

『>>理論上はニゲル青年の一振りにも、二度までなら耐えます』

 そりゃぁ、(すげ)ぇ!

 見た目は焼け焦げた蔓草(・・・・・・・)でしかないが、ソレは――

 ぎちり(・・・)と編み込まれた、炭素製(カーボンせい)強靱(きょうじん)なワイヤーなのだ。


 魔銃(オルタネーター)五百乃大角(いおのはら)の組み合わせは、(つよ)すぎてやばかったが。

 魔導馬車5番改(ひをはくばしゃ)炎曲の苗木(フォチャカ)の組み合わせも、尋常(じんじょう)じゃぁねぇぞぉ!


「ザザザヒュゥ――ふふん、(むすめ)よ♪ (おぼ)えておくと良い。大蟹(てき)がどれほど魔術耐性(まじゅつたいせい)(すぐ)れていようと、動けなければ(・・・・・・)意味(いみ)などないのですよ♪」

 ドガガガガガッ、ギャリリリリッ――――ビギギギギィィィィィィィンッ♪


「(ミギアーフ(きょう)縫い針のような(・・・・・・・)特殊(とくしゅ)魔法杖(まほうつえ)も、力学的(りきがくてき)完璧(かんぺき)仕事(しごと)をしていま())」

 針刺(はりさ)(おとこ)ニードラーの二つ名(・・・)を持つ、フォチャカの父上殿(ちちうえどの)

 (かれ)人となり(・・・・)普段(ふだん)、とても巫山戯(ふざけ)ていて――

 とうてい凄腕(すごうで)冒険者(ぼうけんしゃ)には、見えないが。

 (むかし)なじみであるらしい、辺境伯名代(ルリーロ)さまの(まえ)でだけは、全盛期(ぜんせいき)実力(じつりょく)取り戻すのだ(・・・・・・)


「ココォン――リカルルちゃんの(ぶん)とぉ、辺境伯さま(ラウラル)(ぶん)を合わせてぇ……全部(ぜんぶ)(みっ)つくれるならぁ、(あら)ぶる(いか)りがぁ(しず)まりぃまぁるぅかもぉしーれーまーせーんーねぇー♪」

 ふぅい。やっと正気(しょうき)(もど)った様子(ようす)の、辺境伯名代(ルリーロさま)は――

 空撮映像(ドローン)へ向かい、3本指を(・・・・)立てて見せるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ