表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

724/744

724:吠えろ魔銃オルタネーター、更地とサボりと旋回半径

 バキバキバキッ、メキメキメキッ、バゴンッ、ビシッ!

 大木(たいぼく)(しげ)みは(すべ)て、薙ぎ(たお)され吹き飛んだ。


 おれたちを(おお)きく(かこ)む、鉄丸(てつだま)(きら)めき――――ゴッッバァァァァァァァッ!

 『◄◄◄(ピピピッ♪)』――目にも留まらぬ(はや)さで張り付く、動体検知(アクティブトラッカー)緑色(みどり)

 つまりはあの、いつまでも飛び続ける(・・・・・・・・)弾丸(たま)は、間違(まちが)いなく友軍(みかた)ってことだ。


「ザザッ――えっと、ざ……ん?」

 タターの(まよ)うような(こえ)

「ザッ――残存神力(ざんぞんしんりょく)だニャ。まだ(のこ)りが、半分(はんぶん)ちょっとあるニャ♪」

 ロォグの(まよ)いのない(こえ)


 バキバキバキッ、メキメキメキッ、バゴンッ、ビシッ――

 ゴッッバァァァァァァァッ!

 標的(ターゲット)であった、巨大(きょだい)子猪(うりぼう)(ほふ)ってなお、飛び(つづ)け、あまつさえ〝(さら)(はや)さを増す〟――

 アレ(・・)じゃまるで、奥方さま(ルリーロ)魔法杖(ルードホルド)だろぉがぁ。


 ふぉん♪

『>>いいえ、最大速度には30倍弱の差があります。〝魔銃オルタネーター〟いえ〝魔弾タイフーン〟は〝辺境伯名代〟の比ではありません』

 いやまぁそうなんだが、お(まえ)それ――奥方さま(ルリーロ)(まえ)では、言うなよ?


 モクモクモクモワァワァワァフワワァァァァッ――!

 (ちり)と化した、倒木(とうぼく)石塊(いしくれ)土砂(どしゃ)が――――

 棚引(たなび)風雲(かざくも)を、まるで入道雲(にゅうどうぐも)のように太らせる(・・・・)

 ふぉん♪

『シガミー>>塵芥で辺りが見えん!』

 ヴォヴォゥゥンッ♪

 (かす)視界(しかい)(おお)まかな地形(ちけい)や、変異種(バリアント)岩山(いわやま)のような輪郭(フォルム)が、(うつ)し出された。


 ズズズゥゥン!

 森の端(しょうめん)から(とど)(すさ)まじい地響(じひび)きは()まず、切り立つ岩山(やま)(かす)かに揺れ(つづ)けている。

 それでも、とんでもねぇ勢い(・・)(せま)巨体(きょたい)が、此処(ここ)へ来るまでは――


「〝殲滅(せんメつ)ノビッグモクブート〟の到着(とうチゃく)まデ、推定(すいてイ)390(びょウ)()

「(うん、(おも)ったよか(おせ)ぇ)」

 そして矢張(はや)りどうみても、あんな岩山(いわやま)サイズの(しし)を、(ひと)の手で(ほうむ)れるとは(おも)えん。


 ふぉん♪

『シガミー>>おい、美の女神さまよ。あの丸、〝タイフーン〟とやらは具体的に、何が出来る?』

 むぅ――――――――返事(へんじ)がねぇ?

「(ありゃ、居ねぇ。マジ(・・)何処行(どこい)きやがったぁ!?)」

 画面(モニタ)(なか)をざっと見渡(みわた)すも、梅干(うめぼ)しのような現し身(エイリアスアイコン)が――

 何処(どこ)にもねぇ! すぐ呼べ、今呼(いまよ)べ!


 ふぉんふぉふぉん♪

『>FATSシステム内線#10286を呼び出しています

 >呼び出しています

 >呼び出しています

 >通話が出来ませんでした』


「(イオノファラーが。呼び出しに(おう)じませ())」

「(いくさの最中(さなか)に、いつまでサボっていやがるんだぜ!?)」

 泥音(ドローン)風神(ふうじん)(さが)せ。まだこの(あた)りには、居るだろう。


「ロォグさまよ、あの(たま)、〝タイフーン(・・・・・)〟は(なに)出来(でき)る?――ニャァ♪」

 1342パケタは、大金(たいきん)だ。

 このまま、あの弾丸(たま)を地に落とすわけにわぁいかねぇ。


「ザッヒュ――記憶(きおく)した弾頭形状(だんとうけいじょう)魔導工学(まどうこうがく)ならびに、神々(かみがみ)御手(みて)によって復元(リセット)されるから、神力切(しんりょくぎ)れまで――唐変木(とうへんぼく)――鰹節(かつおぶし)――出来(でき)るニャァ♪」

 また文字化け(・・・・)しやがったなー。


 ヒュシュオゴゴゴゴパァァッ!

 モクモクモクモワァワァワァフワワァァァァッ――!

「こりゃ、いかん。逃げろ逃げろ!」

 鉄塊(まほうつえ)(かつ)ぎ、一目散(いちもくさん)更地(さらち)の真ん(なか」)へ逃げてくる工房長(ノヴァド)


 モクモクモクモワァワァワァフワワァァァァッ――!

「ゴミが目に(はい)るとやっかいさね、(かあ)さん、こっちへ――!」

 母親(ははおや)であるコッヘル商会長(しょうかいちょう)小脇(こわき)(かか)え逃げてくるのは、魔導騎士団(きさじしょくどう)総大将さま(のおかみさん)

「きゃぁぁぁぁ――!」

 (むすめ)である女将(おかみ)さんに(かか)えられ、(はこ)ばれてくる元宮廷魔導師(コッヘルおおおくさま)


 モクモクモクモワァワァワァフワワァァァァッ――!

「――(つえ)よ! はぁはぁ、ふぅふぅ!」

 ヒラヒラと(かぜ)に舞う張り扇(まほうつえ)(すわ)り、飛んで来たのは魔術師姿(クロウリンデ)

 モソモソ家の奥方(おくがた)だ。つまりミギアーフ卿(おもしろいおっさん)(よめ)であり――

 〝扇杖(おうじょう)炎鬼(えんき)〟などという、(ふた)名持(なも)ちでもある。


 ガチャガチャ――ゴォズズズムン!!!

 トタタタッ――スタァン!

 ヒラヒラァ――パタタンッ♪

 (ちり)に巻かれた連中(れんちゅう)が、(ちか)くに(あつ)まってきた。


 その(なか)に、第四師団長ミラカルカ(くわ)えた風神(ふうじん)姿(すがた)はなく――

 本当(ほんとう)にあの惡神(わるがみ)さまめ。

 「買い(もの)に行く」とか()かしてたが、まさか――

 王都(おうと)にまで(もど)ってや、しねぇだろぅなぁ?


 ふぉん♪

『シガミー>>どうだ迅雷、〝あの自在に飛ぶ弾丸〟をぶつけりゃ、化け猪を倒す足しになるか?』

 ふぉん♪

『>>はい。〝魔弾タイフーン〟は現在、神力を50パーセント以上残しています。初撃の運動エネルギーこそ消費済みですが、いまだ高機動による作戦遂行が可能です』

 よし、使(つか)える(もの)使(つか)うが、「(結局(けっきょく)(なに)出来(でき)るんだ?)」。


 ふぉん♪

『>>性能表からの類推になりますが、神力電池が切れるまでなら〝記憶した弾頭形状が、魔術的、電磁気的、魔導工学的に、復元されると思われます』

 それいま、お猫さま(ロォグ)が言った、そのままじゃねーかぁ?

 復元(ふくげん)てこたぁ、ぶち当たった(たま)(ひしゃ)げても、元通りに(リセット)して、何度(なんど)使(つか)えるってことだな。


 ふぉん♪

『>>はい。魔弾タイフーンの旋回半径は約400メートル。約30Gの加速度に耐えるための電力消費量は、毎分約4,631KW。よって残存飛翔時間は、約5分です』

 5(ふん)!? (いそ)がんといかんな――1342パケタが無駄(むだ)になる!


 ふぉん♪

『シガミー>リオレイニア、猪のエリアボス。お前さまなら、どう倒す?』

 火縄(ひなわ)大筒(おおづつ)、ましてや大生活魔法(だいせいかつまほう)高等魔術(こうとうまじゅつ)(かん)しちゃ、おれは素人(しろうと)だ。

 手前(てめえ)(いのち)真円(えん)(えが)き、真言(マントラ)(とな)えりゃ――

 瀑布火炎(ばくふかえん)(じゅつ)ぐらいは使(つか)えるが。

 ここは専門家(せんもんか)である、蜂のお化け(・・・・・)意見(いけん)も、ぜひ拝聴(はいちょう)させていただくぜ。


「ヴヴヴヴヴヴウヴヴッ――?」

 蜂女(はち)(かろ)やかに飛んできた。

 練習用(れんしゅうよう)初心者用魔法杖(ちいさなつえ)ではない、太木(ふとき)魔法杖(まほうつえ)片足(かたあし)を乗せ――(すべ)るように。


 ふぉふぉん♪

『ルガレイニア>>そうですね、上から急所を狙うときに、あの背中に堆積した土砂が邪魔になるかも知れませんので』

「ヴヴヴヴヴヴウヴヴッ――?」

 片手片足(かたてかたあし)太杖(ふとつえ)に取り付き器用(きよう)にも、雨乞鳥(きつつき)のように(くつ)(ふる)わせる――

 給仕(きゅうじ)生活魔法(せいかつまほう)達人(たつじん)

 あの黒光(くろびか)りする眼鏡(めがね)威嚇音(いかくおん)(まえ)にすると、どうしたって――

 毒針(しり)を持ち上げた、ルガ(ばち)にしか見えない。


「なるほど、背中(せなか)大岩(おおいわ)を打ち(くず)せば、良いんだな?」

 ヒュォォォォオォォォォォォオォォォォォゥ――――――!!

 強風(かぜ)(あお)られ、眼前(がんぜん)塵芥(きり)が、すっかりと(はら)われた!

 地響(じひび)きに混じってメキメキメキと、(ちか)づいてくる(おと)は――

 それは変異種(バリアント)が、大木(たいぼく)を踏み(つぶ)(おと)だった。


 ふぉん

『シガミー>迅雷、エリアボスの背中の映像寄越せ!』

 ヴュパパパッ♪

 泥音(ドローン)による上空(いえ)からの空撮映像(くうさつえいぞう)が、表示(ひょうじ)される。


 ふぉふぉふぉふぉふぉふぉん♪

『殲滅のビッグモクブート(変異種)【超硬質】/

 非常に大きな胴体を持つ四つ足の獣。

 なかでも上質の斑茸を食べ続けた、超特大の個体。

 体長は、ゆうに100メートルを超える。

 際限なく伸び続ける巨大な牙を支えるために、体躯を巨大化させた成れの果て。

 大地を流れる龍脈を操ることで地を割り、空をも割ると言われている。

 そしてその味は、脂がのった霜降り肉そのものだが、

 自重に押しつぶされた肉質は、とても野趣溢れるもので、

 岩と変わらぬ硬度を誇る。到底常人にはかみ切れず、食用に適さない。

 だがもしも最高の調理人による、下処理ならびに調理が完全に行われた場合、

 ソレは天上の奇跡と呼ぶべき、料理となるだろう。』


 同時(どうじ)食材情報(かんていけっか)一緒(いっしょ)表示(ひょうじ)されたが――超長(ちょうなげ)ぇなっ、切っとけ!


 ヴュパパパッ♪

 岩山(モクブート)を取り(かこ)んだ(ひかり)(すじ)に、正確(せいかく)長さ(すうじ)(かさ)ねられていく。

 チキチキキッ――(なが)さが167メートル、(はば)が84メートル。

 そして(たか)さが、チキッ……120メートルか。


「(とんでもねぇぜ!)」

「(はい。いくら変異種(へんいしゅ)とはいえ、常軌を逸しています(・・・・・・・・・)())」

 これなら東側(ひがしがわ)(かに)(ほう)余程(よほど)増し(・・)だったぞ。


 巨大(きょだい)(しし)が、岩山(いわやま)のように見える原因(・・)

 変異種(バリアント)の背には、巨大(きょだい)岩石(がんせき)3つ(・・)乗っていた。


 轟雷(おれ)念話(ねんわ)要領(ようりょう)で、視線(カーソル)彷徨(さまよ)わせ――

 『×(チキッ♪)』、『×(チキッ♪)』、『×(チキッ♪)』。

 巨大岩石(ひょうてき)の3つに、(あか)×印(ばつじるし)を書き込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ