表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

722/744

722:吠えろ魔銃オルタネーター、一撃必殺のお値段

「「カニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニカニッ――――――――――――――――!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」

 あまりのけたたましさに五百乃大角(いおのはら)が、虎型ふ号(シシガニャン)首元(くびもと)に落ちて(はさ)まった。


「やぁーかぁーまーしぃーいぃーやぁーあああ-ぁーっ!!!」

 一緒(いっしょ)に落ちた薄板(スマホ)が――「「(カニカニカニカニッ――!!!!!!!!!!)」」

 おれの腹の辺りで(・・・・・)(わめ)(つづ)けてやがる!

 すぽすぽん――ヴッヴッ!

 ふたつとも格納し(しまって)展開(とりだ)した。


 ガチャゴロン――「ぎゃっふん()

 強化服虎型(シシガニャン)(あたま)(なか)おれの顔の横(いつものとこ)

 (ほう)り出された五百乃大角(いおのはら)が――「お(ひめ)ちゃーん、もしもしぃ?」

 薄板(スマホ)使(つか)うときの、呪文(じゅもん)を吐く。


「ヴュザザッ――シガミーちゃん! リカルルさまがぁ、カニの変異種(バリアント)(はさ)まれてるけど、どーしようっ!?」

 何奴(どいつ)此奴(こいつ)も、うーるーせーえー!

 タターの(こえ)耳栓(みみもと)で、(とどろ)く。

 薄板(スマホ)耳栓(ヘッドセット)念話(ないしょばなし)轟雷(ゴウライ)を着てても、とっちらかるぜ!


高速型(こうそクがた)ドローンノ配置(はイち)完了(かンりょう)しまシた。大森林東端(だいしんりんトうたん)上空(じょウくう)ヨりの映像出(えいゾうで)()

 ヴォゥゥゥン――ザザッ!

 (おお)きめの映像(えいぞう)が目の(まえ)(あらわ)れ、直ぐに(よこ)()けた。


「(ニゲルにも泥音(ドローン)を、持たせた(はず)だろ?)」

 向こうへ着いてから随分(ずいぶん)と、時間(じかん)が掛かったぞ!?

 ふぉん♪

『>>はい。ですが、ドローンよりの映像を中継するためには、中間地点へのドローン配置が必要になります』

 あー、そう言うアレか。

 これでも、向こうから折り返してきた分(・・・・・・・・)は、(はや)くなってる(わけ)か。


 ヴュザザザザザッ――――ウウウゥゥウンッ♪

 轟雷(ゴウライ)を着たときは頭が冴える(とんちがきく)だけじゃなくて、虎型(シシガニャン)何倍(なんばい)画面(モニタ)(ひろ)使(つか)える。


 ガキリッ――――ぶくぶくぶくぶく!!!!!

 映像(えいぞう)(なか)では、真っ(さお)巨大蟹(きょだいがに)が――「ウカカカカカッ♪――ニャァ♪」

 いかん、あまりのことに、つい(わら)っちまったぜ!

 赤い蝦(ゆでえび)みたいな(ちい)せえ(えさ)……リカルルを巨大鋏で(・・・・・・・・・)つかんでやがる(・・・・・・・)


「ヴュゥン――だからぁっ、もしもし(・・・・)ってぇー、なーんーでーすーのーっ!?」

 あの甲冑(かっちゅう)――多目的機(あかい)動戦闘四足(よつあしの)歩行車両(けもの)は、天狗役(ジンライ)猛攻(こうこう)ほぼ(・・)耐えた(ほど)(もの)だ。

 あのお化け蟹(・・・・)がどれだけ(つよ)くても、そうそう(こわ)せるもんじゃねぇ……はず。


 ふぉん♪

『>>遊撃班の二人が変異種|(蟹)を目視確認(ビジュアルチェック)したのは、間違いないようです』

 そのようだぜ――ん?

 (かに)足下(あしもと)に……(なん)か居る?


 おれの視線(しせん)に合わせて――チィー、ヴュワワッ♪

 拡大(ズーム)され一瞬(いっしゅん)解像度(かいぞうど)(あら)くしたソレは――

 外套(ローブ)(すそ)蟹足(かにあし)に踏まれ、身動(みうご)きが取れない様子(ようす)の――

 傾国(けいこく)魔物(まもの)悪逆令嬢(あくぎゃくれいじょう)ロットリンデだった。


 ふぉん♪

『>>東側変異種の分析終了。甲羅高が推定約18メートル、鋏脚が推定約15メートル』

 (はさみ)(おお)きさが、尋常(じんじょう)じゃねえな。

 しかも魔法(まほう)(ろく)に効かんとなれば、この有様(ありさま)でも無理(むり)はねぇ――つまり、マジやべぇ!


「ニゲルや村長(そんちょう)は、(なに)をしてやがるっ!?――ニャァ♪」

 彼奴(あいつ)らなら、身の(たけ)三階建(さんがいだ)ての旅籠屋並(はたごやな)みの蟹相手(かにあいて)でも、(わた)り合えるだろうがっ!

 いつものように、ご令嬢(れいじょう)どもの(しり)をへらへらと、追いかけてるんじゃねぇだろぉなぁぁっ!?


「ザザッ――シガミー。村長(そんちょう)さんは(はこ)を、持っていないようだけど?」

 オルコトリアの(こえ)

 (たし)かに村長箱(ジュークボックス)は、開かれてる(・・・・・)(よう)だ。

 村長(ジューク)(こし)に、ぶら下がる(いた)ぺら。

 ありゃぁ、村長箱(はこ)を開いたときに、(こし)のベルトにぶら下げられる――

 村長箱(そんちょうばこ)の……(ふた)みたいな(やつ)だ。


 つまり〝封鎖空間(ふうさくうかん)〟の(なか)に、(すで)何かを閉じ込めた(・・・・・・・・)ってことになる。

 (かに)(まわ)りに居るのは――

 岩壁(いわかべ)突き刺さった魔法杖(・・・・・・・・・)に、狐火(ウィルオ)・仙(ウィスプ)(レーザー)(はな)辺境伯(へんきょうはく)名代(みょうだい)ルリーロ。

 (くる)ったように(かに)に向かって馬の人形(ぬいぐるみ)を投げつける、ラプトル王女殿下(おうじょでんか)

 巨大(きょだい)(くさび)(かつ)(かに)突進(とっしん)する、鍛冶職人(かじしょくにん)ワーフ。


 そして果敢(かかん)にも(かに)(あし)数本(すうほん)(なわ)(から)め取り、二人(ふたり)のご令嬢(れいじょう)たちを(たす)けんとする勇姿(ゆうし)――

 まさかのおっさん――ミギアーフ(きょう)

 あのおっさんはコントゥル辺境伯夫人(へんきょうはくふじん)で有るルリーロさまの(まえ)だと、冒険者(ぼうけんしゃ)として全盛期(ぜんせいき)だった(ころ)の――

 精悍(せいかん)ふざけない(・・・・・)有能(ゆうのう)一端(いっぱし)戦力(せんりょく)と化すのだ。


 そんな父上(ちちうえ)(たす)けようと、(なに)かの呪文(じゅもん)(とな)えるフォチャカ(じょう)

 その背後(はいご)を、おにぎり騎馬(きば)(はし)(まわ)ってる。


 この肝心(かんじん)なときに、ニゲルは何処行(どこい)った!?


「あれ? あれって(かに)さんじゃね()

 今更(おまさら)何言(なにい)ってやがる?

 巨大蟹(きょだいがに)に、決まってるだろぉがぁ?


「ちがうちがう、おっきいのじゃなくて(・・・・・・・・・・)さぁ、(まわ)りにポロポロ落ちてるの(・・・・・・・・・)って(かに)さんじゃんかぁ()

 はぁ? ポロポロ落ちてる?

 辺境伯名代(ルリーロさま)魔法杖(ルードホルド)を引っこ抜こうとして、切り(きざ)んだらしい岩壁(いわかべ)破片(はへん)しか落ちてないだろが?

 画面(がめん)を目でつかみ、真ん(なか)引っ張りだして(・・・・・・・)、よーく見た。


「んぅ? ひっくり返った(・・・・・・・)(かに)も、混じってるか?」

 (おお)きさで言やぁ、随分(ずいぶん)(ちい)せぇ。

 厨房迷宮(ダンジョン)()がした(ちい)せぇ(ほう)、それでも普通(ふつう)なら〝大蟹(おおがに)と言われる(やつ)の、(ばい)三倍(さんばい)はある〟ようだが。


 ふぉん♪

『>>類推になりますが、大量発生した小蟹を封じ込めたのでは?』

 あり得るな。するとソレにニゲルが、巻き込まれたんだろうぜ。

 どの(みち)、居ない(もの)を、あてには出来(でき)ん。


「オルコにタター! 見えてるなら(・・・・・・)余裕(よゆう)だろぉ! 其処から狙え(・・・・・・)やぁ!」

 ドローンからの映像(えいぞう)ほど鮮明(せんめい)では無いかもしれんが、あれだけの図体(ひょうてき)だ。

 でかい方の鋏(リカルル)足下(ロットリンデ)を避けて、(ねら)うことくらいは出来(でき)るだろう。


「(はい。〝【主観(しゅかん)ロックオン】により発射(はっしゃ)された弾体(だんたい)は、スコープで(とら)えた(もの)(かなら)穿(うが)つ〟と書かれている以上(いじょう)着弾(ちゃくだん)までのタイムラグを(もの)ともせず――命中(めいちゅう)させると(おも)われます……たぶ())」

 迅雷(ジンライ)念話(ねんわ)使(つか)うと、おれの(まわ)りは、(ひど)ゆっくりになる(・・・・・・・)


 (とお)くの岩山が揺れ(・・・・・)(とり)一斉(いっせい)に飛び立つ。

 おれは目の(まえ)に生えていた太木(ふとき)を、ドドドンと駆け上がる。

 念話中(ねんわちゅう)轟雷(からだ)は、まるで(みず)(なか)を掻き(すす)むようで――

 多少(たしょう)、もどかしい。



「ザッ――ソレは(かま)わないけど、速い弾は良いお値段(・・・・・・・・・)って聞いてるけど?」

 オルコトリアの落ち着いた(こえ)

 (はや)弾丸(たま)だぁとぉ!?

 そうだぜ……遊撃隊(あいつら)が居る大森林(だいしんりん)中央(ちゅうおう)から巨大蟹(きょだいがに)までの距離(きょり)は、(やく)200キロメートル(きょう)

 (おと)(はや)さの5倍(・・)弾丸(たま)を飛ばしても、(やく)(ふん)かかる計算(けいさん)になる。

 〝ガムラン(ちょう)ギルド支部展望台(しぶてんぼうだい)〟から直線(ちょくせん)(ねら)える、〝魔物境界線(まものきょうかいせん)(とりで)(あた)りを狙撃(そげき)するのとは(わけ)(ちが)う。


弾丸代(たまだい)はおれが持つ、(いく)使(つか)っても(かま)わん!」

 (いのち)あっての物種(ものだね)だ。(あと)からリカルルに請求(せいきゅう)しても、文句(もんく)は言わんだろ。


 ふぉん♪

『ロォグ>一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ』

 おれは(あた)りを(さぐ)りながら、ソレを見た。

 画面(がめん)(なか)(かに)へ突き刺さる、一条(いちじょう)(ひかり)

 (かに)(ちい)せぇ(ほう)(はさみ)で、ソレを(かる)(はじ)いた。


 ふぉふぉふぉん♪

『ロォグ>一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ』


 上空(じょうくう)から止め()なく、なだれ落ちていく光跡(こうせき)には――

 (うつく)しささえ(かん)じられる。

 着弾(ちゃくだん)まで2(ふん)も掛かっているというのに、避けられない(ところ)を見ると――

 魔銃(オルタネーター)魔法具(まほうぐ)いや、魔法杖(まほうつえ)としての機能(きのう)は、正常(せいじょう)作動(さどう)しているようだった。

 だが、肝心(かんじん)威力(いりょく)が足りず、あまり効いてない(・・・・・)っぽい。


 ふぉふぉふぉふぉふぉふぉん♪

『ロォグ>一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

    >一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ』


 『長銃オルタネーター専用 丸込め価格|(税抜き)』が、いつまでも止まらなくなった!

 どーする迅雷(ジンライ)い!?

 ふぉん♪

『>>この際、より強力な弾丸を使用し、一気に殲滅せしめるのも手では無いかと』

 じゃぁ、そう言っとけ!

 どの(みち)(まん)(いち)にも姫さん(リカルル)たちに、万一(まんいち)のことでも有りゃ――

 猪蟹屋(ししがにや)営業停止(えいぎょうていし)の憂き目に遭う。

 そうすりゃ、五百乃大角(いおのはら)(めし)――ひいては、惑星(わくせい)ヒースも一巻(いっかん)(おわ)りを(むか)える。



正面(しょうめん)からぁっ、来るぞぉぉぉぉっ!!!――ニャァ♪」

 こっちも変異種(へんいしゅ)と、やり合ってる最中(さいちゅう)だ。

 いつまでも東側(カニ)ばかりを、気にしてる場合(ばあい)じゃなかった!


 (すさ)まじい地響(じひび)き、切り立つ岩山(いわやま)

 (こけ)むして木々(きぎ)が生えた背中を蠢かせ(・・・・・・)――

 とんでもねぇ勢い(・・)(せま)巨体(きょたい)は――

 とても(ひと)の手で(ほうむ)れるとは(おも)えん。


 森の主(ファローモ)(やま)より(おお)きな姿(すがた)、あれを先に見てなかったら(・・・・・・・・・)――

 この場に(とど)まれは、しなかっただろう。


 そう言う意味(いみ)じゃ、此処(ここ)にいる全員(ぜんいん)胆力(たんりょく)は、想定(そうてい)埒外(らちがい)だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ