表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

719/744

719:大森林保全組合本部詰め所女神像の間にて、おしくら饅頭

「うふふ、ジューク! 出番(でばん)ですわよっ!」

 ごつごつっ!

(いた)っ、(つつ)かないでよ、(ぼく)のトリデちゃぁーん!」

 村長(ジューク)何本目(なんぼんめ)かの回復薬(かいぐくやく)に、手を伸ばし――


「うふふふふふふうぅ――こぉんなこともぉあろうかと、持ってて良かった古代文字逆引(こだいもじぎゃくび)辞典(じてん)ー♪」

 どっすーん!

「それは、スデットナー教授(きょうじゅ)……(ぜん)フカフ村村長(むらそんちょう)(のこ)した〝(とら)(まき)〟……〝秘伝書(ひでんしょ)〟ですわね?」

 (きゅう)(いろ)めき立つ、悪逆令嬢(ロットリンデ)仲間(なかま)たち。


(かあ)さん、いや商会長(しょうかいちょう)。そんな(おも)(ほん)を、わざわざ引っ張り出してきたのかい?」

 女将(おかみ)さんが(しぶ)表情(かお)で、(ゆび)を刺した。

 ソレはさっきまで商会長(しょうかいちょう)がペラペラと(めく)っていたのよりも、(さら)(おお)きく分厚(ぶあつ)(ほん)だった。


「ついさっきうたた寝したら、ご神託(しんたく)がぁ有りましたのでぇ、(ねん)のため持参(じさん)しましたぁ♪」

「「「商会長(しょうかいちょう)の――ご神託(しんたく)っ!?」」」

 (かお)をしかめる、大森林勢(だいしんりんぜい)

 どうやら商会長(しょうかいちょう)ご神託(おつげ)ってのは、良くない知らせらしいな。


商会長(しょうかいちょう)いや、(かあ)さん! 一体(いったい)なんて、ご神託(しんたく)があったんだい!?」

 緊迫(きんぱく)女神像(めがみぞう)の間。

「えっとぉー、〝建てたばかりのぉ、宿屋(やどや)がぁ吹き飛ぶ〟という(おそ)ろしい――」

 がくり。大森林勢(だいしんりんぜい)三人(さんにん)とおれが、(ゆか)(くず)れ落ちる。


「お、(おど)かすんじゃねぇやい! そいつぁもう、やっただろぅが!」

 おれはぺちりと(ゆか)を、(たた)いて見せた。

 地下(ここ)は埋まりもしなかったから、そのままだが――

 地上(うえ)旅籠屋(はたごや)は、二つ目だ(・・・・)

 ふぅぃ、まったく一刻(いっこく)(あらそ)うって言うのによぉ。



「〝ござる〟居た!」

 (だれ)が、ござるか!

本当(ほんとう)だ、居た!」

 どやどやどやどや、わいわいわいわい!

 騒々(そうぞう)しい連中(れんちゅう)階段(かいだん)を、駆け下りてきた。


「「「「「シガミーちゃん!」」」」」

 どうしたどうした、(だれ)がシガミーちゃんか。


「あっ、レトラちゃんも居……なんだか(あま)(かお)りがしますわ!?」

 生意気(なまいき)子供(こども)レイダと、(どう)じない子供(こども)ビビビーに(つづ)いて――

 (わらし)どもを引き連れてきたのは、巻き(がみ)大食漢(たいしょくかん)ビステッカ(じょう)

 魔物並(まものな)みに、(はな)が利く(やつ)だな。


「び、ビステッカちゃぁぁん――!」

 「ふぇーん」と駆け寄る、レトラ(じょう)


「リカルルさまに、リオレイニアくーん!」

 がららら、ぐわららん♪

 (いか)つい魔法杖(まほうつえ)何本(なんぼん)背負(せお)う、矢鱈(やたら)(せん)(ほそ)(おとこ)

 担任教師(たんにんきょうし)ヤーベルトも来た。


(あま)い……お菓子(かし)のい?」

 そして(いま)(がた)顧問氏ミャッド(はなし)に出てきた、第四師団長(だいよんしだんちょう)(わらし)

 垂直(たて)に浮かぶ、先端(せんたん)(ふと)い――人参(にんじん)尻尾(しっぽ)みたいな魔法杖(まほうつえ)

 その(うえ)腰掛(こしか)け、お猫さま(ロォグ)大事(だいじ)そうに(かか)えている。

 (さき)の〝伝説(でんせつ)建国(けんこく)龍撃戦(たたかい)〟の(とき)には、あの魔法杖(まほうつえ)使(つか)い、巨木(きょぼく)(たまご)着弾点(・・・)(うらな)ってもらったりしたな。


「ちょひょほーい♪」

「ちょっとあなたっ、引っ付くんじゃ有りません!」

 スパッシィィィィィィンッ――♪

「「「(ささや)き――!」」」

 あ、阿呆(あほう)めっ!

 全員降(ぜんいんお)りて、来ちまいやがった!

 一気(いっき)手狭(てぜま)になる、女神像(めがみぞう)の間。


樹界虫(@かいちゅう)よ――じゅるり?」

 ぎゅうぎゅう詰めで椅子(いす)の背を、ガタゴトと押されても森の主さま(ファローモ)は、平気(へいき)様子(ようす)だが――

 (くち)(はし)から(よだれ)を、垂らしてやがる。おかわりか?

 ふぉん♪

『シガミー>茅野姫、蜂蜜の饅頭わぁ、もうねぇのか?』

 ふぉん♪

『ホシガミー>はい。試食用でしたので、あれで全部ですわ。クスクス♪』


 じゃぁ、ガムラン饅頭(まんじゅう)でも出しとけ。

 兵糧(ひょうろう)がわりになればと、無人工房(むじんこうぼう)から(つく)り置きを全部(ぜんぶ)、引き上げてきたからな。

 ふぉふぉん♪

『ガムラン饅頭|(塩餡) ×1394

 ガムラン饅頭|(こし餡) ×1125

 名代饅頭|(梅餡) ×423

 名代饅頭(ツナマヨ) ×549』

 良し良し、売るほど有る。


 白金の棒(ジンライ)が、ヴヴヴと(ふる)え――ぼとぼとぼと♪

 平箱(はこ)数個(すうこ)、積み上がると――「お菓子(かし)だっ♪」

 生意気(なまいき)で、余計(よけい)なことを余計(よけい)瞬間(とき)に言う子供(こども)が――

 余計(よけい)なことを余計(よけい)瞬間(とき)に、言いやがった!


「「「「「「「「わぁわぁわぁわぁぁい♪」」」」」」」」

 大食らい(ビステッカ)先頭(せんとう)に、(テーブル)(むら)がる子供(こども)たち。

 お(まえ)らはこれまでに散々(さんざん)、食っただろうが!

 ふぉん♪

『>>狐の顔型の〝名代饅頭〟は、基本的に猪蟹屋二号店での販売しかしていませんので、子供たちにも目新しいかと』


()゛も゛も゛ぉぉぉ!」「も゛ぉー!?」「も゛っ!?」

 うわ!? (なに)その鳴き(こえ)!?

 子供(こども)らに椅子(いす)を押されても、一度(いちど)(おこ)らなかった森の主(ファローモ)

 その両目(りょうめ)が――『『『(Θ_Θ(モ゛ッ))』』』

 いかん饅頭箱(まんじゅうばこ)子供(こども)らに取られた、森の主(ファローモ)男の姿になったら(・・・・・・・・)――

 おれの(あたま)が、念話で割れる(・・・・・・)


 迅雷(ジンライ)が、ヴヴヴと(ふる)え――ぼとぼとぼとぼとととっ♪

 山積(やまづ)みになる、追加(ついか)名代饅頭(みょうだいまんじゅう)


「さぁさぁ、(みな)さん。ココは手狭(てぜま)ですし、(うえ)(もど)りましょう。じつは新作(しんさく)の、お菓子(かし)をこれから(つく)るのですけれど、手伝(てつだ)って(いただ)けませんか()

 そう言って階段前(かいだんまえ)で振り(かえ)る、茅野姫(かやのひめ)


「「「「新作(しんさく)の、お菓子(かし)!?」」」」

素敵(すてき)ですわね、いただきますわ♪」

「「面白(おもしろ)そう♪」」

「「手伝(てつだ)うっ♪」」

 わいわいがやがやと、(もど)っていく子供(こども)たち。


 ふぉん♪

『ホシガミー>>クスクスプー♪ 子供たちのことは、おまかせ下さい♪』

 ふぉん♪

『シガミー>>悪い、助かる』

 まったくよぉ。

 おれの視界(がめん)(すみ)

 一行表示(ティッカー)(した)(うつ)し出された、『変異種出現よりの経過時間』。

 その(あか)数字(すうじ)は――『10:45』

 もう10(っぷん)も過ぎたぞ、こら――どーすんだぜ、迅雷(ジンライ)迅雷(ジンライ)五百乃大角(いおのはら)ぁ!?


 ふぉん♪

『イオノ>そぅわね、由由しき事態わねん!』

 もぐもぐもぐもぐと、饅頭箱(まんじゅうばこ)(おさ)まる御神体(ごしんたい)

 ふぉん♪

『>>しかし、大人や関係者が全員集まってくれたのは、丁度良いのでは?』

 そうだな、もう(こま)かい戦法(せんぽう)段取(だんど)りを詰めていかんと――惑星(わくせい)ヒースが終わる。


「お(まえ)ら、ちょっと待て」

 一緒(いっしょ)(うえ)(もど)ろうとする、第四師団長(ミラカルカ)猫の魔物(ロォグ)と――

 少女(しょうじょ)タターを呼び止めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ