表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

710/744

710:ファローモVSイオノファラー

「じっつっわっさーぁ、さっき女神像(めがみぞう)設置(せっち)してたときにさぁ――低警戒度(ていけいかいど)のバリアントを検出(けんしゅつ)したのよねぇん()

 ヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォゥゥゥゥゥンッ♪

 浮かぶ(プロジェクション)(BOT)群れ(・・)が、森の主(ファローモ)を取り(かこ)む。

 ちなみに実物大(じつぶつだい)半透明(すがた)は、(うつ)し出されていない。


 『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』

 当たると(いた)いが、死ぬ(ほど)ではない(たま)

 込められたソレが、ガチャリと回転(まわ)される(おと)

 まだ五発入(ごはつい)りの(たま)は、一発(いっぱつ)も撃たれていない。

 つまりは、威嚇(おど)しているのだ。


「なんだと!? 巨木・木龍(りゅうのまもの)(ほど)じゃねぇーが、大事(おおごと)じゃねぇか!」

 変異種(バリアント)だけは()ぐに(たお)さねぇと、面倒(めんどう)なことになるらしくて――

 出る(たび)毎回(まいかい)冒険者(ぼうけんしゃ)ギルド総出(そうで)討伐(とうばつ)している。

 どこだ!? 一体全体(いったいぜんたい)何処(どこ)に出やがったんでぇい!?


 ヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォゥゥゥゥゥンッ♪

 森の主(ファローモ)(まわ)りを旋回(せんかい)する、浮かぶ球(いおのはら)の群れ(たち)が――

 『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』

 (ふたた)(たま)を、空装填(からそうてん)する。


「ウケケケケッ――()

 んぅ――――?


 ふぉん♪

『変な魔物にピンときたらソレは――

 変異種【バリアント】かも知れません!

 お近くのギルド会館までご連絡を。』


 ガムラン(ちょう)にも、べたべた貼ってある注意(ちゅうい)の張り(がみ)が、表示(ひょうじ)された。

 つまるところ変異種(へんいしゅ)ってのは、超危険(ちょうきけん)魔物(ヤツ)総称(そうしょう)だ。

 草原(そうげん)に居る(つの)ウサギが変異(へんい)したら、聖剣切りの閃光(ひめさんたち)でさえ手こずる〝化けウサギ〟になったからな。


 んぬむむぬぅ――!?

「(おい、まてや。お(まえ)さまが言ってる変異種(バリアント)というのは、まさか――――!?)」

 シャババッ――上体(じょうたい)をぶるるりと(ふる)わせ水気(みずけ)を切る、珍妙(ちんみょう)(おんな)


「うわぷ――!?」

「みゃぎゃにゃ――!?()

 冷えた湯が、おれたちに掛かる。


 しゅぱん、ぱささっ。

 (はだ)けていた(ふく)をサッと整える、成体ファローモ(もりのぬし)

 (ひたい)から生やした小枝(こえだ)を、びょびょびょーんと揺らし――


(@い)さき(もの)よ、(なんじ)らが言うバリアントというのは、樹界虫(きかいちゅう)のことであろう?」

 そんなことを言いやがる。

「はぁ? 樹界虫(きかいちゅう)ってのは、おれやそこに居る星神(ほしがみ)のことなんだろぉ?」

 これ以上(いじょう)、ややこしいことを言うなやぁ。


「ウケケケケッ――――変異種(バリアント)わぁ、みぃんなぁ、そぉう言うのよぉ!?()

 だからそのやる気わぁ、どっから出してやがるんでぇい?

 浮かぶ球(いおのはらども)(ぼん)で、手繰(たぐ)り寄せようとしたら――――ヴォヴォヴォヴォヴォゥゥゥンッ♪

 天井近(てんじょうちか)くまで、(のぼ)って行っちまいやがった!


「待てと言っとるだぁろぉーがぁ!」

 仕方(しかた)がねぇ――ふぉん♪

『シガミー>>茅野姫、拭く物をくれんか?』


 脱衣所(だついじょ)に駆け込むと、(よこ)から差し出される、ふわふわの柔らかい布(タオル)

 それを森の主(ファローモ)にも差し出す、茅野姫(ほしがみ)

 着流(きなが)しの袖口(そでぐち)から――――ぱき、ひゅるぅん♪

 生え伸びた若木(わかぎ)器用(きよう)に、柔布(それ)を受け取った。


()ら、(やわ)らかいですね」

 (おんな)(ふく)は、すっかり(かわ)いていて――

 濡れてるのは膝下(ひざした)と、小枝(こえだ)(さき)くらいだったが。

 しゅるるっ、ぱきん♪

 若木(わかぎ)(たもと)に巻き取られ、まるで迅雷(ジンライ)機械腕(かいな)だな。

 ふわぁさり、もそもそ。

 (もり)(ぬし)人の手(・・・)が、柔布(タオル)小枝(つの)(さき)を拭いている。


「死に(さら)ぁせぇー()

 バッゴォ、バッゴォォ――ン!

 ちょっと目を(はな)した(すき)に、御神体さま(いおのはら)が――

 暴徒鎮圧用(ぼうとちんあつよう)ゴムスタン(だん)を、浴びせやがった!


 (あわ)てて迅雷(ジンライ)を、引っつかんだが――

 バゴォバゴゴォゴォゴォゴォ、バッゴォォ――ン!

 躊躇無(ちゅうちょな)(たま)が、撃ち込まれ――バッゴォォォォーン!!


 『(>x<(カキン!))』『(>x<(カキン!))』『(>x<(カキン!))』『(>x<(カキン!))』

 浮かぶ(プロジェクション)(BOT)(かお)が、吠え(づら)をかいた。

 ふぉん♪

『>>弾切れです、イオノファラー』

 浮かぶ(たま)丸数(たまかず)は5(はつ)。それが4個分(こぶん)

 (けい)20(ぱつ)の、当たれば(いた)いが――

 死ぬほどでわねぇ、威力(いりょく)(たま)


 ふぁさりと落ちる柔布(やわぬの)

 ボゴゴゴゴゴォン――――バラララララッ♪

 それは、いつの間にか手にしていた木桶(・・)から、跳ね(かえ)った。

 ぽちゃぽちゃちゃんと、湯船(ゆぶね)に落ちる(たま)

 ぶるぶると(ふる)える、投げ(くぎ)のような(かたち)


 その(ひと)つが、ぽきゅーん♪

 おにぎりの(あたま)に、当たった。


「ふぎゃにゃぁーぁご()

 お(まえ)、ずっと(はい)ってたのか!?

 ぱしゃり――湯船(ゆぶね)仁王立(におうだ)ち。

 目鼻口(めはなくち)は無いが、目を吊り上げているのがわかった。


 黄緑色(きみどりいろ)(ねこ)魔物風(まものふう)は、木の(いた)を取り出し――

 スパコォーンと、(もり)(ぬし)横っ面(・・・)を引っ(ぱた)いた。


 パキメギョ――森の主(おんな)着流(きなが)しの(たもと)が、ボコボコと(うごめ)く!


 やい、芋茸(いもきのこ)に化け(ねこ)ぉどもめっ――いい加減(かげん)にしとけやぁ!

 大森林(ここ)にわぁ、大森林(だいしんりん)観測村(かんそくむら)も有るんだぜ!

 (もり)(ぬし)巨体(・・)で踏みつけられ、まるごと全部更地(ぜんぶさらち)にでもされたら――

 明日(あした)からぁ村人(むらびと)どもがぁ、路頭(ろとう)(まよ)っちまうだぁろぉがぁぁっ!


 おれは洗い場に、飛び込んだが――

 ぽぎゅむ――スパコォーン、ポコパココーン♪

 (かべ)を蹴り上がったおにぎりに、美の女神(いおのはら)一式(いっしき)が――

 (たた)き落とされてた!


Боже(ボージェ)……мой(モイ)()

 『(+_+(ゴトン!))』『(+_+(ゴトン!))』『(+_+(ゴトン!))』『(+_+(ゴトン!))』『(+д+(ゴトン!))』

 阿呆(あほう)か。(かみ)さんは、お(まえ)さまだろうが。


 ふぉん♪

『温泉入浴五箇条

 一、湯に入る前に、かけ湯

 二、タオルは湯船に、入れない

 三、湯船のお湯で、顔を洗わない

 四、お風呂から上がるときは、身体を拭こう

 五、洗い場や脱衣所で、ケンカをしない』

 木板(きいた)に書かれていたのは、そんな注意書(ちゅういが)きだった。


 ふぉん♪

『おにぎり>おふろで、ふざけちゃだめだもの』


「ウカカカッ、(もっと)もだ――()っでっ!?」

 スパコォーン!?

 どうやら、巫山戯(ふざけ)ていた不心得者(ふこころえもの)()には、おれも入っていた(・・・・・)らしい。


   §


「みゃぎゃにゃぁー()

 おれたちは、内湯(うちゆ)(なお)し――


「みゃぎゃにゃぁー()

 温泉入浴(おんせんにゅうよく)五箇条(ごかじょう)(まも)り――


「みゃぎゃにゃぁー()

 (からだ)(しん)まで、よーく(あたた)まった(ところ)で――

 (ようや)く、解放(かいほう)された。


樹界虫(@かいちゅう)ょりも、(おそ)ろしぃ」

 どういうわけか森の主(ファローモ)は、愚痴(ぐち)りながらも――

 おにぎりの言うことを、大人(おとな)しく聞いた。


   §


「では、お待ちかねのアイスクリームですわ。クースクス()

 コトコトコトコトン♪

 ふぉん♪

『ホシガミー>>おにぎりさんの言い分が、正しいとわかって頂けたのだと思われますが。本当によくも、ことなきを得ましたね?』

 ふへひぃー、(まった)くだぜ。

Боже,мой/おお神よ。わあ、びっくりした。

投げ釘/手裏剣。この場合は三つ叉の、三方剣のような形。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ