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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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709/744

709:旅籠屋三階客間にて、おつまみは一撃必中3パケタ

「おい、(もり)(ぬし)さまよ。樹界虫(きかいちゅう)てのわぁ、何匹(なんびき)も居やがるの――ひょわっ!?」

 (おな)(つら)をしちゃいるが、星神(かやのひめ)(べつ)の生き(もの)――ひょわっ!?


 湯船(ゆぶね)から這い出たおれは、(あわ)でつるりと素っ(ころ)んだ。

 いかんぞぉ、のぼせたかぁ。

 天地(てんち)(さかしま)にした森の主(ファローモ)が、おれを見つめている。

 濡れた着流(きなが)しが彼方此方(あちこち)(はだ)けてたが――

 (こけ)だか毛皮(けがわ)だかが生えた素肌(すはだ)は、(ねこ)獣人(じゅうじん)とかの毛皮(けがわ)(おな)じようで――

 (はだか)を見てる気には、ならなかった。


 ファローモの巨体(きょたい)()(しげ)ってた、雑木林(ぞうきばやし)みたいな地肌(じはだ)

 あれには(とり)の群れなんかが、棲んでたように見えたが――

 この(ちい)さい湯船(ゆぶね)に、(あら)(ばが)されたりしとらんだろうな。


 ふぉん♪

『>>重力値異常はファローモの分泌物による、物性改竄に因るものと思われ』

 うむ。湯には木の葉一枚(はいちまい)、浮いてないが――

 おれは(さかしま)になりながら、湯面(ゆなも)(なが)める。


 すると――

 ヴォヴォッヴォオォォォォォオッ――――むぅ?


「むにゃ? (なん)だぁぜ?」

 揺蕩(たゆた)(さかしま)景色(けしき)に、(あか)一筋(ひとすじ)

 (まど)木枠(きわく)格子(こうし)隙間(すきま)から、差し込まれたのは――


▲▲▲▲▲▲▲▲▲(ピピピピピピピピピ)▲▲▲▲▲▲▲▲▲(ピピピピピピピピピィ)――――♪』

 こりゃ動体検知(アクティブトラッカー)じゃねーかぁっ!!

 おれは飛び起き、光線(まど)出所(そと)を見た。


 ふぉん♪

『>>シガミー、有効射程外からのローンチを確認」


 それは、とんでもなく(なげ)ぇ――危険(きけん)(くさび)

 この殺気(すじ)(さき)には、間違(まちが)いなく鬼の娘(オルコトリア)と――

 それ(・・)(かか)えられた、小柄な少女(タター)が居る!


 彼奴(あいつ)らぁ、風呂場(ふろば)に居ねぇと(おも)ったら――

 何処(どこ)から(ねら)って、やがんだぁぜっ!?


 かぽん――ぐるるるっん♪

 森の主(ファローモ)が、手にした木桶で(・・・・・・・)――(なに)かを受け止めた。

 それは、ぎゅりぎゅりりと回転(かいてん)する円筒形(えんとうけい)


 その回転(かいてん)盾代(たてが)わりの木桶(きおけ)(つた)わり、ギュララララッ!

 とんでもない(いきお)いで、(まわ)り出す(おけ)

 ぶすぶすと(けむり)が上がる。


「やべぇっ、手が燃えちまわぁっ!」

 おれは(ぼん)で湯を(すく)って、火元(ひもと)へ掛ける――ジュッ♪

 (おけ)裏底(うらそこ)に突き刺さるソレには、見覚え(・・・)があった。


 〝巨木(・・)木龍(・・)〟を討ち滅ぼした(・・・・・・)――

 木を枯らす(・・・・・)矢鱈(やたら)(なげ)弾丸(たま)だ。


「やめろ、其奴(そいつ)(さわ)ると――木が枯れちまう(・・・・・・・)!」

 (おとこ)(こえ)をした(おんな)(ひたい)から生えてるのは、(まぎ)れもなく木の(えだ)だ。

 小枝(そこ)(なが)れる、その活力(かつりょく)を――枯らせたなら。

 いくら森の主(・・・)でも、ただでは済むまい。


 パキャッ――(おけ)にヒビが入るが、ザワザワワザワササッ!

 (おけ)(えだ)や根や葉が、()(しげ)っていく。

 ぬぅ? 枯れる(・・・)どころが、(ぎゃく)だぜ。


 とんでもなく値段(ねだん)(たけ)弾丸(そいつ)が、空中(ちゅう)に――

 手桶(ておけ)(うら)に、(とど)まった。


 けどこのままじゃぁ――――シュゴォォゴォォゴォォゴォォゴォォゴォォォォォオオオオオンッ!

 (一体何(いったいなに)をしてる!? あの遊撃班(ゆうげきはん)どもわぁっ!!??)

 轟雷(ごうらい)鉄鎧(からだ)や、大筒(おおづつ)と化した迅雷(ジンライ)を吹き飛ばす(ほど)の――

 (おと)よりも(はや)い、火縄(ひなわ)弾丸(たま)(いきお)いに――追いつかれる(・・・・・・)


 (おく)れて(とどい)た〝尾を引く(くも)〟が、木枠(まど)粉砕(ふんさい)し――

 (そと)から(なか)へ、(はい)って来た。

 湯船(ゆぶね)(へり)が、バッガァンと(くだ)け散り――

 波打(なみう)つ湯が、パシャァンと(はじ)け飛ぶ!


 ちぃっ、またおれぁ、死ぬだろぅがぁ!

 (ゆか)(くず)しても良いから、このまま轟雷(ごうらい)を着るか――!?

 いやっ、そんなことをしたら――

 建てたばかりの旅籠屋(はたごや)ごと、(きゃく)全員(ぜんいん)が吹っ飛ぶぞ!?


 どの(みち)(ふところ)にまで(はい)り込んだ弾丸相手(たまあいて)に、今更(いまさら)――

 出来(でき)るこたぁ、ねぇんだがぁぁぁぁぁぁっ!?


 この(かい)に居たのが、森の主(ファローモ)おにぎり(シシガニャン)と――

 女神(いおのはら)眷属(ジンライ)、そして星神(かやのひめ)――

 おれ以外(いがい)は、そう簡単(かんたん)に死なねぇ(やつ)ばかりだったのは――

 せめてもの(すく)いだぜ!


「(じゃぁなっ、良い来世(らいせ)だったぜ!)」

 覚悟(かくご)が決まった、おれの目の(まえ)で――


()ん」と鼻息一(はないきひと)つ吐いた森の主(ファローモ)が、(おく)れてきた衝撃波(いきおい)ごと――

 弾丸(それ)をパクリと、飲み込んじまった。


 ――ぼっふん♪

 止める間もなく、(くち)(はな)(みみ)から小煙(けむり)をたち(のぼ)らせる、(もり)(ぬし)


(まった)(なん)てぇことを、しやが――るつもり(・・・・)だぁぁっ!?」

 彼女(かのじょ)が、(こわ)れた(まど)の向こう。

 (ひら)けた景色(けしき)(ふか)(もり)(おく)を、じっと見つめ――手をかざした。


「待ってくれ! その手わぁ、(なに)をするつもりだぜ!?」

 おれは持ったままだった(ぼん)を、濡れた(おんな)(まえ)に突き出した!


()うぜん、飛んでくる羽虫(はむし)の――巣を(はら)うの゛だが?」

 攻撃(こうげき)をされたことで、(もと)のファローモの(からだ)に――

 近くなった(・・・・・)のだろう。

(い゛)っでただだっだぁっ――――!?」

 (みみ)(つんざ)(おお)きな念話(こえ)に、おれは(たお)れ込んだ。


「ま、まてぇ、そいつぁたぶん、おれの仲間(なかま)っ――群れ(・・)一員(いちいん)だぜっ!」

 非礼(ひれい)は詫びるっ、(いだ)ぎぃぎ、(なん)かの行き(ちが)いだ。


「はイ、(サき)ほドの飛翔体(ひしょウたい)ID(アイディー)確認(かくニん)しまシた。間違(まチが)いなく、タター・ネネルドが(はナ)っタ弾丸(だンがん)()

 大方(おおかた)森の主(ファローモ)を――おれか五百乃大角(いおのはら)(おそ)った、刺客(しかく)だとでも(おも)ったんだろぅぜ。


 ふぉん♪

『>>使用された弾丸は、〝戦略級選択的接触除草弾ユグドラゴン〟ではなく、〝一撃必中ジンライ鋼弾〟です。純粋な弾頭質量による狙撃ですので、この顔ぶれを狙うには些か火力不足と思われ』

 あの弾丸(たまw)じゃねぇのか……な、なんだよ。(おど)かすなよ。


 ふぉん♪

『イオノ>>ちょっとシガミー、どーいうこと!?』

 すっぽここ……ここ……こ……てちり♪

 身を起こしたおれの頭上(あたま)に、もの(すご)い引っかかりの(あと)――

 顕現(けんげん)する――美の女神御神体(めがみごしんたい)


 (もり)(ぬし)が、大森林(だいしんりん)(つかさど)るなら――

 この根菜(いも)だか丸茸(きのこ)だかは、(ひと)の世の拠り所(・・・)だ。

 弥勒(みろく)下生(げしょう)するまでの(あいだ)、この地を(ひと)の世たらしめるであろう――


「こ、こいつぁ、(やす)っぽい見た目に(はん)して、そこそこ(えら)芋茸(いもきのこ)さまでなぁ――今日(きょう)(ところ)コレ(・・)(めん)じて、勘弁(かんべん)してくれっ、()とおりだっ!」

 おれは(ひら)(あたま)を下げ、芋茸(いおのはら)(ゆか)に落ち――なかった!


 ヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォヴォゥゥゥゥゥンッ♪

 浮かぶ(プロジェクション)(BOT)群れ(・・)が湧き、その一匹(いっぴき)颯爽(さっそう)と飛び乗る美の女神(いおのはら)


 『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』『(ΘoΘ(ガチャッ))』

 (たこ)みてぇな銃口(くち)一斉(いっせい)に、(もり)(ぬし)(ねら)いを付けた。


「まて! いくら、お(まえ)さまでも、相手(あいて)がやべぇーと言っとるだろぉがぁ!」

 なんせ、3パケタの安物(やすもの)とはいえ――

 (おと)より先に届く(・・・・)弾丸(たま)を、つまみ代わりに(・・・・・・・)しちまうような(やつ)だぜっ!


「ウケケケケッ――♪」

 (なに)その……普段見(ふだんみ)せない、やる気!?

 それでなくても、タターが(はな)った弾丸(たま)暗殺用(あんさつよう)だ。

 非わぁ、此方(こっち)にあるってのによっ!

弥勒菩薩/遠い後の世で、全てを救済すると言われている未来仏。

下生/神仏がこの世に、姿を現すこと。

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