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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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706/744

706:第四の大森林観測村現る、大浴場にて

「しかし、目のやり場に(こま)るぜ――」

 此処(ここ)大浴場(だいよくじょう)(かお)りの良い木の湯船(ゆぶね)

 (めし)支度(したく)が済むまで、もう(すこ)しかかるって言うんで――

 おれたちは(さき)に、風呂(ふろ)に浸かることになった。


 (わらし)どもが全員一度(ぜんいんいちど)(はい)ったとしても(あま)るくらい、(ひろ)くしておいて命拾い(・・・)したぜ。


「シガミー、どーしたの? そんな(すみ)っこで」

 折角(せっかく)、じっと(かべ)を見てたのに、レイダめ。

 おれを目立たせる(・・・・・)んじゃねぇやぃ!

 (わらし)どもわぁ、おれと大差ねぇ(・・・・・・・)から、(なん)(こま)らんがよぉぅ。


「あら、そんなところにいたのね、シガミー。こっちへいらっしゃいな、(からだ)(あら)って差し上げますわ♪」

 ぶるるるるぅーん♪

 仁王立ち(・・・・)の、ガムラン代表(だいひょう)


「ばかやろうっ! ちったぁ、(つつし)みって(やつ)を持たんかっ――!?」

 こりゃぁ駄目(だめ)だぜ、豪華絢爛(ごうかけんらん)(からだ)つきを――

 こうも堂々(どうどう)と、さらけ出されちゃ――

 いくら坊主(ぼうず)でも、とても正気(しょうき)では居られん。


 おれは(かべ)に張り付き、(たす)けを請う。

 ふぉん♪

『シガミー>>迅雷、助けろ!』


子供(こども)(なに)を、言っていますの。小猿(こざる)、こちらをお向きなさいな♪」

 やめろ、(なん)だこの怪力(かいりき)わぁっ!?

 ぶるるるるぅーん♪

 こっちも駄目(だめ)だった。


 おれは目を閉じ、もう一度助(いちどたす)けを請う。

 ふぉん♪

『シガミー>>誰でも良いからぁ、助けてーっ!』


「目を、お・開・け・な・さ・い・な?」

 (あたま)をつかまれ、無理矢理(むりやり)両目(りょうめ)四本(よんほん)(ゆび)で――

 ぐりぐりと、こじ開けられた!


 ぶるるるっ、ぷるるるるぅーん♪

 そこそこの(とし)のはずだがぁ――

 まるで生娘(きむすめ)みてぇな、(からだ)つき。

 日の本生まれ(・・・・・・)と言ってたが、香味庵(こうみあん)女将(おかみ)とわぁ――

 まるで(ちが)うじゃねぇかぁ!

 あの気が(よわ)そうな村長(ジューク)わぁ、こんなのを(・・・・・)相手(あいて)にしてやがるのか!?


「わかった、手を(はな)せ!」

 じっと令嬢(れいじょう)どもを、正面(しょうめん)から見据(みす)えた。

 ちゃぷちゃぽん――湯船(ゆぶね)(はし)緊張(きんちょう)


 (はな)れる手、よし!


「ウカカッ――おれぁ(さき)に出――」

 (うで)をガシリと、つかまれた。

 (だれ)の手かはわかる。


「シガミー、折角(せっかく)温泉(おんせん)ですし、(からだ)(しん)まで(あたた)まっていかれては?」

 猪蟹屋(ししがにや)紅一点(・・・)美の女神(いおのはら)すら(とりこ)にする彼女(かのじょ)

 その(あつ)みのない体つき(・・・)をした彼女(リオ)から、後光(ごこう)がさして見えた。


後生(ごしょう)だ、見逃(みのが)し――」

 いけねぇっ――――正面(しょうめん)から、見ちまったぜ!

 生来(しょうらい)のあまりの(うつく)しさに、〝魅了(みりょう)神眼(しんがん)〟スキルと化した目力(めぢから)

 只者(ただもの)であるはずの、彼女(かのじょ)肉眼(まなこ)宿(やど)る――

 暴力的(ぼうりょくてき)な〝邪視(じゃし)〟の発露(はつろ)


 眼鏡着用時(めがねちゃくようじ)彼女(かのじょ)は、素敵(すてき)ではあるが――

 此処(ここ)まで(こころ)(まど)わす存在(そんざい)では、ないのだ。


 その(ひかり)彼女(かのじょ)の在り(かた)を、際限(さいげん)なく――

 どこまでも魅惑的(みわくてき)に、(とら)えさせてしまう。


 その常時発動する(パッシブ)スキルを、押さえるために(・・・・・・・)(つく)ってやった眼鏡(めがね)も――

 ふぉん♪

『>>はい。防水防滴であっても、風呂では外すことを考慮していませんでした』


 リカルルやロットリンデや、女将(おかみ)さんに商会長(しょうかいちょう)

 あの(へん)あられもない姿(・・・・・・・)を、見た(あと)じゃぁ――

 リオの均整(きんせい)の取れた、(つつ)ましやかな肢体(からだ)

 そんな程度(ていど)じゃぁ、(どう)じることもあるまいと――

 (たか)(くく)っていたのだ。


 彼女(かのじょ)の、薄い胸や腰回り(・・・・・・・)を――

 直線的(まっすぐ)(したた)り落ちる、水滴(すいてき)

 その一滴(ひとしずく)が、(かぐわ)しく(つや)やかな――

 (くれない)花弁(かべん)(つた)う、朝露(あさつゆ)のように(かん)じられる。


 (リオ)(はだ)解像度(きめこまやかさ)に、吸い込まれ――

 目が(はな)せなくなった!


 ふぉん♪

『>>他の女性や子供たちは、シガミーほどには影響を受けていないのは、迅雷式隠れ蓑製のタオルを、リオレイニアが頭に巻いているからと思われますが』

 彼女(リオ)正面(しょうめん)から、おれを見たのは信頼(しんらい)(あかし)(おも)うがぁ――


 生憎(あいにく)とぉ、シガミー(おれ)中身(なかみ)わぁ――

 齢四十(よわいしじゅう)(じじい)だぜっ!

 しかも(さけ)(おんな)博打三昧(ばくちざんまい)(のち)の世じゃきっと――

 破戒僧猪蟹(はかいそうししがに)なんて、呼ばれただろうおれがぁ――


 この(つや)やかで(たい)らな肢体(からだ)(まえ)に、耐えられる(わけ)があるまい!?


 後光(ごこう)さすリオレイニアを、(かく)すように――

 ぷっかぁ――ぽぎゅりーん♪

 湯を(なが)れてきたのは――


「みゃぎゃにゃぁー()

 おまえ、おにぎり!

 湯船(ゆぶね)には、浮かぶことしか(・・・・・・・)出来(でき)んだろうに――

 (なん)風呂場なんか(こんなところ)に、居やがるっ!?

 そもそも、モフモフ(むら)に置いてきた、(はず)だろぅが!?


 ふぉん♪

『イオノ>>お礼は後ほど、そうわね。夕食後のデザートを一品追加で、手を打ちましょお♪』

 御神体(めしがみ)さまの差し(がね)か、超助(ちょうたす)かったぜ!

 ふぉん♪

『>>シガミーが温泉旅館を建てるのに、苦労していたので呼んだのですが、順路検索の一部にバグがあり現在地への到達が、やや遅れました』

 (なに)を言うか、上等(じょうとう)だ。


 ふぉん♪

『シガミー>>ここから逃げるぞ』

 (まさ)に〝地獄(じごく)(ほとけ)〟とは、このことを言うのだろう。


「みゃにゃぎゃぁー()

 湯面(ゆなも)に、ぽぎゅりと立つ黄緑色(おにぎり)が――

 リオの手を手刀(しゅとう)で、(はた)き落とした。

 (ひる)むリオレイニア。

 見つめ合う、おれたち二人(ふたり)一匹(いっぴき)


 おれを小脇(こわき)(かか)えた(やつ)は、庭石(にわいし)庭木(にわき)(さく)なんかを――

 ぽぽぽきゅきゅーんと蹴り飛ばして、(そと)へと逃げ出した。


   §


 (うえ)(した)への大騒(おおさわ)ぎ。

 たまたま騒ぎ(それ)を聞きつけた、うだつの上がらない風体(ふうてい)二人(ふたり)

 つまりニゲル青年(せいねん)と、ジューク村長(そんちょう)を――

 手も足も使わずに(・・・・・・・・)、伸して見せた……いや――

 見せて伸した(・・・・・・)、ご令嬢(れいじょう)たちは――

 スゴスゴと脱衣所(だついじょ)へと、(かえ)っていった。


 そして三階(さんかい)客間付(きゃくまつ)きの湯船(ゆぶね)に、駆け込むなり――

 とぷりと浸かる、黄緑色(きみどりいろ)


(なん)だぜこの、お湯わぁ!?」

 おまえ、どうやって――お湯に(しず)んだぁ?


 頑丈(がんじょう)(ふくろ)である強化服(シシガニャン)は、早々沈(そうそうしず)まないはず。

 (ふた)つの(つき)(ひかり)が、混ざったときと同じ色(・・・・・・・・・・)

 蘇生薬(エリクサー)(おな)じ、おかしな(いろ)の湯が揺らめく――ちゃぽん♪


()っとお出ましとは、樹界虫(・・・)も――(えら)くなったものですね」

 その湯には先客(せんきゃく)がいて、それは男性(おとこ)(こえ)をした女性(おんな)だった。

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