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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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703/744

703:恐竜モドキ風神班、トッカータ大陸へ上陸

 おれが風神(ふうじん)尻尾(しっぽ)に、しがみ付いて(しばら)くした(ころ)

 細長(ほそなが)通路(つうろ)が、(のぼ)(ざか)になった。


 ある程度綺麗(ていどきれい)()されていた洞窟(どうくつ)は、其処(ここ)までで――

 この(さき)自然(しぜん)洞窟(どうくつ)が、剥き出しになっている。


「うふうふうふふふっ、がんばってフージーンちゃん――ニャァ♪」

 恐竜(きょうりゅう)モドキの太首(ふとくび)に、抱きつく虎型(とらがた)

 どたどた、どたたっ――!

 流石(さすが)風神(ふうじん)も、(のぼ)(ざか)速度(そくど)(ゆる)める。


最初(さいしょ)から随分(ずいぶん)と打ち解けてるが、普通(ふつう)風神モドキ(このすがた)を見たら(こし)を抜かすだろうによぉ――ニャァ♪」

 こんな〝(かく)り世から来たような〟風神相手(やつあいて)に――よぉくも平気(へいき)だぜ。


「だって背中(せなか)に、乗せてくれたものっ♪――ニャァ♪」

 (てん)ぷら(ごう)にも、大喜(おおよろこ)びで乗ってたな。


「グゲゲゲゲッ♪」

 どたどた、どたたっ――!

 おにぎりを仲間(なかま)だと(おも)ったから、虎型(とらがた)を着たレイダのことも、そう思った(・・・・・)んだろう。

 虎型(とらがた)(ごう)を振り落としもせず、上手(うま)いこと乗せてくれている。


 ふぉん♪

『>>レイダは乗馬や使役系のスキルは所持していないので、生来の動物好きが功を奏していると思われます』


「そうだった。風神(すうじん)(おそ)ろしい見た目に(はん)して、(あたま)が良いんだったな――ニャァ♪」

 風神(ふうじん)尻尾(しっぽ」)が付け根の(ほう)から、ぎゅるるとうねり――

 おれは、すぽるーんと、その場に落とされた。


「いや、まてまて――(いま)のは(べつ)に、悪口(わるくち)じゃなくてだな?――ニャァ♪」

 ぐるん、ぽきゅごむん――スタタァン♪

 あぶねぇ!

 (のぼ)ってきた(さか)を、(ころ)がり落ちるところだったぜ。


「ねぇーちょっと! この(さき)(せま)くなってるからぁ、風神(ふうじん)の背に乗れるのわぁ――ここまでわよん(・「)

 鎌首(かまくび)をもたげる風神(ふうじん)

 その(かぶと)がキュゥィィィッと、巨大な一つ目(メインカメラ)でおれを見た。


 虎型(とらがた)(ごう)を降ろしてやり、風神(ふうじん)首輪(くびわ)(くさり)をつかませてやった。

 迅雷(ジンライ)がついてるから、おれたちの(あと)をついて洞窟(どうくつ)(のぼ)ることくらい出来(でき)るだろうが、ねんのためだ。

 そこそこ(きゅう)になってきた、この(さか)(ころ)げ落ちると――

 (もど)ってくるのに時間(じかん)が、掛かりそうだからな。


   §


「あんたたちー、大森林(だいしんりん)にぃー、出ぇるぅわぁよぉーん()

 風神(ふうじん)(うし)(あたま)鎮座(ちんざ)した、女神御神体(めがみぞうごしんたい)さまが――

 そう(のたま)うと――カッ!


「まぶしぃ!――ニャァ♪」

 虎型(とらがた)(ごう)が目を、両手(りょうて)で押さえ――素っ(ころ)んだ!

「げくしょーぃ!」

 風神(ふうじん)が、くしゃみをして――素っ(ころ)び!

「ひぇっくしょほーぃ!――ニャァ♪」

 おれもくしゃみをし、ぽきゅごろむんと――素っ(ころ)んだ。


 洞窟(どうくつ)を出たら、鬱蒼(うっそう)とした(もり)

 それでも日の(ひかり)が、キラキラと差しこんでいる。

 それにはとても、安心(あんしん)した。


 此処(ここ)大陸最北端(たいりくさいほくたん)。そうだぜ。

 やっとのことで、大森林(だいしんりん)(もど)ってきたのだぜ。


   §


 ズドドドドドドドゴゴゴゴゴゴゴォォォォォォォッ――――――――――――!!!」

 それはそこそこに、圧巻(あっかん)だった。


(たき)だな――ニャァ♪」「(たき)だね――ニャァ♪」「そうわね()

 ロコロ(むら)(もど)途中(とちゅう)(きゅう)(ひら)けた場所(ばしょ)に出た。

 岩場(いわば)出来(でき)(みずうみ)からは、(かす)かに湯気(ゆげ)が浮かんでいる。


星神さま(かやのひめ)が見たら、計算魔法具(けいさんまほうぐ)(はじ)き出しそうだぜ?」

 そこには、それほどの(たか)さはないものの――

 立派(りっぱ)(たき)が、(なが)れ込んでいた。


温泉(おんせん)入浴(にゅうりょく)八町分(はっちょうぶん)!――ニャァ♪」

 ぷぴぽぽーん♪

「ハッチ開放(かいほう)します、ハッチ開放(かいほう)します」

 五百乃大角(いおのはら)の声が聞こえ――


 ぶっつん――画面(モニタ)が消えて、真っ(くら)になり――

 ぷっしゅしゅしゅぅぅぅぅっ――――ごっぱぁ♪

 おおきな頭防具(かぶと)が、もちあがる。

 目のまえが(ひら)けると、(おな)じく頭装備(あたま)(うし)ろへ跳ね上げた――

 虎型ひ号(レイダ)と目が合った。


「ちと(ぬる)いが、まるで温泉(おんせん)だな」

 (みずうみ)水温(すいおん)は――『水面温度/38℃』

 いつも生活魔法(ひのたま)で湧かす湯が『45℃』だから、このままだと物足(ものた)りねぇが。

 この先暑(さきあつ)くなる時期(じき)には、丁度良(ちょうどよ)いかもしれん――ウカカッ♪


温泉(おんせん)……お風呂(ふろ)!? (はい)る♪」

 跳ねる虎型(とらがた)レイダ。

(はい)るったってなぁ」

 おれは(あた)りを見渡(みわた)した。


水質(すいしつ)チェック終了(しゅうりょう)ぉーん。ガムラン(ちょう)のぉ炭酸泉(たんさんせん)ほどにわぁ、()()・し・く・わぁないけどぉ、安全基準(あんぜんきじゅん)わ満たしてるわよん♪」

 ニゲルが2号店(ごうてん)で出してた、(あわ)が出る飲み(もの)だな。


 あれが此処(ここ)で汲めるなら、料理(りょうり)(はば)も増やせる(ところ)だったが。

 いや……(みず)豊富(ほうふ)なガムランの源泉(げんせん)は、尽きることがねぇんだし――

 いやまて……最新(さいしん)収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)は、(みず)だってしまえる(わけ)だし――

 それならいっそのこと……お猫さま(ロォグ)相談(そうだん)して、配管(はいかん)(とお)せりゃぁ――


 ふぉん♪

『イオノ>>迅雷、水源と水質の継続調査を、自動化出来るかしらん?』

 ふぉん♪

『>>可能です。索敵ドローンの母艦として、測量基地局を作成。そのために必要なSDKチップは、二対で四個。現在の残数は164個です』


 ふぉん♪

『イオノ>>当初の、とんでもない数からみれば大分減っちゃったけど、それでも大森林に来てみて大正解だったわねぇん♪』

 164個……二個(にこ)(ひと)(ぶん)だからぁ、82個か。


 (たし)かに、あれだけあった(こと)(かんが)えると――

 心許(こころもと)なくなっちまったが――

 元々(もともと)、ミャッドから一個(いっこ)1500パケタで買ったほど――

 猪蟹屋一味(おれたち)にとっては、貴重(きちょう)(もの)だ。

 これだけ有るのだ――これ以上(いじょう)成果(せいか)はねぇ。


 ふぉふぉん♪

『廃棄された古代の女神像から回収した謎の遺物

 品代として――1,500パケタ』

 (なぞ)遺物(いぶつ)――発掘魔法具(アーティファクト)

 この価値(かち)を知られたら、大森林勢(だいしんりんぜい)(いくさ)になったりしねぇか?


「(それに(かん)しては、問題(もんだい)ないか())」

 どーいう?

「(ケンカになる(まえ)に、123,000パケタくらい払っちゃえば良いでしょ())」

 色々(いろいろ)と、物入(ものい)(つづ)きで、(かね)は無ぇだろうが。


 ふぉん♪

『イオノ>>そー言うときの、カヤノヒメちゃんじゃないのさ』

 やめろ。

 どうせミャッドに聞かれたら、知られちまう。

 正直(しょうじき)に言って猪蟹屋(こっち)出来(でき)ることをやって――

 123,000パケタ以上(おじょう)儲け(・・)を、大森林(だいしんりん)(もたら)せば良いだけの(はなし)だろ。


 そもそもが――おにぎりは82(ひき)……83(びき)も要らん。

 直ぐ使(つか)(わけ)でもねぇしな。


「グゲゲッゲッ♪」

 ばっちゃばっちゃ――ドブゥン♪

 (ぬる)(みずうみ)に飛び込む風神(ふうじん)


 ふぉん♪

『>>半径3㎞内に、中型以上の魔物は確認出来ません』

 よし。なら此処(ここ)で、一休(ひとやす)みするか。


 次いで虎型(とらがた)(ごう)(みずうみ)へ――ぽぎゅーん!

 ちょっとした(いわ)(のぼ)って、(いきおい)いを付けたのが(まず)かった。


「っきゃぁぁっぁぁっ――――!?」

 強化服(シシガニャン)は、水濡れに強い(・・・・・・)――言ってみりゃ(ふくろ)だ。

 沈めようとしても(・・・・・・・・)早々沈(そうそうしず)(もの)ではない。


 ぼぎゅぴゅぅーん♪

 とんでもねぇ(いきお)いで飛んでいく虎型ひ号(レイダ)を、虎型ふ号(おれ)必死(ひっし)に追いかけた。

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