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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

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70/744

70:シガミー(元破戒僧)、丘とゴーブリン石

 ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ――――ギャリリィン――――どんっ!

 おれの(こえ)も、まわりの(おと)も聞こえる。


 錫杖(しゃくじょう)緑の壁(ごおぶりいん)をつらぬき――――(みち)がひろがる――――パッキュゥゥン!

 火縄(ひなわ)を撃ったみてえな大音(おおおと)が、ちいさくなった。


 もういっぱつ。

 ヴッ――――ジャリィン♪

「――――血怨戒(ちえんかい)(しゅう)!」


 ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ――――ギャリリィン――――どんっ!

 (おと)はちいさくなったが、威力(いりょく)はかわらずとんでもねえ。


 ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃがぎゃぴぎゃっ――――パッキュゥゥン!

 (おく)れてはじく衝撃(しょうげき)で、おもしれえくれぇに吹っとばされてく。


 ふぉふぉん♪

『ゴーブリン 討伐 167匹/日

 ■■■■■□□□□□

 159コンボ継続中!』


 暗い石(いし)が飛んでくるが、ありゃ収納魔法(しゅうのうまほう)だから(こわ)くねえ――すぽぽぽん、しゅぽぽぽぽぽんっ♪


 ふぉん♪

『>ゴーブリンストーン×90を収得』


 ぎゅり、錫杖(しゃくじょう)をかまえ――――どうする!?


 目のまえには錫杖(しゃくじょう)が、あけた(みち)

 二回(にかい)投げたから、そこそこ(ひれ)ぇ、すきまができた。

 そんでそのすきまに、緑色(みどりいろ)一斉(いっせい)に押しよせようとしてる。


 ()(いわ)(しげ)みで、とおくも見づれえ。

 右下(ちず)をみると、(あか)(ひかり)で埋めつくされてる。

 (みどり)だか(あか)だか、ややこしいぜ。ご……なんとかは、小鬼(こおに)って呼ぶぞ。


「(はい、シガミー。ゴーブリンはこれ以降(いこう)、〝小鬼(こおに)〟と呼称(こしょう)します)」


 地図(ちず)(した)にゃ、おれが(とお)ってきた岩場(いわば)がある。

 (うえ)は――たぶん(おか)になってる。


「(迅雷(ジンライ)、あの(おか)(のぼ)りゃ、(さき)をみわたせるか?)」

「(そうですね。(おか)頂点(ちょうてん)跳躍(ちょうやく)すれば、私の生体(せいたい)反応(はんのう)検索(けんさく)ならびに動体検知(どうたいけんち)最大限(さいだいげん)発揮(はっき)できます)」


 なら、一気(いっき)にまっすぐ()けぬける。


 小鬼(あいつら)もギチギチに詰まってたから、(うご)けなかったわけで。

 できたすきまに跳びこんでくるなら、へたすると(ふところ)に入りこまれかねん。


「(この錫杖(しゃくじょう)(さだ)めねぇ)――血怨戒(ちえんかい)(しゅう)!」

 ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ――――ギャリリィン――――どんっ!

 (おか)の真ん(なか)めがけ投げる。


 錫杖(それ)を追いかけるように――――ストォォォォォォン!

 すぽん――まえを行く錫杖(しゃくじょう)が、消えた。


 ヴッ――ジャリィン!

 スタァァン――ぎゅり。

 着地(ちゃくち)同時(どうじ)つぎ(・・)を投げて――――すすむ。


 ギャリン――――血怨戒(ちえんかい)(しゅう)

 ジャリン――スタタァァン!

 ギャリン――――血怨戒(ちえんかい)(しゅう)

 ジャリン――スタタァァン!

 ギャリン――――血怨戒(ちえんかい)(しゅう)

 ジャリン――スタン!


 よし、(おか)の真ん(なか)に来たぞォォォォォォォォオオオオ――――風音(かざおと)は聞こえねえハズなんだが、聞こえる。


 ――――ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃがぎゃぴぎゃっ!

 ――――ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃがぎゃぴぎゃっ!

 ――――ぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃがぎゃぴぎゃっ!

 ――――うしろで小鬼(こおに)どもがふっとんでくォォォォォォォォ――――


 ォォォォォォ――――パッキュン、パッキュゥン、パッキュゥゥゥゥン!!!

 (おく)れてはじく衝撃(しょうげき)が、おれを追いこしていく(・・・・・・・)――――ゴォォウッ!


 ォォォォ――くるん、すたん!

 あおられながらも、かろうじて衝撃(しょうげき)を、(よこ)()けた。


 そして、ちからの(かぎ)り――ズドォォォォォォン――――!!!

 たかく跳んだ!


 ふぉふぉん♪

『ゴーブリン 討伐 397匹/日

 ■■□□□□□□□□

 389コンボ継続中!』


 ひゅぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ――――(たけ)え、跳びすぎだっ!

 (あし)(した)にはなにもなく、えらく(とお)くに()だかい(おか)がみえる。


 三階建(さんがいだ)てのギルドよか(たけ)えぇ――岩場(いわば)の切り立つ(がけ)なら半分(はんぶん)ぐれえか。


「(ど、どうだ、迅雷(ジンライ)?)」

 ちと(こえ)ぇが、これなら――あたり一面(いちめん)みわたせる。


「(生体(せいたい)反応(はんのう)検索(けんさく)に――該当(がいとう)あり。ガムラン(ちょう)冒険者(ぼうけんしゃ)たちです)」


 右下(みぎした)地図(ちず)のすみ。

 青色(あおいろ)のひかりが(とも)った。

 あっちは――岩場(いわば)から見て、『(いぬい)』の方角(ほうがく)


「(ん――?)」

 地面(じめん)からなにかが(のぼ)ってきた――すぽぽぽん♪

 暗い石(いし)か――すぽぽぽん、すぽぽぽん、すぽぽぽん、すぽぽぽん、すぽぽぽん――――♪


「(おい、いつまで(つづ)くんだ?)」

「(一定量(いっていりょう)を超えると、のこりは省略(スキップ)されます)」

 ――しゅぽぽぽぽぽんっ♪

 (きゅう)に、暗い石(いし)がとぎれた。


 ふぉん♪

『>ゴーブリンストーン×236を収得』

 まて、ぜんぶで……何個(なんこ)んなった?


「(ゴーブリン(いし)は397個になります)」

「(はぁぁ!? 一個(いっこ)1ヘククだから――よ、40パケタ!?)」

 とんでもねえ大金(たいきん)じゃねーかよ!


「はい。一体(いったい)につき、きっちり一個(いっこ)ずつ出現(ドロップ)したことになります。あきらかに提供割合(ていきょうわりあい)異常(いじょう)です」

 じゃあ、どうすりゃいーんでぃ?

 そもそもしたにゃ、まだまだアイツら(くさ)るほど居るぞ?


「(そうですね。やはり、この場は遠慮(えんりょ)なく(いただ)いておきましょう。『猪蟹屋(ししがにや)』の経営(けいえい)にはいくらあっても、おおすぎることは――シガミー?)」

 ぬぅ……どーした?


「(ひかりのたま!)」

 カカッ――――ぅわ、まぶしぃっ!

 だれかが灯りの魔法(ひかりのたま)を、また(・・)ぶち当てやがった!


 びーどろが、まっ(しろ)くなった。


「(――ひかりのたまが来ます)」

 だから、ぶち()たる(まえ)に言えよ!


 ビュヴゥーン――――ぱっ♪

 一瞬(いっしゅん)の揺れのあと、ビードロがもとに(もど)った。


「(くそ、冒険者(あいつら)(なか)に、とんでもなく(とお)くまで魔法(まほう)を投げるヤツが居んぞ!)」

 まるでリオレイニアなみの、手練(てだ)れだ。


「(読みちがえたか?)」

 こっちが(・・・・)(ひめ)さんだったかもしれねえ。


 ひゅろろろろっ――――そろそろ(たか)さが落ちてきた。

 迅雷(ジンライ)内緒話(みつだん)は、(とき)が止まるわけじゃねえからな。


 (あし)もとの(おか)が、ちかづいてきてる。

 そのまんなかに、なんか――――緑色(みどりいろ)の……(やぐら)ができてた。

 まさか、あの小鬼(こおに)どもめ。

 空中(ちゅう)のおれを、つかまえようってぇのか!?


「ぎゃぎゃ――!」

 小鬼(こおに)(やぐら)(のぼ)って、小鬼(こおに)天辺(てっぺん)に立つ。

 すると、(また)べつの小鬼(やつ)が、天辺(てっぺん)に立った。


「ぐぎゃぴぎゃ――!」

 ふらふらと、ゆれながら、じわじわと――(のぼ)りつめる小鬼(こおに)

 (ちい)さな(つの)が、(ひたい)左右(さゆう)から突きでている。

 それを見てたら、一本角のあいつ(・・・・・・・)(おも)いだした。


「(そういやいたな、リオと魔法の撃ち(・・・・・)あいしてた(・・・・・)――手練(てだ)れなやつが)」


 冒険者(ぼうけんしゃ)ギルドの受付担当(うけつけたんとう)にして、自前の(・・・)金剛力(こんごうりき)を持つ麗人(れいじん)

 あいつは、いまや『聖剣切りの閃光(ヴォルトカッター)』の一員(いちいん)で、遠征隊(えんせいたい)にも当然(とうぜん)参加(さんか)している。


「ひかりのたま!」

 カカッ――――やめろぃ、まぶしぃじゃねぇかっ!

 灯りの魔法(ひかりのたま)をたてつづけに、三回も(・・・)当てやがった!

 それに、いまのははっきりと聞こえた――あのやる気のねえ(こえ)


「(さっきからひかりのたまで、おれを(ねら)ってんのは――〝鬼娘(オルコトリア)〟だ!)」

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