表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

690/744

690:既存エリアへの帰還、小鳥と樹海とあいつ

「(飛ばせるだけ泥音(どろおん)、飛ばしとけ!)」

 (あや)しい(むら)ではあるが――

 怪しさ(・・・)で言ったら、おれたちも相当(そうとう)だ。

 今更(いまさら)、手の(うち)(かく)しても、仕方(しかた)があるまい。


 さっき轟雷(おれ)無数(むすう)外部カメラ(まなこ)に、(なに)(うつ)り込んだ気がする。

 ふぉん♪

『>>外部映像ログを精査しますか?』

「((あと)で良い。(なん)か居たなら、どうせ追加(ついか)泥音(こいつら)(とら)えられるだろ?)」


「らちがぁ明かないわねーん? シガミー、迅雷(ジンライ)一気(いっき)に行くわよーぉん()

 ふぉん♪

『イオノ>全自動射撃LV3を、轟雷の両肩へ設置してねん♪』


 おいLV3(そいつ)は、浮かぶ球(おまえさま)暴徒鎮圧用(ころさず)とわぁ、(ちが)うだろぅがぁ!

 (いく)らイライラさせられてるからと言って、村人(むらびと)たちに()を空ける(わけ)にいくかぁ!


 ふぉふぉん♪

『>>すでに捕縛ネットに、換装してあります』

 そうわの?

 ヴォゥゥン♪

 表示(じょうじ)された〝細紐(ほそひも)で編まれた(あみ)〟なら、村人(むらびと)(あな)が開く心配(しんぱい)はなさそうだが。


 ふぉん♪

『>>ですがまだ、一基しか設置することが出来ません。左肩へ装着します』

 ガッシャン、ジャキィン♪


 言うまでもねぇが、威嚇射撃(いかくしゃげき)に止めておけよ?

 捕縛(ほばく)ネット……投げ(あみ)だって当たり(どころ)(わる)けりゃ、大事(だいじ)(いた)らぁ!

 ふぉん♪

『>>心得ております。特に小鳥を害さないよう、捕縛ネットを使用します』


   §


「みゃぎゃにゃやー()

 ったく、本当に居やがった(・・・・・・・・)のか。

 まあ、合流(ごうりゅう)できて(なに)よりだが――

 此奴(こいつ)何処から(・・・・)湧いた?


「(そこの岩山(いわやま)(めん)した、倒壊(とうかい)した遺跡(いせき)のような建造物(けんぞうぶつ)からで())」

 チチッ――ヴォヴォォゥン♪

 (くず)れた遺跡(いせき)の入り(ぐち)が、縁取(ふちど)られた。

 (こけ)むしてて、ただの出っ張り(・・・・)にしか見えんぞ。


 自動照準(オート)で、勝手(かって)動く物(・・・)を撃たせておいたら――

 (ねこ)魔物風(まものふう)黄緑色(きみどりいろ)(やつ)が、地面(じめん)をもんどり打ってた。


「みゃぎゃにゃやー()

 なんだぜ、口答(くちごた)えか?

 生意気(なまいき)だな、この野郎(やろう)

 全自動射撃(サブユニット)LV(レベル)3が(はな)った投げ網(ネット)を、全部くらいやがって(・・・・・・・・・)


「ピヨピヨピヨロロッ――――へいへい、ブラザー♪」

 こんがらかったおにぎりを、(ほど)いてやっていたら――

「ピヨピヨピヨロロッ――――へいへい、ブラザー♪」

 (ざわ)めく(もり)

「ピヨピヨピヨロロッ――――へいへい、ブラザー♪」

 さっきまでの、此方(こっち)言葉(こえ)(さる)まねじゃない(こえ)だぜ。


「やい! いい加減(かげん)姿(すがた)(あらわ)せっ!! 此方(こっち)大森林村(だいしんりんむら)(もり)(ぬし)のぉ、お客人(きゃくじん)だぞ、こらぁ!!!()――ニャァ()

 ウカカカッ――言ってやったぜ!

 外部音声(かいぶおんせい)出力(OUT)ON(オン)のまま、がなり立てたから――ビリビリビリッ♪

 輪郭(むらびと)どもが、(みみ)を押さえて(かた)まってやがるぜ!


 (もり)一斉(いっせい)に揺れ、それまでの(しず)けさが(うそ)のように――

 木の葉のすれる(かぜ)(おと)や、とおくを(なが)れる湧き(みず)(なが)れる(おと)

 小枝(こえだ)(つた)う、(ちい)さな生き(もの)の――キキキという鳴き(ごえ)なんかが――

 外部音声入力(がいぶおんせいMIC)に、飛び込んで来た。


「ピヨピドゥンヴゥゥチキチキドゥゥンヴァッ――――へいへい、ヤヴェェー♪」

「ヴォゥンドゥンチャッチャヴァーヴァーァァーゥッ――――へいへい、ショウ、カァイチョーニッツ♪」

「ドゥンヴォヴォゥンッヴォチッチチチチピ、ピヨピヨロロッ――――へいへい、オゥオウウオオウゥコラレルゥー♪」


 くそう、おれたちの声(さるまね)じゃなくなったが――

 (とり)(こえ)は変わりなく、騒々(そうぞう)しぃぜ!

 まるで五百乃大角(いおのはら)の、祭り囃子(・・・・)だ。


「グゲゲッゲッ!? クケケケケェェエッェェエッ――――!」

 風神(ふうじん)さまもぉ、お(いか)りだぞ、こらぁ!


 ふぉん♪

『>>敵影を捉えました、総数22名』

 ヴュワワワワワワワッ♪

 色濃(いろこ)縁取られていく(・・・・・・・)――村人(むらびと)が22(にん)と、小鳥(ことり)が21(ひき)

 あと(すげ)高く(・・)を、(おお)きな(とり)一匹飛(いっぴきと)んでる。

 結構居(けっこうい)やがるな――全員(ぜんいん)ロックオン(・・・・・)できるか!?


()――』

 よしカーソルが出た。縁取(ふちど)られた姿(すがた)(かさ)ねるだけなら――

 轟雷(おれ)演算単位(とんち)を持ってすればぁ、造作(ぞうさ)もねぇー!

()()()()()()()()()(ポッ)――――♪』

 今度(こんど)こそ、一網打尽(いちもうだじん)(から「)め取ってくれるわぁ――!!


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ピョロロロロロロロロロオッ、ロロロロロロロロロロロロロロロロロッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 まるで、おれが(はな)った多重ロックオン(ひしがた)を、(きら)うかのように――

 (あた)りから吹き出す、(とり)(さえず)り!


「うるせぇ()――ニャァ()

 ロロロロッ、ビリビリビリビリリリリリッ!!!!

 (ふたた)(ふる)える、(もり)のすべて。


「ウッギャッ!?()

 (おのの)く美の女神御神体(めがみごしんたい)

「グゲゲゲッ!?」

 (おのの)恐竜(きょうりゅう)モドキ風神(ふうじん)

「ぎゃにゃぎゃぁぁー!?()

 お前(おにぎり)邪魔(じゃま)だから、もう(すこ)(あみ)(から)まっとけ。


 木の(かげ)(ひそ)村人たち(やつら)を浮かび上がらせていた描線(ふちどり)が、ぐにょーんとぼやけ(・・・)、こんがらかり――

 まるで(ひと)(かたち)を、(たも)たなくなった。


『|◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇――◇《ヴヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィヴィ》――』

 (ばら)けていく、必中(ひっちゅう)(しるし)


 ヴォヴォン♪

『戦術級強化鎧鬼殻平時プロトコル>音響メタマテリアルによるジャミングを検出』

 ジャミングてのわぁ、轟雷(おれ)(カーソル)邪魔(じゃま)してるってことだな?

くぐ≪◇(プピュルリー)――×(ブブー!)

 とうとう、カーソル(・・・・)全部(ぜんぶ)、消えちまったぜ!


 ふぉん♪

『イオノ>>ウ、ケケッ♪ この森の苔の組成が、異常値を示してるわよん?』

 知らん! こんな(とき)のための、神々(おまえら)だろうが!

 (なん)とかしろやぁ!


 ふぉん♪

『>>小鳥たちが発する音響定位妨害対策の為に、一匹につき約13。全部で300弱の音素を持つ言葉を発して下さい、3・2・1・キュー♪』

 はぁ、(やぶ)から(ぼう)だなっ――――

 300(じゃく)音素(おと)


 おれぁ、料理番(りょうりばん)である(まえ)に、僧侶(ぼうず)だぜ!

 当然(とうぜん)(いき)(ひと)つ。(おお)きく吸った。

音響メタマテリアル/負の屈折率や質量密度を持つ人造構造体。音波や振動をデザインし、吸音や防振、ひいては音の回折に介入することが可能になるとされている。メタマテリアルの一種。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ