681:未発見エリアαからの脱出、恐竜使いシガミー
ふぉん♪
『>>〝魔物テイマーLV3〟と〝使役巧者〟と〝魔物個体識別〟。〝魔物学LV1〟、そして〝爬虫類形態音素解析〟並びに〝鳥類形態音素解析〟を収得しました。使用したSPは327、のこりSPは144,153です。〝運転術LV1〟と〝言論術〟と〝生物言語学〟は、必要ありませんでしたが、該当スキルを割り出すために収得しました』
結構なSPを使ったな、魔物テイマーLV3が大きかったのか?
「長ぇし、わからん……いや、わかるな。〝魔物テイマーLV3〟で〝恐竜〟を仲間に出来ると――ニャァ♪」
冷静に考えると、〝恐い竜〟なんて変異種と見紛うような魔物を――
馬のように従えられるっていうんだから――
SPを沢山、使っちまうのも頷けるか。
ギュギギギ、ガシィーン♪
ジタバタジタバタ――びったんびったん♪
轟雷の大きさがあれば、首根っこを押さえておけるな。
尻尾が危ねぇけど。
「グケケケケェー♪」
うん、やかましぃ。
「そういえば、シガミーのスキルってさぁー。いまぁ、どんな感じだっけ?」
ふぉん♪
『イオノ>>100を越えてからは、そんなに取ってないわよね?』
ふぉん♪
『ゴウライ>その筈だ、よな?』
「くきゅるるるるるぁぁっ?」
だから鉄鎧を噛むな。
旨くねぇし、歯ぁ、欠けちまうだろが。
ふぉふぉふぉふぉふぉふぉぉぉん♪
『>>シガミー・ガムラン LV:100 ☆:322
薬草師★★★★★ /状態異常無効/生産数最大/女神に加護/七天抜刀根術免許皆伝/星間陸路開拓者
追加スキル /遅延回収/自動回収/即死回避/自動回復/体力増強/上級鑑定/自爆耐性/上級解体/スキル隠蔽/LV詐称
/人名詐称/石窟加工/炸薬生成/初級造形/木工彫刻/石礫破砕/防具修復/高速修復/上級修復/頭部防具強化
/防具筋力強化付与/防具体力強化付与/防具攻撃力強化付与/防具知恵強化付与/防具防御力付与/幸運効果付与/幸運効果永続/幸運効果増大/幸運倍化/幸運リミットブレイク
/強運行使/防具幸運強化付与/耐性強化付与/耐性強化永続/耐性強化/耐性倍化/伝説の職人/不壊付与/不壊永続/植物図鑑
/武器修復/研ぎ師/切れ味持続/自動修復(小)付与/収穫量倍化/基礎工学/基礎光学/金属加工/合金錬成/天衣無縫
/初級位相幾何学/女神像機能解放/女神像機能呼出/先端工学概論/先端光学概論/撮像転写制限解除/システム猶予/投げ縄/ロープワーク/捕縛術
/水泳上達/体温維持/遠泳術/肺活量上昇/潜水術/食物転化/分離倍化/急速熟成/超抽出/高速調理
/さじ加減/基礎化学/有機化学/医食同源/かくはん王/生活の知恵/試薬調合/分析術/解析指南/超味覚
/サバイバルLV3/生存確率上昇/濾過術/分離術/高速結晶化/状態変化(大)/調理術/アイテム名偽装/女神像システムフォルダ開放/女神像Pフォント
/風使い/滞空LV2/航空力学/羅針盤/体幹/羽ばたき/滑空LV3/魔法具操作術/魔法具自動操作/超感覚
/星間空路補正/星間陸路補正/早撃ち/酔い止め/宇宙工学概論/システム補佐/血流強化/スタミナ増強/サブシステム使用許諾/サブシステムオフライン切替
/ジャイロマスター呼出/サブシステム用言語使用許諾/体感強化/作業量倍化/落下術/脳波補正/滅モード/鷲の脚爪/大蝙蝠の毒針/亀の甲羅
/狼の火弾/魔力増強付与/魔力増強効果永続/魔力枯渇耐性付与/魔力枯渇耐性効果永続/多重ロックオン/惑星地球外国語要項/全言語強化/上級言語解析/地球大百科辞典
/運転術LV1/魔物テイマーLV3/使役巧者/魔物個体識別/魔物学LV1/言論術/生物言語学/爬虫類形態音素解析/鳥類形態音素解析/
――所属:シガミー御一行様』
な・げ・え・なぁ!
轟雷の積層モニタが――ヴォヴォオヴォッヴォン。
積層化された画面の一画が、奥行きを増していく。
ふぉん♪
『>>追加スキル139個。全部で144個のスキルを有しており、惑星ヒースにおける最強の冒険者と自負して良いかと』
結構増えてたが此奴ぁ、何の苦労もなく、お前らから貰ったもんだからな。
そうそう自慢も、出来めぇよ。
けど色々と助かってるのは事実だ。
感謝はしておく。
「いやぁ、そう謙遜するもんじゃないわよ! シガミーのぉ、このぉ世界でのぉ頑張りぃわぁさぁー!」
耳元でうるせぇが、感謝した手前、我慢しとく。
って言うか、轟雷の機能で、中に着たこの〝虎型ふ号〟の中の音を――
「ウケケケッ――ヴュ(ゥケケ――♪)」
加減できらぁ。
聞いた感じが念話と混ざって、ややこしくなるから、あまり使わねぇ方が良いだろぅが。
ふぉん♪
『イオノ>>この世界はゲームで、その経験値はシガミーが敵を倒して稼いだんだしさ♪』
ふぉん♪
『ゴウライ>>そう言われると、そうかも知れんな、ウカカカッ♪』
「そうデす。シガミーハ不測ノ事態ヲ好機と捉エ、そレを打破し続ケた結果――ここマでの急成長ヲ遂げまシた。こノスキルリストヲ公開は出来ませンので、せメて我々にハ自慢シて下サい!」
何でぇい何でぇい、お前らぁ――褒めても何もでんぞ?
ふぉふぉん♪
『>>もっとも、〝人的特異点〟である可能性を考慮した場合、現状の規模で収まるとは到底思えませんが』
「やかましぃ!――ニャァ♪」
ふぉん♪
『ゴウライ>やかましい!』
持ち上げた側から、また化け物扱いしやがって。
「でハ、話がマとまったところで、早速テイムしてみまシょう」
§
「何も……起こらんぞ?――ニャァん♪」
「シガミーの手の甲に、紋様が発現しました」
「グッゲゲゲッ? くきゅるるぁぁっ♪」
「恐竜ちゃんの額にもぉ、何かの模様が浮き出てるわよん♪」
うむ。じゃぁ、そのテイムてのは上手くいったんだな。
ガッキュゥゥン♪
おれは口太郎を、放してやった。
ガブリ、ガジガジガジ♪
「何も……変わらんぞ? 止めんかぁ!――ニャァ♪」
ガジガ――「くきゅるるぁぁ――♪」
「あら、お利口わよ?」
ヴォヴォヴォゥゥン♪
口太郎の回りを飛ぶ、浮かぶ球に乗った五百乃大角。
背筋を伸ばした口太郎が、じっと轟雷を見てやがるぜ。
おれは曲がった鉄棒を拾って、ガッキュゥゥン――ギィギギギチィ♪
真っ直ぐに伸ばして、軽く放り投げた。
「くっきゅるるぁ――♪」
鉄棒が気になるようだが、まだ轟雷を見てるぞ?
「取ってこぃ?――ニャァ♪」
棒を指さし、言ってみた。
「くっきゃぉるるるるるぁぁ――――!!!」
どどっどったっ、どどっどったっ!
「あらっ、ホントにぃ、お利口さんっわよ♪ カワイイ♡」
ふぉん♪
『イオノ>次はあたくしさまの、番ざますよ♪』
ヴォヴォヴォゥゥゥゥン――――キャチャカチャキャチャ♪
細い機械腕を沢山、生やした浮かぶ球。
戻ってきた口太郎は、鉄棒をカランと落とし――
ガァブリッ――浮かぶ球を五百乃大角ごと、丸呑みにした。




