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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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680/744

680:未発見エリアαからの脱出、全自動射撃LV3と蘇生薬

 ガッシャァァァァンッ♪

 (たいら)らな大岩(じめん)(あな)が空き、突き出る相当(そうとう)(おお)きな機械腕(かいな)


「〝全自動射撃(ぜんじどウしゃげき)LV(レベル)3〟、起動(きどウ)索敵半径(さくてきはンけい)は16(メートル)設定(せってイ)しまシ()

 迅雷(ジンライ)がタレットスキル〝(なん)たらLV1〟とかいう(やつ)を取った。

 これで、(こわ)された〝木玉(きだま)を撃つ(やつ)〟を、もう一度作(いちどつく)れるようになるまで――

 三日(みっか)かかるはずの(ところ)を、直ぐにもう一台(・・・・)、出すことが出来(でき)るらしい。


 ふぉん♪

『>〝マルチユニットLV1〟です。既にサブユニットを一基破壊されていますので、これが破壊されれば、次に作成できるようになるまで三日必要になります』


 そう、そいつを取るためにまず、全自動射撃(せんじどうしゃげき)をLV3まで上げる必要(ひつよう)があって。

 (いま)なら木丸(きだま)だけでなく鉄丸(てつだま)や、燃える(たま)なんかも撃てるようになった。

 機械腕(かいな)(おお)きくなり、鉄板(てっぱん)(おお)われている。

 これなら石竜子鳥(おおぐち)に踏みつけられても、耐えられるかも知れねぇ。


 ウィィィィインッ♪

 無骨な銃口(きかいうで)(さき)大口(とかげどり)に向かって、ひとりでに動いた(・・・・・・・・)


「グゲッゲッ!? くきゅるるるるるぁぁぁああぁっ♪」

 (わめ)大口(おおぐち)に、うろたえる様子(ようす)はないが――


 その(すき)におれは、隠れ()のドアを開け――

 (せま)通路(つうろ)一息(ひといき)に、駆け抜け――スッタァァァンッ!!

 天井(てんじょう)に空いた(あな)から、(そと)へ飛び出した!


 よし気づかれてねぇ、この隙に――ギュッ!

 目を閉じ腕時計(SSWー01LR)のカバーを(ひら)き、(なか)のボタンを押す。

 シュボッ、カシカシカシ♪

 瞼越(まぶたご)しでも見える(ひかり)奔流(ほんりゅう)――「グッゲゲゲッゲッゲゲッ!?」

 (いま)さら(わめ)いても(おせ)ぇぜ!


 おれは鉄鎧(ゴウライ)を着た――カヒューィ、ガゴゴンッ!

 鉄鎧(おれ)外部カメラ(めだま)が、ヒュパパパパパッ♪

 背後(はいご)から(せま)る、大口(てき)様子(ようす)(うつ)し出す!


 ――ウィィィィインッ、ガッシャン♪

 太く逞しく(LV3に)なった機械腕(サブユニット)が、大口(それ)(ねら)っている。


 ふぉふぉん♪

『戦術級強化鎧鬼殻平時プロトコル>>全ライブラリを検索。ロックオン中の生命体に該当有りません。惑星地球に棲息していた、〝ガリミムス〟と呼ばれる獣脚類恐竜の一種に酷似しています【地球大百科事典】』

 (なん)だぜ、迅雷(ジンライ)

 大口(おおぐち)のことを、(くわ)しく知っても意味(いみ)ねぇだろぅ?

 もうおれたちわぁ、お(いとま)するだけだろが。


 ふぉん♪

『イオノ>どしたのよ、シガミー? 早く大森林に帰らないと、お腹が空いちゃうわよ?』

 そうだな、(もり)(ぬし)からの依頼(いらい)もあるしな。


 フィィィィイィンッ、シュガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガガガガガがガガガガガガガガガガガガガ――――!!!

 うるせぇ!

 無骨(むこつ)機械腕(きかいうで)(さき)が、とんでもねぇ(いきお)いで(まわ)ると――

 ビシビシビシビシビシビシビシビシッ、ガガガガッ!!!!


 鉄丸(てつだま)大口(おおぐち)野郎(やろう)に、(たた)き込まれた!

 (みじか)(あいだ)だったが、猪蟹屋(おれたち)(てき)相応(ふさわ)しい強敵(あいて)だったぜ。

 成仏(じょうぶつ)してくれやぁ――――ドッズゥゥン!


 ガガッ――ドリュルルゥッ、カララランッ♪

 石竜子鳥(とかげどり)(たお)れたら、ひとりでに止まる。


 ふぉん♪

『>シガミー、彼はまだ生きています』

 んぁ? (てつ)(たま)を、あれだけ浴びたら、そうそう(たす)からんだろうが?

 あとコイツは、(おす)だったらしいぜ。


「ゲギャギャァ――――くぅるるぅっ――――!?」

 血煙(ちけむり)噴煙(ふんえん)(かぜ)(なが)れ――(よこ)たわる大口(おおぐち)姿(すがた)が見えた。

 その(よわ)り切った(うご)きは、もはや(むし)(いき)だ。


 だがその両手片足(りょうてかたあし)で、しっかりとつかまれた――

 〝全自動射撃LV1(サブユニット)〟の残骸(ざんがい)


「あらぁ、随分(ずいぶん)と、お利口(りこう)さんねぇん()

 そうだな。大口(こいつ)は落ちた残骸(ざんがい)()にして、致命傷(ちめいしょう)を避けたのだ。


口太郎(くちたろお)ぉ――(てき)ながら中々(なかなか)に、天晴(あっぱ)れじゃね()――ニャァ()

 ガッキュガッキュゥンッ、ガッキュゥゥゥンッ♪

 おれは大口(おおぐち)石竜子鳥(とかげどり)――さしずめ口太郎(くちたろう)(ちか)くへ(ひざまづ)いた。

 (なん)というか、手を(くだ)したのはおれたちだが――

 弔ってやろう(・・・・・・)(おも)ったのだ。


「はイ。そノことで、シガミーニ提案(ていアん)がアりま()

「なにその口太郎(くちたろう)って……まさか、名前(なまえ)!? (ひど)いにも(ほど)があるでしょ()

 おれの(かお)の直ぐ(よこ)で、(じか)(あざけ)られるとぉ……気分(きぶん)が良くねぇぞ。


「うるせぇ。(たい)(あらわ)す良い名じゃねぇかよ()――ニャァ()

 とは言っても――「グキャァ――ァ」

 (いま)にも事切(ことき)れそうな(やつ)に、名をくれてやってもな。


「そういえばさぁ、この恐竜(きょうりゅう)ちゃんさぁ――(みょう)にさぁ……(あたま)(くび)(おお)きくなぁいぃ()

 ふぉん♪

『イオノ>鳥型の恐竜って言うよりも、ティラノザウルスみたいな形っていうかさぁ』

「ハい。そのこトで、イオノファラーにモ提案(てイあん)がありマ()

 ふむ。迅雷(ジンライ)から、提案(ていあん)があるらしいぜ。


   §


「くそう、(ちら)の子の蘇生薬(エリクサー)(ほとん)全部(ぜんぶ)使(つか)っちまったぜ!」

 (よこ)たわる口太郎(おおぐち)(つつ)む、緑色(みどりいろ)(ひかり)(あわ)――――シュワァッ♪

 閉じかけていた(おお)きな(ひとみ)

 悪党面(あくとうづら)のその目が、(おお)きく見開(みひら)かれた。


 蘇生薬(エリクサー)効果(こうか)が出るまで――

 ふぉん♪

『>はい。手持ちの蘇生薬を25本、使用しました』

 となると(のこ)りわぁ、おれの腕輪(うでわ)(はい)ってる(ぶん)と――

 村長(そんちょう)から(もら)った(ぶん)の、全部(ぜんぶ)で3(ぼん)きりか。

 大事(だいじ)使(つか)わねぇと、死にかねねぇぞ。


 ゴロォン、シュタリッ♪

 (はず)みを付け、飛び起きた口太郎(くちたろう)


「くきゅるるるるぁ――♪」

 轟雷(おれ)胸部装甲板(むないた)へ、(はげ)しい頭突(ずつ)き!

 あっ、手前(てめ)ぇ! まだやろうってぇのかぁ!?


 シュゴゴゴゴゴォォォォ――――♪

 おれは背中(せなか)大筒(スラスター)を吹かして、(そら)へ飛び上がる。


 ぷすぷすっ――プシュゥゥゥゥン♪

 ありゃ、どうした。

 背中の大筒(スラスター)が、止まっちまったぞ!?

 ヒュルルルルッ――――ドガガガァァン!!

 ()ぐ地に落ちちまう、轟雷(おれ)


 ヴォゥゥン♪

『神力計L≫_______H』


「どうしたことだぜ、(から)じゃぁねぇかぁ!」

 ふぉん♪

『ゴウライ>予備の神力棒を出せ!』

 ふぉん♪

『>神力切れは、ジェネレータ出力の低下によるものです。いたずらに神力棒を消費することは推奨できません』

 じゃぁ、どーするって言うんだ?


「くきゅるるるるぁ――♪」

 地に落ちた轟雷(おれ)に、また飛び込んでくる――口太郎(くちたろう)

 轟雷(おれ)(あご)へ、(はげ)しい頭突(ずつ)き!

 いい加減(かげん)にしろやっ、手前(てめ)ぇ――!


「くきゅるるるるぁ――♪」

 と(おも)ったが――ガジリ、ガジリ、ガジガジリィ――!

 手を噛むんじゃぁねぇやぃ、まるで(いた)くはねぇが。

 轟雷(ごうらい)を着たおれが、取っ組み合いをすること――小一時間(こいちじかん)

 (かじ)られ(つづ)けたあげく――結局(けっきょく)、噛みつき(ぐせ)(なお)らなかった。


「あれ、まってシガミー。なんだかこの子、(あそ)んでなぁい()

 ガジガジガジガジジ――♪

 でかい図体(ずうたい)をした石竜子鳥(とかげどり)が、尻尾(しっぽ)をくねらし、目を(ほそ)める(さま)は――

 (なん)でか前世(ぜんせ)お山(・・)で飼ってた(ねこ)(おも)い出させた。


「はぁ? そんな(わけ)ねぇだろうが、(かり)にもおれたちゃぁ、(いのち)のやり取りをしてたんだぜ()――ニャァ()

 迅雷(ジンライ)が「(めずら)しい石竜子鳥(とかげどり)だから、(たす)けろ」なんて言うから、(いま)こんなわからんことになっちゃいるがよぉ?


   §


「まさか本当(ほんとう)にぃ、遊んでるつもり(・・・・・・・)だったなぁんてぇ――うふふふふっ()

 そうなのだ。


 鉄棒(アンテナ)を立てると、やっぱり(かじ)るか蹴倒(けたお)すかしやがるから――

 曲がっちまった鉄棒(それ)を「こりゃもう、使(つか)えんなー」と、(ちか)くへ(ほう)った。

 すると、口太郎(くちたろう)がソレを(くわ)えて、持って来たのだ。


「クケケケェー♪」

 ガジガジガギギッ――だから轟雷(おれ)(かじ)るなってんだ。


 ヴォヴォヴォゥゥウゥン♪

 五百乃大角(いおのはら)が、「直に顔を見たい(・・・・・・・)」なんて言って――

 浮かぶ(プロジェクション)(BOT)に乗って、口太郎(くちたろう)(まわ)りを飛んでいる。


「おい、(かじ)られたり、飲まれたりするなよ()――ニャァ()

 折角(せっかく)(たす)けた(いのち)を――掻っ(さば)かないといけなくなる。


 その(おお)きな(くち)が、(てん)を向き――

「くっきゅるるるるる♪」


「46(パーセント)確率(かクりつ)で、〝(ぼウ)〟ヲ寄越(よコ)せト言ってイま()

 (ぼう)なぁ。


「よく見たら、さっきまでの凶暴(きょうぼう)(かお)じゃなくなってるわねん()

 ふぉん♪

『>蘇生薬により、大小様々な怪我や機能不全などが、回復したためと思われます』

 手負(てお)いの(けもの)は、大抵(たいてい)そんなもんだ。

「まぁ、見た目よかは、(はなし)がわかりそうな気はしてきたな」

 噛みつくのだけは、絶対(せったい)に止めそうもねぇけど。


「あーっ! あたくしさまってば、とっても良いことを(おも)いついてしまったのだけど――」

却下(きゃっか)だ、却下(きゃっか)()――ニャァ()

 どうせ(ろく)でもねえことか、(めし)(はなし)に決まってる。


「シガミー、いっそのことテイム(・・・)してみたら良くなくなぁい?」

 (なん)だぜ、諦無(ていむ)てのわぁ?

 (かじ)られることを(あきら)めて、受け入れろってのかぁ?


 ふぉん♪

『ヒント>テイム/動物を飼い慣らし、使役すること。』

 口太郎(くちたろう)おぉ、飼い慣らす(・・・・・)だとぉ?

ガリミムス/獣脚類恐竜。白亜紀後期のゴビ砂漠に生息。学名は「鳥モドキ」という意味。

ティラノザウルス/大型獣脚類。白亜紀末期の北アメリカ大陸に生息。学名は「暴君竜」という意味。

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