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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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677/744

677:芋の町にて、続々・おにぎりの休日

「しかし、どうしますか? あちらの紳士(しんし)を、伸しちまいやしたぜ、こいつ(・・・)

 近寄(ちかよ)ろうとする手下(てした)を――

「ぅおまち! あんた(たち)(かな)相手(あいて)じゃなぁいわよっ!」

 団長(だんちょう)(せい)した。


 コイツ呼ばわりされた、黄緑色(きみどりいろ)(ねこ)魔物(まもの)は――すぽん♪

 細剣代(ほそけんが)わりの長串(ながくし)を、ぱっと跡形(あとかた)もなく消した。

 そして、まだ地に突き刺さったままの紳士(しんし)を、スポンと引っこ抜き――ヴッ♪

 どこからともなく取り出した(なわ)で、きゅっと(しば)り上げてしまった。


「こらー、(きみ)たちー! またぁー(さわ)ぎを、起ーこーしーてぇー!」

 解散(かいさん)した女性(じょせい)たちの向こうから、姿(すがた)(あらわ)したのは――

 冒険者(ぼうけんしゃ)ギルドの受付嬢(うけつけじょう)制服(せいふく)に、身を(つつ)んだ――

 かなりどっしりとした(・・・・・・・)女性(じょせい)だった。


   §


(なん)てことかしら!?」

 手配書(てはいしょ)黄緑色(きみどりいろ)魔物風(まものふう)を、繁々(しげしげ)見比(みくら)べていたギルド受付嬢(うけつけじょう)が――


「これはこれは御使いさま(・・・・・)っ、アリゲッタ辺境伯領(・・・・・・・・・)へ――ようこそおいで下さいましたわっ!」

 ――などと(のたま)(ひざ)を突き、うやうやしく(こうべ)を垂れる。

 その真剣(しんけん)様子(ようす)は、並々(なみなみ)ならぬ事態(じたい)であることを、(うかが)わせた。


「みゃぎゃやーにゃぁー()

 御使いさま(・・・・・)は、振り(かえ)る。

 (うし)ろに(だれ)も居ないことを、(たし)かめたようだ。

 (すく)なくとも黄緑色(きみどりいろ)(かれ)もしくは彼女(かのじょ)には、御使い(・・・)である自覚(・・)はないらしい。


「お(じょう)――(はな)れて(くだ)せぇ! そいつぁ、町民(ちょうみん)紳士(しんし)を手にかけた、悪党(あくとう)なんでさぁ! ぐぇへっへへへっ!」

 悪党(あくとう)のような(わる)(かお)をする、自警団(じけいだん)手下(てした)

 (かれ)受付嬢(うけつけじょう)を、お(じょう)と呼んだ。


(はな)れるのは、(きみ)たちの(ほう)よ! ひかりのたてよ!」

『<MAGIC・SHIELD>――ピッ♪』

 受付嬢(おじょう)(ふく)よかな(てのひら)に、浮かび上がる――

 一枚(いちまい)の、ひかりのたて。


 (せい)なる曼荼羅(もんよう)は――ヴァチヴァチヴァチヴァチィ――――――――ッ!

 (なわ)で巻かれた町民(ちょうみん)紳士(しんし)を――――燃え上がらせた(・・・・・・・)


 ぼっごおぉぉぉぉぉっぅわわぁっ!

 紳士(かれ)(かぜ)に吹かれた(ほのお)で、とても良く燃えた。

 (あわ)てふためく〝ポテフィール自警団(じけいだん)総員(そういん)(めい))〟や、道行(みちゆ)人々(ひとびと)


「落ち着いて、この火はすぐに消えます!」

 その宣言通(せんげんどお)りに、(せい)なる(ひかり)(いぶ)された紳士(しんし)が――ぷすぷすん♪

 ひとりでに、鎮火(ちんか)した。


「あれ、ここはどこだ? (わたし)(なに)をしていたのだ?」

 (ほほ)(かみ)を焦がした粗野(そや)紳士(しんし)が、(きゅう)(ひと)が変わったように温和(おんわ)表情(ひょうじょう)を見せる。

 そして身を起こし、受付嬢(うけつけじょう)見上(みあ)げた。


「おや、これはこれはポテリュチカ(じょう)本日(ほんじつ)もご機嫌麗(ごきげんうるわ)し――ぎゃっ!? (ねこ)魔物(まもの)っ!?」

 (となり)(ひざ)(かか)(すわ)り込む、黄緑色(ねこのまもの)

 それに気づいた紳士(しんし)が――(こし)を抜かし、バタリと(たお)れた。


「これはまさかっ!? こんな町中(まちなか)で、〝魔神返(まじんがえ)り〟に出くわすとはっ――あんたたちっ!」

 (いさ)ましく号令(ごうれい)をかける団長(だんちょう)


「「「へへーい!」」」

「にゃみゃー()

 だらしなく立ち上がり、敬礼(けいれい)する団員(だんいん)たち。


顔色(かおいろ)(わる)くて、いらついた様子(ようす)町人(まちびと)がいたらぁ――自警団詰(じけいだんつ)(しょ)に、連れてくるんだよ!」

 団長(かれ)内股(うちまた)はふたたび、ぐねっていたが――

 その(かお)はとても真摯(しんし)で、とおくの(ほう)女性(じょせい)の取り巻きが湧いた。


 どたたたっ、ぽきゅらら――と散っていく団員(だんいん)たち。

「あっ、御使(みつか)いさまは、そんなことをなさらなくて、よろしいですのよぉー!」

 受付嬢(おじょう)黄緑色(みつかい)を追って、行ってしまう。


 倉庫(そうこ)に取り(のこ)される紳士(しんし)と、種芋(たねいも)(とげ)団長(だんちょう)


大丈夫(だいじょうぶ)かいっ!?」

 紳士(しんし)(からだ)を起こしてやる、筋骨隆々(きんこつりゅうりゅう)

「ぅうーん?」

 抱き起こされた紳士(しんし)が、(いき)を吹き(かえ)した。


 その視線(しせん)交差(こうさ)し――「ぅふぅん――♪」

 バチィン♡

 片目(かため)を閉じ、身をくねらす団長(だんちょう)


 その視線()直撃(ちょくげき)した紳士(しんし)(かお)が、ふたたび(あお)ざめ――

 パタリと(たお)れた。

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