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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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662:厨房ダンジョンLV2、まさかの○○○○あらわる

「ねぇシガミーちゃん。この(みち)には、終わりがない(・・・・・・)のではないかしら?」

 通路(つうろ)は、何処(どこ)までも(つづ)いている。


「ば、ばかやろぅ。(おそ)ろしいことを、言うなってんだぜ?」

 無理矢理(むりやり)(めし)を食わせる(わけ)にも行かず。

 そもそも食わせたところで、無理(むり)をすりゃそこそこ食いそうだし。

 このビステッカを本物(ほんもの)という体裁(ていさい)で、行動(こうどう)(とも)にすることにした。


 ふぉん♪

『>>今のところ、不自然な素振りは、みえません』

 おぅ、よぉく見張(みは)っとけ。

 (すこ)(さき)を行く、浮かぶ棒(ジンライ)が――ヴォヴォゥゥン♪


「400メートル前方(ぜんポう)ニ、曲ガり(かド)発見(はっけン)しまシ()

 ピタリと止まって、おれたちを待つ。


本当(ほんとう)か!?」「本当(ほんとう)っ!?」

 おれたちは駆けだした。

 代わり映えのしない真っ直ぐな(みち)には、飽き飽きしていたのだ。


 (ほど)なくすると、また(・・)曲がり(かど)があり――

 (たな)(たな)(あいだ)には――まさかの黄緑色(きみどりいろ)


「にゃぎゃんみゃーや()

 なんだとっ!?

「あらっ、おにぎりさんではありませんの♪」

 ビステッカが駆け寄り、(あたま)を撫で――

 (あたま)を撫で(かえ)されている。


「おーまーえー! どっから湧いた?」

 (もと)厨房(ちゅうぼう)には、居なかっただろーがぁ!?


   §


 迅雷(ジンライ)が聞いたところ、おにぎりは――

 ビステッカ同様(どうよう)、揺れが(おさ)まったら、この(たな)(たな)(あいだ)に――

 (はさ)まるように、(おさ)まっていたらしい。


「しかたねぇ。おれが(たしか)かめるしか有るまい」

 おれは錫杖(しゃくじょう)(たな)に立てかけ、ビステッカから張り扇(ハリセン)を受け取る。


「みゃぎゃにゃぎゃ()

 小首(こくび)(かし)げる、(かお)のない猫の魔物風(おにぎり)


「というわけで、お(まえ)本物(ほんもの)かどうかを(たし)かめないといかん――」

 おれは張り扇(ハリセン)を――振り下ろした!


 フォン――ひらり。

 まさかの華麗(かれい)(うご)きで、避けられた(・・・・・)


「くすくすくすくすっ♪」

 ビステッカに(わら)われた。

 (かお)(あつ)くなるのを(かん)じる。


「わ、(わら)ってんじゃねぇー! おにぎり避けるな!」

 ふぉん♪

『シガミー>本物かどうか確かめないと、鎖にでも繋ぐしかなくなるからな?』

 一行表示(ティッカー)(おど)してやる。


「ふぎゃっ――――ぽぎゅどごんっ()

 やべぇ、脅し(・・)が効き過ぎたぜ!

 おにぎりが(うし)ろの(かべ)に張り手で、大穴(おおあな)を開けた!


 ぽっきゅぽきゅ、むぎゅぎゅぎゅぎゅっ――――すぽっん♪

 そして真っ(くら)(あな)に、逃げ込んじまった!


   §


「シガミーちゃん、本当(ほんとう)に追いかけるんですの?」

「おう。かといってビステッカを、ここに置いてはおけねぇ。一緒(いっしょ)に来てもらうぜ♪」

 おれは〝虎型(とらがた)(ごう)〟を取り出し、背中(せなか)(ひら)く。

 この(なか)(はい)っていてくれりゃぁ、(なに)があっても――まず死ぬことはない。


「これって、おにぎりちゃんの、お友達(ともだち)? (がら)(はい)った……毛皮(けがわ)?」

 (あお)(かお)のビステッカ。

 ううむ。(いま)まで着られる強化服(シシガニャン)(はい)ったレイダや、リオレイニアを見たことはあったが。

 (から)っぽの強化服(シシガニャン)を、こう間近(まぢか)で見せたことはなかったからな。


 ふぉん♪

『>>ゴーレムと間違われるのを避けるために、おにぎりや特撃型に関する詳しいことを、ほとんど説明してこなかったので、致し方有りません』

 (うずくま)強化服(シシガニャン)背中(せなか)(ひら)いた留金具(ファスナー)は――

「まるで……(せみ)脱け殻(・・・)だ」

 ううむ。不気味(ぶきみ)(おも)うのも、無理(むり)からぬことではある。


   §


「もっと蒸れるかと(おも)ったのですけれど、とても快適(かいてき)ですわ――ニャァ♪」

 そうだろぅ、そぅだろぉぅ。


元々(もともと)安全(あんぜん)快適(かいてき)に過ごす(ため)の、(ふく)だからな♪――ニャァ♪」

 虎型(とらがた)(ごう)と、ふ(ごう)を、おれたちは着込(きこ)んだ。

 ヴォォォゥン♪

 画面(がめん)(すみ)に、ビステッカの(かお)(うつ)し出される。

 虎型ひ号(むこう)には、虎型ふ号(こっち)(なか)が、(うつ)し出されていることだろう。


迅雷(ジンライ)(あか)るく見える(あつ)ぁ、どうすりゃ使(つか)えるんだぜ?」

 夜目(よめ)が利く(やつ)使(つか)(かた)を、ビステッカに(おし)えておかねぇと。


 猫の魔物風(シシガニャン)と化した、おれたちが居るのは――

 おにぎりが(かべ)に開けた、(あな)(まえ)だ。


 ちなみに迅雷(ジンライ)は、虎型ひ号(ビステッカ)(うし)(あたま)(はい)ってる。

 (はじ)めて強化服(とらがた)を着るときは、迅雷(ジンライ)を付けてやらんと――

 すこし不安(ふあん)だからな。

 それでも、迅雷(ジンライ)との念話(ねんわ)一行表示(ティッカー)使(つか)えるから、問題(もんだい)は無い。


 ふぉん♪

『>>マルチタスクですので』

 ふぉん♪

『>>やかましい。それで、どうするんだったか?』


 ふぉん♪

『>「音声入力、暗視モードオン」と唱えてください』

 ふぉん♪

『シガミー>音声入力、暗視モードオンだな?』


 ふぉん♪

『>暗視モード/ON

 >アクティブトラッカー/ON』

 カカカカカッカ――――――――!?

 ばぶっしっ、眼が!

 一行表示(ティッカー)文字(もじ)を入れただけで、夜目(よめ)が利いちまったぜ!


 ふぉん♪

『>暗視モード/OFF

 >アクティブトラッカー/ON

 >一行表示を介しても、オンオフが可能ですので注意してください』

 ふぅ、迅雷(ジンライ)一行表示(ティッカー)で、消してみせてくれた。

 使(つか)(かた)は、わかった。


 むぎゅぎゅぎゅぎゅっ――――すっぽこん、ごろろろっ♪

 先ず、おれが(あな)(はい)る。

 ぽむぎゅぎゅぎゅぎゅっ――――すっぽこん、ごろろろっ♪

 (つぎ)にビステッカを(なか)から、引っ張ってやった。


 ふぉん♪

『シガミー>音声入力、暗視モードオン』

 ふぉん♪

『>暗視モード/ON

 >アクティブトラッカー/ON』


 ヴュパァァァァ――――カッ!

 (あた)りがあかるくなった。

 まるで昼間(ひるま)とかわらねぇ。


「おおおお? やっぱり、こりゃすげえな!」

 ヴヴュ――ゥン?

 (かお)()ると映像(そとのようす)ざらつく(・・・・)が、十分(じゅうふん)だぜ。


音声(おんせい)にゅうりょく、(あん)しもードオン――ニャァ♪」

 ビステッカがそう(とな)えたら、虎型(とらがた)(ごう)の目の(あた)りが(まる)(ひかり)(はな)った。

 ふぉん♪

『>>おい、この目の明かりは夜襲を掛けるときや、獣相手に不利だろがぁ?』


 ふぉん♪

『シガミー>>この照射赤外線は、通常視認出来ません。強化服の暗視状態を示すアイコンでもあります』

 わからん。


 ふぉん♪

『>>虎型やおにぎりや、光に特に敏感な魔物でもなければ、見ることは適いません』

 なら良いぜ。


 ヴゥゥゥウゥン、ヴュザザザッ――――♪

 おれは(あた)りを一周(いっしゅう)見渡(みわた)した。

 四方八方(しほうはっぽう)(みち)が伸びているが、そのうちの(ひと)つが表側(おもてがわ)に突き抜けちまってる。

 ふぉん♪

『>>通路の曲がり具合が、表の通路を超越しています。高次ユークリッド幾何を用いなければ表せないほど、空間が捻れています』

 つまりは、化かされてる(・・・・・・)ってことだな。

 どうやら厨房回廊(ダンジョン)裏側(・・)は、さっきまで居た通路(つうろ)とは――

 まるで(ちが)う、(べつ)場所(ばしょ)らしい。


「どうだ? ちゃんと見えてるか?」

 虎型(とらがた)(ごう)の目が、ぱちくりと(しばた)いている。


「すごい! シガミーちゃん! よーっくみえますわ♪――ニャァ♪」

 ぽきゅぽきゅぽきゅぽきゅ♪

 (たの)しそうだが――


「あまり(おく)に行くなよー。村長(そんちょう)(はなし)じゃ、(はぐ)れたら戻れない(・・・・)らしいからな」

 さて、おにぎりはどこに居るんだぜ?

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