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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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660/744

660:厨房ダンジョンLV2、レトラベラ嬢あらわる

 瓦礫(がれき)をよじ(のぼ)り、明かりが(とも)った部屋(へや)に飛び込む。

 そこはさっきまで居た三番目(さんばんめ)倉庫(そうこ)と、寸分違(すんぶんたが)わぬ(たたず)まい。


「んぅぇーっと?」

 (となり)倉庫(そうこ)出たら(・・・)(おな)倉庫(そうこ)だった。

 此方(こちらの)横壁(よこかべ)(やぶ)って侵入(しんにゅう)した――(また)別の同じ倉庫(・・・・・・)

 その入り口から出たら(・・・・・・・・)――(なに)があるんだ?


 ひょいと、(くび)を出す。

 其処(そこ)通路(つうろ)のように、細長(ほそなが)場所(ばしょ)だった。


「おい、やっと(べつ)場所(ばしょ)に、出られたぞ?」

 やっと(もと)三つ目の倉庫(・・・・・・)からは、出られたが――

 通路(つうろ)(はしら)道幅(みちはば)。明かりの魔法具(まほうぐ)

 なのに、倉庫(そうこ)のように(たな)木箱(きばこ)が――

 (かべ)に沿って、(まば)らに置かれている。


「はイ。でスが荷物(にもツ)置かれ方に(・・・・・)(みッ)ツ目ノ倉庫(そうコ)とノ相似点(そうじテん)が、ザっと――322箇所(かシょ)発見(はッけん)さレまし()

 鉄鍋(てつなべ)(つか)突き出方(・・・・)や、羽根芋(はねいも)の葉の重ね方(・・・)

 魔山椒(まざんしょう)(はい)った(びん)の、曲がったラベル(・・・・・・・)


(たし)かによく見りゃ、(ざつ)(もの)置き方(・・・)見覚(みおぼ)えがあらぁ」

 ってこたぁ、まだ(にせ)厨房(ちゅうぼう)回廊(かいろう)からは――

 まるで抜け出せてねぇ(・・・・・・・・・・)ってことか?


「そのようデす。注意(ちゅうイ)しテ(すス)みまシょ()

 ヴォヴォヴォゥゥゥンッ♪

 迅雷(ジンライ)(うな)りを上げ、(さき)を行く。


「あっ、迅雷(ジンライ)さま♪」

 曲がり(かど)、その(さき)から(こえ)がした。


 (あわ)てて駆けつければ――ヴォォォン♪

 浮かぶ(ぼう)(まえ)

 (たな)(たな)(あいだ)に、(つくえ)(いす)子が置かれていた。


「あっ、シガミーちゃんも! こっちこっち!」

 椅子(いす)(すわ)り、此方(こちら)手招(てまね)きするのは――

 レイダやビビビーの(となり)に居ることが(おお)い――


「えーっと、そうだぜ! 眼鏡太郎(めがねたろう)だ、眼鏡太郎(めがねたろう)!」

 (おも)い出したぜ!

「レトラベラよ。レトラベラ・ルリミット! 一文字(いちもじ)もあってないよ!?」

 (ちが)ったか。そういやぁ、そんな名だった。

 礼虎(れとら)だ、礼虎(れとら)


(わり)(わり)ぃ、つい、ど(わす)れしちまってよ。へへっ♪」

 愛想笑(あいそわら)いをしておく。

「……〝眼鏡(めがね)たろぅ〟って言ったことは、聞かなかったことにしてあげる」

 ふぅと、ため(いき)をつかれた。


 ふぉん♪

『人物DB/レトラベラ・ルリミット

      初等魔導学院1年A組生徒

      出席番号13』

 この(かお)、この眼鏡(めがね)――


(わり)ぃ、どうにもしゃらあしゃらした(・・・・・・・・・)名前(なまえ)には、(うと)くてよ。へへはは♪」

 おい迅雷(ジンライ)、こいつぁー(れい)アレ(・・)じゃぁねぇのかぁ!?


 ふぉん♪

『>>いいえ、偽の山道でも彼女が先兵として姿を現したからと言って、今回も魔法自販機なる魔法具による、〝自衛行動の発露〟とは限りません。慎重に判断しましょう』


「そうだなっ!」

 ヴッ――――スッパァァァァァァンッ♪

 おれは張り扇(ハリセン)(ちから)(かぎ)りに、眼鏡の童(レトラベラ)(あたま)を引っ(ぱた)いてやった!

 これで消えりゃ、偽物(・・)ってこったろ――ウカカカカッ♪


「いひゃいっ!?」

 やべぇ! 砂になって崩れ(・・・・・・・)姿(すがた)を消すはずが――

 今回(こんかい)は、本物(ほんもの)だったらしいぜ!?


 ふぉん♪

『>>はい。素直に謝罪しましょう』


「シガミーちゃん、ひどいっ!」

 (わらし)(あたま)両手(りょうて)で押さえ、涙目(なみだめ)になった。


(わり)(わり)ぃ! この厨房(ちゅうぼう)(つら)なる(みち)にわぁ、偽物が出るから(・・・・・・・)――(たた)いて(たし)かめるしか、手がなくてだなっ!?」

 (つくえ)(うえ)に落とした眼鏡(めがね)(ひろ)って、そっと掛けてやった。


 くきゅりゅるる♪

 (あたま)(はら)を押さえ(ほほ)を染める、眼鏡の童(レトラベラ)


「なんでぇい、(はら)ぁ空かせてんのか?」

 目の(まえ)で揚げ(もの)寿司(すし)(つく)られて、お預けを食らわされたら――

 そりゃ、(はら)も空くか。


「引っ(ぱた)いた詫びだ、遠慮無(えんりょな)く食ってくれ」

 ヴッ――ことん、どさどさっ♪

 置いた(さら)(うえ)に、饅頭(まんじゅう)(はこ)を置いてやった。


 二箱(ふたはこ)計四(けいよっ)つの饅頭(まんじゅう)を――ぺろり。

 五百乃大角(いおのはら)()みの、早食い(・・・)だぜ。

 もう二箱(ふたはこ)、置いてやる――ぺろり。

 さらに二箱(ふたはこ)――ぺろり。


 おかわりをすること、三階目(さんかいめ)にして――

 (ようや)く気づいた。おい迅雷(ジンライ)


『>ええ、シガミー。彼女は、またもや人ではなかったようです』

 小太刀(こだち)を抜くのが、(おそ)かった――

 彼女(レトラ)(おお)きな(くち)を開け――すぁぁぁぁっ♪

 部屋ごと(・・・・)、おれたちを丸呑みにした(・・・・・・)


 村長(ジューク)が入れた金貨(かね)特別製(レア)で、この(にせ)厨房(ちゅうぼう)特別製(そう)だと言っていた。

 偽者(にせもの)見破(みやぶ)るのには、張り扇(ハリセン)(たた)くだけでは――

 足りなかったようだぜ!

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