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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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639:御神体修復作戦、女神御神体を繕う?

 ふぉん♪

『イオノ>おにぎりが何百匹も!? それどんな地獄絵図わの?』

 そりゃぁ、化生(けしょう)・化け猫地獄(ねこじごく)だろうぜ。


 ふぉん♪

『おにぎり>にゃみゃぎゃぁ?』

 化け(ねこ)は、どこに居やがるんだぜ?

 (あた)りを見渡(みわた)すも、姿(すがた)がねぇ。


 ふぉん♪

『ホシガミー>プププププププププププププフフゥフフフフフフフフフッ♪』

 (となり)大机(おおづくえ)で、(なに)かの(こな)(ふるい)に掛けながら――

 星神(ほしがみ)さまが(なに)かを(おも)い浮かべ、(なに)かに堪えている。

 笑い上戸(リオレイニア)一行表示(ティッカー)を見てなくて、(たす)かったぜ。

 本当(ほんとう)に掛け値なしに……(いのち)(かか)わるからな。


 ふぉん♪

『イオノ>おにぎりもだけどさ、それだけあるならまずはさ』

 ふぉん♪

『>はい。女神像設置が最優先では? 場合によっては我々に生じている、フレームレート問題が解消されます』

 見つめ合う、おれたち。


 ふぉん♪

『シガミー>よしじゃぁ、女神像を建てるが、その前に』

「お(まえ)ら……ひそひそ……ちょっと来い」

 おれは(ぼう)根菜(こんさい)をひっつかんで、大机(テーブル)(かげ)(かく)れる。


「ヒソヒソ……リオレイニアにバレたぞ」

「え……えっ!? って(なに)……が()

 ふぉん♪

『イオノ>まさか、シガミーたち日の本生まれの全員が』

 ふぉん♪

『>死後、この惑星ヒースへ転生したことですか!?』

 おい、いまリオレイニアだけじゃなくて、かなりの(やつ)一行表示(このひょうじ)を見られるぞ!?

 耳栓(みみせんn)回収出来(かいしゅうでき)てねぇし、黒板(くろいた)も貸したままだ。


 ふぉん♪

『>>大丈夫です。適宜、レイヤー分けをしています。では我々にしか見えないレイヤーには、記号を付けましょう』

 ふぉん♪

『イオノ>>頭に付く〝>〟をコメントアウト風に、二重に付けるのね? 了解わよ』

 (こめ)ぇ? (めし)(はなし)(あと)にして欲しいが――


   §


 ふぉん♪

『シガミー>>なるほど、こういうことだな? わかったぜ。それで、バレた話なんだが、〝おれが烏天狗だ〟ってことがバレたぞ』


 ふぉん♪

『リオレイニア>シガミー、転移扉設置の件でロォグさまが、お話があるそうです』

 (かお)を上げ其方(そっち)を見たら、お(ねこ)さまが(となり)大机(テーブル)(うえ)(かお)(あら)ってる。


 ふぉん♪

『シガミー>わかった。ちょっと待っててもらってくれ』

 根菜(こんさい)(ぼう)大机(テーブル)に置き――

「(それとな。ファロコの(おや)……大森林(だいしんりん)親玉(おやだま)から仕事(しごと)(たの)まれてる)」

 ――念話(ねんわ)する。


 ふぉん♪

『イオノ>>えっと、悪逆令嬢ロットリンデちゃんだっけ?』

 うん、そいつぁ(となり)のテーブルに、(すわ)ってる(やつ)だぜ。


「((ちが)くてだな、(あし)(なが)くて(もり)のような木を生やした、とんでもなくでかい鹿(しか)みてぇな(やつ)だった。(ひと)姿(すがた)にもなれるようだが、(おとこ)だか(おんな)だかいまいち良くわからん』


 ふぉん♪

『>>大森林エリアのエリアボスですか?』

「(それが(ちが)くてな。エリアボスは(しし)のような魔物(まもの)の、やっぱりでかい奴が(・・・・・)(べつ)に居るらしいぜ)」

 そう言ったら根菜(こんさい)の目が、ギラリと(ひか)った。


 ふぉん♪

『イオノ>猪ってイノシシでしょ? 迅雷がフェスタで出した、お味噌汁おいしかったわよねぇ?』

 ふざけんな。こんな立て込んでるときに、大物狩(ボスが)りになんて行かねぇからな。


 ふぉん♪

『ホシガミー>ログを拝見しましたが、〝山鯨のお味噌汁〟ですか? ププププププーッ、クッスクスクスクスクスクスッ♪』

 ふぉん♪

『シガミー>商売っ気も無しだ。例の商談が上手くいってからにしようぜ』


 ふぉん♪

『イオノ>野趣溢れる豚汁、素敵♪』

 ふぉん♪

『ホシガミー>そういえば神域食堂で使うように、お味噌を仕込んで頂きたいのですが、クスクス♪』

 仕事(しごよ)が、止め()なく増えて行きやがる。


「ああ、もうわかった! 味噌汁(みそしる)くらい味噌(みそ)が有るときなら、いつでも(つく)ってやらぁ!」

 (いま)五百乃大角(いおのはら)どもを(なお)すのが、先決(せんけつ)だろぉがぁ!


「えっ、味噌汁(みそしる)? いま、お味噌汁(みそしる)って(おっしゃ)いまして……ぐすん」

 あー、大申女(おおざるおんな)まで釣れちまったぜ。


「ど、どうされましたか? ロットリンデさま?」

 リオがロットリンデに駆け寄り、目元(めもと)(ぬぐ)ってやっている。


「(ちっ、山道(やまみち)でやり合ったときにも、日の(もと)(もの)(なつ)かしんでたな――(とく)に〝ねがみめんど〟の御神体(おまえさま)大層(たいそう)、気に入ってた)」

 根菜さま(いおのはら)よぉ、ゲス大申(おおざる)……いや、ロットリンデさまが、この来世(らいせ)に来ることになったのに――

 お(おま)さまは、どう(かか)わってるんだ?

 もう先延(さきの)ばしにも出来(でき)んから、肝心(かんじん)(ところ)を聞いておく。


 ふぉん♪

『イオノ>>ふふん♪ まるで心当たりないわね。多分だけどさ、〝西計三十六〟くんが、ラプトル王女に召喚されたみたいに、惑星ヒースの誰かが喚んだんだと思うわよぉん♪』

 (ころ)がる根菜(いも)を、指先(ゆびさき)で止める。


 ふぉん♪

『シガミー>>じゃぁ、星神さまは、何か知らんか?』

 ふぉん♪

『ホシガミー>>茅野姫として肉体を得るまでの私は、龍脈の底から空を見上げていただけです、ので』


「――くすん」

 見れば(となり)大机(テーブル)にポタポタと、(しずく)を垂らしている。

「ゎひゃっ、こんどはカヤノヒメさままでっ――――!?」

 リオレイニアが(あたら)しい、しゃらあしゃらした手ぬぐいを出して、駆け寄る。


「(あー、其方(そっち)もかっ――!)」

 (みな)それなりに、いろいろと(かか)えて生きてやがる。

 むしろおれなんざ、酒瓶(さかびん)で素っ(ころ)んで、おっ()んだが――(なん)未練(みれん)もねぇと来た。

 来世(らいせ)(あた)えられても、こうして好きに生きているしよぉ。

 (すこ)(もう)(わけ)なく、(おも)わなくもねぇ。


 ふぉん♪

『イオノ>>じゃぁ、彼女一人だけの時に、その話をする必要があるわね』

 ふぉん♪

『>>では折を見て、話しましょう』

 ふぉん♪

『ホシガミー>>さ、賛成ですわ、グスグス』


   §


 ふぉん♪

『イオノ>体がカクカクしちゃって、うまいこと押せないわねん?』

 ブブブーッ♪

 SDK(おにぎり)貼り合わせる(・・・・・・)ときの、手順(てじゅん)上手(うま)出来(でき)ねぇ。

 (たの)みの(つな)五百乃大角(いおのはら)駄目(だめ)となると、お手上(てあ)げだぜ。


「ぅにゃぎゃにゃー♪」

 ブブブーッ♪

 ふぉん♪

『ロォグ>我輩、手先は器用な方なのニャガ?』

 女神像(めがみぞう)(はや)(つく)れと、せっつかれたから――

 (また)(ねこ)さまにも、手伝(てつだ)ってもらってる。


 ふぉん♪

『おにぎり>できたんだもの♪』

 馬鹿野郎(ばかやろう)(うそ)をつくんじゃぁありませ――出来(でき)てる!?

 おにぎり(SDK)二個分(にこぶん)で〝菱形(ひしがた)〟になった(やつ)を、おにぎりが持ってきた。


 ふぉん♪

『>>評価用女神像キットのプロテクトを解除しました

 >>未知の女神像端末#ーーーーを検出』

 なんかでたぞ。


 『(Θ_Θ(カシャッ♪))』――ヴォ――ヴォ――ゥン♪

 五百乃大角(いおのはら)が、カクカクと飛ぶ、浮かぶ(たま)に飛び乗って――

 おにぎりが持つそれに、抱きついた!


「へぇっ、やるじゃんかぉー! おにぎりに負けたみたいで気に食わないけど、あたくしさまだって本調子(ほんちょうし)を取り(もど)しさえすれば――一発(いっぱつ)なんですからねぇぇっ()

 おい、五百乃大角(いおのはら)

「なんわよ()

本調子(ほんちょうし)(もど)ってるぞ?」

 まだ女神像(めがみぞう)で言うなら〝め〟くらいしか、出来(でき)ちゃいねぇが――

 ぺらっぺらと普通(ふつう)に、(しゃべ)れてたぜ。


「っぎゃっ――本当(ほんとう)……わよ! 今度(こんど)こ……そ(かん)……全大々(ぜんだいだい)超復(ちょうふっ)……(かつ)!!()

 (なお)ったと(おも)っだが、駄目(だめ)だった。


 ふぉん♪

『>>評価用女神像キットの承認が時間内に行われなかったためプロテクトされました

 >>未知の女神像端末#ーーーーとのリンクが切断されました』

 (また)なんかでた。所々文字(ところどころもじ)(あか)(ひか)ってるから――なんかが駄目(だめ)だというのがわかるが。


 ふぉん♪

『>>いえ、シガミー。上手くいったようです。自律型一号おにぎり、もう一度、組み立てて下さい』

 ヴォ――ピタッ――ヴォヴォォォ――ピタッ――オゥ――ピタッ――ゥゥゥンッ♪

 カックカクしながら迅雷(ジンライ)が、おにぎりまで飛んでいく。


「みゃにゃぎゃーや()

 チカチカチカチカ、チカ――ぷぽぷぽぷ、ぼぉんーッ♪

 おにぎりはSDK(おにぎりのもと)を組み合わせ、次々(つぎつぎ)(ひか)(ところ)器用(きよう)(ゆび)で押していく。

 くるくるくるくる――チカチカチカ、チカチカ――ぷぽぽん、ぷぴぴっ♪


「パパパァーン♪」

 とうとう景気(けいき)が良さそうな、(おと)が出た。


「シガミー。どうヤら組ミ立て済みノSDK(・・・・・・・・・・)ニ接触していル限り(・・・・・・・・・)におイて、我々(わレわれ)(シょう)じていル不具合(ふぐアい)解消(かイしょう)されルようで()

 空飛(そらと)便利棒(べんりぼう)が、おにぎりが手にしたSDK(おにぎり)に、垂直(すいちょく)に立っている。


「おい、おにぎり。そのまま手を、(はな)すなよ?」

 (おも)い出したぜ。SDK(そいつ)(かぜ)(さら)されると、使えなくなっちまう(・・・・・・・・・)んだった。


 ぎゅぎゅぎゅぎゅっ――ばっちん♪

 組み合わせられた菱形(SDK)を、強化服(シシガニャン)(おな)夏毛(なつげ)毛皮(けがわ)(おお)ってやった。


「あーっ、あらそれっ、パズルみたいな(やつ)! とうとう出来(でき)ましたのねっ♪」

 (はな)が咲いたような表情(ひょうじょう)、駆け寄るロットリンデさま。

 あー、見つかっちまったぜ。

 悪逆令嬢(かのじょ)SDK合(すだぁこあ)わせにも、執心(しゅうしん)してたっけなぁ。

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