表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

628/744

628:大森林探索行、シガミーの生態

「むにゃぁ!? (いて)ぇな!」

 何処(どこ)だぜ、ここわよぉ?

 (くび)を持ち上げ、(あた)りを見渡(みわた)す。

 林立(りんりつ)する木。まだ(もり)(なか)だぜ。


 でも(みょう)(そら)(ちけ)ぇ――

 ここわぁ……木の(うえ)か?

 手に(さわ)(ゆか)感触(かんしょく)は、草履(ぞうり)のようで――


 ここは、さっきの(もり)(なか)じゃねぇ……フカフ(むら)か?

 いや、あの(むら)には、こんな(つる)で編んだ足場(あしば)なんて無かったぞ。


 小突(こづ)かれた(あたま)を、(さわ)りながら――(からだ)を起こす。

 こぶが出来(でき)ていやがるぜ――大申女(ゲスロット)の姿はねぇ、逃げたか!?

 ったく、回復薬(かいふくやく)は……えーっと?

 黄緑色(きみどりいろ)彼奴(あいつ)(さが)すが、肝心(かんじん)なときには本当(ほんとう)に居やがらねぇ。


「ププププクスクスクススゥー♪ では、いきますわよぉー()

 茅野姫(ほしがみ)(わら)って、(ちか)づいてくる。

 まるで(むし)(たた)くように、平手(ひらて)を持ち上げて――


「ばかやろう、おれぁ(むし)じゃねぇー――んぁ!?」

 身動(みうご)きが取れん。

(なん)だぜ――!?」

 見れば両脇(りょうわき)に、生意気(なまいき)なのと、(どう)じない(やつ)が――

 おれの(あたま)を、しっかりとつかんでやがる。


「えぇーぃ()

 ぐっ!? 避けると、怪我(けが)をさせかねねぇ――へちり♪

 (ひたい)に、(いきおい)いがまるで無ぇ――平手打(ひらてう)ちを食らった!

 星神(ほしがみ)茅野姫(カヤノヒメ)の目がチカチカと、(ひかり)を帯びていやがる。


 ふぉん♪

『シガミー>何をしやがった!?』

 ぶちぶちり――んぅ?

 (なん)(あたま)から、抜けたぞ?

 ごろごろろろっ、落ちた(なに)かが、(あた)りを(ころ)がる気配(けはい)

 おれが立ち上がると子供ら三人(がきども)が、仲良(なかよ)尻餅(しりもち)をついた。


「いやぁー随分(ずいぶん)立派(りっぱ)な、果物(くだもの)が取れたねぇ♪」

 女将(おかみ)さんの(こえ)

 見れば(おお)きな果物(くだもの)を、(かか)えていやがる。


「そのでかい(もも)、どうしたぁ……おれにもくれ!」

 五百乃大角(いおのはら)がまえに、ご神木(しんぼく)から、もぎ取って食ってた(やつ)くらいの(おお)きさがある。

 こんな(わけ)わからん状況(じょうきょう)でも――有用な(つかえる)食材(しょくざい)確保(かくほ)しときてぇ。


 (そうですね。あとで知られたら、イオノファラーの機嫌(きげん)(いちじる)しく(そこ)ねます)

 わかってらぁ。(にせ)迅雷(ジンライ)復活(ふっかつ)したな。

 (ぎゃく)に、さっきまで居た森の主母娘(ファーローモたち)が、(あたま)(なか)から消えちまった。


「どうしたもこうしたも、ないさね! あははははっ♪」

 女将(おかみ)さんに(あたま)を、ぐりぐりと撫でられた。

 よせやぃ、おれぁガキじゃねぇんだぜ。


「シガミーの(あたま)から、生えてきたんだよ♪」

 なんだと、レイダめ!

 生意気(なまいき)(つら)で、わからんことを言うな!


「あははははっ、もの(すご)くおいしそうだけど――ちょっと気持(きも)(わる)い?」

 やい、ビビビーめ!

 歯に(ころも)を、着せやがれやぁ!


 (にが)(かお)のビビビー……えっと、リオレイニアの縁者(えんじゃ)である子供(こども)――

 〝ヴィヴィエラ……(アール)・サキラテ〟だっけか?

 その手に(かか)えた(おお)きな(もも)

 しかし、ゴロゴロ()()りやがったな?


「「「まてまてっ♪」」」

 子供(こども)総出(そうで)で、(ころ)がる(もも)を追いかけている。

 (おお)きな(かご)に、山盛(やまも)りあるぜ?


 ふぉん♪

『シガミー>どういうことだぜ、星神さまよ?』

 おれも手近(てぢか)なのを(ひと)つ、(ひろ)い上げる。


 ふぉん♪

『ホシガミー>私が星の力で強化した、そのシガミーさんのお体には、簡易的ながら【龍脈言語/DCコンバーター】が搭載されています』

 ふーん、わからん。


 死んだおれを黄泉路(さんずのかわ)から(すく)い上げるときも、(はな)とか仙果(もも)が生ったと聞いたがぁ。

 いまおれぁ、死んどらんだろうがぁ?

 それに(からだ)がいくら星神造(ほしがみづく)りでも、いまの中身(なかみ)はわぁ、ただの坊主(おれ)だろうがよ。


 ふぉん♪

『リオレイニア>それはたしか龍脈由来の活力を〝頭から生えた木〟が溜め込み、〝果実へと変換する〟(スキル)のことですよね。あの時は咲いた花の片付けに追われて、とても大変でした』

 あ、迅雷(ジンライ)が居ねぇ(いま)は、リオにも一行表示(ティッカー)全部(ぜんぶ)、見えてるんだったぜ。

 けど、(こま)りはしねぇか。


 星神(ほしがみ)さまが、おれの(からだ)使(つか)ってたときのことわぁ――

 居合(いあ)わせたリオたちの(ほう)が、おれより(くわ)しいだろうしよぉぅ。


(もり)(ぬし)が言うには、おれぁ(なん)とか言う〝(むし)〟らしいぜ」

 おれは(うで)を組み、(くび)(ひね)った。


「プークス♪ なるほど、〝(むし)〟だというなら龍脈由来(りゅうみゃくゆらい)活力(マナ)を、(もり)の木から吸い上げるのも――(うなづ)けなくも、ありませんね()

 といいつつ(くび)を、(かたむ)けていく星神(ほしがみ)


「それより此処(ここ)わぁ、何処(どこ)だぜ?」

 みれば捜索隊(そうさくたい)全員(ぜんいん)が、(あた)りで(くつろ)いでいる。

 おにぎり騎馬(きば)が居ねぇが――あっ!

 〝ゲスロット〟の野郎(やろう)も居ねぇ、逃げやがったか?


「ここも大森林(だいしんりん)開拓村(かいたくむら)です。シガミー、(あたま)を見せて下さい」

 まだ(いた)(あたま)(うし)ろから、むんずと手でつかまれた。

(いて)ぇ! (さわ)るなっ!」

 シシガニャンを脱ぎエプロンを(はず)したリオレイニアが、おれの(からだ)を引き(たお)自分(じぶん)(ひざ)に乗せる――(ちょう)やわこぃ。


「そうだぜ! 二股角(ふたまたつの)(むすめ)(おや)が、(むすめ)は見つかったとか言ってたぞ!?」

(むすめ)(おや)……やっぱりシガミーちゃん……シガミー殿(どの)取り憑いてた(・・・・・・)ようじゃぁのぉう」

 村長(そんちょう)が、まるで今思(いまおも)い出したように、村長訛(そんちょうなま)りで言い(なお)す。


「あの山鹿山(やましかやま)め、こっちのロコロ(むら)には、ちゃんとお(そな)えしてるのに……ふぅ。災難(さいなん)でしたわね、小ぉ~(ざる)ぅ~♪」

 大申(おおざる)……ロットリンデも居た。高級菓子店(こうきゅうかしてん)(はこ)を、いくつも(かか)えてる。


「うるせぇやぃ!」

 おぉぅぃ? (あたま)(なか)(おや)さまよぉー?

 (あたま)(なか)で、さっきの森の主(おんな)(おも)い浮かべたが――

 (なん)となくの輪郭(りんかく)くらいしか、形作(かたちづく)れなかった。


「ファロコは、いまティーナ……商会長(しょうかいちょう)大目玉(おおめだま)を食らって……(しか)られているのじゃよ、ふぉっふぉっふぉっ♪」

 村長訛(そんちょうなま)りが、うるせぇー。

 けど無事(ぶじ)とっ(つか)まえたなら――良かったぜ。


「まったくもう。普段(ふだん)はモクブートの一匹(いっぴき)でも(つか)まえたら、ジュークに見せに(もど)ってきますのに……ぶつぶつぶつぶつ」

 大申女(ゲスロット)が、(あお)(かお)をしている。

 商会長(しょうかいちょう)……女将(おかみ)さんの母上(ははうえ)から、また折檻(せっかん)されたのかも知れんな。


 人類最強(じんるいさいきょう)女将さん(むすめ)と、どっちが(つよ)いのかわからんが――

 商会長(かのじょ)(おこ)らせないことを、もう一度肝(いちどきも)(めん)じておく。


 ふぉん♪

『シガミー>さっきまで頭の中の森の主母娘と話をしてたから、どうもいまいち頭がはっきりしねぇぜ。もうすこし詳しい経緯を説明してくれや、星神さまよ?』

 わいわいわいわい、がやがやがやがや。

 うるせぇ。


 ふぉん♪

『ホシガミー>そう言われましても、大森林の物理法則はファローモと呼ばれる森の主が司っているようで、私の管轄外ですわ。イオノファラーさまなら、もう少し詳しいこともおわかりになると思いますが? プププププ-クス♪』

 くそぅ、面白(おもしろ)がりやがって。


 五百乃大角(いおのはら)迅雷(ジンライ)が居ねぇと、まるで(はなし)がわからんぜ。

 案内(ヒント)(ろく)に、出ねぇしよぉ

 (まさに混迷(こんめい)(きわ)みですね、シガミー?)

 やかましぃ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ