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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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620/744

620:大森林探索行、ファローモ・ファローモ

 魔法具(まほうぐ)出来(でき)た、角張(かくば)った回廊(かいろう)

 それは収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)(なか)に、(もり)(ふう)じ込めた――細長(ほそなが)建物(たてもの)

 その(はし)、おれたちが居る(がわ)とは反対側(はんたいがわ)


 その方角(ほうがく)(とら)方角(ほうがく)へ――

 轟雷(おれ)複合アンテナ群(むすうのつの)が、一斉に集約(トラッキング)する。


 それは――――――ズシィィン!

 (からだ)(しん)(とら)える、この揺れ(・・)

 それは起こるたび(・・・・・)に、(おお)きくなっていく。


 まさか、この震え(・・)は――――あの()が、(ちか)づいて来てるのか!?

 正確(せいかく)距離(きょり)はわからんが、あれが見た目通(めどお)りの(おお)きさなら――

 轟雷(ごうらい)背中(スラスター)全力(ぜんりょく)で吹かしても、逃げ(っk)せるかどうか(あや)しい。


「はーっ!? やべぇなんてもんじゃねぇやな!」

 (からだ)(かぜ)(とお)り抜けるような、この焦燥感(あせり)は――――ズズッシィィン!

 未知(みち)のものに(たい)する、恐怖(きょうふ)から来るものだ。


 五百乃大角(いおのはら)(はじ)めて、おれの目の(まえ)姿(すがた)(あらわ)したときにも、(かん)じた。

 身勝手(みがって)で、まるで(すじ)(とお)らねぇ――理不尽(りふじん)さ。

 おれの説法(せっぽう)が、一切通(いっさいつう)じねぇ――頑固(がんこ)さ。


 (とら)方角(ほうがく)を、見上(みあ)げた――――ドズズズッシィィン!


「はぁぁぁぁぁ――――どーなってやがる!?」

 とおくの(やま)稜線(りょうせん)が、おかしかった。

 なんせ(そら)(うえ)に、もう(ひと)つの(いただき)がある。


 ふぅぅぃっ――――ドズズズッシィィン!

 ぐらぐらぐらぐらっ、そろそろ立っているのも(つれ)ぇ。


 この揺れは(・・・)、まさかの――巨大(きょだい)(もり)(ある)いて起こした、地響(じひび)きだった!!!

 (ようや)合点(がてん)がいった。


 見る間に(もり)(ちか)づき、そろそろ見上(みあ)げるのに……(くび)(いて)ぇ。

 そんな〝(うご)(もり)(いただき)〟に、吸い寄せられる――照準(しょうじゅん)


 (ビジョンベースのトラッキング精度(せいど)が、劣化(れっか)しています。測定値(そくていち)ISO1(ロボティック)3482(・セーフティー)抵触(ていしょく)標準機との校正(キャリブレーション)(おこな)うため、姿勢制御(しせいせいぎょ)フレームワーク・ジャイロマスターをオンラインに変更(へんこう)して(くだ)さい。それが不可能(ふかのう)場合(ばあい)には、現実行(インヴァイア)環境(ロンメント)再起動(リブート)して(くだ)さい)


 (なげ)ぇ! ええと、たしか再起動(そいつぁ)……寝て起きろ――!?

畜生(ちくしょう)めっ――!」

 (にせ)迅雷(ジンライ)幻聴(こえ)が言ってることは、かろうじてわかったが――

 ばかやろうめ――そんなのわぁ、5時間(じかん)はかからぁ!


 ふぉん♪

『ジューク>あー。まえに一度、いや何回か、会ったことがあるんだけどさ』

 ふぉん♪

『シガミー>誰にだぜ、こんな忙しいときによ?』


「――――、――――」

 ジューク村長(そんちょう)(あたま)に飛び乗った、お猫さま(ロォグ)まで(なに)か――言ってるな?

『戦術級強化鎧鬼殻平時プロトコル>LIPリーディング――ON』

 画面(がめん)(すみ)が、またチカチカと(ひか)り――ふぉん♪

『ゲスト音声3>耳に付ける魔法具と、黒い板を我輩にもくれ』

 迅雷(ジンライ)がわりに身についた轟雷(ゴウライ)の、この機能(スキル)

 おにぎりが居なくても、お(ねこ)さまと(はなし)が出来るぞぉー!?


 ヴッ――おれは獣耳用(けものみみよう)耳栓(みみせん)と、(あたら)しい黒板(くろいた)を取り出した。

 するとロォグは、おれの(てのひら)に飛び乗り――

 タターの(ひざ)(うえ)に乗り――猫手(ねこて)で、ごそごそ。


 ふぉん♪

『ゲスト>使い方は、これで良いのか?』

 黒板(タブレット)耳栓越(みみせんご)しの画面(がめん)(なら)文字(もじ)を押していくと、言葉(ことば)が埋まる。

 ソレを横に払えば(・・・・・)(ぶん)一行表示(ティッカー)に出る。

 そう(むず)しいわけでもねぇが、一発(いっぱつ)使(つか)いこなしやがった。

 流石(さすが)は、魔法具専門(まほうぐせんもん)職人(しょくにん)だぜ。


 ふぉん♪

『ゲスト音声>ソレであってます。ギルド支部で伝言を送るときと、同じですよ』

 タターの(くち)(うご)きが文字(もじ)になる(ほう)が、お猫さま(ロォグ)(くち)(うご)きを読むよりは、いくらか(はや)かった。

 タターに『ゲスト音声>よいしょ♪』と(かか)えられた、お猫さま(ロォグ)は――

 おれよか余程(よほど)、世の(なか)のことに精通(せいつう)してやがる。


 ふぉん♪

『ロォグ>あれは最古の〝森の主〟だ。向こうから近寄られれば、とても逃げられ無い。だから死ぬ。そして、こちらから近寄っても、話は通じない。だから死ぬ』

 (なん)だと? あのでけぇのは――魔物(まもの)なのか?


 ふぉん♪

『シガミー>何がどうでも死ぬとは、超物騒だな! 村長さまよ、てなわけだから女将さんたちを出してやってくれや。皆で逃げるぞ!』

 おれは(ガガッキュゥゥン♪)と、もう(ひと)つの(てのひら)を差し出す。


 ふぉん♪

『ジューク>大森林に居る以上、どうやってもあの長い足で、追いつかれるよ。猫の魔物さんが言ったとおりに、逃げても死んじゃうよ?』

 ちっ、超面倒(ちょうめんどう)だぜ!


 ふぉん♪

『シガミー>なら轟雷も着ていることだし、退治すっか!』

 (ガガッキュゥゥゥンッ!)

 ふぉん♪

『ゲスト音声2>だめだよ』

 『ゲスト音声2』は、村長(ジューク)(こえ)だ。


 ふぉん♪

『シガミー>何でだぜ? おれが囮になって、そこに居るタターが魔銃で狙えば、倒せねぇ相手はそうそう居ねえぞ?』

 (はなし)がみえんぞぉ?


 ドズズズズズズウズズズズズズズズゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンッ!

 バラバラバラララッ――――やべぇっ!

 (あた)りには(きり)が立ちこめ、ずーーーーーっと(うえ)(ほう)にある、(がけ)というか(なん)というか――

 (ある)(もり)から、土塊(つちくれ)が降って来やがった!


 ふぉん♪

『ジューク>あの浮かぶ雑木林は、ファローモの中のファローモ。つまり、ファロコのお母さんだからだよ』

 (なん)だと!?

 「にぎゅるり」って言ってねぇーし、(おお)きさから(なに)から――

 似ても似つかんだろうが!

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