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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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618/744

618:大森林探索行、魔法自販機ってなぁに?

鬼族(オーガ)てのわぁ、轟雷(おれ)のことかぁ?――ニャァ()

 オルコトリアが、轟雷(おれ)くらいの体格(がたい)同族(なかま)が居るようなことを言ってた気がするぞ。

 おれが建物(たてもの)(そば)に、ガッキュユウユンと降りたとき――「はぁーい!」


◄◄◄(ピピピッ♪)

 鬼の娘(オルコトリア)木陰(こかげ)から、飛び出してきた!

 さっき轟雷(おれ)胴鎧(どうよろい)(つらんぬ)いた、殺気(さっき)(かたち)は――

 どう(かんが)えても……ガムラン支部展望台(しぶてんぼうだい)から、魔物境界線(まものきょうかいせん)(とりで)(ねら)ったときよりも、尖っていた(・・・・・)ぞ?

 つまり、オルコも本気(ほんき)(はし)ると、相当早(そうとうはや)いのだ。


「ぎゃわっ!? 鬼族(オーガ)(ひと)が、もう一人居(ひとりい)た!?」

 ジューク村長(そんちょう)が〝遊撃班(ゆうげきはん)オルタタター〟を見て、(おどろ)いてやがる。


「……ひょっとして、お二人(ふたり)は、ご夫妻(ふさい)ですか?」

 村長(そんちょう)が、そんなことを言うもんだから――

「ぷふふふふっ、あはははっはっ♪」

 タターが(わら)い出した。

 けどまぁー、そう見えても仕方(しかた)がねぇーか。


「おれだぜ、シガミーだぜ! こいつぁ、おれの鉄鎧装備(てつよろいそうび)だ――ニャァ()

 おれは胸部装甲板(きょうぶそうこうばん)を、ガガァンと打ち鳴らした。


   §


「ぅひゃぁ、(おどろ)いたよ! まるで隣町(となりまち)騎士像(きしぞう)みたいだよ?」

 隣町(となりまち)……レイド(むら)に、そんなもん有ったか?


「そんなことより、こいつぁ(なん)だぜ?――ニャァ()

 おれは大人(おとな)でも、そうそうよじ(のぼ)れない(ほど)(たか)さがある建物(たてもの)を、ドカドカ蹴飛(けと)ばした。


「あわわわっ……け、蹴っちゃだめだよ! (なか)に居るトゥナやファロコが、びっくりするからさっ!」

 (あわ)てる村長(そんちょう)


(なか)に居る? この建物(たてもの)(なか)に!?」

 長鉄砲足軽(ながてっぽうあしがる)タターを建物()屋根(やね)に、そっと降ろす長剣奉行(ちょうけんぶぎょう)兼鉄砲騎馬役(けんてっぽうきばやく)オルコトリア。


「ってこたぁ此奴(こいつ)ぁ、あの(・・)収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)(ばこ)間違(まちが)いねぇーな?――ニャァ()

 なんせ、おれも中に閉じ込められた(・・・・・・・・・)


「えっ!? 魔法具(まほうぐ)(なか)に、生き物(・・・)(はい)れないんじゃ――ひょっとして転送魔法具(てんそうまほうぐ)なの?」

 ガチャガチャと長銃(ひなわ)(かか)えたまま、トタタと踏鞴(たたら)を踏む少女メイド(タターネネルド)


「いや、転送魔法具(てんそうまほうぐ)じゃねぇらしいぜ。(なか)(にせ)山道(やまみち)が、何処(どこ)までも(つづ)いてる――ニャァ()

 おれはもう一度(いちど)、ドガガンと建物(はこ)蹴飛(けど)ばしてやる。


「ぅわっとととっ!? だから蹴飛(けとば)ばさないでってば。いま、この魔法自販機(まほうじはんき)……封鎖空間(ふうさくうかん)(なか)は――この建物(たてもの)出来(でき)た、二つの枠で囲んだ森(・・・・・・・・・)が、何処までも続いている(・・・・・・・・・・)はずだよ?」

 揺れる建物(たてもの)(うえ)踏鞴(たたら)を踏む、ジューク村長(そんちょう)


(いま)山道(やまみち)じゃねぇのか。けど(はし)に行き着くと、もと居た所に戻る(・・・・・・・・)のに変わりねぇんだな?――ニャァ()

 鬼門封(きもんふう)じの結界(けっかい)に似てるが、ありゃぁ姿(すがた)無い奴にしか効かん(・・・・・・・・・)からな。


「そうだよ。封鎖空間(ふうさくうかん)(なか)にはたぶん、(ちか)くに居た(ぼく)(きみ)たちの複製体(ふくせいたい)姿(すがた)(あらわ)してると(おも)うよ」

 (たお)れないように手を、(おお)きく(ひろ)げる村長(そんちょう)

 建物(はこ)蹴飛(けと)ばすのは……もう止めてやろう。


「フウサクウカン?」「フクセイタイ?」

 小柄と大柄(オルタタター)が、小首(こくび)大首(おおくび)(かし)げる。


風作卯漢(ふうさくうかん)符曲板猪(ふくせいたい)……いい加減(かげん)説明(せつめい)しろやぁ――ニャァ()

 轟雷(おれ)もガキュゥンと、超大首(ちょうおおくび)(かし)げた。


「それが、よくは知らないんだよね……へへへ?」

 口元(くちもと)を引きつらせ、靴先(くつさき)でトトンと、建物(たてもの)を踏みつける。


「お(まえ)さまは、良く知らんもんを――子供(こども)女将(おかみ)さんに、使(つか)ったのか?――ニ゛ャァ()

 ガチャゴゴッキュゥゥン♪

 大顔(おおがお)を寄せてやる。


「ぅわっ、だっ大丈夫(だいじょうぶ)だよ。ロットリンデが知ってるし使(つか)(かた)だけは、ちゃんと(おそ)わったからさ!」

 そうなのか?

 なら良いが――

「じゃぁ、そろそろ出してやっちゃくれねぇか?」

 符曲板猪(ふくせいたい)とやらが、(なか)二人ふたりにも――(わる)さをしないとは(かぎ)らん。


「そうだね。お(じょう)ちゃんはファロコが(くび)に提げてる、(へん)(いし)が欲しいんだもんね?」

 うむ。そう言われると、そうなんだが……(すこ)(ばつ)(わり)ぃぜ。

「それもあるが、おれが(にせ)山道(やまみち)で会ったのは、ロットリンデだけじゃなくてよ――ニャァ()

 言い(わけ)をしておく。


「だから複製体(ふくせいたい)だろ? ロットリンデから聞いたよ。なんか(へん)なのが居たから魔法(まほう)吹き飛ばした(・・・・・・)ってさ」

(へん)なのって言うか、〝子供(こども)姿(すがた)をした武器(ぶき)〟を振りして斬りかかってくる(・・・・・・・・)ような、(くる)った(やつ)らだったぞ?」

 二度(にど)と、やり合いたくない手合(てあい)だぜ。


(なに)ソレ(こわ)いっ!」「(わたし)も……そう言うのはちょっと」

 (おび)える子供(タター)と、(かお)(あお)ざめさせる鬼の娘(オルコトリア)


「おかしいな? 武器(ぶき)を振り(まわ)す?」

 今度(こんど)村長(ジューク)(くび)が、ひん曲がっていく。

 あの大申女(おおざるおんな)は、ちゃんと説明(せつめい)をしてくれなかったようだぜ。

 もっとも見るまえに手当(てあ)たり次第(しだい)に、吹っ飛ばしちまったのかもしれんが。


 おれたち全員(ぜんいん)(くび)が、曲がりきった(ころ)

「そろそろ、――――(五百乃大角を)――――(たすけ――)!?」

 またもや、(おと)が消えた。

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