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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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612/744

612:大森林探索行、静寂と高等魔術

 ガタガタタタッ――――ぷすぅん♪

 タターと(はなし)をしようと、シシガニャンの(れつ)に追いついたら――

 魔法杖(まほうつえ)が揺れ、止まっちまった!


「(ぬぅぉわゃぁぁぁっ――――!?)」

 そのまま落ちていく、おれたち。

「(――――――――――――!?)」

 (なん)だぜ!? (あわ)てるリオを(かか)える!


 ふぉん♪

『リオレイニア>マナ欠乏による失速です!』

 ふぉん♪

『シガミー>なんでそんなことになってる?』

 呪文(こえ)が出なくても飛んでる(つえ)は、いつも無言(むごん)で飛ばしてるだろっ!?

 ふぉん♪

『リオレイニア>分かりません。お、落ちます!』


「(星神(ほしがみ)っ! 落ちるぞ、(たす)けてくれやぁ!)」

 (せま)地面(じめん)念話(ねんわ)思考加速(おそくなるやつ)迅雷(あいて)なしじゃ、起きやしねぇ!

 ふぉん♪

『シガミー>星神、助けろ!』

 ふぉん♪

『ホシガミー>こちらも手一杯ですので自力で、重力軽減の高等魔術を筆記にて行使して下さい』

 そんなもの、おれが知るかぁ!


「――――、――!?」

 おれの(みみ)に、(あたた)かい(いき)が掛かる。

 ふぉん♪

『リオレイニア>シガミー、迅雷を貸して下さい!』

 ふぉん♪

『シガミー>腰に差してある、使え!』


 (みじか)くなった迅雷(ジンライ)を抜き、ぐるんと(てん)(えん)(えが)く!

 そして魔法(ひかり)神髄(すじ)で、(こま)かな文字(もじ)をつらつらと――ヴォゥ!

 書き込んでるウチに、地に落ちた!


 せめて鉄下駄(てつげた)を履いてりゃ、地を割ることが出来(でき)て――

 (いきお)いを(ころ)せたんだろぉがぁ――

 地に着く、おれの両足(あし)

 せめてリオの(しり)が、割れねぇように――

 (たか)く持ち上げたら――


 その(いきお)いのまま、(てん)(のぼ)っていくメイド服(リオレイニア)

 おれはスッタァァァッン!

「(痛゛ぇぇっ――――!!!)」

 普段(ふだん)、どれだけ(たか)(ところ)から落ちても平気(へいき)なのは、一直線(いっちょくせん)真下(ました)に落ちることが無いからで――

 こう垂直(すいちょく)に降りりゃ、(いて)ぇし――

 (あし)くらい折れんじゃね?


 と(おも)ったが――ガグン!

 おれの首根(くびね)っこ。

 給仕服(メイドふく)背中(せなか)の、まるで持ち手(・・・・・・)になってる(ところ)を、むんずとつかまれた!


   §


 ふぉん♪

『リオレイニア>危ないところでしたね?』

 リオが使(つか)ってくれたのは、重力軽減の(かるくする)魔法(まほう)だ。


 ふぉん♪

『シガミー>まったくだぜ』

 話が出来る耳栓(ヘッドセット)をしていて、超助(ちょうたす)かった。

 相談(そうだん)魔法(まほう)使(つか)うことも出来(でき)ない、この静寂(せいじゃく)間合(まあ)いは、(いのち)(かか)わるぞ?


 ふぉん♪

『シガミー>また引き離されちまったぜ! 茅野姫、何処だ!?』

 ふぉん♪

『ホシガミー>渓谷を進んでいますが、一行表示も途切』

 地に這いつくばり、(いき)(ととの)えるおれたち。


 ふぉん♪

『シガミー>おい、茅野姫!? 渓谷ってのわぁどっちだぁ!?』

 返事(へんじ)がねぇ。


 ふぉん♪

『リオレイニア>シガミー。急がないと地形が変わってしまい、追跡出来なくなります』

 ふぉん♪

『シガミー>なんでこんな、先の〝龍脈がらみの天変地異〟みてぇなことが、又起きてやがる?』

 ふぉん♪

『リオレイニア>おそらくは〝かりゅうのねどこ〟以上に、マナ欠乏が激しくなり龍脈の流れを維持しようとする、別の流れによって地殻変動が起きているのではないかと。迅雷が居ないので確証はありませんが』


 呪文(こえ)使(つか)う、生活魔法(まほう)高等魔術(まじゅつ)

 それを使(つか)えなくするだけじゃなくて――

 地形(ちけい)までメキメキゴガガガンと、変わっていく。

 そうとうやべぇな、あの二股(ふたまた)(つの)(むすめ)わぁ!


 せめてもの(すく)いは――

 迅雷(ジンライ)魔法杖(まほうつえ)としては使(つか)えることだ。

 そして、リオレイニアが魔術(まじゅつ)神髄(しんずい)文様(もんよう)(えが)くことで――

 古代魔術(こだいまじゅつ)使(つか)えたから、おれたちは大怪我(おおけが)をせずに済んだ。


 ふぉん♪

『シガミー>じゃぁ、下から持ち上げるぞ!』

 おれはリオレイニアの(また)(あいだ)に、(あたま)を突っ込んだ!

 肩車(これ)なら(うす)(しり)が、割れることもないだろ。


「――――、――!?」

 ふぉん♪

『リオレイニア>こら、おまちなさい! 裾が捲れ上がって』

 おれは草履(ぞうり)足裏(あしうら)で、地をつかむ。

 (いそ)がんと渓谷(けいこく)とやらが(べつ)(かたち)になって、追いつけなくなる。


 おれは波打(なみう)大地(だいち)を蹴り飛ばし、(まえ)(すす)んでいく!

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