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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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611/744

611:大森林探索行、リオレイニアにばれる

「ぐぎぎ、ぐぎぎぎっ――」

 (うごめ)泥闇(どろやみ)に――――ヴァリッ♪

 雷光(らいこう)が生まれ、生き(もの)のように逃げていく。


「シガミー、起きて(くだ)さい」

 ペチリと(ほほ)(はた)かれた。

「やめろぉい――むにゃぁ♪」

 ゴチン――――うしろ(あたま)(はし)衝撃(しょうげき)で、目が覚めた。


 目を開ければ――(ひざ)(はら)い立ち上がる、(おんな)(なか)(おんな)|((からだ)つき以外(いがい))。

 (あたま)(いた)みはどうやら、膝枕(ひざまくら)から(たた)き落とされたっぽいな。


「おいリオさんよぉ! こちとら怪我人(けがにん)だぜ、ちったぁ(やさ)しくせんかぁ!」

 視界(しかい)(つつ)む、緑色(みどりいろ)(ひかり)(あわ)――――シュワァッ♪

 (ほほ)とか(うし)(あたま)とかの(いたみ)みが、スッと引いていく。

 蘇生薬(エリクサー)効果(こうか)が、まだ(つづ)いてるらしいぜ


「よっと!」

 おれは飛び起き――――ぎゅぎゅぎゅっ♪

 寸断(すんだん)されたはずの手先(てさき)を、何度(なんど)(つよ)(にぎ)ってみる。


 ふぉん♪

『リオレイニア>シガミー』

(なん)でぇい! 彼奴(あやつ)は、何処行(どこい)ったぁ!?」

 錫杖(しゃくじょう)(ちか)くの木に、立てかけてある。


 ふぉん

『リオレイニア>シガミー』

 ふぉん♪

『シガミー>だから何で』


 ぱしり――――くるるん、じゃっりぃぃぃぃぃんっ♪

 錫杖(ぼう)回収(かいしゅう)して、メイドの(なか)のメイドを振り(かえ)った!


 きっ――(かす)かに持ち上がる(まなじり)

 きゅっ――前掛け(エプロン)のまえで、(つよ)(にぎ)られる両手(りょうて)


「あー?」

 どうしたぁ、(なに)本気(ほんき)(おこ)ってやがる?

 乗り物代(ものが)わりの大杖(おおつえ)を、浮かべてやがるし――よ?


 ウサギの(かたち)留め具(カフス)

 持ち上がる、給仕服(メイドふく)(そで)

 (ほそ)(ゆび)が、(ひだり)(ひじ)――その(あた)りを、突いた(・・・)


 なんだ?

 あまりの真剣(しんけん)さにつられた、おれは――

 自分(てめぇ)左腕(ひだりうで)を、真似(まね)して(ゆび)さし――――――――ああああ!


 おれはくっついたばかりの右手の先(・・・・)を見て、(ようや)く気づいた。

 斬られた部分が(・・・・・・・)白く筋になっている(・・・・・・・・・)


「ぎゃっ!? やべぇ!」

 見られた!


 〝魔銃(まじゅう)オルタネーター【物理(ぶつり)】〟を(つく)るとき、(あば)れたアダマンタイト鉱石(こうせき)片腕(かたうで)を吹き飛ばされた。

 左腕(うで)(さき)は、まだ日に焼けて無くて(・・・・・・・・・・)(なま)(ちろ)いままだ!

 烏天狗(ぼく)の受けた傷跡(きずあと)というか、新しい腕の境目(・・・・・・・)

 其奴(こいつ)を見られたってこたぁ、烏天狗(ぼく)正体(しょうたい)が知られたって(こと)で――


 どうする!?

 合切(がっさい)ほっぽって、逃げ出すには――

 この目の(まえ)に立つ、パーティーメンバーは――

 こうみえて相当(そうとう)厄介(やっかい)相手(あいて)だった。


 おれがいま轟雷(ごうらい)を、着ていたなら(・・・・・・)――

 背中(せなか)大筒(スラスター)を吹かし脇目(わきめ)も振らずに、逃げ出していたなら(・・・・・・・・・)――

 リオレイニアの大杖(おおづえ)(はや)さと、初心者用魔法杖(ちいさなつえ)(はや)さを、振り切れていたなら(・・・・・・・・・)――

 逃げ出せていたかも知れん。


 もう一度(いちど)、目の(まえ)のメイドを見やる。

 その(かお)は、(おこ)っちゃいるが――


「あー、(わる)かった。悪気(わるぎ)が……有ったわけじゃねぇんだが――」

 (なん)でぇい。経緯(いきさつ)ぐれぇ、おれにもあらぁ!

 けど(だま)していたのは事実(じじつ)で、相違(そうい)はねぇ。

 ここは(はら)(くく)(ところ)だ。


「お(さっ)しの(とお)り、おれがぁ烏天狗(からすてんぐ)だぜ!」

 ドカリと胡座(あぐら)をかいて(すわ)る。


「シガミー……」

 そんな泣きそうな(つら)を、するんじゃねぇぜ。

 リオのそんな(かお)は見てられん。

 このまま(きょう)でも(とな)えちまいそうな、心持(こころもち)になった。


(うそ)をついていたのは、(あやま)るぜ! 煮るなり焼くなり、好きにしろい!」

 ふわり――(こま)やかな。

 (それ)(それ)(こま)やかな、柔らかさ(・・・・)

 おれは正面(しょうめん)から。抱きしめられた。


「バカを言わないで(くだ)さい。シガミーのことだからちょっとした(うそ)を、その実力(じつりょく)でねじ伏せてきたのでしょう?」

 (ふる)える(かた)。ソレがおれにも(つた)わる。


 女将(おかみ)さんを100とするなら。

 リカルルが60。

 オルコトリアが40で、おれやタターなら4て(ところ)か。

 それでいうなら、彼女(かのじょ)のソレは10――――ごごぉん!


()ってぇ――――!?」

 大杖(おおつえ)脳天(のうてん)を、しこたま(なぐ)りつけられた!

 いけねぇ。

 ふぉん♪

『シガミー>それでいうなら彼女のソレは、〝10柔こい〟だぜ』

 一行表示(ティッカー)に出ちまってた……(こころ)(こえ)が!


 胸元(むなもと)を押さえ、(くち)をへの字にした給仕服(メイドふく)がひるがえる!

子細(しさい)あとで追求(ついきゅう)しますが、今は――」

 ヴォォォォゥン♪

 ぎゅりりと回転(かいてん)し、突き込まれる魔法杖(まほうつえ)


「だから(わる)かった! (みんな)にも(はな)す!」

 (なお)も突き込まれる魔法杖(まほうつえ)(さき)に、どんと乗った。


「ソレには(およ)びません――ですが、レイダだけには、(おり)を見て(はな)してください!」

「わかった、そうする! だから(こいつ)を、(おさ)めてくれやぁ!」

 おれを乗せたまま、魔法杖(つえ)上昇(じょうしょう)していく。


(なに)を言ってるんですか、(はや)くしないと置いて行かれますよ!」

 リオが向く方向(ほうこう)を振り(かえ)り、ずっと(さき)(もり)見下(みお)ろした。


 木々(きぎ)(あいだ)に、派手(はで)(いろ)(れつ)が見える。

 それは見る間に、とおざかっていく。

「なんでぇ、あの(はや)さ!?」

 加速(かそく)する魔法杖(まほうつえ)


 どん!

 おれは(つえ)(さき)で、坐禅(ざぜん)を組んだ。

 坊主(ぼうず)は、これが一番(いちbん)、据わりが良い。


捜索対象(そうさくたいしょう)のファロコさんが、逃亡(とうぼう)――」

 リオが突然(とつぜん)(だま)り込んだ。

――(どうした)?」

 いや(ちが)う、おれの(こえ)(みみ)(とど)かん。


 ぬぅ、目を凝らす。

 シシガニャンどもの、ずっと(さき)

 あの魔物の娘(ファロコ)にこうして(ちか)づけば、魔法(まほう)使えねぇ(・・・・)

 魔法杖(つえ)に乗ってる(ぶん)には、こうして飛んでいられるみてぇだが――


 ふぉん♪

『シガミー>まさに死地だな。棒や剣で突こうものなら、雷を落とされるしよ』

 こいつぁ結構(けっこう)な、強敵(きょうてき)じゃね?

 ニゲルみたいな(かみ)がかった(はや)さとか、リカルルの怪光線(きつねび)間合い(・・・)(そと)から(ねら)うしか――あ!


 そうだぜ。こんな(とき)のために彼奴(あいつ)らが居るんじゃねーか!

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