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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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608/744

608:大森林探索行、静まる森

「おぉーい、ファロコやぁーい!」

 青年(せいねん)と言う(ほど)には(わか)くないジューク氏が、(こえ)を張り上げた。

 村長(そんちょう)と言うには(わか)すぎるし、覇気(はき)のねぇ(こえ)が――(じつ)(たよ)りなく。


 (どうしても、ニゲル感(・・・・)(ただよ)いますね)

 おう、言ってやるな。それでもあのじゃじゃ馬(ミスロット)曲がりなりにも(・・・・・・・)御する才覚(・・・・・)の持ち(ぬし)だぜ。

 ニゲル共々(ともども)立派(りっぱ)なもんだ。たとえ(しり)に、敷かれてようがぁなぁ。


「おぉーい、ファロコやはぁーっけっほけほけほっ!」

 とはいえ――こうも締まらんと。

 ふぉん♪

『シガミー>ミスロット・リンデが尻や頭を、ひっぱたきたくなるのもわからんでもねぇ』

 ふぉん♪

『ホシガミー>クスクス。シガミーさん、女性の敬称に齟齬がみられます』


 ふぉん♪

『リオレイニア>気になってはいたのですが。正しくは〝ミス〟です。私でしたら〝ミス・リオレイニア〟となります。〝ミスロット〟ではありません』

 ふぉん♪

『シガミー>そうなのか? 本人が〝ミスロット・リンデ〟っていうもんだからよぅ』

 そういや一瞬、ヒントが出てたな。


 ふぉん♪

『ヒント>ミス¹/誤り。間違えること。

     ミス²/独身女性のこと。ひいては女性全般を示す敬称』

 またでた。

 迅雷(ジンライ)おい、返事(へんじ)をしやがれやぁ!

 相棒(あいぼう)(たた)いてみるが、返事(へんじ)は無かった。


「をををーぅい!!」

「おほほーいぅ!!」

「ぅおおぉおぉーぅい!!」

 子供ら(がきども)鬼の娘(オルコ)が、うるせぇ。

「むぅをっふぉぉん♪ ずっがぁぁぁぁん――どごーん――どごすーん♪」

 やい、おっさん。やかましぃやぁ!


「んいやっふぉっふっはぁぁぁぁっ――♪」

 大岩(おおいわ)大木(たいぼく)めがけ、道具(どうぐ)を突き刺していく〝針刺はりさ(おとこ)〟。

 コカコカカカガッ――スコココォォン♪

 太針(ふとはり)だか(くい)だかを打ち込む騒音(そうおん)拍子木(ひょうしぎ)みてぇで、聞いていられなくもねぇがなぁ。


「にゃみゃふぎゃにゃぁぁぁぁん――――()

「ひひひっぃぃーん――――?」

 おにぎり騎馬(きば)も、ややうるせぇ。


 こんだけ(さわ)いでりゃ、迷子の角娘(ファロコとやら)(みみ)にも(とど)くだろう。


「しばらくは、(ふく)に揺られて、のんびりするかな♪」

 おれを(かか)える11(ばん)に、全力(ぜんりょく)で身を(あず)けた。

 ぽきゅぽきゅぽきゅきゅむ♪

 (ある)(おと)はうるせぇが、なかなか快適(かいてき)だぞ。


 これなら町馬車(まちばしゃ)がわりに、なるかもしれん。

 街道(かいどう)だけじゃなく、野を越え山を越えて――

 そのうえたぶん、(かわ)まで歩いて渡れる(・・・・・・)しな。

 けど茅野姫(ほしがみ)には、言わないでおこう。

 これ以上(いじょう)猪蟹屋(みせ)仕事(しごと)を増やされたら、おれの目が行き(とど)かなくなっちま――すやぁ♪


 ぽきゅぽ――――――――。

 んぁ、(れつ)が止まったか!?

 目を開ける。


 (つら)なる(ねこ)魔物風(まものふう)どもは、ちゃんと(ある)いてやがるぞ!?

 どういうこった!? 足音(あしおと)が聞こえなくなったぞ。

 こんな(ふか)(もり)では(きゅう)に、(むし)(とり)の鳴き(ごえ)が聞こえなくなるときがある。

 本当(ほんとう)なら(おお)きな(けもの)魔物(まもの)か、盗賊(とうぞく)天狗(てんぐ)(うたが)わねぇといけねぇが。


 (かぜ)にそよぐ葉擦(はず)れの(おと)や、「(――――、――!?)」

 こちらを振り(かえ)るリオレイニアの(こえ)まで、聞こえねぇぞ!?


「(――――(どーなってやがる)!?)」

 おれの(こえ)まで、出なくなったぜっ!


 立ち止まる一列縦隊(シシガニャン)静寂(いへん)に気づいた先頭(せんとう)が、止まったんだろう。

 おれは11(ばん)(あたま)に飛び乗り、四方八方(しほうはっぽう)見渡(みわた)した!


 わさわさゆらゆらっ!

 (おと)も無く、(おお)きく揺れる木々(きぎ)

 (なに)かが死角(しかく)である〝(さる)〟の方角(ほうがく)から、出てこようとしてるぜ。


 おれは――ヴッ。くるん、ぱしん。

 鉄輪(てつわ)も鳴らさず、(しず)かに錫杖(しゃくじょう)(かま)えた。


 ボッボッボッボッボッ――――――――!

 (しげ)みから飛び出してきたのは、(いつ)つの黒影(くろかげ)


 それは(あし)(はえ)ぇ――(しし)のような、魔物(まもの)だった。

 ただし、日の(もと)神域惑星(しんいき)で狩ったのとは――

 その(おお)きさが(ちが)っていた!


――(でけぇな)!」

 兎に(かく)、真ん(なか)一番(いちばん)(おお)きな(やつ)を止める!

 四つ足の(・・・・)(やつ)らを止めるには、手数(てかず)圧倒(あっとう)するに(かぎ)らぁな。


――(三の構え)――――(四方暗器まで)。」

 (ヒュヒュヒュヒュッヒュヒュヒヒヒュフォオン!)

 ぅぬぉ!? 風音(かざおと)がねぇだけで、重心(じゅうしん)がずれやがる。

 未熟(みじゅく)だ。この打てば(ひび)く、(からだ)を持ってしても――


――――――――――(でぇいりゃあああああ)!!)」

 (―――ギャラララッ!)

 両端(りょうはじ)()(しょ)ある、打突(だとつ)先端(さき)

 それをまるで、苦無(くない)手裏剣(しゅりけん)のように四方(しほう)からとばす(・・・・・)


 (――ガキッ―――ギュキッ!)

 (ガッガッ――ゴン!)

 急所(きゅうしょ)である眉間(みけん)(ねら)ったんだが、(つの)に当てるので精一杯(せいいっぱい)だった。


 おれは長い棒(スダレ)水平(すいへい)にかまえ――――(いん)(むす)ぶ。

 これに真言(マントラ)はのらねえが、あるのとないので威力(いりょく)がなんでか変わる――


――(滅せよ)!」

 (ドッズズズズズズズムン!)


 一番大(いちばんおお)きな(やつ)は、(たお)した。

 文言(ばくはつ)に巻き込まれた、もう1(ぴき)にも(とど)めを刺しておく。

 あとは(ちい)せぇから、おにぎり(あた)りが気づいてくれりゃ――


 ふぉん♪

『シガミー>悪い、2匹しか倒せなかった!』


 ふぉん♪

『ホシガミー>心配いりませんわ。タターさんが残りを、倒してくれましたので♪』

 何言(なにい)って――振り(かえ)れば、特撃型改(シシガニャン)の群れに飛び込んだ、(のこ)りの3(びき)が――

 全部(ぜんぶ)、ひっくり(かえ)ってる。


 タターを見れば――

 高々(たかだか)(かか)げた長銃(オルタター)から、白煙(はくえん)を立ち上らせていた。

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