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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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607/744

607:大森林探索行、捜索開始のそのまえに

「居なくなってから、一週間(いっしゅうかん)だと?」

 そりゃ、大事(おおごと)じゃんか。


大変(たいへん)(いそ)いで(さが)してあげなくちゃ!?」

 レイダが(とお)くを見ようとして、特撃型改10番(シシガニャン)(あたま)に――

 よいしょと、よじ(のぼ)る。

 落ちるなよ?


「「「大変(たいへん)だ!」」」「ひょろぉーん!」

「「「ファロコちゃーん!」」」

「あっしもでさぁ!」

 次々(つぎつぎ)と、(ねこ)魔物風(まものふう)の手の(うえ)に、立ちあがる。

 だから、落ちるなよ?


(むら)を出てからこっち、そこそこの(かず)魔物(まもの)に出くわしてるだろぅがよ――!?」

 (あわ)てる、おれたち。


「その心配(しんぱい)は、いらないよ。なんせロットリンデやトゥナでさえ、ファロコ(あのこ)には一度(いちど)すら勝ったことが無いからね」

 (よこ)(ある)特撃型改(とくげきがたかい)(ばん)(かか)えられた様子(ようす)をみれば、まるで(あわ)てていないのはわかる。

 村長訛(そんちょうなま)りを止めたジューク村長(そんちょう)が、ふぅと(いき)()いて目を閉じた。

 また目を開けてるのが、億劫になった(・・・・・・)んじゃ有るまいな?


「え? コッヘル夫人(ふじん)が勝てない?」

 (おどろ)くリオレイニア。

人類最強(じんるいさいきょう)魔導騎士団(まどうきしだん)総大将(そうだいしょう)さまがぁ!?」

 16(ばん)と19(ばん)特撃型改(シシガニャン)(かか)えられた鬼の娘(オルコトリア)も、目を見開(みひら)いた。


「じゃぁ、この片角(かたつの)(むすめ)わぁ、相当(そうとう)手練(てだ)れってことか?」

 どうせ(ひと)を乗せない特撃型改(とくげきがたかい)を、引き連れることになるなら――

 ということで今回(こんかい)はおれも、歩く服(シシガニャン)に乗ることにした。


「まあね。でも、(うえ)には(うえ)がいるよ? 天災(てんさい)みたいなのが」

 (あお)(かお)をする(わか)くもない(しゅう)、ジューク村長(そんちょう)は、まだ目を閉じている。


「「「「「「「ひっ!?」」」」」」」

 物見気分(ものみきぶん)で、へらへらとしていた級友たち(がきども)(いき)を呑む。

 こいつらも、あの(・・)リカルルやリオレイニアの――

 はるか上を行く(・・・・・・・)女将(おかみ)さんの実力(じつりょく)は、知るところだ。


 ぽきゅぽっきゅぽぽっきゅ――「ひひぃぃぃぃん?」

「にゃみゃぎゃに゛ゃぁーご♪」

 (ぎゃく)(みょう)なやる気をみせ先行(せんこう)する、おにぎり騎馬一式(きばいっしき)


「あまり(さき)にぃー、行ーくーなーよー?」

 迅雷(ジンライ)使(つか)えない(いま)、お(まえ)らだって迷子(まいご)にならんとも(かぎ)らんからなぁ。

 ふぉん♪

『ホシガミー>ソレは大丈夫です。姿勢制御系ライブラリには、帰巣プログラムもインクルードされていますので』

 ふぉん♪

『シガミー>わからん』

 ふぉん♪

『リオレイニア>渡り鳥や渡り狼が、迷わずに大陸横断するのと同じことでしょうか?』

 ふぉん♪

『ホシガミー>まさにその通りですわ♪』

 ふぉん♪

『シガミー>流石は、ガムランの金庫番だぜ』

 (もの)を良ぉーく、知ってらぁ。


「ではまずは、どう(いた)しましょうか? 地図担当(ちずたんとう)のミギアーフさん、クスクス()

 えっ、ここでおっさんに、出番(でばん)(わた)しちまうのか?


「ふむぅん♪ ではまっずは、迅雷(ジンライ)(くん)がよこしたこの地図(ちず)。その抜けたところを、おれっちが先行(せんこう)して埋めていきますっねー♪」

 貸してやった黒板(くろいた)(くび)から提げ、意気揚々(いきようよう)前方(まえ)(ゆび)さした。

 18(ばん)(ねこ)魔物風(まものふう)が、(ゆび)さされた方向(ほう)(ある)きだす。


「まてまて! 分かれるのは、危険(きけん)だろぅが?」

「むぅ、そうですかな? おれっちはこう見えても、A級冒険者(きゅうぼうけんしゃ)なんだっよねぇー?」

 防具(ぼうぐ)(ふところ)から取り出されたのは、金色(きんいろ)冒険者(ぼうけんしゃ)カード。

 おれだって持ってると、言いたいところだが――

 (かれ)の持つカードの、ギルドの紋章下(もんしょうした)

 (きざ)まれた文様(もんよう)は、『A級』だった。


 (ギルドからの依頼(いらい)規定数受(きていすうう)けないと、冒険者(ぼうけんしゃ)としての階級(かいきゅう)は上がりません)

 そう。〝シガミー御一行様(ごいっこうさま)〟はギルド依頼(いらい)のクエストを、それほど受けていなかった。

 ていうかクエスト自体(じたい)(ろく)に受けちゃいねぇ。

 (いま)までの魔物(まもの)討伐(とうばつ)や、装備(そうび)なんかの納品依頼(のうひんいらい)

 それが全部(ぜんぶ)ギルド経由(けいゆ)依頼(いらい)と見なされたとしても、受けた(かず)少な過ぎ(・・・・)らぁ。


 〝S(きゅう)〟のリオレイニアと、〝B(きゅう)(あつか)いのおれ。

 そして〝C(きゅう)〟のレイダ――


 ふぉん♪

『シガミー>なあ、リオレイニア。おれたちは冒険者パーティーとしてはB級扱いのままか?』

 ふぉん♪

『リオレイニア>とんでもありません。我々冒険者パーティー〝シガミー御一行様〟は、現在C級扱いです』

 なんだと? そしたらおっさんにも相当(そうとう)(みず)をあけられてるじゃんか。


 ふぉん♪

『ホシガミー>いえいえ、私のF級が加味されますので恐らく、D級になるのでは? プークスクスクス♪』

 やい星神(ほしがみ)(なに)を、(わら)ってやがる?


 ふぉん♪

『シガミー>そういや星神さまは、ウチのパーティーになるのか?』

 ふぉん♪

『ホシガミー>もちろんですわ。シガミーさんと私は、一蓮托生ですもの♪』


「(初耳(はつみみ)だぜ? 冒険者登録(ぼうけんしゃとうろく)なんてしてたのかよ?)」

「(はい。わたくしも、(わす)れておりました。くすくすっ())」

 念話(ねんわ)なら(ほか)(やつ)に、聞かれる心配(しんぱい)はない。


 ふぉふぉぉん♪

『カヤノヒメ LV:8

 調理師★★★★★ /超料理術/食物転化/毒物無効/星神

     追加スキル/超体力増強/超筋力上昇/調理指南

 ――所属:シガミー御一行様』

「(シガミーさん不在(ふざい)(おり)、イオノファラーさまの食い道楽(どうらく)(たす)けになればと――食事(しょくじ)関連職(かんれんしょく)に就いたのでしたわ。クスクスプー())」


 ふぉん♪

『リオレイニア>ふぅ、神の名を冠するスキルを、お持ちなのですね。こと神の存在に関することですので、これまで言及を避けてきましたが。カヤノヒメさまは、どちらからいらしたのですか?』


「(おい星神(ほしがみ)五百乃大角(いおのはら)迅雷(ジンライ)も居ねぇときに、迂闊(うかつ)なことを言うなよ?)」

「(大丈夫(だいじょうぶ)ですわ。そのへんのすり合わせは済んでいますし、シガミーさんと(おな)じですので。くーすくす())」

 おれと(おな)じだとぉ?

 なら(かく)(ごと)は、日の本勢(もとぜい)全員(ぜんいん)、〝死んだ(あと)で、この世界(せかい)に連れてこられた〟ってことくらいだ。


「(はい、そうなります。日の(もと)……日本(にほん)は、この惑星(わくせい)何処(どこ)かに存在(そんざい)し――そこからの迷い人(・・・)と言うことで、押し(とお)す手はずです())」

 それ、聞いてねぇんだがな。又忘(またわす)れやがったなぁ、迅雷(ジンライ)め。


 ふぉん♪

『ホシガミー>私がどこから来たのかは、分かりかねます。シガミーさんの体で目覚める前のことは、何も覚えていませんので』

 ふぉん♪

『リオレイニア>ではイオノファラーさまが(もど)られたら、聞いてみるとしましょう』

「(それなら良いな。彼奴(あやつ)矢鱈(やたら)と、(べん)だけは立つからな)」


 ふぉん♪

『ホシガミー>兎に角、イオノファラーさま縁の神と思ってくださいませ。ご存じの通りに、この体はシガミーさんの数年後の姿ですので、イオノファラー様とシガミーさんお二人の縁者と言うことに相違ありません』


「(この(ほし)三途(さんず)(かわ)と、ミノタウ……ミノ太郎(たろう)のこたぁ、ちゃんと(だま)っとけよ?)」

「(はい。心得(こころ)ておりますわ、くすくすくす())」


 ふぉん♪

『リオレイニア>差し出がましいことを、お聴きしてしまい申し訳有りませんでした』

 組んだ手を(はな)に押し当てる、メイドの(なか)のメイド。


 ふぉん♪

『ホシガミー>いえいえ、お気になさらず。ちなみに調理師の職を勧めてくれたのは、オルコトリアさんですわ♪』

 星神(ほしがみ)の目が2(ひき)特撃型改(シシガニャン)へ、向けられた。


 16(ばん)と19(ばん)左右から(・・・・)(かか)えられた鬼娘(オルコ)は、満更(まんざら)でもないらしく――

 (かお)(ゆる)ませていた。

 あの体格(がたい)じゃ、(だれ)かに(かか)えられることなんて、滅多(めった)に無かっただろうからなぁ。


「きゃぁっ!?」

 (こえ)のした(ほう)を見れば、少女(しょうじょ)メイド・タターが手にした長銃(じゅう)を木の(えだ)にぶつけていた。

「おいおい大丈夫(だいじょうぶ)か? 収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)仕舞(しま)っとけば良くね?」

 言ってやる。折角作(せっかくつく)ってやったんだし、使(つか)ってくれや。


「はぁい、そうなんですけれど、さっきまでおにぎりちゃんと……テンプーラゴウ(・・・・・・・)が、(ちか)くに居たので――」

「あー、長銃(アダマンタイト)を持ってないと、また尻尾に噛みつかれる(・・・・・・・・・)からかぁ」

「はい。じゃぁ、おにぎりさんたちは(さき)に行っちゃったので、仕舞(しま)っておきますね」

 ヴルル――すぽぉん♪

 長物(じゅう)を取り出すときに(あぶ)なくねぇーように、〝手袋(てぶくろ)〟に収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)仕込(しこ)んである。

 長銃(それ)を持つ両手の位置を(・・・・・・)、取り出すための鍵にした(・・・・)のだ。


五百乃大角(いおのはら)一緒(いっしょ)に居た(ほう)が、(たま)を込めるのに便利(べんり)な――――あ!?」

 根菜(いおのはら)なしで、どうやって(たま)を撃つんだぜ?


「どうしたんですか?」

 長銃(じゅう)仕舞(しま)い、身軽(みがる)になった少女(しょうじょ)メイド――(みな)メイド(ふく)を着てるから、もはや〝ただのタター〟だ。


「そういや〝長銃(オルタタ)〟の(たま)は、どーするんだぜ?」

 五百乃大角(いおのはら)迅雷(ジンライ)も、いまは使(つか)えねぇーぞ?

「それなら、(わたくし)どもが担当致(たんとういた)しますわ、プークス()

 茅野姫(ほしがみ)給仕服(メイドふく)(ふところ)から、ひょこりと(かお)を出したのは――


「そうだ。我々(われわれ)が――我輩(わがはい)尻尾(しっぽ)――制御用(せいぎょよう)ICチップ――サフランソース――ニャァ♪」

 (ねこ)精霊(せいれい)にして、魔法具(まほうぐ)魔物(まもの)――ロォグだ。


「わからんが、(まか)せて良いんだな?」

「はいどうぞ、よしなに?」

 すっと差し出されたのは――(かみ)ぺら一枚(いちまい)


『長銃オルタネーター専用 丸込め価格|(税抜き)

 一撃必殺アダマンタイト弾 100パケタ

 一撃必中ジンライ鋼弾 3パケタ

 一撃必穿ミノタ****徹甲弾 36パケタ

 戦略級選択的接触除草弾ユグドラゴン 時価』


「かっ、金取(かねと)るのかよぉっ!? しかも(たけ)ぇ――――!」

 巨木(きょぼく)を枯らした(たま)(かん)しちゃぁ、値段(ねだん)が書いてねぇと来たぜ!


「シガミー、置いていかれますよ」

 ふぉん♪

『リオレイニア>この先はミギアーフ氏を筆頭に、一列縦隊で進んでいくようです』


 ふぉん♪

『ホシガミー>これなら分散コンピューティングによる、演算帯域も確保出来ます』

 わからんが、(あいだ)が空くと……(れつ)千切れちまう(・・・・・・)ってことかぁ?


 おれは(あわ)てて「やい11(ばん)やい、(おく)れるな!」と、号令(ごうれい)を掛けた。

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