表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

60/744

60:シガミー(元破戒僧)御一行様、備えあれば女神なし

 最初(さいしょ)にしたのは、収納(しゅうのう)魔法具(まほうぐ)開発(かいはつ)……(つく)ることだった。

 食材(しょくざい)保管(ほかん)しておくための魔法具(まほうぐ)が、すぐにでも必要(ひつよう)だったのだ。


「それは〝不可能(ふかのう)〟……できないことでは、ありませんか?」

「ウチのお(とう)さんも、収納魔法(しゅうのうまほう)で〝(なま)もの〟はしまえないって言ってた!」


 食材(しょくざい)には〝(みず)〟もありゃ、〝(さかな)〟〝(にく)〟〝野菜(やさい)〟もある。


「(はい、生物(いきもの)の6(わり)以上(いじょう)(みず)です。食材(しょくざい)においても、その比率(ひりつ)はおなじです。むしろ、ほぼ(みず)と言っても過言(かごん)ではありません)」


「おれもそう聞いてる。じゃあ、どーすんだ?」

 ほんとどーすんだよ?


「オリハるコンとジンライ(こう)がアれば、すぐに(つく)れマす」

 できないはずのことが――(こと)もなげに解決(かいけつ)された。


 オリハルコンは、保管(ほかん)されてた未使用(みしよう)避雷針(ひらいしん)購入(かった)

 ジンライ(こう)工房長(こうぼうちょう)(たの)んだら、「()てる(ほど)ある」といわれて十本(じゅっぽん)もらってきた。


 どっちも一本(いっぽん)ずつあれば、500()くらい(つく)れるらしい。

 そういや、おれの指輪(やつ)(ちい)せえしな。


 目尻めじりが、チカチカひかる。


 ふぉん♪

『Limited_ItemBox(SpecificStorage)

 >アイテムを一件、作成しました』

 わからんが、ほんとうに完成(かんせい)したみてぇだ。


 できた(もの)は、手のひらにのる程度(ていど)四角(しかく)(いた)

 銀の板(かあど)――冒険者(ぼうけんしゃ)カードより分厚(ぶあつ)くて(なが)さがある。


 ふぉふぉふぉん♪

『事象ライブラリ精査終了

 >転移魔法の一部解析終了しています

 >格納技術の最適化が進みました

 >液体の格納が可能になりました』


 わからん。

「((たい)リカルル(せん)におけるハッキング……乗っ取りにより収得(しゅうとく)した転移魔法(てんいまほう)一部(いちぶ)流用(りゅうよう)しました)」

 わからねえなりに納得(なっとく)するなら――ひめさんとの死闘(しとう)のさなかに、迅雷(ジンライ)(かんが)えるための〝材料(さいりょう)〟がそろった兼ねあいか……?

 死んだら(もと)も子もなかったが……勝利(しょうり)しとくもんだなあ。


   §


 完成(かんせい)した厚長鉄板(あつながてっぱん)には、(みず)(あぶら)が――

「は、はいりました、はいりましたわぁー♪」


 枚数(まいすう)(かさ)ねりゃ当たり(まえ)だが――

「お(さかな)もお(にく)もお野菜(やさい)も、ぜーんぶはいったよっ♪」


 (みず)(あぶら)二枚(にまい)

 (さかな)(にく)、そして野菜(やさい)三枚(さんまい)


「こっちも、ぜんぶはいったぜ!」

 目の(まえ)にあった調味料(やくみ)ひとそろえが、(あめ)ぇのと(かれ)ぇので二枚(にまい)

 食器(しょっき)調理器具(どうぐ)(ねん)のための(つくえ)椅子(いす)二枚(にまい)


 九枚(きゅうまい)鉄板(てついた)予備(よび)として、もう一枚(いちまい)

 全部(ぜんぶ)かさねると、(てつ)(かたまり)みてえになった。


「ぜんぜん(おも)くないよ♪」

 レイダに袈裟懸(けさが)けして、持ってみてもらった。

 (かわ)太紐(べると)釘打(くぎう)ちしてとりつけたから、(はこ)びやすくなったとおもう。


 シガミー邸(ものおきごや)区切(くぎ)って(つく)った、でけえ(つくえ)だけを置いた部屋(へや)


 その(つくえ)一杯(いっぱい)につんだ(めし)支度一式(したくいっしき)が、これひとつに(おさ)まったことになる。


 できないはずのことは――(こと)もなげに達成(たっせい)された。


「よーし。これで本題(ほんだい)(はい)れる」


   §


「まず、五百乃大角(いおのはら)っているだろ? あいつは(した)(ぱら)が出ている」


「なにそれ、シガミーおもしろーい。あはは♪」

 レイダがまったく本気(ほんき)にしねえ。


「シガミー、それは幼子(おさなご)には(こく)かと」

 おれも幼子(ガキ)だがな。


「とにかく、ヤツにうまいものを食わせ……(そな)えねえと世界(このよ)(ほろ)びかねねえ」

「シガミー、それも幼子(おさなご)には(こく)かと」


 たび(かさ)なるリオレイニアの深刻(しんこく)様子(ようす)

 冗談(じょうだん)を言ってるのではないと気づいた幼子(れいだ)から、表情(ひょうじょう)が消えた。

 いけねえ、(おど)かしすぎたか。


「でもな、(わる)(やつ)じゃねえんだ。()(もと)……おれがもといた(ところ)にも(かみ)さんはウジャウジャいたんだが、なかにはタチの(わる)いのも一杯(いっぱい)いてな。そういうのから見たらよっぽど(はなし)がわかるぞ!」


(ぎゃく)に、〝食べ(もの)(かん)してだけは、ぜったいに(はなし)(つう)じそうも、ありませんでしたけれど――ふぅ」

 (ひたい)に手をあて、うなだれるリオ。


「まって! リオレイニアさんはイオノファラーさまに、会ったことがあるの?」

 そっか、まずはそっからじゃねーか。


「はい、たぶん。記憶(きおく)があやふやなのと、あまりにも神物像(しんぶつぞう)強烈(きょうれつ)だったので、どこまでが本当(ほんとう)かは不確(ふたし)かなのですが」

 安心(あんしん)しろ、ぜんぶ本当(ほんとう)のことだ。


「そう、まさにここで、リオは五百乃大角(いおのはら)にあってる」

「はい、お寿司(スーシ)をご所望(しょもう)なされました」


「えぇえぇぇえー、ならわたしもあいたい!」

 いまあれだけ(くち)()っぱくして()()かせたのに、子供(こども)ってやつぁ――


「め、滅多(めった)なことを言うんじゃねぇ」

「そうです、うかつなことを口走(くちばし)っては、いけません」

「なんでー?」


五百乃大角(いおのはらが)出る(・・)からに、決まって――」

 (こえ)()しちまったじゃねえぇーかぁーっ!!!


 周囲(しゅうい)をうかがい()がまえる、リオとおれ――――ん? いねえか?


「――どうやら、いないみたいですね?」

「――そうだな、あぶねえ(ところ)だったぜ」


「やつが出ねえうちに――――迅雷(ジンライ)(れい)(さく)ってヤツだ。おれたちは何を売りゃ良いんだ(・・・・・・・・・)?」


「レイダがからダに巻いた収納魔法具(しゅうのウまほうぐ)を、お売りクださい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ