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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
5:大森林観測村VSガムラン町

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592/744

592:大森林観測所への道、一触即発

「それであなたは、本物(ほんもの)なのかし……ら?」

 細首(ほそくび)が、ぐりんと曲がる。


「ああ正真正銘(しょうしんしょうめい)、生きた人間(にんげん)だぜ。大森林(だいしんりん)観測村(かんそくむら)とやらに、(よう)があってきた!」

 錫杖(しゃくじょう)(かた)に立てかけ、「ぬ゛ぅん」と刀印(とういん)を切る。


「あら、忍者(にんじゃ)ね?」

 忍者(にんじゃ)……透波(すっぱ)のことを、五百乃大角(いおのはら)がそう呼んでなかったか?

私知(わたくしし)っていますのよ、ニンニンでござる♪」

 (おさ)めた(かたな)(さや)から突き出すような、下手(へた)くそで出鱈目(でたらめ)(いん)

 こいつも五百乃大角(いおのはら)同様(どうよう)(もの)を知らんようだ。

 それでもやはり何時(いつか)かの何処(どこ)かの、日の本の生まれ(・・・・・・・)であることは(うたが)いようもねぇ。


 だが迅雷(ジンライ)五百乃大角(いおのはら)も居ねぇ(ところ)で、下手(へたな)(はな)(かた)をすりゃ――

 クエストも日の(もと)がらみの(はなし)も、(こじ)れちまいかねん。

 せめて茅野姫(かやのひめ)でも居てくれりゃ、良かったんだが。


 ふぉん♪

『シガミー>茅野姫いるか?』

 返事(へんじ)がねぇ。

 ふぉん♪

『シガミー>リオレイニアでも良いから、居るか?』

 やっぱり返事(へんじ)は、(かえ)ってこねぇ。


 そもそもこの、ご令嬢(れいじょう)……ミス・ロットリンデわぁどうやって、この世界(うつつ)に来た?

 そんな(はなし)を、どうやって切り出したらいいんだぁ?


「ふん、この(わたし)渾身(こんしん)一撃(いちげき)(かわ)すような、忍者(にんじゃ)メイドさんがウチの(むら)に――ご(よう)?」

 その(ひとみ)(ほそ)められ、(かたわら)らの(いし)ころを蹴り飛ばした!

 ぐわわららん――ズゴオォオン!


 椅子(いす)(あし)直立(ちょくりつ)していた鉄の棒(まほうつえ)が、地面(じめん)に落ちる。

 山道(やまみち)(ざつ)に敷かれていた(おお)きな平石(ひらいし)が、ゴバキャッと割れた。

 あの鉄棒(てつぼう)(おも)ってたよりも、さらに(おも)いぞ!?

 鍵剣セキュア(ニゲルのけん)ほどでは、ねーだろうが。


 あの細腕(ほそうで)(まど)わされると、死にかねねぇ。

 おれは(あた)りの気配(けはい)(さぐ)る。

 仲間(なかま)が居る様子(ようす)はねぇ。


 そして、(とり)一匹(いっぴき)も飛んでない。

 そういや地面(じめん)(ころ)げまくったのに――

 (むし)一匹(いっぴき)にも(たか)られてねぇ。


「さっきまで居た(ねこ)魔物(まもの)(よう)不思議(ふしぎ)生き物(・・・)と、まるで武器(ぶき)のような子供(こども)たちは――貴方(あなた)の差し(がね)かしら?」

 彼女(かのじょ)足下(あしもと)(ころ)がった、平石(ひらいし)(ちい)さな破片(はへん)

 バキ、ボコゴン♪

 それがはじけ飛び、(ちい)さな爆煙(ばくえん)を立ち上らせた。


 その(いろ)藤紫(ふじむらさき)

 青紫(あおむらさき)(あか)るい色味(いろみ)だ。

 こんな(いろ)是非(ぜひ)とも、リオレイニアに着せてみたい。

 迅雷(ジンライ)が居ねぇのが惜しい。記録(きろく)しておけねぇ。


「ばかを言うなっ! ありゃぁそっちの、仕込(しこ)みだろうがっ?」

 じりじりと間合(まあ)いを(はな)すと――カツンッ♪

「そんな(わけ)が有るはずが、ありませんでしょう!? あんな悪趣味(あくしゅみ)な!」

 (なが)(あし)で、一息(ひといき)に詰められた!


悪趣味(あくしゅみ)なのには同感(どうかん)だぜ。この山道(やまみち)の……本物(ほんもの)山道(やまみち)に居る子供たち(がきども)姿(すがた)を、写し取った(・・・・・)んだと(おも)うが?」

姿(すがた)(うつ)し取った? まさか……ぶつぶつ……宮廷魔導師(きゅうていまどうし)(わな)っ?」

 なんかブツブツ言い出す、御簾路頭厘手(ミスロットリンデ)


 ひとまず五百乃大角(いおのはら)たちを、(もと)(もど)さねぇと。


「なぁ、おれたちはガムラン(ちょう)から来た! あんたの知り合いの女将(おかみ)さん……えっと、コ……(なん)たら夫人(ふじん)、なんだっけか、刀汝(とうな)……そうだ、小腹減(こばらへ)るだ! 〝刀汝(とうな)小腹減(こばらへ)る〟の紹介(しょうかい)で来た!」

 おれは錫杖(しゃくじょう)(かま)え、じりじりじりじりと間合(まあ)いを開ける。


「とうなこ・ばらっへる……どこかで聞いたような……初耳(はつみみ)のような?」

 ありゃ? (ふる)い知り合いだって言ってたがなぁ? (わす)れてるのか?


 ヴヴヴウヴュゥゥゥン♪

 迅雷(ジンライ)が止まっちまったからか、飛ばしておいた泥音(ドローン)が降りてきた。

「おっとととっ、回収(かいしゅう)しとくか」

 (むし)(つか)まえるように、上下(じょうげ)から――ぱしん♪


(なん)ですのその、不思議(ふしぎ)(ひら)たいリモコンヘリはっ!? やっぱりあなたっ、宮廷魔導師(きゅうていまどうし)ですわね! そもそも、こんなに(がら)(わる)小猿(こざる)メイドが居るはずがありませんわっ!!」

 ボゴゴゴゴボォン――――小石(こいし)や枯れ(くさ)が、彼女(かのじょ)から(ひろ)がるように()ぜていく。

 魔法杖(まほうつえ)くらい、ちゃんと使(つか)えやぁ。


(ちが)うぜ、宮廷魔導師(きゅうていまどうし)なんかじゃねぇ! おれぁ、美の女神(めがみ)五百乃大角(いおのはら)のぉ料理番(りょうりばん)だぜ!」

 おれは、(こし)を落とし――地をつかむ(・・・・・)


 そして――ガキリッ♪

 錫杖(しゃくじょう)柄頭(つか)(ねじ)り、仕込(しこ)直刀(かたな)開けた(・・・)

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