表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

59/744

59:シガミー(元破戒僧)御一行様、起業のすすめ

 あさからリオとレイダと一緒(いっしょ)(つく)った寿司(すし)が、ぜんぶで100個はあったはず……本当(ほんとう)にここの連中(れんちゅう)は、よく食うな。


 じゃあ、そろそろお(ひら)きにするか。

 木箱(きばこ)にたちあがる。


「きょうは来てくれて、ありがたかったぜ。おれぁ(した)(ぱら)……じゃなかった、五百乃大角(いおのはら)(した)()だからな。(かみ)さんにうまいもんを食わせて……(そな)えてやりてえと(おも)ってる」


 え、なんの(はなし)だろ? イオノファラー様のご加護(かご)でここにたどりついたってのは、まえに聞いたけど。

 わからねぇが、パーティー結成(けっせい)決意(けつい)表明(ひょうめい)じゃねーのか?


「ひとことで言うと〝なんかうまいもんはねえか〟ってはなしだ。女将(おかみ)んとこの料理(りょうり)よりうまけりゃ文句(もんく)はねえ」

「なんだって、聞き捨てならないよシガミー?」

 わはははは。

 女将(おかみ)()けてるな。


「ああ、だから、そんなうまいもんを見つけたら、おれかリオレイニアにおしえてくれ――お(たの)みもうすでござる!」

 わはははは。わかったぜー!

 ござる?

 わかったでござる?

 ござるでござる?


 つい大和言葉(なまり)がでちまった。

 けどやりきったぜ、上出来(じょうでき)だ。

 ふう、木箱(きばこ)にすわる――――カラン♪


 おれの(くび)には朱色(しゅいろ)(ひも)(とお)された、()(いた)……じゃなくて〝(ぎん)(いた)〟がさがってる。


 レベルは7から、ひといき飛びに20になった。

 なんでも魔王(まおう)(たお)した(ひめ)さんを、さらに(たお)した褒美(ほうび)って(こと)らしい。


 しかも討伐(とうばつ)せずに、手なずけた(・・・・・)(こと)(たい)する棒茄子(ぼうなす)てぇのがおまけでついて、こんなLV20(ぎんぎら)になっちまった。


 木の(いた)()れて、(なか)からコレが出てきたときは(おどれ)ぇたが、そういうもんらしい。


 リオレイニアが見せてくれた(きん)(いた)は、たしかにもう一回(ひとまわ)(ちい)さかったから、銀板(これ)()れると次に出てくんのは(きん)(いた)だ。

 そこまでいきゃぁ、なんの気兼(きが)ねもなく、リオレイニアを仲間(なかま)と呼べる。


 ヴッ♪

「(シガミー、リカルルが来ました。神力台(しんりょくだい)仮面(かめん)()いています)」

 きたか、挨拶(あいさつ)くらいしとかねえとな。


「よう、(ひめ)さん」

「さっそく、使(つか)わせていただいてるわよ」

 神力台(しんりょくだい)の、ご利用(りよう)には(かね)がかからねえ。

 かってに充電(ほじゅう)して、かまわねえ仕組(しく)みだ。


 おれと(ひめ)さんの対峙(たいじ)

 すぐそばで、みまもるリオとレイダ。

 ふたりの(ため)にも、かっこ(わる)いところは見せらんねえ。


 チチチッ――――ピーッ♪

 ほどなく()わる、賄屋礼巣(わいやれす)充電(じゅうでん)


「じゃあシガミー。リオレイニアのことは、たのんだからね?」

 かぱり。仮面(かめん)をつける(ひめ)さん。


 これは、もう一戦(いっせん)やろうってわけじゃねえ。

 甲冑(かっちゅう)も着てねえし、きょうは帯剣(たいけん)すらしてねえ。

 つまり、()(かく)しみてぇなもんだ。


「おう、まかせとけ。ぜったいしあわせにしてやるつもりだ!」

 ――――ビクリ!?

 (かた)をふるわせ、シガミー邸(ものおきごや)へ逃げてったリオを――レイダが追いかける。

 なにやってんだ、あいつらは?


「(わかりかねますが、おそらくは生活(せいかつ)魔法(まほう)()として、弟子(でし)成長(せいちょう)(うれ)しかったのではないでしょうか)」

 そっか、期待(きたい)()えるよう、がんばらねえとな!


「じゃあ、がんばって(かせ)がないとね……具体的(ぐたいてき)には、一日(いちにち)1パケタ(はん)はくだらないわよ?」

「はぁ? なんで!?」

 おれの生活費(せいかつひ)十倍(じゅうばい)だ。


(わたくし)のもとで(はたら)いていたときの給金(きゅうきん)が25パケタ。定期的(ていきてき)魔物(まもの)()ったときの報酬(ほうしゅう)がざっと230パケタ。それとお父様(とうさま)からのボーナスが50パケタくらい。合計(ごうけい)年間(ねんかん)480パケタ――日割(ひわり)りにすれば1パケタと6ヘククになりますもの♪」


 計算(けいさん)はええな――あの仮面(かめん)機能(きのう)(おも)われます。


「(まずいぜ迅雷(ジンライ)! そこはまるで(かんが)えてなかったぜ!?)」

 やべえ。(ひめ)さんは――やる気だったみてえだ。


「(そうですね、リオレイニアは99%要求(ようきゅう)はしないでしょうが、彼女(かのじょ)人生(じんせい)一端(いったん)(あず)かる()としては、リカルル以上(いじょう)待遇(たいぐう)(むか)えるべきですし、彼女(リオレイニア)にはソレだけの価値(かち)があります)」


「(同感(どうかん)だぜ。五百乃大角(いおのはら)も、リオを気に入って「ぜったい()がすな」って厳命(げんめい)してたしな)」

 けど、一日(いちにち)1・6パケタ。それにおれと迅雷(おまえ)が生きていけるだけのぶんを()すと、とんでもねえ金額(きんがく)になる。


「それでね、シガミー? どうしてもっていうのなら、このわたぁくしがぁ『シガミー御一行様(ごいっこうさま)』の一員(メンバー)になって、もろもろ工面(くめん)して()しあげてもよろし――――」


「いいエ、その必要(ひつヨう)はアりません。(わたクし)迅雷(ジンライ)に2,3の()てがゴざいますので」


「ほんとか迅雷(ジンライ)!?」

「はイ、シガミー。避雷針(ひらいシん)保全業務(ほぜんギょうむ)(たい)して(つき)ニ8パケタの収入(しゅうニゅう)確約(かくやく)さレております。それを元手(もとで)商会(しょうカい)を立ちアげようと(おも)いマす」


「え、ちょっと? わ、(わたくし)(はい)って()しあ――――ぐひぇ!」

 あわてる(ひめ)さんの首根(くびね)っこをつかんだのは、(うで)(ばい)(ふと)さにした鬼娘(おにむすめ)

 (ひめ)さんとならんで、看板(かんばん)受付嬢(うけつけじょう)名高(なだ)い。麗人(れいじん)、オルコトリアだ。


「アンタが抜けられるわけないでしょーが! 『聖剣切りの閃光(ヴォルトカッター)』だって、三ヶ月にいちどの魔物(まもの)境界線(きょうかいせん)保全業務(ほぜんぎょうむ)があるんですからね?」


 リオレイニアが抜けた(あな)には、オルコトリアがしぶしぶ志願(しがん)してくれた。

 どうも、以前(まえ)から(ひめ)さんの横暴(おうぼう)……もといわがまま……じゃなくて傍若無人(ぼうじゃくぶじん)な振る舞いに手を焼いていたメンバーから(さそ)いがあったらしい。


 ひょいひょい、がしり。

「――むぎゅへ!」

 持ち(はこ)びやすく持ちかえられる、領主の娘(ひめさん)


 手なずける(・・・・・)ってのは、ああいうのを言うもんだよなあ。

 おれは銀の板(かあど)を、(ふところ)にしまい込む。


「――じゃ、じゃあ、その商会(しょうかい)店舗(てんぽ)(わたくし)のもち物件(ぶっけん)から、ご用意(ようい)させていただきますわぁ~! リ、リオレイニアのこれまでの献身(けんしん)(たい)するせめてもの謝礼(しゃれい)です。こ、これなら文句(もんく)ないでしょぉうぅ!?」


 リオレイニアとの接点(せってん)を、なにかしら(たも)ちたいという、往生際(おうじょうぎわ)(わる)さ。

 これは日の本(ぜんせ)では、みたことのないものだ。


「はい、リカルルさま――――ですが、(わたくし)はリカルル(さま)のことも心配(しんぱい)……もとい大心配(だいしんぱい)ですので、これまで(どお)り、お屋敷住(やしきす)まいをお(ゆる)しいただけたらと(おも)っていたのですが――――?」


「あらん、そうでしたの? (わたくし)はてっきり――――」

 はい、(はなし)はそこまで。アンタは、まだ仕事(そごと)のこってるでしょ。


「じゃ、あたしがさみしいからシガミーは時々(ときどき)女将(おかみ)さんのとこに食べに来なさいね」

 じゃそういうことでと、鬼娘(オルコトリア)がズシンズシンと、()っていく。


「あれ、レーニア……じゃなかったリオレイニア。こほん……いま大心配(だいしんぱい)っておっしゃいま――――ズシンズシンズシシン!


 力強(ちからづよ)足取(あしど)りは、かなり(はや)くて、(ひめ)さんの(こえ)は、スグに聞こえなくなった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ