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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

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569:龍撃の終結、かりゅうのねどこ全壊

「居た! あんな(ところ)で、伸びていますわね――♪」

 スラァァリッ――まてまて豪奢(ごうしゃ)細剣(ほそけん)を、抜くんじゃねぇやぁ。


「ニゲル、(ひめ)さんを押さえといてくれ!」

 コントゥル家に(ゆかり)が無くて、あの戦闘狂(あばれんぼう)を押さえ込める人間(にんげん)なんてのは――

「(さっき轟雷(ゴウライ)を貸してやったし――)」

 正直(しょうじき)、ニゲルくらいしか知らん。

 ふぉん♪

『>はい。対価代わりに、仕事をしてもらいましょう』


「わかったよっ、シガミー! (ぼく)はこの手を、一生離(いっしょうはな)さないよ!?」

 そういう台詞(せりふ)二人(ふたり)きりの(とき)にでも、言ってやれや。

「ちょっ、この千載一遇(せんざいいちぐう)のチャンスに――お(はな)しなさいなっ!」

 振りほどこうとする手を、もう片方(かたほう)の手でつかむ青年(ニゲル)

 二人(ふたり)視線(しせん)が、交錯(こうさ)する。


 「あら良い雰囲気(ふんいき)?」と(いろ)めき立つ周囲(しゅうい)(はん)して――

 「ふんす」と(はな)であしらう、リオレイニア。


「ニゲルゥ――――――ぼごわぁ!」

 がっちりと組み合った両手(りょうて)を、ぎりぎりと持ち上げていく――

 見てくれだけは見目麗(みめうるわ)しい、伯爵(はくしゃく)令嬢(れいじょう)

「なんだい、リカルルさまぁ――――!!」

 組み合い押し合う二人(ふたり)周囲(しゅうい)を、狐火(きつねび)がゆらゆらと(ただよ)う。


「「ふんっ!!!!!!」」

 ゴゴゴォォン!

 あまりの膂力(りょりょく)に、地を(へこ)ませる二人(ふたり)


 「はい、解散解散(かいさんかいさん)(みな)、持ち場に(もど)りなさい」とリオレイニアに蹴散(けち)らされるまでも無く、(はな)やいだ空気(くうき)など(ただよ)(まえ)霧散(むさん)した。


 火山(さざん)中腹(ちゅうふく)から(うえ)(ほとんど)(くず)してしまい、(いま)まで見渡(みわた)せなかった、裾野(すその)の向こう(がわ)が見えている。

 ずっと(とお)くに魔王城(まおうじょう)

 おにぎりが山頂(さんちょう)を吹き飛ばした、(けわ)しい山岳地帯(さんがくちたい)

 そして方向(ほうこう)としては(ぎゃく)、レイド村方向(むらほうこう)(おお)きな(もり)(ひろ)がっていた。

 あんな(ところ)にも(もり)があったのか。

 相当遠(そうとうとお)いが、いつか薬草(やくそう)食材(しょくざい)(さが)しに行っても良いかもしれない。


 迅雷(ジンライ)、あの(もり)記録(きろく)しておけるか?

 ふぉん♪

『>了解しました。女神像ネットワーク未敷設エリアのため後日、回収する必要がありますがドローンによる先行測量を行いますか? Y/N』

 そうだな……迅雷(おまえ)神々(かみさん)どもに負担(ふたん)が掛からんなら、『(やってくれ)』。

 ふぉん♪

『>では魔王城や神木跡を定期周回させていたリソースを、回しましょう』


   §


 さてルリーロさまは――「(なに)をしてやがるんだぜ?」

 (いわ)地面(じめん)(たお)れたまま、身動(みうご)出来(でき)ずに居るぞ?


「し、シガミーちゃぁーん。たすけてー」

 相当(そうとう)(よわ)ってやがるぜ。

 (ひめ)さんじゃ無くても、これは(すこ)面白ぇ(・・・)


流石(さすが)眷属(けんぞく)さまでも、あの木龍相手(きりゅうあいて)じゃ(こた)えたかぁ?」

 (まわ)りには(なに)もねぇ。

 〝ルードホルドの魔法杖(まほうつえ)〟と、おれがやった白鞘(しろさや)日本刀(にほんとう)(ころ)がってるだけだ。


 (はな)れた(ところ)に、リオレイニアが()けた大穴(おおあな)が空いてる。

 ダンジョン地下二階(ちかにかい)の、(おお)きな空洞(くうどう)だった(ところ)らしいな。


 おれたちが火龍(かりゅう)ゲートルブに(いど)み――

 おれが〝狂獣(きょうじゅう)ミノタウロース〟と果たし合った……らしい場所(ばしょ)だ。


(ちが)うんですよぉー。この場所(ばしょ)ぉに(あし)を踏み入れた途端(とたん)ぅ、なぁんかぁ、ふにゃぁーってなってへにゃぁーってなっちゃうのぉー……よぉー?」

 (くび)を持ち上げることすら出来(でき)ず、(たお)れたまま(はな)奥方さま(ルリーロ)

 そういや、なんか……息苦(いきぐる)しい気がしねぇでもねぇな。


「んぅ、まてよこの(くら)岩色(いわいろ)。ひょっとして魔法(まほう)使(つか)えなくなる場所(ばしょ)かっ!?」

 おれは「ひかりのたま」を出してみたが、(ほとん)(とも)らずに消えちまった。


 しゃぁねぇなぁ――と奥方(おくがた)さまを、持ち上げたら――

 ちょろちょろ、うろちょろろろろっ♪


「うっひゃわぁぁぁぁっ!?」

 魂消(たまげ)た。

 ルリーロの下から(・・・)、わらわらと這い出したのは、なんと――

 青白(あおじろ)い……子狐(こきつね)

 でもねぇか、なんせ此奴(こいつら)らは――青白(あおじろ)く燃える(ほのお)で、出来(でき)てやがる。


迅雷(じんらい)(なん)だぜこりゃぁ?」

 あやうく(きも)を、(つぶ)すところだった。


類推(るいスい)(いキ)ヲ出ませンが、こノ魔法不可領域(まほうふかりょウいき)膨大(ぼうだイ)魔力量(まりょクりょう)のせメぎ合いにヨり生成(せイせい)されたト(おモ)わレま()

 子狐火(こぎつねび)が散り散りになって、(はな)れていくと――「ぅきゅこぉん♪」

 ルリーロが、か(ぼそ)く鳴いた。


 おれが伸びたお狐さま(ルリーロ)背負(せお)い、振り(かえ)ると――


「(〽(おお)きな角持(つのも)つミノタウロースにー、あーぁーぁーぁあー気をつけてぇえぇー♪)」

 なんか聞こえてきた。この(こえ)子供ら(がきども)か。


 ふぉん♪

『シガミー>やめろ、喚ぶんじゃねぇ!』

 おう――がり――

「(縁起(えんぎ)でもねぇだろが!)」


「〽ウホウホホホォヴォヘェヘェェェェッ――――♪」

 負けじと(こえ)を張るのは工房長(こうぼうちょう)の、野太(のぶと)吟声(ぎんせい)

 やめろや、うるせぇ。


   §


 最大魔力量さいだいまりょくりょう増大(ぞうだい)させる効果(こうか)がある、魔法不可領域(まほうふかりょういき)

 猪蟹屋三号店予定地(かりゅうのねどこ)は、学者方(がくしゃかた)たちの楽園(らくえん)となり――

 散見(さんけん)される、(ちい)さな子狐火(きつねび)

 人魂(ひとだま)が、かわいい(・・・・)評判(ひょうばん)になり――


「ププププッ、ププークススススッ()

 守銭奴(しゅせんど)茅野姫(ほしがみ)温床(おんしょう)にもなるのは、まだ(さき)(はなし)である。

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