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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

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561:火山ダンジョンふたたび、(ばかやろぉーい)

「(シガミーは面白(おもしろ)場合(ばあい)じゃないでしょ? ふざけてんの? ねぇ、ふざけてんの())」

 おにぎりの収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)箱経由(ばこけいゆ)で、強化服(おれ)から抜け出た――

 素っ頓狂(とんきょう)(こえ)が、とおくから聞こえて来やがる。


「ばかやろぉーい。お(まえ)さまのせいだろぉーがー!――ニャァ♪」

 ふぉん♪

『シガミー>ばかやろぉーい。お前さまのせいだろぉーがー!』


「(ぷぐふっ――ど、どうして、突き刺さっているので……すか!?)」

 蜂女(はちおんな)(わら)(ごえ)まで、聞こえてきた。

「ばかやろぉーい。(わら)ってんじゃねぇやぁー、(たす)けてくれやぁー!――ニャァ♪」

 両腕(りょううで)()まって、抜け出せん。


 ふぉん♪

『>収納魔法を使えば脱出可能ですが、推奨出来ません』

 (なん)でだぜ、(たす)けろやぁ!?


 ふぉん♪

『>生命体であるシガミー部分を除外して、岩だけを格納する必要があります』

「すぐ、やれやぁー!――ニャァ♪」

 ふぉん♪

『>シガミーを避けてくり抜くためには、選択範囲が肥大します』

「すりゃぁー、良いじゃねぇーかぁー!――ニャァ♪」


 ふぉん♪

『>その場合、ダンジョン入り口の洞穴を、崩してしまう可能性があります』

 そんなら、おれが抜けた(あな)一瞬(いっしゅん)で、埋め(もど)せば良くねぇー?

 ふぉん♪

『>その場合、岩山部分を地盤ごと収納することになります』

 はぁ? (なん)だか(まる)融通(ゆうづう)が利かねぇな?


 ふぉん♪

『>はい。生物を魔術構文で扱うためには転移陣クラスの複雑な記述が必要になり、そのリファレンスは公開されていません』

 ふぉん♪

『シガミー>転移陣なら、お猫さまとか茅野姫が得意だっただろ。聞け聞けやぁ!』

 ふぉん♪

『>距離が離れすぎているため、イオノファラーかスマートフォンを介す必要があります』


 ちっ、お猫さま(ロォグ)茅野姫(ほしがみ)も、置いて来ちまったからな。

 薄板(スマホ)丸茸(やつ)に、取り返えされちまったし!


「うぉーい、(ひめ)さんやぁーぃ! (あやま)るからぁー、たぁすぅけぇてぇくれやぁ!――ニャァ♪」

 せめて(こえ)を張る。

「(シガミー、大丈夫(だいじょうぶ)かぁーい?)」

 を? ニゲルか、「引っ張ってくれやぁ!――ニャァ♪」

 強化服(シシガニャン)(あし)(つか)まれる感触(かんしょく)


「(あれ? これ、びくともしないんだけど!? ねぇリカルルさま、手伝(てつだ)ってよ!)」

「(ふん。どうせシシガニャンを着ているから、中身(なかみ)無事(ぶじ)なのでしょう? (ほか)(みんな)が来るまで、そうしていたら(よろ)しいのではなくって?)」

 (いで)ぇ――!


「(あぁもう――じゃぁ、おにぎりで良いから手伝(てつだ)ってよ!)」

「(みゃにゃぎゃぁー())」

 ガシリ、グイグイグイグイッ――ググググググッ!?

 (いて)ぇ、引っ張られるだけで、まるで抜けやしねぇ!


 ふぉん♪

『おにぎり>シガミーがはまったこの石は、とても硬いんだもの』

 つるんっと、おにぎりの手がすっぽ抜け――

 「(――みゃぎゃぎゃぁぁっ())」

 鳴き(ごえ)が、すてんっごろごろと(とお)ざかっていく。


 ふぉん♪

『>どうやら周囲の岩肌の組成に、問題があるようです』

 問題(もんだい)? (かた)いったってアダマンタイト(ほど)じゃねぇーだろ?

 ふぉん♪

『ヒント>アダマンタイト含有量23%』

 よりにもよって、それ(アダマンタイト)か。


「「「「「「「(あはははっははっ♪)」」」」」」」

 んぅ(なん)だぜ、うるせぇな?

 迅雷(ジンライ)(そと)を見せろやぁ。

 ヴォヴゥゥン♪

 それは洞窟入(どうくつい)(ぐち)(うえ)から、見下(みお)ろした映像(えいぞう)

 (おく)れてきた連中(れんちゅう)が、こっちへ向かって(ゆび)を指してやがるぜ。


「(ばかやろぉーい! (たす)けろやぁー!)」


   §


「ルリーロちゃぁん、いまどこぉ?」

 薄板(スマホ)連絡(れんらく)を取る、五百乃大角(いおのはら)


 相手(あいて)はもちろん、奥方さま(ルリーロ)だ。

 おれと(おな)じ日の(もと)生まれの、日の本育(もとそだ)ち。

 おれが死んだ(とち)の世、江戸(えど)……(ひがし)(みやこ)闊歩(かっぽ)した。

 (よわい)200(さい)を超える、某五穀豊穣(ぼうごこくほうじょう)(かみ)眷属(けんぞく)


 (かたき)らしい天狗(てんぐ)と、何かと引き合いに出されることが多かったという(むじな)大嫌(だいきら)いで――狐饂飩(きつねうどん)大好物(だいこうぶつ)

 (たと)えニゲルと(いのち)がけで、()り合っても――

 負ける(ところ)は、どうしても想像出来(そうぞうでき)ねぇ。

 この世界(せかい)で、(おそ)らく最強(さいきょう)生物(せいぶつ)


 神域惑星(しんいきわくせい)(ひら)(かぎ)となった、超大容量(ちょうだいようりょう)魔石(ませき)を持つ魔法杖(まほうつえ)

 〝ルードホルドの魔法杖(まほうつえ)〟を駆り、()よりも(はや)(そら)を飛び――

 元魔導騎士団(もとまどうきしだん)総大将(そうだいしょう)肩書(かたが)き|(?)も持つ。


「あれぇん、やっぱり(つな)がらなぁいぃ?」

 女神像(めがみぞう)の無い、魔物境界線(まものきょうかいせん)よりも(さき)

 女神像(めがみぞう)通信網(つうりき)(およ)ばぬ地でも、これだけ(ちか)ければルリーロの薄板(スマホ)(つな)がると言っていたが――


(つな)がらんぞ?」

 洞窟(どうくつ)の入り(ぐち)で、薄板(スマホ)(かか)げるお茸さま(メガミ)を――

 天高(てんたか)く持ち上げてみたが。


「おにぎり、そのクレイドル持って、こっち来て()

 (ねん)のため猪蟹屋予定地(ししがにやよていち)から持ってきた、アーティファクトである――

 〝ギルド支部臨時(しぶりんじ)出張所(しゅっちょうじょ)台座(・・)〟を(かか)えた、猫の魔物風(おにぎり)

 その背中(せなか)には(とげ)の生えた鉄棒(てつぼう)が、立てられている。

 鉄棒(てつぼう)型落(かたお)ちの台座(・・)は、不格好(ぶかっこう)(ふと)導線(ひも)接続さ(つなが)れており――


 おれの手から五百乃大角(いおのはら)を、むんずと(うば)強化服(ししがにゃん)自律型(おにぎり)

 ガチャリンッ♪

 騒々(そうぞう)しい(かね)の音をたて、美の女神(いおのはら)御神体(ごしんたい)台座(だいざ)に乗せられた。


 ふぉふぉん♪

『>女神像ネットワーク復旧のお知らせ

 >大変ご迷惑をおかけしておりました、ブルートゥース接続障害が解消されました。

 >現在、女神像デバイスの全機能が使用可能です。』


 女神像(めがみぞう)通信網(つうりき)(およ)ばぬ地で――薄板(スマホ)(みみ)に当てたままの丸茸さま(いおのはら)が――ぐるんと白目(しろめ)を剥いた。


「ぷるるルるぷるるルる――――こチら女神像(めがミぞう)(ナンバー)10286デす。ゴ用件(ようけン)ヲどうぞ()

 ふむ白目(しろめ)を剥いてて、(じつ)気色悪(きしょくわり)ぃ。


「ぶぅぅぅうぅっぉぅぉっ♪ ぶぅぅぅうぅっぉぅぉっ――――♪」

 白目(しろめ)丸茸(まるきのこ)から飛び出したのは、さっき聞いたのと(おな)じ――


奥方(おくがた)さまの薄板(スマホ)と、(つな)がったのかぁ!?」

 うるせぇと怒鳴(どな)りつけてやりたい(ところ)だが、向こうの様子(ようす)を聞くのが(さき)だ。


「もしモし、ルリーロちゃんサま。そちらはドんな案配(あンばい)でシょうか? エ、(いマ)スぐ逃ゲろ()

 白目(しろめ)を剥いたまま、片言(かたこと)(はな)(くび)(かたむ)く。

 その場に居たおれたちが、(かお)見合(みあ)わせた直後(ちょくご)


 ふぉルるォらレぃ!

 ふォるるぉられィ!

 フぉるルぉラれぃ!


 突然(とつぜん)(とどろ)く、(いま)だに聞きなれねぇ――騒々(そうぞう)しい(おと)

 (くび)にさげた冒険者(ぼうけんしゃ)カードからも、聞こえてくる。


冒険者(ぼうケんしゃ)カードヲ使(ツか)っタ、緊急時(きんキゅうじ)連絡網(れんらくもう)()

 一斉(いっせい)自分(じぶん)のカードを(たし)かめる、冒険者(おれ)たち。


 銀の板(カード)表側(おもてがわ)名前(なまえ)が書いてねえ(ほう)

 ギルドの紋章(もんしょう)(した)には、こんな文字(もじ)が浮かんでいる。


『緊急のお知らせ

 火山ダンジョンより、緊急コールが発せられました。』

 やべぇ!

 この世界最強(せかいさいきょう)妖怪狐(ようかいぎつね)が――〝助け(・・)〟を請いやがった!

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