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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

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553/744

553:央都猪蟹屋跡地、唯物ライフルをつくろうその3

 その繊細(せんさい)作業(さぎょう)維持(いじ)するには、蜂女(ルガさん)(はな)冷たい魔法(つめたいかぜ)不可欠(ふかけつ)だったが――


「〽今日(きょう)(あさ)から、出くわした!

  (もり)(ぬし)(やま)(ぬし)(そら)(ぬし)

  エマージェンンシィ、ヌシジェンシィー!

  おれたちゃヴォッヘッヘェッ!

  ウホウホホホォヴォヘェヘェェェェッ――――♪」

 『冒険者ギルドガムラン支部のうた』には、まさかの三番も(・・・)あったらしく――


「お(じょう)さまっ、これっ!? 旦那(dんな)さまから厳禁(げんきん)されたはずじゃ――そもそも(なん)なんですか、〝ヴォヘッヘェー〟って、おれたちは(・・・・・)ガムラン冒険者(ぼうけんしゃ)じゃなかったんですかー! それにウホウホホォ――ぷぐひっ!!!???」

 面白(おもしろ)(ところ)解説(かいせつ)しきれず、メイド服姿(ふくすがた)昏倒(こんとう)した。


 そうだったぜ。「うほうほぼへえ」が有ったっけなー。

 あまりにもどうでも良くて、(おぼ)えてすらいなかったが。


 ふぉん♪

『シガミー>けど言うほどは、面白くもねぇよな?』

 ふぉん♪

『>はい。それよりもガムラン冒険者を束ねるコントゥル辺境伯領主への、揶揄とも捉えられかねません』

 だがその(むすめ)(うた)ってるんだから、(とが)めることも出来(でき)なくね?


 ひとまず死んだ蜂は(・・・・・)、燃えないように――

 ふぉん♪

『>おにぎり、その蜂捨ててこい』

 (まど)(そと)から見物(けんぶつ)してた、(ひま)そうな(ねこ)魔物風(まものふう)(やつ)(たの)んだ。


「みゃにゃぎゃぁー?」

 戸口(とぐち)から(はい)ってきた黄緑色(おにぎり)(やさ)しく、死んだ蜂女(しんだはち)を抱きかかえた。


 ぽっきゅぽきゅぽきゅ♪

 簡易鍛冶工房(かんいかじこうぼう)から、連れ出さ(すてら)れる蜂女(はちおんな)


「すごい! あの蜂の魔物(はちおんなさん)……リオレイニアさんが一網打尽(・・・・)だわ♪ なんて(たの)もしい!」

 (まど)(そと)から見物(けんぶつ)していた、フッカ(じょう)(ひとみ)に――シュッゴォォォォォォォォォォッ!

 地獄(じごく)業火(ごうか)(あやつ)小柄な男(ノヴァド)の、(たくま)しい姿(すがた)(うつ)り込んだ。


「まったく、この歌詞(かし)にしてから――冒険者(ぼうけんしゃ)たちの遭難件数(そうなんけんすう)飛躍的(ひやくてき)に減りましたのにっ!」

 その良さがわからないなんて、お(とう)さま……辺境伯(へんきょうはく)も、レ……ルガレイニアもまだまだね♪

 フッカ(じょう)(となり)(いき)を巻く、作詞作曲者(リカルル)


 歌詞(かし)に込めた(おも)いは立派(りっぱ)だが、士気(しき)(かか)わりかねん(ところ)があらぁな。

 日の(もと)で、いくさ(まえ)(うた)った日にゃ、打ち(くび)ものだぜ。


「よぉし! 外側(そとがわ)(ほどこ)刻印(こくいん)は、これで最後(さいご)だぁ――!」

 カカキィン――――♪

 ヴォヴォヴォヴォヴォヴォヒュシュ――――――――ッ!

 アダマンタイトの角棒(かくぼう)に、びっしりと(ほどこ)した刻印(こくいん)が――七色(なないろ)(かがや)きを(はな)つ。


(つぎ)(なに)をするんだい、ロォグさま()

 烏天狗役(からすてんぐやく)迅雷(ジンライ)が、戸口近(とぐちちか)くに寝転(ねころ)がるお猫さま(ロォグ)(たず)ねる。


 チリチリと(すず)()を立ててやってきた(ねこ)が、二本足(にほんあし)で立ち上がった。

 お猫さま(ロォグ)は、アダマンタイトの(さき)から二股(ふたまた)(あた)りまで、ぴょぴょんと跳ね――

「――最後(さいご)にチュロス――ナジの排他原理(はいたげんり)――にゃーぁん♪――」

 (なん)か言った。


 ちょうど、(おお)きな(はち)を捨てて(もど)ってきた、おにぎりが――ぱたん♪

「にゃみゃぎゃやーにゃんやー、むあにゃんやぁーみゃんぎゃぁ、みゃぁごぉーにゃやぁーん()


『「あとは最後に、ここからここまで真っ直ぐに穴を開けたら、完成にゃんだもの♪」って言ってるんだもの♪』

 取り出した木の(いた)に、そんな最後(さいご)指示(しじ)が浮かんだ。


 五百乃大角(いおのはら)浮かぶ(プロジェクション)(BOT)を、ぐるりと回転(かいてん)

 ヴォォパァァ♪

 空中(ちゅう)投影(とうえい)される設計図(せっけいず)――ヴュュ――ッ。

 その銃身(じゅうしん)(ぶぶん)分が、拡大(かくだい)された。


 ソレは火縄(じゅう)構造(つくり)に、よく似ていたが――

 銃口(じゅうこう)から持ち手側(てがわ)根元(ねもと)までの、弾丸(たま)(とお)(みち)が――

 きれいな円形(まる)では無く、見世物(みせもの)で見た絡繰(からく)りの歯車(はぐるま)みたいに――

 (いびつ)(かたち)をしてやがった。


「――にゃぁ((りゃく))♪――」

「にゃぁ((りゃく))――()

『「この出来ひとつで、威力が決まるんだもの♪」だもの♪』

 それなら全部(ぜんぶ)のスキルを総動員(そうどういん)しつつ、〝伝説(でんせつ)職人(しょくにん)(まか)せでおれがやらぁ(・・・・・・)

 烏天狗(ジンライ)はおれの念話(ねんわ)に合わせて、ソレっぽく手足(からだ)(うご)かしとけよ。

 ふぉん♪

『>了解しました』


「クカカッ――ふふぅーうぅーん?」

 烏天狗(ジンライ)が、(なん)かの仕草(しぐさ)(はじ)める。

「じゃぁおれぁ、アダマンタイトが(ころ)がらねぇように、押さえておくぞ」

 (だい)を押さえた。

 これで、おれのスキルをアダマンタイトに使(つか)える。


 ふぉふぉん――ヴュワワワワッ♪

 絵で板(エディタ)を立ち上げ、〝視線()〟で設計図(せっけいず)をつかんだ。

 (よこ)たわるアダマンタイト鉱石(こうせき)に、(かさ)ねると――


 ヴュゥン♪

『ヒント>形状加工/銃形状を検出。長砲身用の施条をブーリアン演算により作成いたしますか? Y/N』

 (なん)小窓(こまど)が出たぜ。

 これは(なに)かを(えら)ばないと、(さき)(すす)まねぇ(やつ)だ。


 ふぉん♪

『イオノ>それは弾体を射出する、速度によるわねぇん?』

 小板(こまど)を見ていた五百乃大角(アイコン)が――

 また戸口近(とぐちちか)くで魔法杖(つえ)を振りかざし、(りょう)を取っていた(ねこ)ども。


 その背後(うしろ)から――「ネコチャーン、これさぁ――(なに)をどうやって、撃ち出すのぉん()」と(こえ)を掛けた。


「――「「にゃぎゃにゃぁ――!?」」――」

 (おと)も無く(しの)び寄り(こえ)を掛けられた、ロォグとミャッドとおにぎりが飛び上がる。

 戸口(とぐち)から(おと)も無く(はい)ってきたのは、死んだはずのリオレイニアだった。


 ひゅぅぅぅおおおぉぉぉぉっ――――(すず)しい。超涼(ちょうすず)しい。

 片手(かたて)(みじか)魔法杖(まほうつえ)初等魔導(しょとうまどう)学院生徒(がくいんせいと)(もら)練習用(れんしゅうよう))、もう片手(かたて)には美の女神御神体(いおのはらごしんたい)

 御神体本体(まるきのこ)(ひろ)って、持ってきてくれたのか。

 彼女(かのじょ)(いま)でこそ(はち)魔物風(まものふう)に、身を(やつ)しているが――

 貴族階級(きぞくかいきゅう)であり、ガムラン随一(ずいいち)の((かく)れ)モテ(おんな)だ。

 その(うえ)、ガムラン(ちょう)年間予算会議(ねんかんよさんかいぎ)出席(しゅっせき)を請われる(ほど)に――

 仕事(しごと)出来(でき)る。辺境伯(へんきょうはく)名代(みょうだい)(なみ)魔法杖(つえ)で飛べるし――

 こうしておれやジンライの目を(ぬす)んで、背後(はいご)まで取れる傑物(けつぶつ)一人(ひとり)だ。


 リカルルの甲冑(かっちゅう)にも、(しの)び寄る機能(きのう)があるけど――

 リオレイニアのは(すこ)(ちが)うようで、サキラテ家(・・・・・)秘術(ひじゅつ)のような(もの)らしくて。

 まだどういう仕組(しく)みなのか、(おし)えて(もら)えていない。

 ちなみにソレは、(おな)じくサキラテ家の子供(こども)ビビビーにも使(つか)える。


「――にゃぁ((りゃく))♪――」

「にゃぁ((りゃく))――()

 ぱたん♪

『「涼しいニャァー。まだ決めてないんだもの♪」って言ってるニャン♪』

 だから〝だもの〟とは言って……るっぽいニャン?


「――むしろそれは、美の女神(めがみ)さまに聞きたいニャァ♪――」

 (ちい)さな(ねこ)が、(かが)み込む給仕服姿(メイドすがた)大きな蜂(・・・・)に駆け寄る。

「うーん。だからさぁ、あたくしさまわぁ、魔導工学(まどうこうがく)なんて履修(りしゅう)してないから(キリッ!)――機関部(エンジン)諸元(スペック)()


「みゃにゃぎゃにゃぁーん♪ 神々(かみがみ)(つく)りたもうた武具(ぶぐ)には、興味津々(きょうみしんしん)だニャァ♪」

 戸口(とぐち)から駆け込んで来て、車座(くるまざ)に混じるのは大きな猫(ミャッド)だ。


「みゃぎゃにゃぁー♪」

 ぱたん♪

『ふーうん? そうなんだもの?』

 (ねこ)どもと丸茸(まるきのこ)が、会議(かいぎ)(はじ)めやがった。

 (なん)だか知らんが何かを(・・・)(かんが)えてなかったらしい。


 ふぉん♪

『>火縄銃で言うところの鉛製の丸玉を、何で構成するか考えているようです』

 そりゃ最初(さいしょ)に考えなきゃいけねぇこと、なんじゃぁねーの?


 ヴォヴォォォォゥン♪

 竈そば(こっち)にあった設計図ずめんが、猫と丸茸の宴(むこうへ)に参加する(とんでった)


火縄(ひなわ)なぁ――」

 ヴッ、ごとん♪

 参考(さんこう)にでもなればと、火縄型(ひなわがた)魂徒労裏(コントローラー)を取り出した。

 火山ダンジョン(かりゅうのねどこ)使(つか)った、使(つか)い捨て汎用作業服(はんようさぎょうふく)試作一号(しさくいちごう)

 (かみ)出来(でき)目鼻口(めはなくち)の無い作業服(・・・)

 通称(つうしょう)〝おもち〟を(あやつ)るのに、おれが(こしら)えた(もの)だ。


 ふぉん♪

『4D超音波フェ-ズドアレイモジュール付き光源ユニット/通称もちコン』

 うん、それはわかんねぇ。〝もちコン〟て()を付けたのは(おぼ)えてる。


「にゃやっ!?」「にゃぁー♪」「みゃぬあぎゃぁー♪」

 操り棒(コントローラー)は、(ねこ)どもに(うば)われた。

 蜂の魔神(ルガさん)(ともな)い、すぐ(となり)の〝タターを(はか)った屋敷(やしき)〟へ駆け込んじまった。


 やがて聞こえる「ららららぁぁーん!?」という、聴き(おぼ)えのある(こえ)


「「こりゃ、駄目(だめ)だぜ。一休(ひとやす)みするかぁ!」」

 おれと工房長(こうぼうちょう)(こえ)が、また(かさ)なった。

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