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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

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551/744

551:央都猪蟹屋跡地、唯物ライフルをつくろうその1

「ソレなんだけどニャァ。シガミーとカラテェーと、ラプトル王女(おうじょ)さまにノヴァド工房長(こうぼうちょう)。そしてイオノファラーさまとレイダ。そして迅雷(ジンライ)とおにぎりも入れた(けい)(にん)に、〝唯物(ゆいぶつ)ライフル〟作成(さくせい)参加(さんか)して欲しいニャァ♪」

 おれたちを(ゆび)さし指折(ゆびお)(かぞ)える、大陸随一(たいりくずいいち)魔導工学技士(まどうこうがくぎし)


 今居(いまい)るのは、タターを(はか)った建物(たてもの)猪蟹屋(ししがにや)(あいだ)

 長椅子(ながいす)長机(ながつくえ)を置いて、休憩所(きゅうけいじょ)(つく)った。

 (せま)路地(ろじ)だが、猪蟹屋(みせ)(なか)よか快適(かいてき)だ。

 横長(よこなが)だが全員(みんな)(すわ)れるし、(かぜ)も吹き抜ける。


「もちろん我々(われわれ)も、お手伝(てつだ)いいたしますわ」

 お猫さま(ロォグ)(かか)えた顧問秘書(こもんひしょ)が、顧問技師(こもんぎし)へ寄り添う。

「――我輩(わがはい)指示(しじ)(したが)えば、立派(りっぱ)な――深海作業(しんかいさぎょう)――90(パーセント)オフニャァ♪――」

 お(ねこ)さまは何言(なにい)ってるか、わからねぇが――


 全部(ぜんぶ)で11(にん)か。

 対魔王竈(たいまおうかまど)相当狭(そうとうせま)くて、矢鱈(やたら)(あつ)い。


「レイダはレイダ(ざい)がらみで、必要(ひつよう)なのか?」

「そうだニャァ♪ 持ち手(グリップ)土台(どだい)になる部分(ぶぶん)を、レイダ(ざい)補強(ほきょう)して欲しいんだニャァ♪」

 迅雷式隠(じんらいしきかく)(みに)(おお)った台車(だいしゃ)(うえ)

 鎮座まします(よこたわる)超特選(ちょうとくせん)アダマンタイト鉱石(こうせき)〟の、二股(ふたまた)になった片側(かたがわ)

 そこを猫手(ねこて)で、ぽぽんと(たた)猫獣人(ねこじゅうじん)大人(おとな)


補強(ほきょう)? アダマンタイトはちょっとやそっとじゃ、傷一(きずひと)つつかんだろうが?」

 ふぉん♪

『>レイダ材のモース硬度は5・9。アダマンタイトは硬度11、異常値を示しています。解析後に、修正を試みますか?』

 わからん。けど解析(とんち)は止めとけ。

 いつ仕事(しごと)が始まるか、わからんからな。


 ふぉん♪

『シガミー>五百乃大角やぁい。なんか神々の知恵を寄越せやぁ』


 ふぉん♪

『イオノ>良いわよぅ♪ 迅雷クンさー、その辺は適宜更新してOKよ。地球の環境を元に作られたけど、この世界はもうF.A.T.S.の影響下にありませんのでぇ』

 ふぉん♪

『>了解しました、イオノファラー。サバイバルモードやエンドレスモードを想定した定理の修正を、定期的に行います』

 ふぅーん?


「アダマンタイト本体(ほんたい)各種部品(かくしゅパーツ)(おお)きな強度差(きょうどさ)が有ると、故障(こしょう)暴発(ぼうはつ)による怪我(けが)(つな)がるにゃ♪ それとアダマンタイト表面(ひょうめん)を、レイダ(ざい)(おお)っておけば、煤が付かなくなる(・・・・・・・・)ニャァ♪」

 火縄(じゅう)弾込(たまご)めまえに、(すす)(はら)うのが大変(たいへん)だからなぁ。


「あの蒼色(あおいろ)色鮮(いろあざ)やかさは、素敵(すてき)ですよね――ヴヴヴッ♪」

 ゴガッ――ッキキィィン♪

 この(へん)の、あふれた(ほのお)で焼かれた(ところ)は、レイダ(ざい)に変えてあるから――

 耳栓(みみせん)騒音(おうおん)だけを(えら)んで消してなかったら、(みみ)(つんざ)かれていたところだ。


迅雷(ジンライ)が居りゃ、おれだって(いろ)を変えてやれるがぁー?」

 レイダ(ざい)は、レイダが迅雷(じんらい)魔法杖(まほうつえ)がわりに使(つか)って――

 (なん)とかいうのを、(すす)(すみ)塗ることで(・・・・・)出来上(できあ)がる。


 おれの小太刀(こだち)には、(てつ)(はい)練り込んである(・・・・・・・)から――

 その(すみ)成分(ところ)(いろ)塗れば(・・・)、立ち(どころ)(かたな)蒼く(・・)塗り込められる。

 そうすると切れ味は上がる(・・・・・・・)が、折れやすく(・・・・・)なっちまって――

 レイダ(ざい)刀剣(とうけん)はまだ、使(つか)(もの)になっていない。


 ふぉん♪

『>〝カーボンナノテクタイト構造〟です。蒼くなるのは量子記述的に再配置された表面構造が、構造色を形成するからです』

 それな。構造(もののかたち)な。


 それと似たようなことをしているんだが、おれのは蒼色(あおいろ)だけじゃなくて大抵の色(・・・・)を塗れる。


「じゃぁやってみてニャァ♪」

 戸口(とぐち)(くい)に引っかけた(かばん)(なか)から、おにぎり(だい)(いし)ころを取り出す顧問氏(ミャッド)


 来い迅雷(ジンライ)――くるん、ぱしん!

 飛んできた迅雷(ジンライ)を、ひっつかむ子供(おれ)

 魔法杖(ジンライ)一振(ひとふ)りすれば、世にも(あざ)やかな♪

 夕日(ゆうひ)(いろ)にでも――ほろろろっ、するんっ♪


「あれ? 変えるそばから、光りになって(・・・・・・)消えちまわぁ!?」

 どーいうこった?


「もうシガミーは、下手(へた)くそだなぁ♪」

 魔法杖(ジンライ)をひったくられた。

「ひのたまぁ――ぼわぁん♪」

 迅雷式隠れ蓑(もえないぬの)(うえ)、置かれたアダマンタイトが――ごわぁと(くすぶ)る。


「レイダ(ざい)にー、なぁれぇー♪」

 ひとたび彼女(かのじょ)が、一振(ひとふ)りすれば――――ギラリィン♪

 レイダの(ほう)がレイダ(ざい)(かん)しちゃ、うまく出来(でき)るのは(たし)かだが――

 おれの色付け(・・・)も、レイダのレイダ材(・・・・)も、(ほとん)(おな)(もの)だろう?


 ふぉん♪

『>はい。基本組成は99%同じ構造色ですので』


 ほろろろっ、するんっ♪

「あれっ!? なんでっ!?」

 やっぱり、(ひかり)(こけ)みたいのが剥がれ落ちて、消えちまう。

「ふはははっ、レイダにも出来(でき)ねぇじゃんか♪」

 (こわ)れたとでも(おも)ったのか、魔法杖(まほうつえ)上下左右(めちゃくちゃ)に振り(まわ)子供(こども)


「ニャフフゥ、そうだろう? アダマンタイトの表面(ひょうめん)(すす)を付けるためには、相当高(そうとうたか)温度(おんど)(いぶ)さないとならないことは実験済み(・・・・)ニャァ♪」

 パチリと(ゆび)を鳴らす、(ねこ)獣人族(じゅうじんぞく)


「「「「「「「「「「「………………?」」」」」」」」」」」

 (なん)だぜ? (みんな)(くび)(かし)げている。


「アダマンタイトの表面(ひょうめん)(すす)を付けるためにはニャァ、相当高(そうとうたか)温度(おんど)(いぶ)さないとならないことは実験済み(・・・・)なのニャァ――♪」

 ふたたびパチリと(ゆび)を鳴らす、(ねこ)獣人族(じゅうじんぞく)


「「「「「「「「「「………………?」」」」」」」」」――!」

 (くび)(かたむ)けていた(うち)一人(ひとり)が――

 ピカピカで(まる)い、アダマンタイト鉱石(こうせき)を――

 下敷(したじ)きにしていた迅雷式隠(じんらいしきかく)(みの)で、(つつ)んだ。


工房長(こうぼうちょう)さん。この鉱石(こうせき)対魔王結界(たいまおうけっかい)強力(きょうりょく)(ほのお)で、(いぶ)して来てもらえませんか?」

 そう言ってノヴァドへ手渡(てわた)す、顧問秘書(こもんひしょ)

 その(ひたい)(あせ)が、(にじ)んでいる。

 彼女(かのじょ)はリオレイニア並みに出来(でき)(おんな)だが、鍛冶場(かじば)(あつ)さには(よわ)いようだった。


   §


「こんなもんで良いのかぁ?」

 ごどん――ふわさ。

 ぶすぶすと、焦げた(にお)いを(はっ)するのは――

 まるで黒磁器(くろじき)丸徳利(まるとっくり)のようになった――

 希少な鉱石(アダマンタイト)


「レイダ(ざい)にー、なぁれぇー♪」

 ふたたび彼女(かのじょ)が、一振(ひとふ)りすれば――――ギラリィン♪

「「「「「「「「「おおぉぉぉぉ――――!?」」」」」」」」――出来(でき)たっ♪」

 今度(こんど)(こぼ)れ落ちずに、(あざ)やかな蒼色(あおいろ)のままだった。


「レイダには魔法銃(まほうじゅう)完成(かんせい)したらレイダ材(このいろ)で、全体(ぜんたい)を塗って(もら)うにゃぁ♪」

 まるで巨大(きょだい)宝石(ほうせき)のように、(ひか)(かがや)くアダマンタイト。


「じゃぁ、完成(かんせい)までレイダには(そと)で待っててもらう。あんな場所(ばしょ)にずっといたら(あつ)さで伸びちまうからなー♪」

 おれは背を伸ばし――わしわしわしっ♪

 生意気(なまいき)子供(こども)(あたま)を撫でて、レイダ(ざい)専門家(せんもんか)(ねぎら)ってやった。


「わかったでぇーござる♪」

 (なん)だぜその、得意(とくい)げな(つら)わぁ?

 ことレイダ(ざい)(kん)しちゃレイダの(ほう)が――迅雷(ジンライ)上手(うま)(あつか)えてる。

 ふぉん♪

『>ユニークスキル〝報酬二倍〟の恩恵も、効果的に作用していると思われます』


 流石(さすが)はレイダ(ざい)の、レイダさまだぜ。

 (もと)から一角(ひとかど)(もの)になる(たす)けになればと(おも)って、〝レイダ(ざい)〟と名付(なづ)けたのだ。

 レイダ(ざい)下手(へた)したら猪蟹屋(みせ)を乗っ取られかねねぇ(ほど)(おお)きな売り(もの)になるかもしれねぇ。

 そうしたら、おれぁ――五百乃大角(いおのはら)飯当番(めしとうばん)専念出来(せんねんでき)るな。


「ござる? ござる!?」

「ござのい、ござのい?」

(ワレ)(アツ)さには(ツヨ)(ユエ)手伝(テツダ)えることがあるなら手を貸すぞ?」

 おれたちが猪蟹屋(みせ)(そと)に出たのを、かぎ付けた子供たち(がきども)が寄ってきた。


   §


『「じゃぁ、加工と組み立ての行程に入るんだもの♪」だもの♪』

 ぱたんと(くび)に提げた、木の(いた)

 ソレを見た面々(めんめん)が、各々(おのおの)の持ち場へ散っていく。


 さぁ、本番(ほんばん)だ。どうする?

 迅雷(ジンライ)烏天狗(からすてんぐ)とおれぁ、二人までしか(・・・・・・)用意出来(よういでき)んぞ。


 ふぉん♪

『イオノ>そうわね。伝説の職人スキルが使えないと話にならないから、烏天狗は決定として、シガミーも居ないと怪しまれかねないでしょぉ?』

 画面(モニタ)(なか)梅干(うめぼ)しみたいな(おお)きさのアイコンさま。

 ゴロゴロと(ころ)がりながら、一行表示(ティッカー)寄越(よこ)した。


「じゃぁ、シガミー。烏天狗(からすてんぐ)(さが)してきて。(いま)時間(じかん)ならもう、城壁(じょうへき)洞窟(どうくつ)(かえ)って来てると(おも)うから()

 おい。おれと迅雷(ジンライ)は、どーするんだぁ?

 張りぼての独鈷杵(どっこしょ)を、迅雷(ジンライ)だと(たばか)っても良いが。

 仕事(しごと)仕事(しごと)だけに、迅雷(ジンライ)がまるで(うご)かなかったら――

 一発(いっぱつ)(かん)づかれちまうだろ。


 ふぉん♪

『イオノ>ご安心ください。その迅雷役、あたくしさまが一人二役を、見事演じて見せましょう♪』

 ならもう、お(まか)せだ。しっかりと迅雷(ジンライ)してくれ。


「じゃぁ、ちょっと行ってくる!」

 強化服(シシガニャン)は脱いじまった。

 だから(かえ)ってきたら、もう一度着(いちどき)ねぇとなぁ。


 迅雷(ジンライ)、お(まえ)烏天狗役(からすてんぐやく)(つと)めてくれ。

 おれはシガミー(おれ)と、烏天狗(ぼく)伝説の職人(スキル)担当するぞ(やるぞ)


 ふぉん♪

『>了解しました。城壁付近の人の居ない所で、裏烏天狗と入れ替わります』

 おう。おれは張りぼての独鈷杵ジンライを、うしろ(あたま)に刺して(もど)って来るからなっ。

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