表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

548/744

548:央都猪蟹屋跡地、タターを計ろう

 猪蟹屋(みせ)程近(ほどちか)い、片壁(かたかべ)が焦げた(ちい)さな屋敷(やしき)

 央都猪蟹屋(おうとししがにや)本店(・・)予定地(よていち)(となり)

 (もと)から借り手の無かった、(さび)れた建物(たてもの)だ。

 そこをリカルルが買い上げ、ガムラン町の猪蟹屋(ししがにや)本店(・・)みたいな(かん)じで、書類(しょるい)(わた)された。

 ひとまず借りておくが――


 すぽん。

 肌着(はだぎ)になった少女(しょうじょ)タターから、(あたま)(うえ)ヒラヒラしたの(・・・・・・・)が取り(はず)された。


「じゃぁ、おれぁ向こうへ行ってるからよ」

「な、なんで行っちゃうんですか! おいてかないでぇー!」

 部屋(へや)を出て行こうとしたら、しがみ付かれた。


「ばかやろう、おれは(おとこ)だぜ。お(まえ)さまも一応(いちおう)(おんな)だろうが、ちったぁ(つつし)みってものをだなぁ――」

 引き(たお)すわけにもいかず、(からだ)をよじってみるが――

 しっかりと張り付かれちまった。


「なにをバカ言ってるんですか。シガミーは(おんな)の子じゃないですか――ヴヴヴヴヴッ?」

 ゴガガガガン♪

 (かた)い木の(ゆか)を打ち鳴らす、給仕服(きゅうじふく)(おんな)


(ほか)子供(こども)たちは計測(けいそく)邪魔(じゃま)になるからと、追い出されてしまったので心細(こころぼそ)いのですよ。直ぐに済むようですので、付いていてあげてください――ヴヴヴヴヴヴッ♪」

 だからそれやめろ。

 さすがに飽きてきたぜ。


「それを言ったら、お猫さま(ロォグ)は良いのかぁ?」

 顧問秘書(こもんひしょ)(あたま)に、へばりつく(ねこ)を指さした。

「ふむん? では確認(っかうにん)しましょう」

 つかつかと(ある)いて行った、ルガレイニアは――

 女性(じょせい)学者方(がくしゃかた)(かこ)まれ質問攻(しつもんぜ)めにあう、お猫さま(ロォグ)一言二言交(ひとことふたこと)わし――

 (ねこ)を借り受け、そのまま(かか)えて(もど)ってきた。


精霊(せいれい)雌雄(しゆう)区別(くべつ)は、無いそうですよ♪」

 (ねこ)(あご)を撫でる給仕服(きゅうじふく)格好良(かっこうよ)眼鏡(めがね)(おんな)

 やはり女子供(おんなこども)は、(ねこ)が好きだぜ。


「――被験者(ひケんしゃ)(おサな)(ヒと)は、安心(あンしん)してドうぞ。我輩(わがハい)にハ、付いテない(・・・・・)ニャ♪――」

 やかましい。尻尾(しっぽ)をくねらせるお猫さま(ロォグ)


「んまっ――!」

 格好良(かっこうよ)眼鏡(めがね)(おんな)口元(くちもと)を押さえ、こんなふうに(ほほ)でも染めようものなら――

 一瞬(いっしゅん)(こころ)を、(うば)われかねなかったものだが。

 (いま)蜂の魔神(・・・・)にしか(おも)えない。

 蜂の魔神(そんなやつ)色恋(こい)をする(やつ)はいない。

 そういう意味(いみ)じゃ、この蜂眼鏡(はちめがね)相当(そうとう)(やく)に立ってる。


「シガミーちゃぁん!?」

 なんだぜその、へっぴり(ごし)

「わかったぜ。付いててやるから、安心(あんしん)しろ。もう(こわ)いことはねぇよ。もし(なに)か有ってもおれが、タターを(まも)れねぇと(おも)うか?」

 ぎゅっと手を(にぎ)り、そう言ってやる。


 ぎゅっと(にぎ)っったものの、彼女(タター)(ほう)(すこ)し手が(おお)きい。

 これじゃ安心(あんしん)なんてさせて、やれねぇんじゃ――


「ふぅ――、ありがとう♪」

 (なん)大丈夫(だいじょうぶ)そうで、良かった。


「まったくもう、シガミーはこれだからもう……ぶつぶつ」

 (はち)(また)(ほほ)を染めていたが、目が合ったら――

 そっぽを向かれた。(なん)だぜ?

 レイダやビビビーやルガレイニアは時折(ときおり)こういう風(・・・・・)におれを見てる(とき)がある。


 ふぉん♪

『>やはりシガミーの体格に、不安を感じているのではないかと推測されます』

 そうかもなぁ、(はえ)ぇとこ立端(たっぱ)が伸びてくれりゃ良いんだが。

 (いま)のままじゃ、ニゲルや女将(おかみ)さんなんかには――

 勝てる気がしねぇからなぁ。


   §


 どさどささっ、スルルルルッ――キュキュキュキュキュッ♪

 やたらと(ふと)不格好(ぶかっこう)導線(どうせん)が、縦横無尽(じゅうおうむじん)に這い(まわ)る。

 ドカン、バゴン――ガガガガゴッ、ガッチャリ!

 金網(かなあみ)鉄製(てつせい)(やぐら)に、取り付けられていく魔法杖(つえ)魔法具(まほうぐ)

 そんな(もの)で埋め尽くされていく、建物(たてもの)


「ひっひひひぃぃん?」

 大勢(おおぜい)学者方(がくしゃかた)や、おれたちに繁々(しげしげ)と見つめられ――

 落ち着かない様子(ようす)天ぷら号(こうま)


「どうやらこの尻尾(しっぽ)は、龍脈(りゅうみゃく)(なが)れを敏感(びんかん)に感じ取っているようで……す?」

 頭突き女(モゼル)がモコモコした(かみ)を揺らし、(くび)(かたむ)ける。

「それがどうして、こうがっちりとくっ付いちまうんだ……ぜ?」

 おれも(おな)じ向きに、(くび)を曲げてみせる。


「わかりませんららぁぁん?」

 子馬(うまゴーレム)天ぷら号(テンプーラゴウ)設計制作元(うみのおや)の、小首(くび)(かたむ)いた。


 うむ、(らち)が明かん。

 少女(しょうじょ)タターは肌着(はだぎ)のまま、子馬(こうま)尻尾(しっぽ)手首(てくび)を張り付かせている。

 給仕服(メイドふく)止め金具(カフス)(はず)しても、(なん)意味(いみ)も無かったぞ。


「(こりゃ、おれが轟雷(ごうらい)を着るしかねぇんじゃ?)」

 ふぉん♪

『>腕時計に格納された轟雷は自動的に、修復ならびに神力の充填がされ、万全の状態です』

 ほぅ、腕時計(うでのやつ)(なか)(めし)を食わせてやれるのか。そりゃ面倒(めんどう)がなくて良いやな。


「にゃみゃん♪」

 お(ねこ)さまが手甲(てっこう)をガチャリと(かま)え、設置(せっち)された鉄台(どだい)から――

 ガシャリとアダマンタイトを、引っこ抜いた。


 白金(はっきん)角棒(かくぼう)が、(さら)(ちか)づけられる。

 おれは錫杖(しゃくじょう)をじゃりんと(かま)え、万一(まんいち)(そな)えた。


 ヴォヴォヴォヴォォォォゥン♪

「ぅわわぁわっ」

 希少鉱石(アダマンタイト)(つよ)(うな)りに、(おび)えるタター。


 一瞬(いっしゅん)緊張(きんちょう)、ヴォッシュルン♪

 子馬(こうま)尻尾(しっぽ)がタターの手から、ふわさりと(はず)れ――

 ギュルルッ、ガチィンッ♪

 アダマンタイトに、(から)みついた。


 尻尾(しっぽ)から解放(かいほう)された少女(タター)(かお)は、(ほう)けていた。


「――大実験(だイじっけん)ハ、大成功(だいせイこう)だニャァ♪――」

 (ロォグ)小躍(こおど)りをした――ゴガッ!

 ぱらぱらと天井近くの鉄柱が、削れて落ちてきた。

(あぶ)ねっ!? (なげ)ぇんだから、気をつけてくれやぁ!」

「――にゃぁーご♪――」

 (みみ)を伏せ、ばつの(わる)そうな(かお)をする、お猫さま(ロォグ)


「ふーっ! 仮説通(かせつどお)りの振る舞いを、見せましたね♪」

「まさに大成功(だいせいこう)ですららぁぁん♪」

 イエーイと手を打ち鳴らす、秘書(ひしょ)王女(おうじょ)


 (なに)大成功(だいせいこう)なのかは、さっぱりわからんが――

尻尾(しっぽ)(はず)れて良かったな?」

「うん、ありがとう♪」

 尻尾(しっぽ)(はず)れたことを(よろこ)び、少女(タター)(わら)ってるなら――

 それは良いことだ。


「では、シガミーちゃぁん。アダマンタイトにぃ、(さわ)ってみてらららぁぁん?」

 王女殿下(おうじょでんか)(こえ)が、不意(ふい)に飛んできた。


「にゃにゃぁーん♪」

 アダマンタイトを持ち上げ、首輪(くびわ)をチリンと鳴らす。

 すると革製(かわせい)装備(そうび)のような(もの)が、(ゆか)に落ちた。


「みゃにゃぎゃ、にゃやみゃにゃぁぁーん()

 ぱたん♪

『「危ないから、この装備を付けるんだもの」って言ってるんだもの♪』

 ふぉん♪

『シガミー>おにぎり、お前。その白い服と眼鏡、誰に貰った?』

 ふぉん♪

『おにぎり>ケットーシィからだもの。首輪から出てきたんだもの』

 やっぱりか。そうなると、あの首輪(くびわ)は――おれたちの絵で板(エディタ)みたいな(もの)じゃね?


「こちらです」

 羊の獣人(モゼル)(ひろ)って(わた)してきたのは、何重(いくえ)にも(かさ)ねられた革製(かわせい)手甲(てっこう)だった。


「よし、やってやらぁ――すぽん♪」

 錫杖(しゃくじょう)仕舞(しま)(わた)されたソレを付け、手を延ばすと――

 ぎゅぎゅるっ――――――――ごぉん♪


 おれの手がアダマンタイトに、吸い寄せられた(・・・・・・・)


龍脈(りゅうみゃく)(なが)れは、地表(ちひょう)にも(かす)かに(ただよ)っているのよ」

「そうでなければ薬効成分(やっこうせいぶん)のある(くさ)毒草(どくそう)が、生えることはないですからね」

 学者方(がくしゃかた)たちが、そう説明(せつめい)してくれた。

 こと(くさ)(かん)してなら薬草師(やくそうし)のおれには、(なん)でもわかるが――

 それは知らなかったぞ。


「けどそれとアダマンタイトに、(なん)関係(かんけい)があるんでぇい?」

 おれの(くび)(また)、曲がる。

子馬(こうま)ちゃんの尻尾(しっぽ)は、(あし)から上がってきた龍脈(りゅうみゃく)(なが)れを――どこかへ逃がそうとしているようです」

 秘書(ひしょ)マルチヴィルが、(ふと)導線(どうせん)(つな)がった黒板(タブレット)を見せてきた。

 わからんし、(おな)(もの)がおれの画面(モニタ)にも見えている。


「それがタターちゃんたち、ネネルド(むら)(ひと)たちの手が吸い寄せられる原因(げんいん)だわ」

 頭突き女(フワフワモコモコ)鉄鍋(てつなべ)のような(なに)かを、子馬(こうま)へ向けつつ(はなし)(つな)ぐ。

 衝撃(しょうげき)事実(じじつ)だが――


 ふぉん♪

『>常に一緒に行動しているおにぎりの体が、一切影響を受けず与えないのは、その体の中に何も入っていないからと類推できます』

 (しき)(くう)だな、それはわかる。


「じゃ、いま尻尾(しっぽ)がタターの手から、アダマンタイトに(うつ)ったのは?」

 ――なんでなんだぜ?


「そコからは、アダマンタイトの特性(とくセい)(かカ)わル(はナし)にナるニャ♪」

 バタンと横壁(かべ)に開いた(ちい)さな(とびら)から、(かお)を出す猫頭(ねこあたま)


「わっ、(おど)かすなぃ!」

 猫頭(ねこあたま)顧問氏(こもんし)(ねこ)素早(すばや)さで(とびら)をくぐり抜け、部屋(へや)(なか)(はい)ってきた。


「ニャフフ、アダマンタイトがタターさんを(えら)んだって言うんなら、アダマンタイトはタターさんの手にくっつくべきだと(おも)うだろう?」

 呆気(あっけ)にとられる、おれたちの(あいだ)(とお)り抜け――

 お猫さま(ロォグ)背後(はいご)(まわ)る、顧問技師(こもんぎし)ミャッド。


「ソレも適性(てきせい)(ひと)つではあるけど――ゥニャッ♪」

 顧問氏(こもんし)がアダマンタイトを持つ、お(ねこ)さまを抱き上げ――

 こともあろうか、おれの(ほう)へ向けた!

 ヴォヴォヴォヴォゥゥンッ――――♪


「あっぶねっ――――!!!!」

 ボゴゴォォォン!!!

 おれは咄嗟(とっさ)に付けたままの、革製(かわせい)手甲(てっこう)(ふせ)いだ!

 アダマンタイトはおれの(うで)(つよ)くぶつかり、そのまま(はず)れなくなった。


「つまり、受け入れた龍脈(りゅうみゃく)(なが)れを地へ逃がす体質(・・・・・・・)。そうでも無けりゃ――」

「こうなるって(わけ)か!? (はず)れん!」

 アダマンタイトが(うな)ると、(もの)がくっついたり(はな)れたり――しやがるのはわかった!


「そういうことだニャァ――ぼかりっ!?」

 おれとお猫さま(ロォグ)たちが、(から)まってると――


 秘書の人(マルチヴィル)上司(ミャッド)を、(こぶし)(なぐ)りつけた。

(いた)い、(なに)するニャァ!?」

現在(げんざい)この研究室(けんきゅうしつ)は、男子禁制(だんしきんせい)です! お(わす)れですかぁ?」

 持ち上げられる、鉄鍋(てつなべ)みたいな研究道具(けんきゅうどうぐ)


 巻き込まれては、(かな)わん。

 おれは(から)まるお猫さま(ロォグ)どもを、引き剥がして――

 脱兎(だっと)(ごと)く、逃げ出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ