表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

539/744

539:トリュフ橋近くの町、超高高度プラットフォーム技術について

「それでどう対処(たいしょ)するか、相談(そうだん)に来たってわけか?」

 どうしたもんだぜ?

「いや、それがさぁ――」

 ニゲルが(なに)か言い(よど)んでやがるから――


(みず)でも飲んで、落ち着くか」

 ひとまずは応接室(おうせつしつ)へ。


「リカルルさま、ずるいっ!」

 生意気(なまいき)子供筆頭(こどもひっとう)のレイダが、お貴族(きぞく)さまに文句(もんく)を言ってやがるぜ。

 そのリカルルはといえばガシリと、お(ねこ)さまを抱きかかえ――

「みゃに゛ゃーん♪」

 ででで、ででででっ♪

 (ほお)ずりする(つら)を、うしろ(あし)で蹴られてやがる。

 どこ行ったと(おも)ってたら、まだとっ(つか)まってやがったのか。


「うふうふうふふ、(いた)たた。くすくすくす、(いた)いですわよ♪」

 蹴られてるのに、すげぇ(うれ)しそうだぜ。

「リカルルさま、ずるい! (わたし)も!」

 やや生意気(なまいき)子供(こども)ビビビーが、レイダとは反対側(はんたいがわ)から手を伸ばしている。


仕方有(しかたあ)りませんわねぇ♪ 順番(じゅんばん)ですわよぉ?」

 長椅子中央(ながいすちゅうおう)陣取(じんど)彼女(かのじょ)は、まるで我が家のように(くつろ)いでいた。

 家宝(かほう)甲冑(かっちゅう)仕舞(しま)われ、普段町(ふだんまち)で着ているような派手目(はでめ)なドレス姿(すがた)着替えている(・・・・・・)

 早着替(はやきがえ)えの変身ベルト(しゅうのうまほうぐ)は、ちゃんと使(つか)えているようだ。


侍女長(じじょちょう)(ねこ)魔物(まもの)(はじ)めて見ましたけどっ、かわいらしぃですねぇー♪」

本当(ほんとう)ですね、うふふふ♪」

 荒れ果てた応接室(おうせつしつ)片付(かたづ)けをしながら、給仕服姿(メイドすがた)二人(ふたり)が口元を(ほころ)ばせている。


「うぬぅ、(チイ)さき(モノ)に会うのは150(ネン)ぶりだ」

「かわのい、かわのい♪」

 火龍少年(ゲートルブ)ゲイルと第四師団長(ミラカルカ)が、お(ねこ)さまを撫でる列(・・・・)(なら)ぶ。


「あまり(かま)うと、引っかかれますよ」

 と言いつつもフッカ(はは)は、満更(まんざら)でもない様子(ようす)だった。



「ソレなんだけどニャァ――♪」

 ややガサガサした(こえ)に振り向くと――

 転移扉(てんいとびら)を抜けてきたのか、顧問技師(こもんぎし)ミャッドが戸口(とぐち)に立っていた。


 ソレって(なん)だぜ。突然出(とつぜんで)てくるなよ、(おどろ)くだろーが!

 ふぉん♪

『>先ほどのニゲルとの会話、央都で発見された〝巨木の果実〟のことと思われます』


辺境伯(へんきょうはく)名代(みょうだい)……元魔導騎士団(もとまどうきしだん)総大将(そうだいしょう)さまが、(かか)えてどこかへ飛んで行ったニャァ♪」

 口元(くちもと)に手を当てる顧問技師(こもんぎし)

 その(かお)(あお)ざめている気もするけど、緑色(みどりいろ)毛皮(けがわ)(はば)まれて本当(ほんとう)顔色(かおいろ)はわからん。


「はぁ――!? そーいうことか。それならついさっき、この(うえ)を飛んで行きやがったぜ? うるせぇのうるさくねぇのってよ!」

 片耳(かたみみ)を押さえ、(ひび)(はい)天井(てんじょう)(ゆび)さしてやる。


「あら、そうでしたの? ならこの(さき)大渓谷最奥(だいけいこくさいおく)火山(かざん)にでも捨てに行ったんでしょうね」

 ふうぃ。さっき飛んでったのはそういうことか。

 危険(きけん)な木の実を、火山(かざん)に捨てに行ったと。

 おれはガムラン町最寄(ちょうもよ)りの、火山(かざん)(ぬし)だった少年(ゲイル)を見た。

 その目は、小さき者(ケットーシィ)の揺れる尾に(そそ)がれている。


 ふぅん……なるほど?

火山(かざん)なぁ……」

 さすがの巨木(きょぼく)(たね)だって、火に()べられりゃ――


 ふぉん♪

『>シガミー。央都の神木の果実は、卵と勘違いしたイオノファラーが茹でたことで、発火したのをお忘れですか?』

 やっぱ駄目(だめ)か。


「はっははは――(はや)く、奥方(おくがた)さまを呼び出せやぁー!」

 丸茸(メガミ)をつかんで、怒鳴(どな)った。

「ぎゃっ――ルリーロちゃん? (べつ)に良いけど……あれ? スマホどこやったっけ()

「おれが持ってらぁ――ほらよ」

 ヴッ――薄桜色(ピンクいろ)薄板(それ)を取り出して、ムギュリと押しつけた。


 ピポポン――♪

「あらら? 『現在電波(げんざいでんぱ)(とど)かない(ところ)――』になっちゃってる()

 ふぉん♪

『>女神像ネットワークを利用した通信チャンネルは、音速で移動する対象との通話を維持出来ません』


 ふぉん♪

『イオノ>ぅふーん? じゃぁ超高速移動体通信用に基地局ドローンでも上空に飛ばしてよん』

 ふぉん♪

『>ドローンでは追跡不可能です。どのみち相対速度が音速を超えた時点で、回線経路が切断されます』


 ふぉん♪

『イオノ>なら、あたくしさまが音速で追いかけないと無理ってことね?』

 ふぉん♪

『>現状では。2222年現在、成層圏で使用されている、超高高度通信技術を導入出来るなら、マッハ14までスマホによる通話が可能になりますが』


 ふぉん♪

『イオノ>ばかね。一介の非常勤講師に、そんな軍事技術が開示されてるわけ無いでしょ』


「お手上(てあげ)げわよ。(はや)すぎて(つか)まらないわっ、ウケッケケケケケッ()

 すぽんと薄板(うすいた)仕舞(しま)う、丸茸御神体(いおのはら)

「ちっ、神々の技術(ちから)も大したこたぁねぇなぁ!」

 (もら)っといた薄板(スマホ)を取られちまったが、まあ良いか。

 迅雷(ジンライ)が居るおれには、やっぱり必要(ひつよう)ねぇ。


 ふぉん♪

何言(なにい)ってんのさっ、女神像(めがみぞう)わぁー万能(ばんのう)神器(しんき)じゃ有りまっせぇぇーん! ファンタジー世界(せかい)超高高度(ちょうこうこうど)プラットフォーム技術(ぎじゅつ)がぁ必要(ひつよう)になる(ほう)が、お・か・し・い・でしょーがぁ!」


「知らんし、わからん。じゃあ、しかたがねぇ――」

 おれはとんと長椅子(ながいす)近寄(ちかよ)り――

 お猫さま(ケットーシィ)外套(ローブ)頭巾(ずきん)を、つかみ上げた。


「ふにゃぁー?」

 前回(まえ)(おな)じく、もの(すご)気の抜けた(・・・・・)(つら)をしてやがる。


「お(ねこ)さまよぅ、(れい)のアダマンタイト(せい)装備(そうび)。〝どんな炎系(ほのおけい)にも勝てる奴(・・・・)〟ってのを(ひと)つ、(つく)ってくれや!」

超高高度プラットフォーム技術/成層圏環境で運用される空中プラットフォームを支える技術群。HAPSとも呼ばれ、高高度における通信インフラだけでなく、成層圏を自律航行する航空機体のための母艦としても運用されている。地球低軌道を視野に入れた発射台としても期待されていたが、謎の発光現象により実現には至っていない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ