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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

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537/744

537:旧カピパラポテパケギウス領ザンクネリキキマギバネロベネグラムタタラディッシュ新町、町内紛争終結

「この家宝(かほう)甲冑(かっちゅう)は、(はは)お下がり(・・・・)ですわ。「サイズが合わなくなったから、リカルルちゃんにあげるわぁ♪」とか言って」

 (ふく)らみのある胸板(むないた)手甲(てっこう)でガガンと、(たた)いてみせるご令嬢(リカルル)

 流石(さすが)家宝(かほう)か、傷一(きずひと)つ付かない。


「あれ? それってさぁ、おかしくなぁいぃー? ルリーロちゃんわぁー、茅野姫(かやのひめ)ちゃんくらいのぉー身長(しんちょう)でしょぉー()

 ヴッ――すぽん♪

 おれの(あたま)にしがみ付いていた、御神体(まるきのこ)さまが――

「あら、くすくす♪ どうぞ、よしなに()

 てちり。茅野姫(ほしがみ)頭上(ずじょう)に、舞い降りた。


 リカルル(ひめ)の、(あか)甲冑(かっちゅう)を見やる。

 ふぉん♪

『朱狐シリーズ【多目的機動戦闘四足歩行車両】

 古より伝わる最古のアーティファクト』


 気を利かせた迅雷(ジンライ)が、装備(かっちゅう)記録(ブクマ)を見せてくれた。

 こいつわぁ、五百乃大角(いおのはら)兄神(あにがみ)さまが、(つく)ったらしい(もの)で。

 切り(むす)んでから15(ぷん)で、攻撃力(ATK)(ばい)になる。


「(とんでもねぇ性能(せいのう)だがぁ――)」

 装備(そうび)する人間(ひと)に合わせて伸び縮む(・・・・)なんてことわぁ、書いてねぇぞ?

 装備品(そうびひん)中肉中背(ちゅうにくちゅうぜい)なら、大柄(おおがら)小柄(こがら)(はば)を超えて着られる。

 それが着れなくなったってこたぁ太った(・・・)か、あるいは――


「するってぇと、ルリーロさまの(からだ)がぁ――(ちぢ)んだってことか?」

 200(さい)(とし)を取りゃぁ、(ちぢ)んだりもするだろうが――

 どうも、わからんな。


「そウですね。(イま)(ふカ)(かンが)えルのはよしましょ()

 ふぉん♪

『イオノ>そーわねん。シガミーだって何もないところから、自分の体を作ったりしたんだから。若返るくらいのことは、起きても不思議はないわねん』


 おれに瓜二(うりふた)つの、おれの(からだ)

 それに(・・・)むんずと(とら)られた丸茸さま(いおのはら)がぁ――すぽん♪

 てちり――またおれの(あたま)(うえ)に、(もど)ってきやがった。


   §


「しかしそれにしても、まさかフォチャカのご両親(りょうしん)が、あの〝扇杖(おうじょう)炎鬼(えんき)〟と〝針刺はりさ(おとこ)だっただなんて、(おも)いもよりませんでしたわ!」

 驚嘆(きょうたん)(きん)じ得ない様子(ようす)の、リカルルご令嬢(れいじょう)


「わ、(わたし)もですぅー!?」

 両親たちの二つ名(・・・・・・・・)に、戸惑(とまど)いを(きん)じえない様子(ようす)のフォチャカ(じょう)


「お、奥方(おくがた)さまとお(はなし)になられてみては――ヴヴヴヴヴヴウヴッヴッ?」

 (はち)魔神(まじん)ルガレイニアが――(いき)を吹き(かえ)した!


「「ひっひぃぃぃぃぃぃいぃっぃいっ!?」」

 フッカと冒険者(ぼうけんしゃ)さまと――

「ぶっひぃぃぃぃいん――(はち)じゃぁ! な、(なん)という(おお)きさぞぉっ!?」

「ぴゃぁっ、(こわ)ぁいぞぉぉぉぉぉぉお――――――――!!!!」

 おっさんと子爵(ししゃく)さまが、手に手を取って(おそれ)れおののいてる。

 冒険者(ぼうけんしゃ)さまと子爵(ししゃく)さまは、置いて行かれちまったみてーだぜ。


 ふぉん♪

『>そのようですね。今、馬車が停止しました。じきに、そちらへ戻ると思われます』

 やれやれだ、よーっぽど(こわ)かったんだろうぜ。

 (かり)にも子爵(ししゃく)ともあろう(もの)の、じつに(なさ)けない姿(すがた)

 目頭(めがしら)を押さえつつも(たす)け起こそうと、蜂女(ルガさん)が――ヴヴヴヴヴヴヴヴッ♪


「「うっぎゃぁぁぁぁっ、(はち)ぃがぁ!」

「こっち来たぞぉぉぉっ!」

(こわ)ぁっ! でっかぁっ!」

 やれやれだ、よーっぽど(はち)がぁ、(こわ)かったんだろうなぁ。

 フッカと冒険者(ぼうけんしゃ)さまと、おっさんと子爵(ししゃく)さまが。

 それぞれひしと、抱き合ってやがる。


 こいつらわぁ、(なか)(わり)いわけじゃねぇーっぽいぞ。

 ふぉん♪

『>そのようですね。そもそも大事な娘、いえ息子を修行に預けているような間柄ですし』


「にゃぁぁぁん?」

 お(ねこ)さまが、また(うし)(あし)で立ち上がり、こっちを見てる。


「(おいどうする?)」

 猪蟹屋(ししがにや)としちゃ完全自律型(かんぜんじりつがた)裏天狗(うらてんぐ)か、予備(よび)緊急用(きんきゅうよう)女神像(めがみぞう)でも欲しいところだがよ。

 この場合(ばあい)仕方(しかた)なくね?


 ふぉん♪

『イオノ>そうわねん。今は兎に角、央都の揉め事を解決するのが先決よねん。超茸鍋のまえの小事如き、あたくしさまの料理番ならかっさばいて見せなさいな♪』


 女神(おまえさま)料理番(りょうりばん)てのわぁ、通りが良い(・・・・・)から言ってたが――

 大分(だいぶ)定着(ていちゃく)してきたぞ。

 実際(じっさい)におれぁ、この(うつつ)(まも)るため――

 「おれがお(まえ)さまに、(うま)(めし)を食わせてやる」と、約束(やくそく)したし――

 毎日(まいにち)、欠かさず(めし)(つく)ってやっている。


 ふぉん♪

『イオノ>〝たらふく〟が抜けてるわよ?』

 うるせぇ。


「なぁんかさ、これ。今度(こんど)こそ、抜けそうな気がする(・・・・・・・・・)わね?」

 嬉々(きき)とした狐耳(かお)が、突き刺さる(けん)へ向く。

「お止めください、お(じょう)さま。そのようなバランスが(わる)(けん)に触れると、お怪我(けが)をなさいますので――ヴヴヴヴヴヴウヴヴヴィ?」

 だから(なん)犬歯(けんし)(のぞ)かせて、()っるい(つら)して(わら)ってんだ?


「ふぅ。ま、(まった)く……リカルルさまは、自分(じぶん)がどれだけ可憐なのか(・・・・・)……自覚(じかく)してくれないと……ぼそり……(こま)るよ」

 ふらふらと起き上がる、青年(せいねん)ニゲル。


「んゆぐひゅぎょっぴゃぁぁぁぁぁっ――――!?!?!?」

 ニゲルの(けん)を引き抜き持ち上げようと、(かお)を真っ赤にするご令嬢(れいじょう)

 あられもない渾身(こんしん)蟹股(がにまた)に、可憐要素(かれんようそ)微塵(みじん)もない。


 (かり)にもこの(なか)じゃ、一番高貴(いちばんこうき)とされるご令嬢(れいじょう)が――

 んゆぐひゅぎょっぴゃぁぁぁぁぁっは、無い(・・)


「はいはい、リカルルさま。(あぶ)ないから手を、お(はな)しになってくださませ――ヴヴヴヴヴッ♪」

 近寄(ちかよ)ろうとするニゲル青年(ふとどきもの)を、足蹴(あしげ)にして退()かす蜂女(ルガレイニア)


「にゃぁ♪」

「みゃにゃがぁ()

「ひっひぃぃん?」

 猫馬がうるせぇ。

「「「「がやがやがやや、ざわざわざわわ!?」」」」

 子供たち(がきども)も、うるせぇ。


 室内(しつない)状況(じょうきょう)混迷(こんめい)(きわ)めた、そのとき――

「――――――――ッシュッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン――ドガンッ!」

 壁天井(かべてんじょう)から――(すさ)まじい轟音(ごうおん)が!


「なんだぁ!? うるせ――――――ぇ!?」

 一斉(いっせい)(そと)に出ると――轟音(それ)天から(・・・)(とどろ)いていた。


(かみなり)かぁっ――!?」

 見上(みあ)げた雲間(くもま)白線(はくせん)が、ゆっくりと引かれていく。


「ありゃあ、(なん)だぜ?」

 ふぉん♪

『>この世界で音速の壁を越えるのは、我々以外に一人しか居ません』


「ルリーロ……名代(みょうだい)さまの、山菜束の様な魔法杖(ルードホルド)かっ!?」

 白線(すじ)央都側(おうとがわ)から、伸びている(・・・・・)

 (いま)(まつりごと)がらみで、コントゥル辺境伯家(へんきょうはくけ)央都別邸(おうとべってい)隠遁(いんとん)してるはずじゃ?

 白線(まほうつえ)は真っ直ぐ(そら)二分(にぶん)し――(くも)の向こうへ消え去った。


「みゃにゃやーにゃ、みゃにゃにゃがみゃにゃや♪」

 おう、なんだぜ。お(ねこ)さまよ。


「みゃぎゃにゃがぁ。――――、――()

 おにぎりがこっちへ向けた、木板(きいた)を見た。


『「アダマンタイトの長い奴。今まで見た二つの内の、もう一つはアレにゃぁ♪」と言ってるんだもの』

 オリハルコンって聞いてた気もしたが、奥方さま(ルリーロ)め。

 (たばか)りやがったなぁ。

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