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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

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525/744

525:ツツィア子爵領紀行、子馬エンジニアリング

 ウォオゥン、ニョワァァン――♪


 顧問秘書(マルチヴィル)が貸してくれた、眼鏡(めがね)魔法具(まほうぐ)

 それ越しに見た物置小屋(ものおきごや)は――ピカカカカッ!

 とても(まぶ)しかった。

 ひっくりかえった子馬(こうま)目玉(・・)を、(まぶ)しいくらいに(ひか)らせていたからだ。


「なるほど。おれが(つく)った全天球(ぜんてんきゅう)レンズに、活力(マナ)大量(たいりょう)(うば)われてしまってるのか」

 おれは眼鏡(めがね)魔法具(まほうぐ)(かえ)した。


「ひぃん?」

 すっかり(あきら)め、四つ(あし)を伸ばす子馬(てんぷらごう)


「だからお(なか)が減って(ちから)が出ない、ということのようですね」

 そんな子馬(こうま)を撫でる顧問秘書(こもんひしょ)

 そういやぁ(てん)ぷら(ごう)後ろを見る(・・・・・)のに、わざわざ(くび)(まわ)してたっけ。


(うご)けん理由(りゆう)はわかったが――」 

 おれもかがみ込んで、子馬(こうま)(はら)を撫でてやる。

 こいつの設計(せっけい)は、ラプトル王女(おうじょ)だ。

 つまり、分解(バラ)してみないとわからねぇ。


「ふふーん――アニマトロニクスわぁ門外漢(もんがいかん)だけどぉ――、王女(おうじょ)さまの設計思想(せっけいしそう)わぁ――中々(なかなか)どうしてぇ――理にかなってたみたいねぇん()

 おれの(あたま)(うえ)から、素っ頓狂(とんきょう)(こえ)がする。


「知ったふうな(くち)を利くんじゃありませんわぜ……(なん)かわかったのか?」

 糸紡(いとつむ)ぎはやめた。もう一生(いっしょう)しねぇつもりだ。

 また(からだ)勝手(かって)歩き出したら(・・・・・・)今度(こんど)はどこに行くかわからんからな。


「うん。あの(すさ)まじく鋭利(えいり)(とが)った目玉(カメラレンズ)わぁ、みぃーんなに(おそ)れられてたけどさぁ。〝超高燃費(ちょうこうねんぴ)〟っていうぅ良いところもぉー、有ったんだなぁーって()

 古畝皮(こうねんぴ)てなぁ、(なん)だぜ?


 ふぉん♪

『ヒント>高燃費/油が燃えて火を灯すときの効率。燃料費』

「うむぅ? つまり王女(おうじょ)(つく)った目玉(レンズ)のほうが、出来(でき)が良かったってことかぁ?」

 そいつぁなんか、ものすごく(くや)しいなあ?


出来(でき)はともかく、(てん)ぷら(ごう)最適化(さいてきか)されてたのわぁ――間違(まちが)いないわねぇーん()

 顧問技師(ミャッド)王女殿下(ラプトル)(はなし)を聞けば直ぐに、わかったことではあるが――


「そうだぜ。このゴーレム(うま)にわぁ、王女(おうじょ)がなんかの……なんだっけ、ドルイドの自然力(しぜんりょく)……だとか言うスキルも使(つか)ってるんだったぜ」

 五百乃大角(いおのはら)言葉(ことば)(おも)い出したが――


「ドルイドの自然力(しぜんりょく)……王女殿下(おうじょでんか)はゴーレム(ひめ)(おそ)れられる以前(いぜん)は、たしかに〝自然(しぜん)(あい)するドルイド(ひめ)〟と(した)われていましたが」

 いつもの手帳(てちょう)(なに)かを、書き(しる)顧問秘書(こもんひしょ)


「その自然力(しぜんりょく)てのわぁ、(なん)でぇい?」

 もう訊く、超訊(ちょうき)いてみる。

 轟雷(ごうらい)を着るたびに身についてきた〝神々(かみがみ)や、この世界(せかい)(ことわり)〟を、(いま)こそ役立(やくだ)てるときだろ。

 【地球大百科辞典】とかいうスキルもあるしな。


「それが、王女ご自身(・・・・・)も「よくは、わからないですらららぁぁん♪」と、よく(なげ)いていました……はぁぁあぁ」

 (かお)(はち)()にするマルチヴィル。

 自身(じしん)学者方(がくしゃかた)である学者方(がくしゃかた)のまとめ(やく)が、でかい(いき)を吐いた。


「なんだぜ、わからねーのかよ!」

 つい、怒鳴(どな)ると――

「ひひっひいぃぃん?」

 一瞬(いっしゅん)ジタバタして、またすぐ四つ(あし)をピンと伸ばす(てん)ぷら(ごう)


 この子馬(こうま)が、おにぎりほどではないにしても、こうして自分(じぶん)(かんが)えて(うご)いているのは――

 間違(まちが)いなくラプトル王女(おうじょ)の、スキルか魔法(まほう)のおかげだ。


 現在(げんざい)猪蟹屋(ししがにや)総力(そうりょく)をあげて(さが)している――

 神々(かみがみ)世界(せかい)使(つか)われていた……太古(たいこ)のアーティファクト?

 迅雷(じんらい)(つく)るための、酢蛸(すだぁこ)……SDK(エスディーケー)というなんか、そんなやつ。


 それと似たことが出来(でき)るのが、おにぎりの(もと)になった――

 廃棄(はいき)された女神像(めがみぞう)(なか)から採れた、三角(さんかく)(はこ)で。

 それは二つ合わせると(・・・・・・・)SDK代(エスディーケーが)わりになる。

 くっつけるのにコツが要るが、五百乃大角(いおのはら)得意(とくい)だから――

 三角(さんかく)(はこ)さえ有りゃぁ、無人工房や裏天狗(うらてんぐ)使(つか)えて便利(べんり)なんだが。


 ふぉん♪

『シガミー>おい、五百乃大角よ』

 ふぉん♪

『イオノ>なによ、一行表示なんて使って?』

 ふぉん♪

『シガミー>例のおにぎり型の箱のことを、秘書さんに話しても良いか?』


 ふぉん♪

『品代として――1,500パケタ

  廃棄された古代の女神像から回収した謎の遺物』

 〝おにぎり(がた)の、おにぎりの(もと)〟を買ったときの内訳(うちわけ)が、表示(ひょうじ)された。

 ミャッドから買った、三角形の箱(おにぎり)(ふた)つ。


 出所(でどころ)魔導騎士団(まどうきしだん)倉庫(そうこ)で、それ以上(いじょう)(くわ)しい(はなし)は――

 ミャッドたちにも、まだわかってないらしいが。


 ふぉん♪

『イオノ>なんで、どうして?』

 ふぉん♪

『>天ぷら号の動かし方の参考になるだろ』


 ふぉん♪

『イオノ>そうわね。そうしましょ。けど、〝着ぐるみ〟に中の人なんていたら興ざめだし、広く知られたら〝おにぎり〟を作ろうとする人が現れないとも限らないから』


秘書子(ひしょこ)ちゃぁん、ちょぉーっとお(みみ)を貸してくださらないかしるぁーん()

 マルチヴィルの(かた)に飛び乗る、御神体(まるきのこ)


(じつ)はなぁ、此処(ここ)だけの(はなし)にして欲しいんだけど……ミャッドは、たぶん気づいてると(おも)うが――」

 おれたちは子馬(こうま)(かげ)(かく)れ、内緒話(ないしょばなし)をする。


「あのぉーう? そろそろ(たす)けてくれませんかぁー?」

 子馬(こうま)尻尾(しっぽ)(から)まった少女(しょうじょ)メイド・タターが、顧問秘書(マルチヴィル)のすぐ(うし)ろで(たす)けを(もと)めている。


「きゃぁっ、(わたし)(から)まっちゃったぁー♪」

 こともあろうか子供(こども)・レイダが、内緒の話をする(・・・・・・・)おれと秘書(マルチヴィル)(あいだ)に――割って(はい)ってきやがった。

 とんでもなく邪魔(じゃま)だが、相手(あいて)をするといつまでも(はなし)(すす)まねぇから、この(さい)()っとく。

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