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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

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520/744

520:ツツィア子爵領紀行、トリュフ橋への道

「ふぅーぃ。全員居(ぜんいんい)るなぁー?」

 ここはトリュフ橋最寄(ばしもよ)りの女神像(めがみぞう)

 央都(おうと)大女神像(だいめがみぞう)から、一瞬(いっしゅん)で飛んできた。

 ガムラン(ちょう)(くら)べたら、よっぽど(ちか)くだからな。


「「「「「「「「「ははーぃ」」」」」」」――わよ()」――プークス()

 気の抜けた返事(へんじ)が、(かえ)ってくる。


「にゃみゃぎゃー()

「ひっひひぃぃぃん?」

全員無事(ぜんいんブじ)到着(とうチゃく)しまシ()

 よし。


 転移料金(てんいりょうきん)大女神像(だいめがみぞう)の間まで見送(みおく)りにきた、ご令嬢(リカルル)が出してくれたのでとても(たす)かった。

人数割(にんずうわ)り〟と〝女神割(めがみわ)り〟と〝星神割(ほしがみわ)り〟とやらが利いたが、それでもそこそこの値段(ねだん)だったからなー。


「(シガミーと(わたし)とイオノファラー、そして茅野姫(カヤノヒメ)だけなら、格安(かくやす)使(つか)方法(ほうほう)も無くはありませんが――)」

 そーなの?


「(この大人数(おおにんずう)でわぁ無理(むり)よねぇん。神域惑星(しんいきわくせい)から飛ぶ(ぶん)には、お(かね)は掛からないけどっさぁー)

 駄目(だめ)なの?


「(残念(ざんねん)ながら、段取(だんどり)りが(わる)かったですね。深夜(しんや)でしたら、まず(わたくし)先行(せんこう)して転移扉(てんいとびら)設置(せっち)しておくことも可能(かのう)でしたが、プークス())」

 そーいう(こと)か、了解(りょうかい)した。


 猪蟹屋(ししがにや)として使(つか)える(かね)は無くは無いが、(いま)色々(いろいろ)支払(しはら)(ぶん)が立て込んでいて――

 (みぎ)から(ひだり)へ飛んで行っちまうからな。


「(こりゃぁ、星神(ほしがみ)さまを(たしな)めてばかりも居られん。一度(いちど)くれぇ、大商い(・・・)でもしねぇとな)」

 最悪(あいさく)変異種(ナリアント)を見つけるか、神々(かみがみ)世界(せかい)(もの)(つく)って売るかしなきゃ、(みせ)(まわ)らん。


 ふぉん♪

『>シガミーというか天狗の個人資産としてなら、コントゥル領の年間予算の約10%もの額の収入の当てがあるのではありませんか?』

 ふぉん♪

『シガミー>はぁ? そんなもんが有ったらとっくに使ってらぁ!?』


 ふぉん♪

『マナ宝石【超特選】/

 非常に希少かつ巨大な、活力の塊。

 女神像を凌駕するほどの活力を、蓄えている。

 価格/31500000パケタ』

 飛び出したのは、(ちい)さな小窓(がめん)

 (なん)だよ、そいつの(はなし)か。

 ぬか(よろこ)びを、させるんじゃねぇやい!


「(そいつぁ、もう使(つか)っちまっただろ。とても(かね)なんか(もら)えねぇ」

 そもそも、ギルドを(こわ)した原因(げんいん)半分(はんぶん)はおれだし――

 神域惑星(しんいきわくせい)との行き来をするのに、猪蟹屋(おれたち)使(つか)ってるもんだし。


 ふぉん♪

『>では、その他の在庫品の中から、何かレアアイテムを売却しますか?』


「(馬鹿野郎(ばかやろう)。ミノタウ素材(そざい)精算(せいさん)には、もうちょっと掛かりそうだし(ほか)に売れる(もの)なんて(のこ)ってねぇだろが! (あず)かってる魔法具(まほうぐ)なんかは全部(ぜんぶ)ガラクタだしよぉ)」


 名代(みょうだい)からの一式装備(いっしきそうび)納品(のうひん)クエストの代金(だいきん)成功報酬(せいこうほうしゅう)と――

 装備修繕(そうびしゅうぜん)クエストの成功報酬(せいこうほうしゅう)わぁ――

 央都猪蟹屋(おうとししがにや)買うのに(・・・・)使(つか)っちまったし。


「ふぅぅぃ」

 (いき)を吐き女神像横(めがみぞうよこ)の、くぼんだ通路(つうろ)を見つめる。

 その行き止まりに転移陣(てんいじん)が、うっすらと(えが)かれていた。

 基本的(きほんてき)これは来る物(・・・・・・)で、行く用には(・・・・・)出来(でき)てない。


 行く用(・・・)出来(でき)ているのは――

 央都(おうと)大女神像(・・・・)と、ガムラン(ちょう)超女神像(・・・・)と――

 神域惑星(しんいきわくせい)御神体像(・・・・)三つだけ(・・・・)だ。

 それぞれに飛ぶための決まりや、(こま)かな条件(じょうけん)なんかもある。

 転移陣(てんいじん)自由(じゆう)に行き来は、まだ出来(でき)そうも無い。


「じゃぁ、付いてきてくれー!」

 おれは先陣(せんじん)を切って、(ある)き出す。

 スッタスタタ♪

 おれと迅雷(ジンライ)

 根菜(いおのはら)茅野姫(ほしがみ)

 ドタタタタタッタ♪

 子供(レイダ)子供(ビビビー)

 メイド(タター)少年(ゲイル)


 (ほそ)通路(つうろ)数珠(じゅず)つなぎ。

 カツカツ、コツコツ、カツカツカツ♪

 顧問秘書(マルチヴィル)第四師団団長(ミラカルカ)、そしてフッカ(じょう)


 ぽっきゅぽっきゅ、ぽっきゅらぽっきゅららっ♪

 おにぎりと(てん)ぷら(ごう)


 (すこ)し混んでた、ギルド支部(しぶ)受付(うけつけ)

 顧問秘書(マルチヴィル)サキラテ家ご令嬢(ビビビー)冒険者カード(・・・・・・)を見せたら――

 口添(くちぞ)えもなしで、そのまま関門(ゲート)(とお)り抜けられた。

「(人選(じんせん)間違(まちが)いは、無かったな)」


   §


 さて(そと)に出た。

 わいわいわいわい、がやがやがやがやがや♪

 それなりに活気(かっき)がある町並(まちな)み。


 ここから(さき)轟雷(ごうらい)で、一息(ひといき)に飛んで……行ける(かん)じじゃねーな。

 秘書(ひしょ)さんや師団長(わらし)制服(ふく)のおかげか、余所者扱(よそものあつか)いこそされねぇが。


「みゃにゃぎゃにゃぁーお()

 おにぎりが動くと(・・・)町人(ちょうにん)冒険者(ぼうけんしゃ)たちが――


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「うぎゃっ!? (ねこ)魔物(まもの)ぉっ――!?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」

 寄せては引く、(なみ)のようだぜ――


「「面白い♪」――ね♪」――わねん()

「プークス()

 言ってる場合(ばあい)じゃ無いだろ、お(まえ)らぁ。


 総勢(そうぜい)(めい)と2(ひき)一個(いっこ)一本(いっぽん)

 頭数(あたまかず)としちゃ12。

 子供(ガキ)(おお)いから、どうしても目立(めだ)つ。


「このままここに居るとサキラテ家ご令嬢(れいじょう)ヴィヴィーちゃんへ、御目通(おめどお)りをしたい(ひと)であふれかえる危険(きけん)があります」

 秘書(ひしょ)さんが、そう(おど)かすまでもなく――

 すっげー見られてるな。

 ひとまず、ここを(はな)れるぞ。


「とりあえず馬車(ばしゃ)を出して、(てん)ぷら(ごう)に引いてもらおう」

「ひひひひひひっひひぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ?」

 あーもー、わかった。

 はしゃぐな、(あぶ)ねぇ。


 ヴッ――――ドズゥン、ギッチャ♪

 ギルド支部(しぶ)裏手(うらて)で、馬車(ばしゃ)を出した。


 カチャカチャカチャララッ――――!

 馬車(ばしゃ)から伸ばした、大小様々(だいしょうさまざま)機械腕(プロダクトアーム)

 その(はし)(くら)に、(つな)いでやる。


 ぽっきゅらぽきゅらららっ――――♪

爪音(おと)間抜(まぬ)けだが、並みの(うま)よか(はえ)ぇぜ!」

 御者(ぎょしゃ)も無しに(はし)馬車(ばしゃ)も、目立(めだ)つから――

 おれが馬車(ばしゃ)のまえに(すわ)った。


 ぽっきゅらぽきゅらららっ――――♪

 よーし、(まち)を出るぞぉー。

 馬車(ばしゃ)(まど)から秘書(ひしょ)さんが、身を乗り出すと――

 (まち)衛兵(えいへい)(もん)両端(りょうはし)に、避けてくれた。


 ヴォォゥン♪

 地図(ちず)によれば、まっすぐ(みち)(つづ)いている。


 ぽっきゅらぽきゅらららっ――――♪

 (ほど)なくして、分かれ(みち)があり――

 片方(かたほう)が『トリュフ橋』、反対側(はんたいがわ)は『モップ渓谷』。


「とまれー!」

 ぎゅぎぎぎいぃぃぃいいいい♪

 モップ渓谷側(けいこくがわ)から来た、一台(いちだい)馬車(ばしゃ)と出くわした。

 パッカラパッカラパッカラッ――――ヒヒィィィン♪

 そうそう、(ひづめ)(おと)(いなな)きってのは、こうじゃねーとなぁ。


 トリュフ(ばし)までの(みち)は、(かた)岩場(いわば)(つづ)いている。

 そして相当(そうとう)(ひら)けているから――

 併走(へいそう)しても、ぶつかることはない。

 おれたちの(よこ)(うま)に引かれた馬車(ばしゃ)が……追い抜いていく。


「ひひひひひぃぃぃぃぃぃんっ?」

 ぽっきゅらら、ぽぽきゅらららら♪


「おい、がんばれ(てん)ぷら(ごう)?」

 おれが御者(ぎょしゃ)をしちゃ居るが、でかい子馬(てんぷらごう)には――

 おにぎりが乗ってるもんだから、(まえ)はほとんど見えん。


「ひひひいぃぃぃぃん?」

 太短(ふとみじか)(くび)一生懸命(いっしょうけんめい)にひねり、つぶらな(ひとみ)で見つめてくる。

 どうした? そこまで振り向かんでも――

 おれの全天球(ぜんてんきゅう)レンズの目玉(めだま)なら、真後(まうし)ろも見渡せる(・・・・)だろう?


 ぽっきゅらぽっきゅらぽぽきゅきゅららら♪

 ぽっきゅらぽっきゅらぽぽきゅきゅららら♪


「この丈夫(じょうぶ)(つく)った馬車(ばしゃ)が、(おも)いんじゃないの?」

 座席(ざせき)(した)(かかと)で、ゴツゴツ蹴る子供(レイダ)


普通(ふつう)馬車(ばしゃ)よりは、(かる)いはずだがなぁ――どうなってる迅雷(ジンライ)?」

(てン)プら(ゴう)ノマナ活性率(かっせイりつ)が、(いちじる)しく低下(てイか)してイま()

「それって、どーいうことだぜ!?」

燃料切(ねンりょうぎ)れ……空腹(くうフく)なのかモ、知れマせ()

 なんだと!?


「……なんか、お腹空(なかす)かなぁい()

 そういやぁ、そろそろ昼飯時(ひるめしどき)ではあるな。

 けど央都(おうと)子馬(こうま)にも根菜(こんさい)にも、饅頭(まんじゅう)を食わせたばかりだぞ?

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