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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
4:龍撃の学院

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510/744

510:ギ術開発部研究所、第一倉庫二階?

「――王家(おうけ)というか、王政(おうせい)に異を(とな)える勢力(せいりょく)制圧(せいあつ)するのは容易(たやす)いニャァ」

 そうなの?

 収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)(なか)から轟雷(ごうらい)を出そうとしたら、ミャッドが(はな)(はじ)めたから聞く。


「けど、それをしてしまっては――魔王討伐(まおうとうばつ)のために締結(ていけつ)された、央都(おうと)ラスクトール自治領(じちりょう)としての正義(せいぎ)が……永遠(えいえん)(うしな)われます」

 ミャッドと(ちが)って、(あお)(かお)のマルチヴィル。


 だろう、それだぜそれ!

 白いの(ルガ)(たす)けるためとはいえ、本丸(・・)のど真ん(なか)城攻めまがい(・・・・・・)のことを(すで)にしてるんだ。

 そーいう(あお)(つら)をして、(こと)に当たるべきだろうがよ!


 そーいう意味(いみ)じゃ魔導騎士団(まどうきしだん)団長(だんちょう)たちの、一糸乱(いっしみだ)れぬ脱兎(だっと)(ごと)き逃げ(あし)

 (なさ)けねぇが、あれが(ただ)しい。


(わたくし)提案(ていあん)があります」

 (あお)(つら)秘書(ひしょ)が、(すす)み出た。

 いつも顧問氏(ミャッド)のうしろに(ひか)えていた、彼女(かのじょ)にしては(めずら)しい。


 どさり。

 彼女(ひしょ)が置いたのは随分(ずいぶん)(ふる)い、一冊(いっさつ)(ほん)だった。


   §


「コチラは簡単(かんたん)説明(せつめい)すると、発掘(はっくつ)指針(ししん)となる古文書(こもんじょ)のひとつなのですが――」

 ぱらぱらと慎重(しんちょう)に、めくられる古文書(それ)


発掘(はっくつ)って(なん)だぜ?」

 仕事柄(しごとがら)(いし)(てつ)(つち)掘りに行く(・・・・・)ことがある、鍛冶工房長(かじこうぼうちょう)ノヴァドが(たず)ねた。


我々(われわれ)魔導騎士団(まどうきしだん)魔術(まじゅつ)研究所(けんきゅうじょ)術開発部(じゅつかいはつぶ)は、魔導騎士団(まどうきしだん)装備(そうび)央都防衛(おうとぼうえい)魔法具(まほうぐ)設備(せつび)日々開発(ひびかいはつ)していますが――」

 (あお)(かお)髭男(ノヴァド)へ向ける、顧問秘書(マルチヴィル)


「――そのうちの何割(なんわり)かは太古(たいこ)時代(じだい)土壌(どじょう)から、発掘(はっくつ)された(もの)なのニャァ♪」

「みゃにゃぎゃみゃー()

 たぶん、そうだな。

 その(なか)ひとつ(・・・)が〝おにぎり(おまえ)〟だ。


「この古文書(こもんじょ)には太古(たいこ)(かみ)から神託し(たまわっ)た、悠久(ゆうきゅう)発掘魔法具(アーティファクト)埋蔵場所(まいぞうばしょ)が書かれているのですが――」

 ぱらぱら、ぺらりとめくられる古文書(こもんじょ)


「その(なか)には既に発掘した(・・・・・・)とされる(チェック)マークが書かれている(もの)もあるニャァ♪」

 顧問氏(こもんし)がぺたりと、手を置いた部分(ぶぶん)には――『発掘済☑』の図案(マーク)


「この〝☑建国けんこく(さい)龍を封印した(・・・・・・)とされる宝箱(たからばこ)〟を調(しら)べれば、今回(こんかい)事件(じけん)解決(かいけつ)糸口(いとぐち)になるのでは、というのが(わたくし)提案(ていあん)です」

 どうやら、初代(しょだい)ラスクトール(おう)龍を鎮めた(・・・・・)太古(たいこ)のアーティファクトが、今も(・・)宝物庫(そうこ)(ねむ)っているらしい。


 魔導騎士団(まどうきしだん)敷地(しきち)の、おれたちが間借(まが)りしている(がわ)とは反対(はんたい)

 王女(ラプトル)のゴーレム工房(こうぼう)に、ほど(ちか)いあたり。

 つまり城壁(じょうへき)(はさ)んで、壊滅(かいめつ)した央都猪蟹屋(おうとししがにや)があるあたり。


 それほど(おお)きくは無い、魔導騎士団(まどうきしだん)一号倉庫(いちごうそうこ)とやらに行き着いた。


   §


 龍撃(りゅうげき)(たたか)い。建国(けんこく)(いしずえ)となった(たたか)い。

 そのとき封印(ふういん)使(つか)われた宝箱(たからばこ)とやらで、巨木に備えよう(・・・・・・・)って(はら)なのはわかった。


(なに)もねぇじゃんか?」

 倉庫(そうこ)(なか)には、木箱(きばこ)ひとつ置かれてなかった。

「こっちだニャァ」

 すててててと隅にある階段へ(・・・・・・・)駆けていくミャッド。

 そのあとを追い、おれたちは二階(にかい)へ上がる。


(なん)だぜありゃ!?」

 (なん)だぜありゃ?

 さっき一階隅(いっかいすみ)階段(かいだん)を上がるとき一階の天井には(・・・・・・・)あんな穴は(・・・・・)空いてなかったぞ(・・・・・・・・)


「この(した)ニャァ♪」

 不思議(ふしぎ)がるおれたちを置いて、顧問氏(ミャッド)降りる階段(・・・・・)へ飛びこむ。

 秘書(ひしょ)その他魔導騎士団(たまどうきしだん)所属(しょぞく)連中(れんちゅう)次々(つぎつぎ)と、天井(ゆか)(あつ)みを越える(・・・)奥行き(かいだん)を降りていく。


「しゃぁねぇ、おれに(つづ)けやぁー!」

 決死(けっし)覚悟(かくご)階段(かいだん)を降りると、()にあるはずの(から)っぽの一階(いっかい)では無く、(たな)だらけの倉庫部屋(そうこべや)が有った。


   §


「まだ(さき)が、あんのかぁ?」

 はぁひぃ。

「われわれも、ここまで降りてきたのは(はじ)めてだから確証(かくしょう)はニャィが――」

 ニャフフゥ。


「パズル大好(だいす)()

 と豪語(ごうご)する、根菜さま(いおのはら)手先(てさき)器用(きよう)さに(たす)けられていた。

 階段(かいだん)通路(つうろ)をふさぐ鉄格子(てつごうし)には、歯車(はぐるま)が付いた(いた)が取り付けられていて、(した)へ降りるには――

 まるで〝おにぎりの中身(なかみ)〟を組み合わせたときみたいに――

 〝(ひか)(ところ)素早(すばや)く押していくと、最後(さいご)二カ所光(にかしょひか)るからそれを同時(どうじ)押す(・・)〟みたいなことを、しないといけなかった。


 浮かぶ(プロジェクション)(BOT)に乗った根菜(こんさい)が、(たま)から伸びた機械の腕(プロダクトアーム)で――

 コカカカカカッ……コツコツコツコツ……スッタァァン♪

 ガッチャン、ギャリガリカチカチカチッ――――ガコォーン!


 そんな頓知仕掛(とんちじか)けを解くこと、(むっ)つ目。

 ふぉん♪

『>二階の階段から数えて、地下五階になります』


 ぽぅわぽぽぅわわっ――!

 (あか)りの魔法具(まほうぐ)が、ひとりでに(とも)され――

 (あらわ)れたのは、ソコソコの(ひろ)さの部屋(へや)だった。


 フカフカな座布団(ざぶとん)が張りついた、寸足(すんた)らずの長椅子(よつあし)

 そのまえには、(ゆが)んだ大机(おおづくえ)が置かれている。


「あらぁん、これわぁん()

 五百乃大角(いおのはら)(ちか)づくと――ガッキョン♪

 大机(その)天板(てんばん)が、大口(おおぐち)を開けた二枚貝(にまいがい)のように(ひら)く。


「「きゃぁぁぁぁっ!?」」

 子供(こども)たちが逃げていく。


 ヴォヴォヴォォォォォゥン♪

 (かがや)(ひかり)周囲(しゅうい)(はな)つ、浮かぶ球(いおのはら)

 その(たま)(おお)(かく)すように、姿(すがた)(あらわ)したのは――

 五百乃大角(いおのはら)生身の姿(・・・・)


 空中(ちゅう)(うつ)しだされた(ひと)の身は――

 いつだか夜会(やかい)で、浮かぶ(たま)着て見せた(・・・・・)ドレス姿(すがた)

 ああして普通(ふつう)(ひと)のように(ある)いてると、まるで美の女神(めがみ)のように見えないことも無い。


 五百乃大角(いおのはら)映像(えいぞう))が長椅子(ながいす)(すわ)ると――がったん♪

 (ゆが)んだ大机(おおづくえ)手前側(ながいすがわ)にも、細長(ほそなが)(くち)横に(・・)(ひら)いた。

 ズラリと(なら)(しろ)(くろ)の歯を、むき出しにした――

 超古代(ちょうこだい)神代(しんだい)悠久(ゆうきゅう)時代(じだい)の、そのアーティファクト。


召喚(しょうかん)(とう)にあった祭具(さいぐ)に、似ていますららぁぁん?」

 召喚(しょうかん)(とう)にあっただぁ?


「ピアノじゃんか?」

 とはニゲルの言葉(ことば)

 青年(かれ)が知ってるってこたぁ、日の(もと)道具(どうぐ)だ。

 (ただ)し、おれが知らない――おれが死んだ(・・・)(あと)のもの。


 ふぉん♪

『>はい。これはグランドピアノと呼ばれる楽器のようです。猪蟹没後181年のちに、日の本とは別の国で完成しました』

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