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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

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45/744

45:魔法使いの弟子(破戒僧)、VS火吐きオオカミ

「シガミーさま、うしろ(がわ)をおまかせいたしても、よろしいでしょうか?」

「おう、リオレ……なげぇ――リオ(・・)! せなかはまかせとけ!」


「はぅわぁ――――!?」

 白いの(リオ)が、自分(てめえ)の魔法杖……みじけえ懐刀(ふところがたな)みてえなのを、落としそうになってる。

 なに、あわててやがんだ?


「は、はい。(てき)はおそらく(むれ)れで行動(こうどう)する(けもの)です。落ちついて行動(こうどう)してくださいませ」

 しっかりしてくれ、おれもレイダも、魔物(まもの)らしい魔物(まもの)とたたかうのは、はじめてなんだからよ。


 〝魔法つ()()見習い())〟をはさんで、〝薬草師()見習い())〟と〝魔法つかい(リオレイニア)〟が(けもの)()れに相対(あいたい)する。


「シガミー、わたしは?」

「目のまえに(けもの)がきたら、『かえんのたま』を撃てるだけ撃て!」

 レイダがつかえる攻撃(こうげき)魔法(まほう)は、それくれえだからな。

「わかった!」

 おれの左手(ひだりて)剣先(けんさき)のはやさがでねえ死角(しかく)がわをまかせた。


 この陣形(じんけい)ならレイダをまもれる。

 体力(たいりょく)がねえから、ながくは持たねえが、(おおかみ)くれえなら小太刀(いあい)でさばく。


 がさがさ、だだだだっ!

 がさがさ、だだだだっ!

 がさがさ、だだだだっ!


 みぎからひだりから、足音(あしおと)がきこえてくる。

迅雷(ジンライ)(てき)(かず)はわかるか?」


動体(どうたい)反応(はンのう)総数(そウすう)、5でス」


 ヴッ――――光る板(びーどろ)が出た。


『ドレッドウルフ/

 四つ足。火を吐く。毛皮(けがわ)がとれる。

 すじ()ってて、食べるところがない。』


 こんだけか……本当(ほんとう)(めし)のことしか(かんが)えてねえな。

 これならギルドで迅雷(おまえ)がおぼえた図鑑(ずかん)のほうが、色々書いてあったろ。

「(上位権限(じょういけんげん)により非公開(ひこうかい)です)」


「――迅雷(ジンライ)(けもの)正確(せいかく)位置(いち)が、わかるのです……ね?」

 (ねん)をおすような怪訝(けげん)な声。

 肩越(かた)しにみると、(しろ)かおと目が合った。


「はい。リオレイニアの正面(しょうめん)に、ならンで二匹(にひき)、その(おく)にもう一匹(いっぴき)いマす」

「(おい、それ(・・)(てき)居場所(いばしょ)がわかるってヤツ……それもひと目を引くんじゃねーのか?)」


「(これまでのレイダやオルコトリアの様子(ようす)から、さほど注目(ちゅうもく)される機能(きのう)とは(おも)えませんが)」


「ぐぅわぁお、ぐぅわぁお、ぐぅわぁおぉぉぉぉぉん♪」

 (ふし)のついた聞きなれねえ遠吠(とおぼ)え。


 ゴォォォォォォッ!

 遠吠(とおぼ)えの方角(ほうがく)。しげみの向こうから、青白(あおじろ)(ほのお)がとんできた。


 ――――フォフォン♪

 レイダのやたらと(なが)えのとくらべると、白いの(リオ)の杖は短けえ。

 おおきく(うで)をのばし、真円(まる)をえがく。

 攻撃(こうげき)魔法(まほう)じゃねえ……きょうも修行(しゅぎょう)でみた〝(つめ)てえ魔法(まほう)〟だ――――


「――――ぐぅわぁおう!」

 いけねえ、こっちを狙ってるやつが、(ちか)くまで来てやがった。

 白いの(リオ)の戦いが気になるが、こっちはこっちで()()らさねえと。

「(シガミー、みぎ前方(ぜんぽう)からきます)」


 しげみから飛びだす影。


「(おう、みえてる)」

 シュッカン――――小太刀(こだち)を抜く。

 おれのあたまに今にも、飛びつこうとしてる四つ足の(けもの)

 その前足(まえあし)をとらえる――――ズバシッ!


 みためは(おおかみ)そっくりだ――――ごきりっ!

 前足(まえあし)、あばらを寸断(すんだん)し、真ん中の骨で、(やいば)()まった。


 子供(ガキ)のからだはだめだ、どうしたって距離(ながさ)()んねえ!

 (こいつ)(よこ)からなら切れるが、(たて)だと両断(りょうだん)できん。


 飛びかかってきた、いきおいは止まらず、このままじゃ(きば)をくらいそうだ。


「(迅雷(ジンライ)、なんとかしろ!)」

「(ご心配なく、シガミー)」

「(なにが大丈夫だってんだぁ!? (おおかみ)(くち)のなかが、よくみえらぁ!)」

 ん? (ちゅう)にういた(けもの)(おおかみ)そっくりのやつ。

 その口のなか。

 ひかりの(すじ)が、(えん)(えが)いていく。


 そっか、迅雷(ジンライ)内緒話(はなし)してるときに、〝魔法(・・)〟をみるとこうなんのか。

 すこしゆがんだ、いびつな(えん)()じられ、回転(かいてん)する。


 ひかりの()がまわると(たま)に――――ゴォウ!

 (たま)のなかに、()きだす火炎(ほのお)


 その灼熱(しゃくねつ)のしっぽが、(のど)のおくへおちていく。

 なるほどなぁ、あのしっぽに押されて魔法(まほう)ってのはとびだしてんのか。

 なんていってる場合(ばあい)じゃねえ。

 まる()げわぁ、ごめんだぜ。


 からだを(うご)かそうにも、(うご)いたら火炎(かえん)(たま)がとんでくる。

「((ジン)――――!!!)」



 フォフォフォォン――――♪

 おれの(かお)(よこ)

 なんかまぶしいのが浮いてた。

 うなりを上げているのは、ひかりの(ぼう)


 (ぼう)のなかで、なにかが……(しろ)(けむり)がうねってる。

 こりゃぁ――(つめ)てえ魔法(まほう)か!?


 まわりが、もとにもどる――――パシュルッ!

 (おおかみ)(くち)のなかに、一瞬(いっしゅん)で飛びこむ(つめ)てえ魔法(まほう)


 ボッファァン――――ぎゃぅんっ!

 いまにも火を吐こうとしていた(おおかみ)もどきが、ふっとんだ!


「シガミーさま、ご無事(ぶじ)ですか!?」

 むぎゅっ――爆発(ばくはつ)衝撃(しょうげき)呆然(ぼうぜん)とするおれを、だきしめる白いの(リオ)


「(シガミー、直上(ちょくじょう)動体(どうたい)反応(はンのう)!)」

 また、まわりが()まる。


 迅雷(ジンライ)がいねえ前世(ぜんぜ)でも、こういうのは度々(たびたび)あった。

 いくさ場で、まわりの雑兵(ぞうひょう)がおそくみえたり。

 修行(ぎょう)最中(さなか)に、とんでもねえ(とお)くの木の、葉の一枚が間近(まぢか)でみてるように、はっきりみえたり。


 しりもちをついたレイダが、こっちを見てる。

 よし、怪我(けが)はなさそうだ。


 おれは、まうえを見あげる。


 (ねこ)みてえな(かざ)りのついた(そで)

 ほそい(ゆび)につかまれた、長さのない魔法(まほう)(つえ)


 おれたちに(ねら)いをさだめ、落ちてくるのは、さいごに(のこ)った(けもの)――――ゆらぐ(つえ)のさき。


 ――――――――ガラララララララッドッシャァァァァァァン!!!

 (てん)()かって、かみなりが落ちた(・・・・・・・・)

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