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445/743

445:コントゥル家家宝(ジンライ)、VS完全フル装備リカルルその2

横取(よこど)りするみたいでぇ、オルコトリアにわるいかしらねぇぇぇ――最愛(さいあい)宿敵(しゅくてき)(ひざ)をつかせてしまうな・ん・てぇー、くーすくすくす♪」

 そういや化け兎退治(バリアントたいじ)のとき、姫さん(リカルル)とも一悶着(ひともんちゃく)あったっけな。

 すっげぇー……(たの)しそうだぜ。

 おれはニゲル青年(せいねん)を、(こころ)(そこ)から尊敬(そんけい)する。


「カカカカッ――――ガムラン最凶(さいきょう)(うた)われた、その絶技見(ぜつぎみ)せてみよっ()

 手甲(てっこう)(さき)機械腕(プロダクトアーム)(ラージ))で、落ちてきた〝(ひづめ)のロッド〟をつかむ天狗(てんぐ)細身の大鎧(いのめシリーズ)片喰(かたばみ)】。


 ぽこん♪

『亥の目シリーズ一式【片喰・蹄】

 伝説級の魔物を象った武器防具一式。

 攻撃力320。

 防御力3280。

 条件効果/【片喰】この鎧を攻撃した対象に、状態異常〝♡〟を付与。

      ♡状態となった対象への魔法攻撃は、一切通らなくなる。

 追加攻撃/戦闘状態が解除されるまでに、文様を完成させることで、

      対象の残存HPに応じた一撃を、放てるようになる』


 天狗(ジンライ)が〝(ひづめ)のロッド〟をつかんだら、上級鑑定じょうきゅうかんてい結果(けっか)更新(こうしん)されたが――

 (てき)魔法攻撃(まほうこうげき)(たい)して無敵(むてき)にする、状態異常(じょうたいいじょう)〝♡〟ってのがさっぱり意味(いみ)がわからん。

 (てき)(つよ)くして、どーするつもりだ?

 さすがは、ミノタウ装備(そうぶ)としか言いようがねぇ。


「コンコォン――♪」

「クカカカッ――!」

 対峙(たいじ)する狐娘(リカルル)と、テーティファクト天狗(ジンライ)


 迅雷(ジンライ)が折られることはねぇから、心配(しんぱい)はいらねぇが――

 まずは(てき)さんの(けん)を、鑑定(かんてい)しとく。


 ふぉふぉん♪

『まがい物の聖剣【匠スペシャル】

 攻撃力287。聖剣の柄を再利用した業物。

 剣速に補正が付くが、攻撃力は高級品並み。

 度重なる修復により、強度UP。

 追加効果/AGI+78』


 まえにおれが収納魔法具(しゅうのうまほうぐ)で、自動的(じどうてき)(なお)したときのままだ。

 ひたすらに(はえ)(けん)で、あの切っ(さき)はスキル無しでも一瞬(いっしゅん)で飛んでくる。


「――ココォォン」

 ぼっごぉぉぉぅわぁぁぁぁぁぁぁっ――――――――!!

 んなっ、機械(きかい)の尾から吹き出す――狐火(きつねび)


 あの甲冑(かっちゅう)なぁ。なんでかうまく鑑定(かんてい)できねぇんだよなぁ。

 出来(でき)ねぇというか、気が()れるというか。


 ふぉふぉふぉん♪

『朱狐シリーズ【多目的機動戦闘四足歩行車両】

 古より伝わる最古のアーティファクト。

 攻撃力{…算出中}。防御力{…算出中}。

 条件効果/搭乗者の総合評価により変化。

 追加攻撃/搭乗者の{■■■■}に応じ算出。』


 お? (はじ)めてまともに見れたが――どういうわけだこいつぁ?

 数字(すうじ)が読めんし、読めねぇ文字(もじ)もありやがる。

 それと字面(じづら)が、『極所作業用汎用強化服(シシガニャン)』に似てね?


 ふぉふぉん♪

『>リオレイニアの仮面が追加されたことでAOSが、

  システムの再構築を行っているようです。

  それと類推になりますが、最古のアーティファクトと言うことは、

  イオノファラーの兄、オノハラレン謹製の疑いがあります。」


 兄神(あにがみ)さまかっ!

 たしかルリーロの装備(そうび)を、(つく)ったとか言ってたな。

 じゃぁ派手な甲冑(こいつ)も、そうだってことか。

 なら、そうとう凝った作り(・・・・・)のはず。

 しかも妖狐(こうこ)のための、装備(そうび)だったってこったろぉ?


 なら、おれと(たたか)ったときの、四つ足(・・・)尻尾(しっぽ)(うご)きを参考(さんこう)にしろ!


 ふぉん♪

『>了解です』


 ガリガリガリリッ――――突きたてられた(つめ)が、石床(ゆか)(けず)る。

 ぼっごぉぉぉぅわぁぁぁぁぁぁぁっ――――――――!!

 機械(きかい)の尾から吹き出す――狐火(きつねび)(いきおい)いは止まらねぇ!

 対魔王結界(たいまおうけっかい)(はし)まで(とど)く、青白(あおじろ)い尾。


「いきますわよ、テェーング・さ・まっ――――!」

 石床(ゆか)を割るほど踏みしめていた、(あし)手甲(てっこう)鉤爪(かぎづめ)

 ソレがガッガンッと、抜きとられた。


 その場に(とど)まったのは、一瞬(いっしゅん)

 ギャギャガギャギィィッィンッ――――――――――――――――!!!!

 散る火花(ひばな)

 上下(じょうげ)を入れ替える――七天抜刀(しちてんばっとう)根術(こんじゅつ)(ろく)(かた)

 ドッゴゴゴゴォォォォォォォンッ!


 狐火(きつねび)(いきお)いで(からだ)飛ばしてきた(・・・・・・)妖狐の娘(リカルル)

 それを、おれが前世(ぜんせ)(つちか)った僧兵(そうへい)としての集大成(しゅうたいせい)

 (こん)使(つか)った飛翔技(ひしょうわざ)で、華麗(かれい)に避ける天狗役(ジンライ)


 (ひづめ)のロッドを(はじ)かれながらも、天井(てんじょう)をガガンッと高下駄(たかげた)……じゃねぇや、大鎧(おおよろい)(くつ)で踏みつけた。

 天井(てんじょう)に張りついてる(ところ)を見ると、栴檀草の形状(ゲタスベール)靴裏(くつうら)塗った(・・・)ようだ。

 やろうと(おも)えば、ずっと蝙蝠(こおもり)みてぇにぶら下がっていられる。


 ふぉん♪

『>量子記述的に再配置された、表面構造を塗布してありますが、

  演算単位の使用もなしに、生身の体で同様に張りつくことは、

  本来、不可能です。』

 不可能(ふかのう)だぁ? おれぁ天井(てんじょう)に張りついて、すべることも出来(でき)るぞ?

 たしかにコツは、要るが――


 ドゴガガガァン――――!

 まるで大筒(おおづつ)を撃たれたような、騒音(そうおん)

 爆発(ばくはつ)する(かべ)。突き刺さる、(あか)(きつね)


 ふぉん♪

『>壁に張りつくなら、あのように爪を突きたてる必要があります』

 じゃぁやっぱり、このシガミー(おれ)(からだ)異様(いよう)なまでに、研ぎ澄まされてるんだな。


 グリン、グリン?

 (かべ)に張りついた(あか)狐耳(きつねみみ)が、天狗(てんぐ)(さが)して(くび)(まわ)している。


「あら? どこォ――ON(おぉん)!」

 「どこ行った」の(くち)ぶりで、真言(しんごん)(とな)えやがった。

 まだ()使(つか)(かた)(なら)ったばかりだろぉっ!


 ぎちり――――――――シュッボゥ!

 ドーム(じょう)中央(ちゅうおう)分断(ぶんだん)していた、リカルルが(のこ)した狐火(きつねび)

 ごぉぉぉぉぉぉぉっぉぉわわわわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――――!!!

 その(ねつ)のない(ほのお)(かぜ)(あお)られたように、(ひろ)がっていく。


「(ちっ、燃えやしねぇが、おれぁ逃げるぞ!)」

 ヴッ――――くるくる、じゃりぃぃんっ♪

 (せま)り来る仄暗(ほのぐら)(ほのお)を、高下(たかげた)駄で跳び越え――

 錫杖(しゃくじょう)を、力一杯(ちからいっぱい)――ガカンッ!

 (ジンライ)(なら)って(ろく)(かた)。を使って、階段(かいだん)まで跳んだ。


「ココォォォォン――――!!!」

 カシャカシャカシャカシャ、カシャカシャカシャカシャ!

 左右(さゆう)に振られる一対(いっつい)の、機械(きかい)()

 ぼっごぉぉぉぉぉぉわぁぁぁぁぁぁぁあぁっ――――!

 すべての石床(ゆか)(あお)く染めた(いのち)灯火(ともしび)が――――ギュルルルウルルルッ!

 (うず)(えが)いた!


 ギラァァン――――!

 階段(おれ)足下(あしもと)(ひか)った。

 おれを(ねら)ったのかと(おも)ったが、(ちが)う――


「〝狐火・(ウィルオーウィス)仙花(プ・レーザー)〟――じゃねぇ!?」

 標的(ひょうてき)をめがけ直進(ちょくしん)、もしくは曲進(きょくしん)するはずの――

 超高温(ちょうこうおん)(ねつ)を帯びた、鬼火怪光線(おにびかいこうせん)


 それがドームの周囲(ふち)(めぐ)るように、弧を(えが)いている。

 その端はなく(・・・・)、輪になって繋がっていた(・・・・・・)

 まるでおれが真言(しんごん)使(つか)うときに(えが)く――

 真円(しんえん)のように。

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