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404/743

404:魔法使いシガミー、404NotFound

「まったくもう、アナタたちときたらっ!!! どうしていつもいつも、(おも)いもよらないことを起こすのですかっ!?」

 ここは、いまさっきおれたちが追い詰められた、三つ(また)建物(たてもの)

 その一階玄関(エントランス)


「おいオマエ、言われてるぞ?」

 おれは、いつもいつも(わる)さをしているわけじゃねぇからな。


「え? 言われてるのは、(きみ)だよね?」

 魔法杖(まほうつえ)で、(つつ)いて来やがった。

 ソッチがその気なら、こっちだって――

 ベルトに刺しておいた独古杵(ジンライ)(たん))で、(つつ)きかえしてやる。


 ふぉん♪

『ヒント>404NotFound』

 迅雷(ジンライ)をつかんだら、ヒントが(なに)かを(つた)えてきた。

 わから――


 ――くるん!

 目のはしで、リオの(ちい)さい魔法杖(まほうつえ)一閃(いっせん)

 ――――――――ガラララララララッドッシャァァァァァァン!!!

 (つえ)(さき)から、空中(ちゅう)に落ちる稲妻(いなずま)


「「「「「「「「「「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!?」」」」」」」」」」

 おれとこいつと、(おな)じフロアにいた学校(がっこう)事務方(じむかた)たちが――

 一斉(いっせい)にひっくり(かえ)った!


「お、おい、こりゃ本気(ほんき)だぜ」

 となりを見たら、魔術師(まじゅつし)帽子(ぼうし)が落ちて――

「う、うん、相当怒(そうとうおこ)ってるね」

 その(かお)が見えた。

 (しず)かな(こえ)と、美の女神(いおのはら)をも(とりこ)にしたリオレイニアの家系(かけい)

 どんな(かお)してやがるんだと(おも)ってたが――


 リオレイニアと(おな)(ぎん)(かみ)

 (かた)までの(かみ)一房(ひとふさ)、編み込んであり――

 (なが)糸切(いとき)り歯が、(くち)から(のぞ)いている。


 なんというか――とても愛嬌(あいきょう)のある(かお)だ。

 人心(じんしん)(まど)わす、リオの素顔(すがお)

 そういう姿形(すがたかたち)魅了(みりょう)スキルは持ってなさそうで、ひとまず安心(あんしん)したが。

 それでも――ガムラン代表(リカルル)には会わせねぇ(ほう)が良いだろうなー。


「ほら、つかまれ」

 飛び起きて手を差しだすと――

「ありがとう」

 かわいらしい子供(こども)が、手を取り(わら)った。


「「「「「「「「ま、魔神(まじん)再来(さいらい)!!」」」」」」」」

 リオレイニアから(あと)ずさる、大人(おとな)たち。


 (おそ)れられるリオレオニア。

 おれたちは、そのかたわらへ(ある)いて行く――


「ごめんなさい」

 目を伏せ、(かた)をすくめる子供(こども)

「かたじけないでござる」

 おれも(こうべ)を垂れた。


「ぷくくくくくっ……ひそひそ……な、なぁにその言葉(ことば)ぁ!? カタジケーゴザル……ぐふふひっ♪」

 横目(よこめ)で見たら、むこうも横目(よこめ)でコッチを見ていた。

「なんだとっ……ひそひそ……由緒正(ゆいしょただ)しい、お武家(ぶけ)言葉(ことば)文句(もんく)を付けるなってんでぇい!」


「あなたぁたぁちぃー?」

 〝魔神の再来(リオレイニア)〟が、さっき(そら)を飛ぶのに使(つか)ってた、(はしら)みたいな魔法杖(まほうつえ)を取りだし――ゴッゴン♪


「「――っ!?」」

 (こえ)にならない(こえ)をあげる、おれたち。

 こいつもリオの縁者(えんじゃ)なら、その(おそ)ろしさは知っているのだろう(・・・・・・・・・)


「「「「「「「「ま、魔神(まじん)再来(さいらい)再来(さいらい)――――!?」」」」」」」」

 我先(われさき)にと、逃げていく大人(おとな)たち。


 ヴァチヴァ――――――――――――――!?!?

 今度(こんど)空中(ちゅう)に落ちる稲妻(いなずま)が、とぐろを巻き――――

 あまりにも強烈(きょうれつ)(ひかり)は、漆黒(しっこく)(かげ)(つく)り出す!


 ――――――――ガラララララララッドッシャ――ぽふん♪

 「んぁ、不発(ふはつ)か?」そう(おも)って(うえ)を見たら――ボッガァン♪


 吹きぬけの(たか)天井(てんじょう)に取り付けられていた――魔法具(まほうぐ)のようなもの。

 それが爆発(ばくはつ)した。


 ゴゴガァァン、ボボボゴゴゴッ、ゴガガァァァァァァァァァァンッ!!!!!!

 爆発(ばくはつ)騒音(そうおん)は、なぜか(そと)へと(つづ)いていく。


「な、(なに)ごとですか!?」

 不測(ふそく)事態(じたい)周囲(しゅうい)を見わたし、クルクルと(まわ)給仕服(メイドふく)


 直接(ちょくせつ)魔法具(まほうぐ)(ねら)ったわけじゃないが――

 ぶっ(こわ)したのは、間違(まちが)いなく彼女(リオ)高位(こうい)魔法(まほう)だ。


 ふぉふぉん♪

『>シガミー、5秒後にINTタレット迅雷復帰します』

 お?


「目ぇ覚ましたか、迅雷(ジンライ)♪」

 パラパラと落ちてくる瓦礫(がれき)を避け、うしろの(かべ)まで避難(ひなん)する。

(だれ)(はな)してるの?」

 あとを付いてくる子供(こども)(かわいい)。


 おれのベルトから独古杵(どっこしょ)が、ひとりでにすっぽ抜けた。


「ハじめまして。オ(じょウ)さン。(わたクし)ハインテリジェンス・タレット。形式(けいシき)ナンバーINT(アイエヌティー)TRTTティーアールティーティー01(ゼロワン)デす。以後(イご)おみしりオき()

 ヴォヴォォォン♪

 (ひく)(うな)りは、神力(しんりょく)使(つか)っている(あかし)だが。

 (ひと)によっちゃ、(あつ)(かん)じる。


(しゃべ)った!? まさかアーティファクト!?」

 口元(くちもと)両手(りょうて)をそえる子供(こども)(かわいい)。


「おう、おれの相棒(あいぼう)迅雷(ジンライ)だぜ!」

 おれは独古杵(ぼう)をつかみ――シュッカァァン♪

 1シガミーの(なが)さにのばして――ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュルルルン♪

 かるく振りまわす。


「伸びる(ぼう)のアーティファクトを(あやつ)る、(きん)(かみ)(おんな)の子……まさか、シガミー御一行様(ごいっこうさま)の……リーダー?」

 その(おお)きな(ひとみ)が、さらに見開(みひら)かれた。


「おぅ、リオから聞いてたのか? おれがガムラン(ちょう)のアイドル、泣く子も(だま)るシガミーさまだぜっ!」

 見得(きえ)を切ってやった。

 (なに)ごとも、最初(さいしょ)肝心(かんじん)だからな。


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁっ!? ――(つえ)よ!」

 ヴォォーゥン♪

 背負(せお)ってた(つえ)を、パシリとつかみ――

 出会(であ)ったばかりの子供(こども)(かわいい)が――

 脇目(わきめ)も振らずに、飛んで逃げていった。


(きラ)われてしマいました()……」

 落ち込む迅雷(ジンライ)


「いや、突然(とつぜん)(おまえ)を振りまわした、おれが(わり)ぃ……」

 おれは迅雷(ジンライ)をシュルル、カチリ♪

 独古杵(どっこしょ)サイズに(もど)し、(ちか)くの椅子(いす)(すわ)った。


 目のまえには、大勢(おおぜい)大人(おとな)たちに魔法杖(まほうつえ)を向けられ――

 両手(りょうて)を挙げるリオレイニアの姿(すがた)

 仮面(かめん)(した)(かお)が、(あお)ざめているのがわかる。


「はぁ、(なん)かもう、色々(いろいろ)駄目(だめ)だな……」

 レイダの用事(ようじ)が済んだら、(れい)のコントゥル家御用達(けごようたつ)箱入(はこい)りの菓子(かし)を――

 買いに行こうと、(おも)ってたんだがなぁ。


 ふぉふぉん♪

『>特撃型シシガニャン10号改、ならびに轟雷を、

  使用可能状態で待機させますか?』


「(ばかやろーう! (ねん)のため準備(じゅんび)だけしとけやぁ……)」

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