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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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387/744

387:龍脈の回廊、一時休戦

「よし、退治だぁ! 迅雷(ジンライ)()――ニャァ()

「お待ち下サい、シガミー()

 惡神(わるがみ)退治(たいじ)を止める、相棒(ジンライ)


 そのとき、ジタバタしてたタターの(ひじ)が――

 青年(ニゲル)に、ぽかりと当たった。


「むにゃぁ? あれ、(ぼく)一体(いったい)!?」

 あたまに猫耳(ねこみみ)を付けた(ニゲル)が、目を覚ました。


「ニゲル。(わタし)肩代(かたガ)わりシていた、身体操作(パワーアシスト)解除(かいジょ)しマす。タターヲ落とさないよウに、注意(ちゅウい)してくだサ()

 爪楊枝(つまようじ)みてぇな相棒(ぼう)が――ヴォヴォヴォォオオン♪

 飛んで来た。


「へっ、はぁぁ? ――――うわっととととと、あぶない!」

 しがみ付く少女(タター)を、かかえ(なお)青年(ニゲル)

「きゃぁぁぁぁっ――!?」

 いま、(かれ)のスマートフォンは、ビデオ通話(フォン)が切れている。

 もし、(いま)姿(すがた)をラプトル王女殿下(おうじょでんか)に見られていたなら――

 彼女(かのじょ)は、卒倒(そっとう)していたことだろう。


「レイダ、怪我(けが)はありませンか()

 爪楊枝(ジンライ)惡神退治(わるがみたいじ)そっちのけで、レイダの様子(ようす)を見に行く。

大丈夫(だいじょうぶ)ー、迅雷(ジンライ)わぁー?」

問題(もんだい)ありまセ()

 子供(レイダ)面倒(めんどう)を見させておくか。

 けど、そのまえに――


「(五百乃大角(いおのはら)はどうしてる!?())」

 あの大飯食(おおめしぐ)らいに、もしものことがあったなら――世界(うつつ)が終わりかねん。

 もっとも、(あた)りのひでぇ有り(さま)は、その終わりが始まってる(・・・・・・・・・)のかもしれねぇがなぁ!


「うふふ、心配(しんぱい)いりませんよ。イオノファラーさまはいまごろ、ガムラン(ちょう)超女神像(ちょうめがみぞう)復旧(ふっきゅう)に、ご尽力(じんりょく)なさっていると(おも)われますわ()

 念話(ねんわ)もミノタウ語も、姿(すがた)を変えて見せる大道芸(だいどうげい)も――すべてが消えた。

 (あい)くるしくて、聡明(そうめい)そうな童女(おれのからだ)が――

 でけぇ子馬(こうま)が乗った大岩(おおいわ)ごと、(なが)されていく。


「やい、惡神(わるがみ)め! この有り様(・・・)わぁ、てめぇの仕業(しわざ)()――ニャァ!?()

 とおくに見えてた(むら)が、(ちか)づいてきてる。

 (どろ)が湧くようなうねりこそ、鳴りをひそめてきたが――

 まだまだ(あた)りは、(ひと)(ある)ける状態(じょうたい)じゃねぇ。

 これがこの大陸中(たいりくじゅう)で、いやこの惑星中(ほしじゅう)で起きてるなら――

 おれたちが(かえ)場所(ばしょ)は、どこにもなくなる。


「まあ、そうですけれど――ここまでしなければシガミーさんを再生出来(さいせいでき)なかったのですから、(いた)(かた)ありませんでしょう? くすくす?」

 はぁ? お(まえ)さまが、おれを(もと)(もど)しただぁ!?

 何言(なにい)ってやがる?


「お(まえ)さまがぁ、おれの(からだ)(うば)いやがったからぁ――おれの(からだ)がこんなになっちまったんだろーが()――ニャァ()

 ガガッキュゥゥン♪

 レイダが居ねぇ(ほう)(うで)を、持ち上げて見せた。


「シガミー。ひとまずレイド(むら)まで、移動(いどう)しないかい?」

 大岩(おおいわ)に飛び乗る、青年(せいねん)ニゲル。


 正面(しょうめん)にニゲルを、(とら)えた途端(とたん)――

 メキメキメキメキ、バギュバギュゴゴッ――――!!

 大角(つの)が伸びて枝分(えだわ)かれし、(かれ)(おそ)う。


「きゃぁぁぁぁ――――!」

 (わめ)くメイド・タター。いつだか神域惑星(しんいきわくせい)に、付いて来ちまった(やつ)だ。

 いつもレイダと(あそ)んでくれるし、(たす)けてえが――

 太刀(たち)を飛ばすか――

 (つの)大本(おおとも)である、鉄鎧(おれ)が飛びのくか――


 なんて(かんが)えてたら、ニゲルが(こし)(けん)に手をかけた。


 ザリザリザリ――抜かれようとする鍵剣(かぎけん)セキュアに、手を添え止める――

 惡神可憐(わるがみかれん)(かや)(ひめ)(おれの(からだ))。

 大岩(おおいわ)に降り立った童女(わらし)が、目のまえにまで伸びた大角(つの)を――

 (ちい)さな手のひらで、ぺちりと(はた)いた。


「ギャギャォォオオオォォオォオオォォオォオォォォォッ――――!!!!!!!!」

 おれの装甲板(むないた)悲鳴(ひめい)をあげ――

 シュルシュル、バキバキィン♪

 大角(おおつの)が、一瞬(いっしゅん)で引っ込んだ!


 太角(そいつ)が、おれの鉄の体(からだ)に食い込むんじゃねぇかと身構(みがま)えたが――

 そんなことにはならず。


「ふぅ、(たす)かったよ!」

 ニゲルも(むね)をなで下ろす。

 ミノタウロースの厄介(やっかい)さは、生前(せいぜん)のおれから聞いて知ってるからな。


「(星神(ほしがみ)よぉ、お前さんわぁ――ミノタウロースを、押さえられる(・・・・・・)のか())」

「(はいはい、可能(かのう)ですわ、くすくす()

 ルリーロとは又違(またちが)った(かん)じで、つかみ(どころ)がねぇが――


 画面()(はし)(うつ)し出されてる地図(ちず)に、(あか)(いろ)三角(さんかく)はない。

 敵意(てきい)を持つ(やつ)が、居ない証拠(しょうこ)だ。


「(よし、一時休戦(いちじきゅうせん)だ。いいな星神(ほしがみ)())」

「(はいはい、よしなにですわ。くすくすくすくすくすくす())」

 はいは一回(いっかい)。くすくすも二回(にかい)までにしとけやぁ。


「あれ、これ(むら)に向かってないかい?」

 ゆっくり、じわじわ、ごとごと、がりがりと――

 ニゲルが言ったとおりに、街道(かいどう)(むら)へ向かって流れ始めた(・・・・・)


 少女(しょうじょ)メイドと星神(ほしがみ)メイドを、でけぇ子馬(こうま)に乗せてやる青年(ニゲル)

 やっぱりニゲルは、良いやつだ。


「(ついさっきまで、「あの野郎(やろう)(なに)がなんでも二つに(・・・)してやる!」と、(かんが)えてたんだが――())」

 そんな気持(きも)ちは、すっかりなくなってる。


「じゃぁ、このまま(いわ)に乗って、(むら)まで行くか()――ニャァ()

 おれたちは、レイド(むら)まで(なが)されていくことにした。


「シガミィー、そこに居るぅー?」

 かるく(にぎ)った手の(なか)から、そんな(こえ)がした。


 レイダ(おまえさん)をつかんでるのは、おれなんだから――

 居るに決まってんじゃぁねーかぁ!

 などと言えるわけもなく。


「おウ、どーシた()――ニャァ()

「おにぎりちゃんわぁー、ちゃんと(もど)せるのぉー?」

 おにぎり? あいつもこっちに来てんのか?

 いや、「(もど)せる?」ってなんだ?


「そうだ、おにぎりの(たまご)を、レイド(むら)神官(しんかん)さまに(あず)かってもらってたんだった!」

 ニゲルが、街道沿(かいどうぞ)いの(なな)めになった木々(きぎ)足場(あしば)にして、すっ飛んで行った。


「なんでい、なんでぇぇい!? 一体全体(いったいぜんたい)、どーなってやが()――ニャァ()

 迅雷(ジンライ)、せつめー。


(はナ)せバ(ナが)くなりますノで、まズは手ヲ(ひラ)いテ(くダ)()

 手を(ひら)くと、(なか)から――

 迅雷(ジンライ)をうしろ(あたま)に貼り付けた子供(レイダ)が、姿(すがた)(あらわ)した。

 その手足(てあし)には、機械腕(プロダクトアーム)が巻き付いている。


 おい、気ぃー付けろよ?

 金剛力(パワーアシスト)わぁ、馴れてねぇと怪我(けが)するからな?


「(ご心配(しんぱい)なく、(わたし)操作(そうさ)しまスの())」

 なら、良いがなぁ。


 どんぶらどんぶら、ごとごと、がたがた♪

 この調子(ちょうし)なら、すぐに(むら)に着きそうだ。

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