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滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~  作者: スサノワ
3:ダンジョンクローラーになろう

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386/744

386:龍脈の回廊、三途の川

 メキメキメキメキメキエメエキメキメキ!

 (つの)がおれの装甲(からだ)をかち割って、出てこようとしてる。


 ふぉん♪

『ミノタウロース/

 二足歩行。巨大な角に小さな蹄。

 手が付けられないほどの乱暴者。

 すじ張ってて食べるところがないが、

 一匹につき500グラムだけ採れるヒレ肉は、

 値が付けられないほどの珍味。

 ただし二本ある角を破壊した後、とどめを刺さないと固くなる。

 ミノタウロースのヒレ肉シャトーブリアン、

 それは見ただけでも、一生自慢できるほどに希少。』


 やかましい!

「(そんな食材情報(しょくざいじょうほう)はいらん!)」


「(シガミーさん、聞こえますか? あなたの(こころ)直接(ちょくせつ)(かた)りかけています、うふふ?)」

 (だれ)でぇい、お(まえ)さまわぁ?


「((わたくし)、カヤノヒメと(もう)します、くすくす?)」

 茅野姫(かやのひめ)だぁ? まさか、こんな来世(らいせ)野椎神(のづちのかみ)でもあるめぇし――

 やい迅雷(ジンライ)(だれ)でぇいこいつぁ?


「(シガミー消失後(ロストご)再生(さいせい)した、シガミーの(からだ)に取り付いた――)」

「((なに)ぃ――悪霊(あくりょう)か!? 退治(たいじ)すっか!)」


「(いいえ、草木(くさき)干渉(かんしょう)する性質(せいしつ)から、鹿屋野比売神(かやのひめのかみ)にちなんで、(わたし)命名(めいめい)しました。本人(ほんにん)(べん)によるなら、この世界(せかい)大地(だいち)がある惑星(わくせい)ヒースを(つかさど)星神(ほしがみ)のようです)」

「((なに)ぃ――(ほし)(かみ)か!? 退治(たいじ)すっか?)」


「(くすくす。ようやくお会いできましたのに、退治(たいじ)されては(こま)りますわ。それでは――)この姿(すがた)なら見覚(みおぼ)えも、御座(ござ)いますのではありませんか――()


 ぽっきゅぽぽぉぉぉん♪

 騒々(そうぞう)しい(おと)を立てて――ぽぎゅむん♪

 目のまえの大岩(おおいわ)に降り立ったのは――――!?


「なんだぁ、その王女(おうじょ)(つく)った(うま)みてぇな(なり)()――ニャァ!?()

 それは、四つんばいになった強化服(おにぎり)が、(くび)を伸ばして(かお)(ほそ)くして、(あし)をニョキニョキと伸ばしたような姿形(すがたかたち)


「(ますますもって、あやしいぜ! 退治(たいじ)すっか?)」

「その子はねぇ――あたしとタターちゃんと王女(おうじょ)さまが(つく)ったんだよ♪」

 おれの手の(なか)から、自慢(じまん)げな(こえ)が聞こえる。


 ガガァン!

 おれの(かた)に降り立った、(くろ)(ふく)青年(せいねん)

 (かか)えられたメイド(ふく)少女(しょうじょ)が――

「な、なまえわぁ、テンプーラゴウですぅ!」

 じたばたと藻掻(もが)いてやがる。

 あんまり(あば)れると落ちるし、ミノタウロースの大角(おおつの)に突かれねぇように気を付けろよなぁ。


天風羅睺(てんぷうらごう)! (あま)かける(かぜ)(ごと)く、日月(ひがつ)を喰らう……ようにはとても見えねぇが?」

「ひひひぃん? ひひひひぃぃぃぃん?」

 間抜(なむ)けな(つら)。おにぎりそっくりの(いろ)毛皮(けがわ)

「こやつが、(ほし)(かみ)ぃだと()――ニャァ()


「いいえ、その背にしがみ付いているのが、(わたくし)ですわ、くすくす()

 子馬(こうま)の背っつうか(しり)にしがみ付く、やっぱりメイド(ふく)の――――――――!?


「おれだ!? おれが居やが()――ニャァ!?()

 (きん)(かみ)(かぜ)に舞う。

 とお目で見ても、華奢(きゃしゃ)(からだ)

 見てくれだけなら、ガムラン(ちょう)のコントゥル家関係者(けかんけいしゃ)や、央都(おうと)のしゃらあしゃらした連中(れんちゅう)にも引けを取らねぇ。

 居るだけで、その場が(あか)るくなるような――

 将来(しょうらい)(たの)しみなくらいには、綺麗(きれい)(つら)(わらし)だ。


 (はた)から見りゃ――よくもあんな背格好(なり)で、戦闘狂(リカルル)や、妖怪狐(ルリーロ)変異種(ばけうさぎ)なんかを(たお)したもんだぜ。


「ゴゥゴォォゴォォオオオォォオォオオォォオォオォォォォッ――――!!!!!!!!」

 うるせぇ。

 メキメキバキバキ!

 隙間(すきま)から出てくるには鋼鉄(こうてつ)胸板(むないた)を、こじ開けなけりゃならねぇ。

 ギュギッチャゴ!

 鎧武者(からだ)を起こし、装甲板(むないた)をガガンと(たた)いて締めた!


「(あたりを(なが)れる大地(だいち)のうねりが、(よわ)まってきています)」

 おう、おれが(うご)けるようになるまでに、ミノタウ(こいつ)(たお)(かた)(かんが)え――


「ぎゃぁ、うるさい!」

 子供(レイダ)(おこ)ってやがる……(わり)ぃ。

 ミノタウめ、(おこ)られちまったじゃねぇーか!


私の姿に(おうがり)見覚えは(ばさがる)本当に(これそこの)有りませんか(シガミーやぁぃ)?」

 でけぇ子馬(こうま)(しり)に、しがみ付いた星の神(おれ)が――

 (はっ)した言葉(ことば)が、不吉(ふきつ)神々(こうごう)しくて――うさんくさく(かん)じた途端(とたん)


 生身(なまみ)の、星の神(おれ)姿(すがた)が――

 白髪(はくはつ)老人(ろうじん)のようにも――

 眉目麗(みめうるわ)しい(わか)(おんな)のようにも――

 (やり)(かたな)酒瓶(さかびん)のようにも――


「おまえっ――三途(さんず)(かわ)に居た、自称神(じしょうかみ)だなぁあ()――ニャァ!?()

じゃからのう、(ゴゥゴォォゴォォ)最初からそう言っとる(オオオォォオォ)じゃろうがのうぉうオオォォオォオォォォォッ――――!!!!!!!!」

 メキメキバキバキ!

 うるせぇ。

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